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バルダーズゲート攻略記
(その3)


●2003年11月7日(金)・魔術師シャンダラーと氷の島(TSCその1)

 追加シナリオ「テイルズ・オブ・ザ・ソードコースト(TSC)」に突入です。
 まあ、この部分はストーリー本編には関係ない、おまけシナリオみたいな物なので、無理にプレイせずに、とっととサレヴォクやっつけて連載終了してもいいんですがね。
 でも、まあ、ここまで続けた以上は、挑戦したいってことで。

 現在のパーティーの状態は以下の通り。

●主人公NOVA(HP85):人間のレベル7パラディン(聖戦士)・男性。
 大公宮殿でのサレヴォク戦を終えたらレベルアップ。TSCがなければ、これが最大レベル。TSCによって、あと1レベルアップが望めます。でも、呪文が使える9レベルにはならないと。
 一応、主人公の特殊能力として、身体能力を高める「ドロー・アポン・ホーリーマイト(戦神の加護)」の呪文が使えるようになりました。これを使って、突撃するのが戦闘スタイル。


●カリード(HP79):ハーフエルフのレベル7ファイター(戦士)・男性。
 キャラとしては、気弱で目立たないイメージ。でも、戦士としては着実に強くなってます。戦況に合わせて、弓矢と、麻痺避けの大剣を使い分けて、頼れる援護役として主人公をサポート。

●ジャヘイラ(HP64):ハーフエルフのレベル6ファイター/レベル7ドルイド(自然神の使徒)・女性。
 貴重な回復役です。戦士としても、常に主人公に寄り添い、クォータースタッフ(杖)を振り回して戦います。TSCに入って、これまでの「杖+1」から「杖+3」に持ち替えて、ますます強くなったりも。
 切り札は、「魅了(チャーム)」
 TSCだと、ドルイドはレベル10まで上昇するんだけど、ファイターとの兼業だから、たぶんレベル8止まりだと思います。彼女がレベル9ドルイドになる前に、他のキャラの経験値が頭打ちになる計算。

●イモエン(HP59):人間のレベル8シーフ(盗賊)・女性。
 シーフはレベルアップが最も早いです。
サレヴォク戦直前で、レベルアップしておりました。
 TSCでは、レベル10まで成長する予定ですが、結構、限界ギリギリなので、そこまで経験値がたまるかどうか。
 続編の「シャドウ・オブ・アムン」だと魔術師に転職する彼女。で、本作でも魔術師に転職させている人が多いと聞きますが、NOVAはもう遅いですね。彼女の罠感知/解除能力がないと、この先のダンジョンが突破できません。

●ミンスク(HP69):人間のレベル7レンジャー(野戦士)・男性。
 実は、彼がレベル7になったのは、TSCで「氷の島」を攻略中。それまでは、ずっとレベル6のHP57で戦っていたから、前衛戦士としては、いまいち心もとない。レンジャーよりは、生粋戦士のカリードの方が、成長も早く、ずっと信頼できます。
 ただ、レンジャーとして、彼は「チャームアニマル」の特技を持っていることに、最近、気付いた。一応、人間も魅了できるようだ。レベル3から使えたらしいが、彼の魅了って「マッチョな筋肉美!」って感じで、あまりイメージがよろしくない(笑)。まあ、野生の魅力の分かる相手には有効ってことで。
 それと、8レベルレンジャーになれば、ドルイド風の自然に関する呪文が使えますが、最終段階で1レベル呪文が1つ増えても、役立つかどうかは微妙なところ。  

●ダイナヘール(HP36):人間のレベル7インヴォーカー(物理呪文使い)・女性。
 たった1人の魔法使いとして、「ファイヤーボール」「ヘイスト」で大活躍。でも、せっかく使えるようになったレベル4呪文って、役立つ呪文は全て精神系&召喚系で、いまいちおいしくない。とりあえず、「インプルーブド・インヴィジビリティ(上級透明化)」のスクロールが入手できればいいんだけど。
 そして、彼女はTSCでレベル9に成長できます。それだとレベル5呪文の「アニメイトデッド(ゾンビ召喚)」「クラウドキル(毒雲発生)」が役に立ちそう。どちらにせよ、先に呪文のスクロールをGETしないといけないんだけど。

 こういった状態のパーティーで、TSCが終了すれば、あと1〜2レベルアップしている予定。とりあえず、ダイナヘールがレベル5呪文を使える状態なら、サレヴォク戦が格段に楽になるだろう、ということで。

 そして、いろいろと期待して、訪れたウルゴス・ビアードの村
 小さな村なのに、宿屋で売っているマジックアイテムの中には、貴重な物も。十分なお金は持っていたので、「杖+3」の他、「ディスプレイサー・クローク(蜃気楼マント)」などを買って、パーティーを強化。これらのアイテムのすごさは、「D&D」をプレイした人には周知の通りですが、ここで分りやすく解説してみます。
 「杖+3」がすごいのは、今までパーティーの持っていた最強武器で「剣+2」だったんですね。で、TSCの中には、「+2以上の魔法武器でないとダメージを受けない」モンスターが出現します。つまり、そういう敵に対して、
ジャヘイラが戦えるようになったと。
 
「ディスプレイサー・クローク」は、装着者の見かけの位置が実際とズレます。これによって、回避が向上するという優れもの。テーブルトークだと、防御力の低い魔術師や盗賊が身に着けることが多いのでしょうが、このゲームだと突撃の多い主人公に装着させました。

 で、村の人に話を聞きます。冒険のメインは、村の観光案内役がしきりに宣伝している「デューラッグの塔」。でも、その前に2つばかり、ミニイベントがありますので、そちらから。

