●2004年11月14日(日)・エルフの塔の悲劇(第3章その3)
「隠されたエルフの塔」シヴィアード・ハンドは、壊滅していました。
塔に巣食う「過去の影」と化していたオークやゴブリンの群れ、そしてスケルトン軍団を撃退した一行は、塔の悲劇を知るエルフの亡霊レシアスと遭遇します。
ブルーノー「出たな、亡者よ。下のオークどもを倒して手に入れた『エルフ殺しのフレイル』の力を思い知らせてくれる」
レシアス「この塔にドワーフだと? 何が目当てだ? 宝物の略奪に来たのなら、許すわけにはいかんぞ」
ブルーノー「エルフの宝など、興味ないわ。わしの目的は、邪悪を退治することだけ」
フレイ「(ポツリと)私は、興味あるんだけどな」
ミレーヌ「シッ、それを言ったら、交渉にはならないわ」
レシアス「邪悪退治が目的か。なら、とっとと自害するがよかろう。裏切り者の一族よ」
ブルーノー「なに? 裏切り者だと? それはどういうことだ」
レシアス「おのれの胸に聞くがいい。ドワーフ族の過去の非道を忘れたとは言わさんぞ」
ブルーノー「……いや、忘れた。何ぶん、わしは記憶喪失でのう」
カイヴァン「こいつは話にならんな。おい、先生、あんたは死者の魂の専門家だろう。うまく、話をまとめてくれ」
先生「ああ。偉大なる先人の魂よ。我らは、ハートストーンの力を使うため、この塔にいるというラレルに会いに来た。彼はまだ、無事なのか?」
レシアス「ハートストーンか。ただの略奪者ではなさそうだな。ラレルは、ラベラスタワーの最上階にいるが、まともに話ができる状態じゃない。塔を崩壊させた自責の念からか、自分の発明の世界に閉じこもっておる」
レシアスの話によると、シヴィアード・ハンドの塔は、この先、5つの小塔に分かれているそうです。5つの小塔を指に例えて、塔全体をハンドと呼称するようになったとか。5つの小塔の内訳は以下の通り。
・コレロンタワー:会議用の塔。
・シェヴェラッシュタワー:兵士訓練用の塔。
・セハニンタワー:武器に魔力を付与する塔。
・ラベラスタワー:図書館のある塔。
・ソロノータワー:聖職者の集う癒しの塔。
ハンドは、その昔、ドワーフとの協力も得られて、栄えたものの、オークやゴブリンが襲撃してきた際、ドワーフが裏切り、壊滅の危機を迎えたそうです。
塔の長であるラレルは、危機を乗り越えるため、ミサルと言われる魔法の儀式を敢行。しかし、儀式は失敗し、塔の生き残りは「過去の影」に、死んだ者はアンデッドと化してしまいました。「過去の影」になってしまった者の多くは、まともな理性を失い、生前の行動を繰り返すだけですが、レシアスのような一部の者は、理性を保ち、塔の現状を嘆く毎日を過ごしているとか。
ブルーノー「ドワーフが、エルフを裏切り、オークやゴブリンに味方した? 信義を重んじるわしらには有り得んことだが、エルフが理不尽なことを言い出したとすれば、交渉が決裂することも考えられよう。しかし、まかり間違っても、わしらがオークやゴブリンに味方するなど、とんでもないことだ」
レシアス「うむ。わしの目から見ても、そなたは信用できそうじゃ。エルフの中にも、そなたの一族が裏切るなど有り得ん、と主張する者もいた。が、大多数は、ドワーフが裏切ったと思い込んでおる。長のラレルからして、そうじゃったからな」
ブルーノー「やれやれ。信義ある一族を裏切り者呼ばわりした挙句、危険な魔術に手を出し、自ら身を滅ぼすか。この塔の現状は、自業自得というものよ」
フレイ「ちょっと、それは言い過ぎよ!」
ブルーノー「事実だから、仕方ない」
先生「だが、故人を侮辱するのは、無礼もはなはだしいのではないか? 死者に対する畏敬の念は、種族の壁を越えて、重んじるべきものと考えるが」
カイヴァン「それに、ドワーフが裏切った、という誤解がどこから出てきたか、追求する必要はあるぞ。それが根も葉もないことなら、その証拠をあんた自身が示すことが、王たるあんたの務めと思うぞ。少なくとも、エルフに憎まれ口をたたいて、火に油をそそぐのは賢明なやり方じゃない」