 1つめは、村にいる魔術師シャンダラー
 5章で、彼の娘を殺してアイテムを奪うイベントがあったのですが、NOVAはそれを受けなかったので、彼も探索を強制したりはしません。
 でも、小手調べに挑んでみることに。シャンダラーのテレポート呪文で飛ばされた先は「氷の島」。そこで、「魔法のマント」を手に入れて、帰ってくるのが目的。
 島につくと、いきなり極地っぽく、白クマと遭遇して戦闘です。普通のクマより、白クマは手強いですが、しょせんはただの獣で、ノーダメージで撃退。テーブルトークだと、熊のベアハッグは大ダメージを与えてきますが、当たらなければどうってことありません。

 そして、小さな島なので、すぐにダンジョンがあります。
 どうやら、この島はテレポートに失敗した魔術師を引き寄せる作用があるらしく、ダンジョンの中には脱出不能なせいで狂った魔術師がいっぱいいます。そいつらは、何かと因縁をつけてくるので、素早く撃退しましょう。呪文を掛けられると、魅了されたり、混乱されたりで、対処困難になりますが、先に斬り付けて、そのまま呪文を唱える隙さえ与えなければ、力押しで何とかなります。
 先に偵察して、部屋の中に魔術師がいるのが分かったら、「ヘイスト」掛けて準備。それから、部屋の外から「ファイヤーボール」を叩き込みます(笑)。その後、戦士勢がウオーッと突撃すれば、あっさり解決。
 実に、パワープレイなやり方だ(爆)。テーブルトークでそれをすると、ダンジョンマスターが嫌がります。何しろ、会話して、ストーリーの種明かしなんかができませんから(笑)。このゲームだと、強制会話になりますが、会話が決裂した瞬間、派手な殺戮劇が展開します。

 そんなわけで、問答無用なプレイスタイルで、「魔法のマント」を入手、するとシャンダラーの魔法の力で、ウルゴス・ビアードに帰還できます。任務終了。
 どうも、
パラディンらしい戦い方ではなかったなあ、と反省しつつ。きっとサレヴォクの陰謀なんかで、ストレスたまっていたんだろうな。

PS:一応、魔術師との戦いで、魅了や混乱状態にされたときに備えて、「ディスペルマジック(魔法解除)」の呪文は準備しておきましょう。魔術師を倒しても、混乱した味方に攻撃されたりすると、危険ですから。

 

●2003年11月9日(日)・バルダランの島航海記、改め漂流記(TSCその2)

 魔術師シャンダラーに転送された「氷の島」で、狂った魔術師集団を虐殺して、「殺戮神バールの子」としての道を歩みつつある主人公……ってダメじゃん、それって(爆)。

 どうして、観光&静養に来た地で、血まみれ事件に関わらないといけないんだ? どうせなら、もっとわくわくする冒険のネタが欲しいぞ。
 シャンダラーは、目的の「マント」が手に入ると、あっさり去って行ったので、他の人から話を聞きまわります。そして……。

「わたし、メンダス、学者アルね。生まれは、ウォーターディープ、大きい、都市アルよ」

「……あのう、メンダスさん。ウォーターディープの人って、そんな話し方をするんですか?」

「モチのロンのことよ。これ、標準語。全然、まったく、ちっとも、おかしいこと、ないアル」

「(絶対、おかしい)……で、その自称ウォーターディープ出身の学者さんが、我々に何の用事ですか?」

「おお、わたし、あなたたちの噂、聞きました。アイアンスロウン、相手に、戦ってた、強いアル。その力、見込んで、頼みアリます」


「ここには観光に来たんだけどね。きれいな海が見られると聞いたから……」

「きれいな海、見られるアルよ。わたし、船、用意したアル。海の向こう、バルダランの島、行って見て来る、観光にもよろし」


「バルダランと言えば、バルダーズゲートの創立者で、最後の航海で行方不明になったという人でしたね」

「OHイエ〜ス。最近、その伝説の島、発見されました。バルダーズゲートの商人、海図、手に入れたアルね。もうすぐ、探索の航海、始まるアル。その前に、わたしら、探索したいのことよ」

「それって、ゲートの商人を出し抜けってこと?」

「ザッツ・ライト! 商人連中、頭の中、金もうけだけ。金にならない工芸品、歴史的資料、みんな、壊されてしまうアル。わたし、研究資料、守りたいのことよ」

 う〜ん、メンダス氏は話し口調こそおかしいけれど(注:実際のゲームでは、彼の口調は異国風に多少なまって片言っぽいけど、ここまでひどくありません。記事用に誇張してあります^^;)
 話の内容はまともなんですね。
 
主人公も「学術都市キャンドルキープ」で育ったので、知識を守るという大義には敏感。プレイヤーのNOVAも、歴史学専攻なので、感情移入は十分だ。問題は、当の「海図」がゲートの商人たちの手にあること。

「海図を盗んでこないといけないんだよなあ」

イモエン「ちょっと見せてもらって、写し取ればどう?」

「よし、それで行こう」

 こうして、メンダス氏の依頼を引き受けることに決定。
 早速、バルダーズゲートに戻って、「海図」を持っている商人たちと接触。素直に「海図を見せて」と言っても、戦いになりますので、ここは穏便に
「航海の手伝いに来ました」と言っておきましょう。
 すると、酔っ払い船長が
「酒買って来い!」と言いますので、パシリに撤します。酒を渡すと、船長が「海図」を預けてくれ、「船の中の、オレの机に置いておけ!」と言います。これで、「海図」をGET! そのまま持って帰ると、盗みになってしまい、ロールプレイに反しますので、一応、「海図を写し取って、原本は船長の指示どおり、机に置いておいた」というように、脳内補足しておきます。

「OH、海図、手に入れましたか。さすがアルね。船の準備、バッチリ。わたし、ウルゴスビアードで、待ってるアル。バルダランの難破船、見つけて、『航海日誌』持って帰る、それ、あなたたちの、仕事アルよ。他の宝、自由にしてよろし。でも、歴史的資料、工芸品、ボロ、古新聞、古雑誌、物によっては、高く買い取るアルね」

 学者や好事家に依頼されて、難破船の捜索に向かう……ってのは、いかにも冒険者って感じで、グッドなネタです。陰謀や殺戮に疲れた心にはおあつらえ向きかと。
 メンダス氏の用意した船に乗ると、航海の様子がナレーションされます。そして……。

「うわ〜嵐に巻き込まれた〜」

 しっかり、難破してしまいました(苦笑)。
 運良く、着いたところは
「バルダランの島」。ここで何とか、船をGETしないと、帰ることができません。
 幸い、無人島と思われた、この島には住人たちがいて、村を築いておりました。彼らとうまく接触して、探索と帰還に協力してもらおうと思います。(つづく)

 

●2003年11月9日(日)・獣人の島(TSCその3)

 休日で、結構プレイが進んだので、もう一つ。

 船が難破して、
「バルダランの島」に閉じ込められてしまいました。
 
ところで、今の季節はいつなんだ? と、主人公が小まめにゲーム進行をつづっている「日記」を見ると「1368年ウクター22日」とのこと。「ウクター」は「腐敗する月」とも言われ、現実世界では11月に当たります。ちょっとタイムリーと思ったけれど、だったらパーティーは今ぐらいの寒さの海に投げ出されたことになりますね。感情移入して、ブルブル震えていましょう。
 ちなみに、養父ゴライオンが死んだのは、残念ながら2月2日ではなく、「マータル(5月)1日」。「マータル」は「感傷の月」と呼ばれています。
 以上、「フォーゴットンレルムの暦」に関する薀蓄でした。

 さて、こんな季節に航海なんてするんじゃなかった、と後悔しながら、海岸でブルブル震えてますと、一人の女の子が近づいてきました。

「クンクン。あなたたち、変わったにおい、するね。よそもの?」


「あ、ああ、乗っていた船が沈んで、流されてきたんだ。お嬢ちゃんは、この島の人? 他にも人はいるの?」


「うん、いるよ。村、来る?」


「喜んで、行くよ」


 そんなわけで、小さな村に到着しました。宿屋もお店もない、本当に小さな村です。

ジャヘイラ「自然とともに暮らす、理想的な生活だわ」

カリード「こういうところの方が気分が落ち着くよ」


NOVA「そうか? 本屋のないところでは、どうも住みたくないなあ」

 プレイヤーの本音です(笑)。ついでに、ゲームショップとCDショップ、パソコンショップは欲しいですね。まあ、文明の利器はともかく、キャンドルキープ育ちの主人公にとっても、書物との縁は深いはず。

 村に招待された我々は、早速、部族の女族長と話をします。

「わたし、女族長、カイシャス・ガンある。そなたら、よく、来たのことよ」

「……あ、あのう、あなた、メンダスさんの知り合いですか?」


「メンダス? 誰あるか?」


「い、いや、我々を送り出した学者なんですけど。あなたと話し口調が似ていて」


「……知らんな。それより、そなたら、この島、何しに来たあるか?」

「ええと、メンダスさんに言われて、バルダランの船を探しに来ました。この辺りの海で、難破したらしいんですが」

「バルダラン、知ってる。我らの先祖、その船、使って、この島、流れ着いた」

「そうなんですか。だったら、船を修理すれば、帰れるかも知れないんですね」

「それ、無理。船体、材木、もう、腐ってるあるよ」

「そうですか。ハア……」


「心配ないある。我ら、船、持ってる。いつか、島、出るため、作ったある」

「本当ですか? でも、だったら、どうして今まで出て行かなかったんですか」

「理由、二つある。安全な航海、『海図』、必要」

「はあい、『海図』ならあります。こちらは喜んで協力しますよ」

「うむ。そなたら、よそもの。信用の証、ほしい」

「利害の一致……だけじゃ、ダメなんですか?」

「わたし、許しても、村のみんな、納得しない」

「ずいぶん民主的な族長なんですね。……だったら、どうすれば信用してもらえますか?」

「村の北、バルダランの船、ある。村の東、我らの船、ある。北、東、いずれも
『獣』、はびこる地。奴ら、我ら、脅かす。船、とても、出せないある」

「すると、
『獣』とやらを倒せば、信用してもらえて、船も無事に出港できるわけですね。連中の根城は?」


「バルダランの船跡、奴ら、巣食ってる。ボスの名、
カロウグ、強いある。そなたら、勝てるか?」


「負けるわけにはいきません。それに、バルダランの船に巣食っているなら、どうせ探索することになるだろうし。大丈夫、
殺戮は天職みたいなものですから」

 どうも、TSCに入って、性格が過激になっている主人公です(苦笑)。出生の秘密を知ったことで、「バールの影響」が強くなったのでは? と思ったり。
 まあ、相手が
『獣』だったら、殺人よりも罪は少ないし……。