ブルーノー「おぬしらは、エルフの味方をするのか? しょせん、エルフの一族に連なる者は、信用できん」
クァイル「……わしはノームで、エルフとは関係ないが、天才じゃから分かるぞ。今のお前さんは、疑心暗鬼の塊じゃ。お前さん自身が心を開かないと、過去の過ちは正せんぞ。今の段階で、エルフが過ちを犯したのは明らかだが、ドワーフが過ちを犯さなんだ、とも言い切れないのでな。まずは事実を冷静に見極めんと」
ミレーヌ「……クァイル、あなたの口から、『事実を冷静に見極める』という言葉が出るとは思わなかったわ」
クァイル「ん? わしはいつでも、そうしているぞ。だから『事実の奥にある真実を見抜く』ことができるのじゃ。ゆえに、わしは天才と呼ばれておる」
ミレーヌ「天才のあなたは、間違えたりしないのかしら?」
クァイル「間違うこともある。が、手遅れになる前に、間違いに気付き、それを正すことができる。それも天才の資質と言えよう」
ブルーノー「……とにかく、今のわしは記憶喪失なので、何が真実か断言することができん。が、過ちを正すことが大事ということは分かった。まずは、エルフたちの過ちを正し、それからドワーフの真実を探しに行くとしよう」
こうして、一行は5つの小塔を探索することになります。
@コレロンタワー(北東)
会議室のある塔では、「ドワーフ憎し」だか「侵入者撃退」だかの動機を持ったエルフの影軍団が、一行に襲い掛かってきます。それを嬉々として撃退するブルーノー。
フレイ「ちょっと! エルフは別に邪悪じゃないんだから、もっと手加減しなさいよ」
ブルーノー「そうは言っても、向こうが襲い掛かってくるんだから、仕方ない。ほれ見ろ、手を抜くと、カイヴァンがピンチだぞ!」
フレイ「うう、もう! 食らえ、マジックミサイル4連発!」
クァイル「ついでに4連発!」
ミレーヌ「ダメ押しに5連発!」
カイヴァン「ふう、助かった。先生、治療を頼む」
先生「やれやれ。どうして、お前ばかりが狙われる?」
塔の最上階では庭園があり、「庭いじりの好きなエルフの霊」が、庭の再生に必要な「水」「種」「小動物」を求めています。後の章で、これらを手に入れて戻ってくれば、経験値がもらえるミニイベントだそうな。
Aシェヴェラッシュタワー(東)
兵士訓練用の塔では、兵士の長である女戦士ケイレッサが待っています。
ケイレッサ「あなたたちの中で、一番強い戦士は誰?」
カイヴァン「俺……と言いたいが……」
ブルーノー「わしじゃな」
ケイレッサ「そう。私は、他のエルフと違って、ドワーフを見下したりはしない。戦士として優秀なことには、間違いないからね」
ブルーノー「……それは光栄だ。わしも、おぬしが女だからって、見下さないと言っておこう。ドワーフ族の女も、しばしば男と肩を並べて戦うからな」
ケイレッサ「やっぱり、強い戦士は言うことが違うわね。それで、あなたに戦士の名誉が分かるなら、頼まれてくれない?」
ブルーノー「一体、何を?」
ケイレッサ「塔の上にいる、私の部下たちを倒してきて」
ブルーノー「お安い御用だ……と言いたいが、それでいいのか?」
ケイレッサ「戦士たるもの、戦いで死ぬのが本望なの。でも、彼らはミサルの魔術によって、死ぬこともできずに苦しみ続けている。心を失ったまま、いつまでも不毛な訓練を繰り返しているだけ。私は、彼らに安らぎを与えたい。戦いの名誉の中で、不自然な生命を昇華させてあげたいのよ」
先生「ブルーノー、彼女は部下の供養を求めているんだ」
ブルーノー「供養か。会議室ではそんなこと、考えもしなかったが、これも過ちを正すことになるのなら……」
そういうことで、ケイレッサの部下を依頼どおり、葬ってきます。すると……
ケイレッサ「ありがとう。それでは、私の最後の頼みを聞いてくれないかしら」
ブルーノー「……どんな頼みだ?」
ケイレッサ「私と戦って。強い戦士と戦うこと、それが私の望み」
ブルーノー「……よかろう」
(戦いを終えて)