ジャヘイラ「それは自然に対する冒涜というものです」

 そうなの? でも、『獣』相手だったら、話し合いはできないし……。 

ジャヘイラ「そんなことはありません。獣と分かり合える、それが私の信仰です」

ミンスク「オレも、獣の気持ち、分かる。なあ、ブー(チューチュー)」

 まあ、ジャヘイラはドルイドだし、ミンスクはレンジャーだからなあ。
 あ、ちなみにブーってのは、ミンスクの飼っているハムスターで、ミンスクを師匠のように導いてくれるそうです。今まで、書く機会、なかったけど。

 何にせよ、『獣』ってのが、どんな怪物なのか知らないと話にならないので、村人から情報を集めます。すると、「奴らは『獣』でもあり、『人』でもある」そうな。つまり「獣人」、敵はゲドンあるいはガランダーですか? まあ、昔、ハイエナの頭を持つノールを倒したっけなあ。それに、犬の頭を持つコボルドとか、ファンタジーの世界には「獣人」って結構、多い。そもそも、ジャヘイラだってシェイプチェンジの能力で獣になれるし。

ジャヘイラ「いっしょにしないで下さい」

 今回、なかなかツッコミが多いジャヘイラ姉さんだったりします。

 それにしても、ここの村人って、やたらと「よそもの、よそもの」って言って、とっつきにくいです。まあ、部族が閉鎖的なのは当たり前なんだけど。
 その中で、一人だけ、デレイニーという娘だけが、主人公に親しく話しかけてくれ、「バルダランの船」にまつわる伝承を教えてくれます。何でも、彼女、「村の歴史家」だそうな。素朴な村人の中にあって、唯一、知的な印象の彼女。どうやら、主人公は彼女に一目惚れしてしまったようで、セリフ選択に「口説き文句」が出てくるんですね。
 
「君みたいな美しい女性といっしょに、海の向こうに行きたい」とか何とか……。
 で、彼女は、村の歴史的遺品の「マント」が嵐で飛ばされたので、探してほしい、と依頼してきます。
「報酬はいくら?」とか、「使いっぱしりはゴメンだ」とか、無粋な選択肢がある中で、「君の願いなら喜んで」なんて、いかにもな選択肢があります。ここは恋するロールプレイってことで、それを選択。
 観光&静養に加えて、ロマンスを楽しむことにしましょう。

 そして、他の村人からも、
『獣』にまつわる被害を回復するために、いくつかの依頼をされて、全部、二つ返事で引き受けます。村人の信頼を得ないと、船に乗せてもらえなくなりそうですからね。

 こうして、一通り村人との会話が終了してから、村の北門を出て、島の北部に向かいます。
 すると、ハンター風の男が現れ、『獣』退治を手伝ってくれ」と言ってきます。で、彼の後についていくと、「兄弟たち。うまく誘き出したぜ」と言って、突然、オオカミに変身。
 乾巧! オルフェノクかよ! ってことで、茂みからも飛び出してきたオオカミ人間軍団と戦闘。こちらは木場勇治よろしく魔剣を振りかざします(笑)。
 量産型ウルフオルフェノクは動きも機敏で、ダメージも結構、与えてきます。素早い敵との戦いでは、ファイヤーボールはあまり有効ではありません。覚える呪文はヘイストがいいと思います。って、ヘイストっていつでも有効だけど。敵を倒して得られる経験値は、1400点。これって、第4章での強敵ワイヴァーンと同じなんですね。なかなか手強いと。

 ともかく、『獣』の正体がライカンスロープと分かった今、島の北の探索は、一筋縄ではいかないなあ、と気を引き締めることにして、HPと呪文の回復のために、一度、村に引き返すことにします(^^;)。獣人軍団の巣食う「バルダランの船」での激戦を予想しながら。(つづく)

 

●2003年11月10日(月)・狼人と、人狼と(TSCその4)

 道中、遭遇するウルフオルフェノクを撃退しながら、「バルダランの船」に向かうパーティーです。
 ウルフオルフェノクの正式名称は、ウルフワー。確か、ワーウルフと違って、「狼に変身できる人」じゃなく、「人に変身する狼」という設定。ウルフは狼で、ワーは人だから、言葉の順だと狼人(オオカミビト)と訳すのかな。でも、人狼(ヒトオオカミ)の方がふさわしい気も。

 とにかく、連中は人に変身できるので、会話ができます。でも、説得はできない。
 連中は、こちらを餌としか思っておらず、人の姿でだまして、隙をついて攻撃するというスタイル。ただの獣より、よほど性質が悪いです。
 連中と同じように、クマやオオカミに変身できるジャヘイラさん、何かコメントは?

ジャヘイラ「いっしょにしないで下さい! 私の能力は、信仰で修得したもの。連中のは、ただの呪いです」

 どうやら、ドルイドにとってライカンスローピー(獣化病)は忌むべきもののようです。

 さて、道中のイベントで、村での依頼をいくつか達成したりもしたので、引き返して経験値GETしたりしながら、探索続行。
 すると、「バルダランの船」と、その前の小屋を発見。小屋の中には、1人のエルフがいました。彼は、「バルダランの船の航海士」を務めたドラディールさんで、島の事情を語ってくれます。
 彼の話によると、バルダランは航海途上の戦闘で失った船乗りの代わりに、どこかの原住民を半ば強制的に徴用した。しかし、彼らはライカンスローピーを患っていて、気がつけば、船員の多くが感染、獣化するモンスターとなってしまった。バルダランは、獣人との戦闘で消息不明。船は航行不能になって、この島に流れ着いた、とのことです。
 そして驚くべきことに、
この島の住人でライカンスローピーにかかっていないのはドラディールだけ、とのこと。ということは……。

ドラディール「知識が私を救った。私の小屋には、ライカンスロープ避けのまじないを施してある。それに、南のワーウルフは、北のウルフワーよりも光に近い一族だ。族長のセラードは、私の事情を理解してくれ、不干渉の立場をとっている。ただ、私はこの恐ろしい島を脱出したい。そのためには、ウルフワーに奪われた呪文書が必要だ」

 そういうことで、ドラディールの小屋を拠点に、ウルフワー(ヒトオオカミ)の巣食う「バルダランの船」を攻略。船は4階層あって、1階1階、激戦が待ってます。連中の機敏な動きに対抗するのに、毎回、ヘイストを掛けつつ、力技で押し切ります。
 さすがに、最上階のボス・
カロウグは強敵ですが、「ドロー・アポン・ホーリーマイト(戦神の加護)」で強化した主人公なら、何とか渡り合えました。ただ、戦闘をこちらのペースに持ち込むには、連中の呪文使いをいち早く撃破しないといけません。
 また、バトル開始時のキャラ配置の問題で、どうしても打たれ弱い魔術師のダイナヘールが、ザコウルフワーの攻撃にさらされて死んでしまいます。対策としては、戦闘前にインビジビリティ(透明化)の呪文を掛けておくこと。その後、ディメンジョンドア(短距離瞬間移動)で安全な場所に移動してから、援護魔法で支援という戦術で、犠牲者ゼロの勝利を収めることができました。

カロウグ愚か者め。南の連中も、しょせんはオレたちと同じ『獣の血』を引く者。貴様らも用が済めば、食い殺されるがオチよ。くくく……ぐはッ」

 こうして、ウルフワー一族は壊滅。冒険の目的だった『バルダランの航海日誌』をGET。その内容も、ドラディールの話を裏付けてくれます。
 ドラディールに、約束の呪文書を渡すと、彼は喜んでテレポートで自分だけ脱出。持ち主が去ったなら、と小屋の中身をあさると、
デレイニーに依頼された「歴史的遺産のマント」が見つかります。彼女の正体もワーウルフなんだ、と思うと、気分は少しブルーに。

主人公「ジャヘイラ、やはりライカンスローピーは忌むべき呪いなのかな?」

ジャヘイラ「もちろんです! 連中の変身は月の満ち欠けに影響され、変身すると自我を保つことさえできなくなるのです」

主人公「それでも、この島の人々は平和に村を築いて、暮らしている。ライカンスローピーが呪いなら、
『邪神の血』も呪いと言えるだろう」

ジャヘイラ「
『邪神の血』には抵抗しなければ。自我を強く保ちなさい」

主人公「ああ……だが、時々、悪夢を見るんだ。暗い、殺戮を促す夢……ぼくたちは
ウルフワー一族を滅ぼした。もしかすると、南のワーウルフ一族とも戦うことになるかもしれない。殺戮を繰り返すこと、それは
『バール』の望むことではないだろうか? ぼくは、彼らと戦いたくはない

ジャヘイラ「……彼らが自我を保つことができ、呪いを抑制できるのなら、話し合いもできるでしょう」

 この辺のストーリー展開は、ゲーム中では結構、淡々と語られるので、記事に合わせて多少脚色してます。ジャヘイラとのやり取りも、創作ですし、この後のセリフも創作が多くなります。あしからず。

 さて、戦果を報告するために村に戻った一行ですが、まず
主人公デレイニーに「マント」を返します。デレイニーは感謝とともに、もう一つ、主人公に依頼します。それは村のすぐ北に咲いている花を摘んできてほしい、というもの。彼女とはロマンス重視のロールプレイに撤するつもりなので、依頼に応じます。花の種類は、ライカンスローピーを治癒するための「ベラドンナ」。それを渡すことで、ラブシーン(のようなもの)が展開されます。

「この花は気に入っている。匂いをかぐと、心が洗われるから」

「花のお礼と言ってはなんだが、村について教えてほしい。北の
『獣』連中は、この村の人々も、自分たちと同じ『血』が流れていると言っていた。やはり、そう……なのか?」

「本質的には同じ。でも、わたしたちは
『人』であろうとしている。北の連中は『獣』であることを望んでいる」

「ああ、例え、血は呪われていても、人である自分は保てるよな。……この村で君といっしょに静かに暮らせれば、ぼくも
『人』でいられるかもしれない」

「それはどういうこと? 君は
『人』だろう?」

「人さ。だが、
『邪悪な神』の血を引いているらしい。自覚もあって、時々、衝動に駆られることもある。相手を傷つけたい、という乱暴な衝動がね。信じられないかもしれないが」

「……信じよう。わたしも時々、そうなるから……。でも、衝動に身を任せると、
『人』でなくなってしまう。だから、月夜の晩には、この花が必要だった。取ってきてくれて、感謝している。これは、わたしの気持ちだ」主人公に口づけする

「……デレイニー、君さえ良ければ、一生、この村で暮らしてもかまわない。
『邪神の血』に怯えて暮らすよりは、その方が望ましいことなんだ。昔は、故郷で静かに暮らしていた。『邪神の血』ゆえに、故郷を出て行くこととなった。だが、外の世界は陰謀と戦いに満ちている。最近では、戦えば戦うほど、『邪神の座』に近づいていく自分を感じたりもする。ここにいれば、そんな世界とは無縁でいられるかもしれない」

「わたしにできることなら、君を助けたい。でも、
カイシャスは、部族の者を引き連れ、島を脱出しようと考えている。それが族長セラードの意志だから。わたしは、反対したのだが」

「……それは無茶だ。
『獣の血』は外の世界では、モンスターでしかない。君たちが出て行けば、戦いになる。そして、滅ぶのは君たちだ。外の世界の人間は、君たちが考える以上に数が多く、狡猾だ。カイシャスを止めないと」