ケイレッサ「ありがとう、ブルーノー。あなたの強さは本物よ。そして、信頼できることも刃を交えて分かった。ラレルも戦士だったら、戦士の心が理解できて、ドワーフ族と和解できたかもしれないのに……。ラレルの心は、今、彼の発明した機械の中に閉ざされている。ハンドの中にある、4つの機械の部品を見つけなさい。それを組み合わせたとき、ラレルの心は戻ってくる。部品の一つはここにあるわ。それでは……さよ…な…ら」
ブルーノー「さらば、ケイレッサ。おぬしみたいなエルフなら、戦友として共に戦いたかったな」
Bセハニンタワー(たぶん北西)
魔力付与の塔……ですが、ここはもう存在しません。襲撃してくるオークを引き寄せて、自爆したそうです。
Cラベラスタワー(たぶん西)
図書館のある塔……ですが、西からは、階段が崩れていて昇れません。Aのシェヴェラッシュタワーから、渡り廊下を伝って入ることになります。
図書館では、いろいろと世界設定に関する資料が手に入ります。塔の名前のコレロンとか、シェヴェラッシュとかが、エルフの神々の名前にちなんでおり、それらの教義とかもろもろ。でも、とりわけ大事なのは、ミサルに関するもの。
ミレーヌ「ミサルってのは、異界からライフフォース(生命力)を呼び出す儀式魔術みたいね」
クァイル「ひらめいたぞ。わしとカイヴァンも、そのミサルに巻き込まれて、このノース(北方)の地に連れて来られたんじゃ」
カイヴァン「そうなのか? 俺たちは、ソードコーストでの冒険中に、次元移動の装置を発動させたはずだが」
クァイル「もちろん、そうじゃとも。だが、ああいう装置では、必ず入り口と出口が設定されておるもの。しかし、わしらが到達した場所には、出口らしい装置はなかった。もしも、出口となる装置があれば、天才のわしが解析して、容易に元の世界に戻れるはずじゃ」
カイヴァン「すると俺たちは、本来の到着地点とは別の場所に着いた、と?」
クァイル「おそらくな。次元移動の途中で、ミサルの儀式のエネルギー干渉に巻き込まれたに違いない。その際、お前さんの体にも異変が起きた」
ミレーヌ「ええと、ミサルが正しく発動していれば、ハンドの塔それ自体が生命力を得て、オークやゴブリンの群れを撃退してくれたそうよ」
フレイ「つまり、物品に擬似的な生命を宿す付与魔術の大掛かりな奴だったわけね」
先生「しかし、呼び寄せたライフフォースは、亡者にまつわるネガティブ・プレーンからのものだったと」
クァイル「わしの専門外じゃが、ネクロマンシー系の転生秘術に、死者の魂を別の体に移して蘇らせるものがある、と聞く。これなら、カイヴァンの肉体がエルフの物から、人間の物に変わったことも納得できる」
カイヴァン「だったら、どうすれば、元の世界と元の肉体に戻れるんだ?」
クァイル「それは、ミサルを使った専門家のラレルに聞くのが一番、早いじゃろう」
そのラレルさんですが、塔の最上階で、骸骨状の姿になっておりました。スケルトンじゃなく、リッチ(高位魔術師の変身するアンデッド)です。正気を失っていて、機械の歯車がどうのこうのとしか言いません。機械の部品を4つ見つけてくるまで、会話はお預けです。
ちなみに、機械の部品は、1階の武器庫と、コレロンタワーと、シェヴェラッシュタワーに一つずつ。もう一つは、これから向かうソロノータワーで見つかります。
Dソロノータワー(南)
聖職者の塔です。エルフの女神官のデナイニさんが迎えてくれます。彼女の依頼は、塔の上の下級神官を成仏させることと、塔全体を浄化するための聖水を入手すること。
もう、ここまで来ると、要領が分かっているので、あっさり任務達成して、機械の部品もGETして、さっさとラベラスタワーに戻ります。
●再度ラベラスタワー
クァイル「機械を使った発明は、ノーム族の十八番じゃ。ほれ、修理完了」
ラレル「(正気に戻って)おお、わしの装置がまた動き始めた。……何だ、お前たちは? おお、何てことだ。裏切り者のドワーフまでいるとは!」
ブルーノー「ドワーフは、同盟者を裏切らん。それ以上、ドワーフを侮辱するなら、邪悪なアンデッドとして抹殺するぞ!」