「止められなければ?」

「君といっしょに外に行く。君たちの部族のために戦ってもかまわない」

「そんな……君は性急すぎる」
その場を立ち去る

 といったセリフ展開です。
 念のため、『邪神バールの血』にまつわる言及は、NOVAの創作です。TSCでは、『バールの子』に関するセリフはありませんから(今のところ)。
 でも、
主人公デレイニーに好意を持ち、「いっしょに外の世界へ行こう」とまで言うのは、ゲームどおり。ただ、この時点で、「村人がワーウルフである」という秘密は、はっきり判明していません。ドラディールの言葉や、「バルダランの日誌」の記述から、推測できるだけで。
 何にせよ、ゲーム製作者は、この場面で本気でロマンスを展開しています。その証拠に、主人公が女性キャラだと、
デレイニーの代わりにデュライルという男性キャラになるのですから。デレイニーのセリフが、ややぶっきらぼうで中性的な感じがするのは、そのためです(2人称の「君」とか)。

 そして、女族長カイシャス・ガンとの衝撃的な対面シーン。

「よく、戻ってきた。ウルフワー族、追討、ご苦労である。だが、そなたら、『獣』の刻印、受けた。遠からず、変身することよ」

 
つまり、ライカンスロープに傷つけられると、呪いに感染してしまうわけですね。これで、晴れて、パーティーもウルフオルフェノクの仲間入りと! 
 ちなみに、このときの主人公の反応セリフは、ライカンスローピーを毛嫌いするものだけでなく、肯定するものありました。すなわち……、

「獣になるのも悪くない。大地を素足で走り回れる」

 NOVA
はこのセリフを選択。このとき、本気で狼人間となるつもりだったのです。
デレイニーと結ばれるために(つづく)

 

●2003年11月11日(火)・呪われた血の行く道(TSCその5)

 ライカンスロープに傷つけられると、ライカンスロープになる。
 何だか、
「オレはもう人間じゃない」とか、故・澤田くんみたいに悲観的につぶやきたくなりますが、ここは「オルフェノクの力を楽しめばいい」とエビ姉さんの誘惑に乗ったように、振る舞うことにします。
 正義のパラディンでスタートしたはずなのに、最近、だんだんダーク度数が上がってくるのは、特撮の「仮面ライダーファイズ」にリンクしていて、自分の中では感情移入バッチリです。
 当然、仲間からは、「タックン、何、考えてるんだよ!」とか啓太郎的非難が上がることも想像して。

 女族長カイシャス・ガン言わく、

「これ、思いがけぬこと。そなたら、我らと、同朋の道、選ぶと申すあるか?」

「少なくとも、ぼくはそれでもいい、と考えてます。仲間は違う考えかもしれないけど、あまり選択の余地はなさそうでしょうね。あんたらと一蓮托生の道以外に」

「……フム、そなたら、受け入れる、信用の証、必要」

「ウルフワーを撃退したんだ。これ以上、何が必要だと言うんです?」

「我ら、島、出る。外の世界、向かう。海図、必要」

「……それについてだけど、正直に言って、この村の人たちは外に行かない方がいいと思う。外の世界は、君たちが考えるよりも厳しいですよ。君たちは強いかもしれませんが、外の人間は数が多い。この島の
ウルフワー一族に君たちは苦戦していた。だが、ぼくたち6人だけで、連中を壊滅させた。この意味が分かりますか? 外には、ぼくたちよりも強い冒険者は大勢いる。はっきり言って、狩られるのは君たちでしょう」

「……もう遅い。外の世界、行く、
族長にして我が夫セラード、決めたこと。その言葉、絶対」

族長とも話がしたいですね。会わせてもらえませんか」

「無理ある」

「……なら、海図は渡せません。ぼくは、あなたたちのことが好きだ。それをむざむざ不幸になると分かっている運命に飛び込ませるわけには行かない」

「……そなたの言葉、考えてみよう。今夜、ゆっくり休む、よろし」

 そして、仲間との話し合いを想像で補います。

ジャヘイラ「私は反対です。ライカンスロープの仲間になるなんて、汚らわしい」

主人公「呪われた血、だからか? だったら、ぼくはどうなる? 
『獣の血』が呪われているなら、『邪神の血』は? 村の生活を見ただろう? 少なくとも、ぼくやサレヴォクより、よほど平穏に暮らしている。君は、それを否定するのか?」

ジャヘイラ「私は……理性を失った『獣』にはなりたくない。ただ、それだけです」

主人公「ベラドンナの花を使えば、理性を保てるそうだ。
デレイニーは、そう言っていた」

イモエン「彼女のことが好きなのね。そして、自分の運命を捨てて、彼女のところに逃げ込もうとしている。ちがう?」

主人公「……そうかもな。ぼくは逃げているのかもしれない。ここにいれば、
サレヴォクの陰謀も、バールのことも忘れていられる。ここを出れば、まっすぐ邪悪の運命に飛び込んでいくような気がするんだ」

イモエン「……あなたが何を選択しても、いっしょについて行くわ。最初にキャンドルキープを出たときから、そう決めていたし」

主人公「……ありがとう。君の友情はうれしい」

イモエン「友情ね……」

カリード「ここは自然も豊かだ。少なくとも……嫌いではない」

ダイナヘール「我が部族にも、獣のトーテムを憑依させる信仰はある。……この島では、魔術の知識が増やせないのが残念ではあるが」

ミンスク「ミンスク、獣になる。究極の戦士、近づける。そうだろう、ブー
(チューチュー)」

ジャヘイラ「……他に方法がなければ、受け入れざるを得ませんね。
『獣』と『邪神』、天秤に掛けるなら、前者の方が選びやすいかも。ただ……」

主人公「……ただ?」

ジャヘイラ「あなたが、ただ運命から逃れるつもりで選択したのなら、認めるわけにはいきません。あなたが逃げても、運命の方から近づいてきて、あなたを、そして世界を滅ぼしかねませんから」

主人公「運命からは逃れられない……考えておこう。だが、
『獣』の道も、決して平坦とは言えそうにないな」

 そんなわけで、ライカンスロープを甘受することを決めたパーティーですが、その夜。
 ワーウルフが寝込みを襲撃してきます。

ワーウルフ「おまえたち、よそもの。我らは混血を認めぬ!」

 閉鎖的な考えを持つワーウルフを撃退し、外に出た一行。月夜で、周囲からオオカミの遠吠えが響き渡っています。そして、一行のところに近づいてくる人影。それは、
デレイニーでした。

「逃げて。村はよそものの君を受け入れるつもりはない。殺して、海図を奪い取るつもりだ」

「そんな。
カイシャスは、だましたのか?」

カイシャスは、セラードの決定に従うだけ。村人をまとめる力はない。ただ、襲撃を予想していたとは思う。今夜、月夜で理性の消えたワーウルフは、今だ同族でない君たちを敵と思って、襲うだろうから」

「それを知って、
カイシャスはぼくたちを残したのか……。理性を残したワーウルフはいるのか?」

「わたし以外に何人か。でも、君たちを守るつもりはない。連中は閉鎖的で、君たちを迎え入れることに批判的だ。今夜、この村で、君たちの味方は私だけだと思う」

「だったら、いっしょに逃げよう。船まで案内してくれたら、逃げられる」

「船には、村の集会場の奥の扉から行ける。
カイシャスはすでに、そこに向かっている。君たちが死んで、海図が手に入れば、いつでも出航できるから」

「とにかく、
カイシャスを説得しよう。ぼくは君たちと敵対するつもりはないんだから」

「……わたしは行けない。君たちが行けば、ワーウルフが追ってくる。とても逃げきれない。わたしが食い止めないと……」

「逃げるつもりはない。君が残るなら、ぼくも戦う」

「それは……
殺戮の道
を歩む、ということになるぞ。君は君の道を進むことだ。それは、わたしの道とは違うようだ。わたしの道は同胞とともにある。わたしにできるのは、罪のない同胞が君の道を邪魔するのを止めるだけ。できれば、君にもわたしの道を守ってほしい。村が平和に保たれる道を」

「……分かった。ここでお別れだ。村の平和を守るよう、努力しよう」

 こうして、一行は、村の集会場の奥の扉を抜け、中の洞窟から船着場に向かうことにします。
 途中、邪魔するワーウルフと遭遇したので、「どけ! オレの通る道だ!」と蹴散らしていきます。気分は、劇場版ファイズのラストシーン(笑)。
 ただ、愛する相手と別離の道を選んだことに、一抹の寂しさを覚えながら(つづく)。

 

●2003年11月12日(水)・島からの脱出(TSCその6)

 集会場の前で、思いがけずエルフのドラディールが待っていました。こいつも敵か? と警戒しますが、

ドラディール「君たちに、助けてもらった礼をするときだ。君たちに掛かっているライカンスロープの呪いは、族長セラードの血族を起源とするものだ。いまだ呪いが発症していないなら、彼の死によって解放される」

主人公「
セラードはどこにいる?」

ドラディール「どうやら、島にはいないようだ。どこにいるかは、君たちの方が知っているのではないかね?」

主人公「
……ああ、おそらく、そうなんだろうね」

ドラディール「
セラードには世話にもなったが、彼が一族を連れて島を出る野心を抱いていたなら、話は別だ。それは、誰のためにもならない」

主人公「犠牲は少ない方がいい。そういうことか?」

ドラディール「
イヤな仕事だがな。私は、この仕事をするには疲れすぎた。失礼させてもらうよ」

 言いたいことだけを言ってから、テレポートで去る魔術師に、「少しぐらい手伝ってよ」と言いたい気持ちを抑えて、パーティーは進みます。
 洞窟の中でも、次々と邪魔するワーウルフ軍団。どうやら、
主人公殺戮の道から逃れることはできないようです。「帰る家なんて、どこにもない。今を一生懸命生きれば、そこが家になると信じる」とは、どこかで聞いたようなセリフ。こうなったら、デルタ三原修二みたいに覚悟を決めないといけないのでしょう。
 運命を切り開くために剣を振るううちに、うやむやが消えていく感覚を味わいながら……。

 洞窟を抜けると、やっと落ち着けます。そこで野営してから、入り江の船に向かう。
 待っていたのは、
女族長カイシャス・ガン

「そなたら、部族の者の屍、乗り越えてきたある。許せないことよ」

「敵対するつもりはなかった……と言っても、もう遅いだろうね。外に行くことさえあきらめれば、まだ平和に暮らし続けることはできるんだ。外に行っても、誰も幸せにはなれやしない」

セラード、我ら、導く。部族の者、そなたら、許さない。ここで死ぬよろし」

「今、分かったよ。あんたは
セラードの決定か、部族の者の意見に従うしかできないんだ。デレイニーのように、自分で考えられれば良かったんだが」

 こうして、非情な気持ちでカイシャス・ガンを切り捨てる主人公。そして、繋留された船に乗って出航、島の脱出に成功します。
 複雑な心境をつづったナレーションが語られ、ウルゴス・ビアードへと帰還。