ミレーヌ「まあまあ、落ち着いて。で、この塔はオークやゴブリンに攻撃されたそうだけど、ドワーフも一緒だったの? 下にいた影幻のなかには、ドワーフはいなかったけど」
ラレル「ドワーフは、自分の手を汚さん。オークどもに、強力な武器を売ったのだ」
カイヴァン「武器を売っただって? 確かに、オークには似つかわしくないエルフ殺しの精巧な武器があったが」
ラレル「その昔、エルフとドワーフは協力していた。我らの魔術と、連中の技術を融合させて、強力な武具を生産していたのだ。だが、あのロックイーター(石喰らい)どもは、秘伝の武器を周囲の人間たちにも売りたい、と言ってきた」
ブルーノー「わしらは、石なんて喰わん。おぬしらがドワーフについて書いた書物は、噴飯物じゃ」
ラレル「そんなことはどうでもいい。石は喰わなくとも、貪欲なことには変わりない。わしらは秘伝が外部に流出することを憂えた。邪悪な者が我らの秘伝を用いて、我ら自身に災いをもたらすことも考えられたからな。ロックイーターどもは、わしらの懸念を気に掛けることなく、『技術の独占』をなじった。連中はただ目先の利益しか頭になかったのだ。わしらは袂を分かつこととなった」
ミレーヌ「エルフの秘密主義と、交易をしたいというドワーフの意見の対立ね」
ラレル「意見の対立だけなら、恨み言を口にはすまい。問題は、その後だ。この塔は、オークどもの襲撃にあった。わしらの戦士は有能だから、撃退は容易なはずだった。それなのに、わしらは負けた。秘伝の武器が、オークどもの手に握られていたからな。ドワーフが裏切らなければ、わしもミサルの儀式など行わずに済んだものを……」
ブルーノー「分からんのはそこじゃ。ドワーフがオークやゴブリンに武器を売るなど有り得ん。わしらは、エルフ以上に、奴らを憎んでいるんだぞ」
ラレル「わしも、頭ごなしにドワーフが悪い、と決めつけた訳ではない。できる限り、話し合いで解決を図ろうとしたのだ。わしらは、オークが秘伝の武器を使っていた理由を問うた。すると、ドワーフどもの返事はこうじゃ。『我らには心当たりがない。いつの間にか盗まれていたようだ』 そんな言い訳が通用すると思うか? たとえ、それが事実だとしても、大切な武具の盗難に際し、そのような曖昧な態度を示し、まともな管理もできないような連中を信用できるか?」
ミレーヌ「あなたの言い分は分かったわ。公正に判断するなら、当事者のドワーフ側の言い分も聞きたいところね」
先生「いや。もっといい方法がある。我々の本来の目的を忘れていないか? 我々は、ラレル殿にハートストーンの力を使ってもらうために、この塔に来たはずだ」
ラレル「ハートストーンだと? ドルイドの聖なる宝と聞くが、確か盗まれたはずでは?」
先生「そうです。我々は大ドルイドのアルンデルに依頼され、ハートストーンを取り戻したのです。しかし、アルンデルは邪悪な者に殺害され、我々にあなたを
訪ねるよう遺言された。邪悪はどこにいるのか、あなたに導いてもらいたい」
ラレル「分かった。では、儀式を行うとしよう」
こうしてラレルは、ハートストーンを使って儀式を行います。そして、得られた解答は……。
ラレル「やはり、そうであったか。邪悪は、ドワーフの洞窟『ドーンズ・ディープ』に巣食っている!」
ブルーノー「そんなバカな!」(第4章につづく)
PS:成長キャラは以下の3人。今回、ほとんど主役はブルーノーだったにも関わらず、レベルアップは後衛ばかりでした。
あと、ミレーヌが、「エルフの鎖かたびら」を入手したり(装着しても、魔法が使用できる魔法戦士垂涎のアイテム)、カイヴァンが「エルフのマント+3」を入手したりして、防御力が格段に上がりました。
●ミレーヌ(HP62):11レベルバード。
●フレイ・アルスター(HP60):エルフの8レベルメイジ/9レベルシーフ(シーフレベルがアップ)。
●クァイル(HP48):ノームの8レベルクレリック/8レベルイルージョニスト(クレリックレベルがアップ)。
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