 ここで、安心して宿屋で休んだりすると、突然、仲間が消滅。そして数体のグレーターワーウルフが
主人公に襲い掛かり、抵抗できないまま、ゲームオーバーになったりします。これって、復讐に来たライカンスロープが仲間を殺したのか、それとも仲間がライカンスロープに覚醒した描写なのか? 後者の方が、何となくホラーでNOVA好みの感じ。でも、自分が殺されて終了ってことには変わりません。
 この結末を避けるためには、宿屋に泊まる前に、ウルゴス・ビアードにいるセラードと決着をつけなければいけません。

 カイシャス・ガン
を殺した後では休息が取れないみたいなので、その前にセーブして休息。そして、カイシャス戦であまり消耗しないように。セラード戦の方が大変ですから。

 セラードを倒すと、主人公たちはライカンスロープの呪いから解放されてイベント終了。とても、ミニイベントとは言えなかった感じです(苦笑)。

 一応、後日譚を創作してみると、

 
セラードを倒したことで、生き残ったワーウルフ族は島で元通りの平和な暮らしに戻ったことと思う。
 
デレイニーはどうなっただろうか? 主人公を逃がすために命を落としたのだろうか? いや、賢明な彼女はうまく生き延びたと信じたい。そして、いなくなった族長の代わりに、村人をまとめ上げているとも考えられる。
 村の平和を守るために、
主人公がしなければならないことはある。それは、せっかく入手したものの、結局、無用の長物となった
『バルダランの航海日誌』を、バルダーズゲートの大公に託すことだ。そして、「疫病に感染する危険があるため、島への上陸を禁止する法令」を出してもらい、商人たちに徹底してもらう。できれば、島への海図は焼き払うなり、厳重に管理するのが望ましい。
 できることを全て成し遂げた後で、
主人公はつぶやく。
 
「さよなら、デレイニー。君が、君の道を歩んでいることを祈っているよ。ぼくも、もう自分の道から逃げはしない。それは、戦いに通じているかもしれない。でも、それはバールの望む殺戮ではない。平和を脅かす邪悪を止めるための戦いの道なんだ。必要なら、いずれ神界のバールとも決着をつけることを、ぼくは約束する。それが自分で選びとった運命だ」(つづく)。

 

●2003年11月12日(水)・「バルダランの島」編の後書き(TSCその7)

 「TSCその2」以降の内容は、これまでの気楽なゲーム攻略記から、踏み込んだものになってしまいました。はっきり言えば、セリフ部分に創作が相当混じった一種の「リプレイ小説」的な物に。しかも、他では(たぶん)見られない「仮面ライダーファイズ」とのリンク色の強い記事に(笑)。
 おそらく、今のこの時期だからこそ書けたんでしょうね。違う時期にゲームをしていたら、ライカンスロープとの関わりはもっと違うものになってたろうし、
主人公がここまで内面の悩みを口にする展開にはならなかったはず。
 ちょっと失敗したなあ、と思ったのは、
主人公NOVAと名づけたこと。恋愛セリフはさすがに、NOVA名義だと恥ずかしすぎる(笑)。

 それと、今回、意識したのは、やはり「バールの子」であることに悩む主人公
 どうして、主人公がすぐにサレヴォクとの決戦に赴かなかったか? と言えば、プレイヤー的には「TSCをしたかった」で済みますが、キャラクター的には別の理由が必要でしょう。そこで、「バールの子」の重みから一時逃避……という形になったわけです。
 ただ、一時逃避ってことは、逃避から運命を受け入れるまでのプロセスをきっちり描かないと、中途半端になります。で、ゲームをプレイしながら、「こいつは使える!」って思ったのが、今回の「バルダランの島」編。はっきり言って、素材として非常に魅力的なエピソードでした。
 でも、ゲームプレイ自体は、日曜日にイベントクリアしているんですね。その後は、ストーリーを自分の中で整理、セリフなんかをアレンジしながら、ストーリーを描き出すのに3日間かかった形です。その間、ゲームプレイは中断と。何だか、違う方向に労力を費やした感じですね(苦笑)。
 こういう記事は、しょせん自己満足ですので、読者に果たしてウケるのかどうか分かりませんが、自分の中では、自分の分身、あるいはただの典型的パラディンでしかなかった主人公の内面(自分との細かな違いなど)が見えて、より感情移入できる存在になってOKと。

 これで、主人公の心的成長は完了。あとは、パーティーの能力的成長を経なければなりません。
 実は、レベルアップしたのは、
ダイナヘールだけだったりします。また、マジックアイテムも、魔法のスクロールも大して入手できず。非常に実入りの少ない冒険だったわけですね。
 果たして、TSC最大の難関という噂の「デューラッグの塔」で、パーティーの強化は図れるのか? この後は、時間の掛かる心理描写は避け、ゲーム的なダンジョンイベント紹介をメインに、サクサクッと進めたいと思います。

●ダイナヘール(HP40):人間のレベル8インヴォーカー(物理呪文使い)・女性。
 HPが伸びて、呪文の使用回数が増えただけの成長。
 魔法使いって、レベルアップに必要な経験値が高くて、成長の遅い職業ってイメージがあったけど、レベル7から戦士系と逆転しているんですね。今のパーティーで最もレベルアップが遅いのは、兼業している
ジャヘイラを除けば、レンジャーのミンスクだったりします。
 そんなわけで、あと1レベルの上昇が望めるダイナヘール。でも、魔法のスクロールが入手できないと、強い呪文が使えるようにならないので、それが一番の望み。

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