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ライダーエッセイの注釈

注1エジプタスは古代エジプトからの発掘怪人で、純ショッカー製ではないことが明らか。
 スノーマンやゴースター、ユニコルノスも、ショッカー以外の悪の組織の技術が流入しているのではなかろうか? また、いずれも、悪の天才科学者・死神博士の怪人であることから、実験的に他の組織の技術を取り入れたのかもしれない。実験的に作った怪人だが、その能力は高く、いずれもダブルライダーの力で倒されている。
 ショッカー以外の悪の組織とは何か? アフリカには、後にショッカーと合併するゲルダム団なる組織があったし、他にも世界中には(ショッカーほど大規模ではないものの)怪人を操る組織が数多くあったのではなかろうか? 
 それらの一例が、後にデストロンに登場するキバ族・ツバサ族・ヨロイ族かもしれない。(戻る1

●注2:ベアーコンガーは、雪山の草津高原に出現し、雪を溶かして大洪水を起こす「スノー作戦」を企てていた。「雪」と「大洪水」というキーワードから、「北欧の海賊」との関連性がうかがえないだろうか? 
 じっさいには、ベアーコンガーは「マタギの老人」に化けていたが。(戻る2

●注3:ショッカーはゲルショッカーに組織改変する際、旧勢力残党の科学者を抹殺しようとしている(仮面ライダー第80話、第81話より)。(戻る3

●注4:プルトンロケットの爆発から、ライダーマンが生き延びた背景事情は、ライダー世界の謎の一つだ。『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』では、イナズマンの瞬間移動能力に救われた、というのがあるが、ここでは除外。とりあえず、生還後のライダーマンは、明らかに強化されている(Xやストロンガー、スカイライダーにゲスト出演時の描写よりの推察)のと、右腕のアタッチメントが時おり左腕に変更されている点などから、何らかの再改造を受けているのは確かだろう。NOVAは、瀕死の重傷を負って倒れているライダーマンをダブルライダーが発見、再改造を行なった、という説を主張する。いずれにせよ、木っ端微塵の即死(再生不可能)ではなく、瀕死で助かったのだから、ライダーマンスーツの防御力は相当なものだと考える。(戻る4

●注5:巨大ロボットの設計図争奪を企てた悪の組織に、「キカイダー01」のハカイダー部隊(またはシャドウ)が挙げられる。しかし、彼らが動かそうとしたジャイアントデビルは純粋に、キカイダーの敵組織ダークが設計したものである。ダークの首領プロフェッサー・ギルが設計したにもかかわらず、機動前に、キカイダーによってダークは壊滅した。ダーク壊滅の際、失われた設計図(ギルの2人の子供の背中に焼き付けられた)をめぐる争いが、01とハカイダー部隊(首領はギルの脳を宿したブラックハカイダー)の間で展開されるわけだ。
 ここで、疑問が2つ。ギルは、「どうして自分が設計した設計図を再現できなかったのか」「どうして子供の背中に設計図を焼き付けたりしたのか」
 前者は、いくら悪の天才科学者でも、自分の設計した装置をすべて記憶しているわけではないだろう、と答えておく。NOVAだって、自分の書いた文章の一字一句をすべて暗記しているわけじゃない。後から読み返すことだって必要だ。忘れちゃいけないことは、どこかに記録しておくのである。
 で、後者だが、マッドの入った科学者のすることは、よく分からない。実際に大切な設計図を子供の背中やら、子供の持つ人形なんかに隠して、子供を事件に巻き込んでしまう科学者は、ヒーロー世界で多く見られる。科学者本人としては、「いくら何でも子供に設計図を持たせているなんて、悪の組織(あるいは設計図の秘密を狙う者)は気付かないだろう」という発想だろうが(あるいは大切なものは1ヶ所に集めておくようにしたい心理?)、巻き込まれる子供にしたら、たまったものじゃない。
 まあ、とにかく、「自分の作品に愛着を感じる者は、時として、それを守るためには、周りの迷惑に発想が及ばなくなる」心理が推察される。そして、「猜疑心に駆られた者は、通常人には理解できない発想をしてしまいがちだ」ということも挙げておこう。(戻る5

●注6:以前、NOVAは、「特訓話は皆無」と書いたが、Hirox氏の指摘により、第9話、第10話のマッハアキレス戦(この回は、アポロガイスト初登場の回でもある)で、特訓をしていることが明らかになった。この回は確かに視聴したはずであるが、失念していたようだ(せめて、サブタイトルくらい確認しておくべきだったと反省)。Hirox氏には、感謝してます。

追記(2003.1.19)
 さて、ようやく念願のXライダーの特訓話を視聴。
 9話において、Xライダーはマッハアキレスのジェットローラーを駆使したスピード戦術に苦戦。さらに、アポロガイストの加勢により、不利な状況で敗退した。自信を喪失したXこと神敬介は、立花のおやっさんに叱咤される。「歴代のライダーは泣き言など言わずに特訓で苦境を乗り越えたぞ!」のセリフに、敬介は奮起して特訓を開始する。
 しかし、続く10話で、特訓はあっさり終了する。その内実は以下のようであった。
 まず、おやっさんは「相手には弱点があるはずだ」と指摘。すると敬介は、アキレス腱の伝説を思い出し、地上を高速で走るジェットローラーが弱点のはず、と考える。そして、地上でのスピードでは勝てないから、空中戦を挑めばいい、と気付く。そして、相手を抱えて空中へジャンプ。そして、一度、蹴った後、反転して再び蹴る「X二段キック」を考案。試しに、おやっさん相手に技を仕掛けてみる! 
 
この場面は、「Xの新技を受けても平気なおやっさん。すごい人だ!」とネタにされたりしたが、実際に画面をよく見ると、蹴りは当たっていない。はおやっさんを空中に投げ上げ、蹴りのマネだけして、その後、空中のおやっさんを抱えて着地したのだ。おやっさんはフラフラしていたが、衝撃は受けていなかった。
 さて、マッハアキレスを倒すヒントは得たが、
は結局、二段キックを完成させていない。「この技を完成させるには、あと二日は必要だ」とおやっさんが言ったが、その前にマッハアキレスからの挑戦が来たのである。その挑戦を受けたは、マッハアキレス戦で未完成の二段キックを披露。アキレスのジェットローラーを破壊することに成功するが、とどめは刺せていない。つまり、二段キックの威力は、意外と弱かったのだ。ただ、ジェットローラーを破壊したことで優位に立ったXライダー。すかさず、とどめを刺そうとしたときに、アポロガイストが介入。失態を見せたマッハアキレスを処刑してしまった。

 
結論Xライダーの特訓は、名前だけのもので、身体機能の向上には何も貢献していない
 このときの特訓に意味があるとすれば、それは自信を喪失した敬介に自信を取り戻させる
精神面の強化と、アキレスの戦法を分析して自分の持てる力で対応策を練る戦術面の強化に限られる。
 よって、メカが特訓で性能アップすることはない、というNOVAの論旨を否定する材料にはならないと確信する。(戻る6

●注7:もちろん、スーパーロボットの場合は、メカの操縦者の技術や機転、戦闘センスなどで、性能から予想される以上の戦果を発揮することはよく見られるが、それは「機械の使い方」の問題であって、「機械の能力」が向上したとは言えない。
 例を挙げれば、どんなに気合を入れて叫び声を挙げて、キーボードをガチャガチャ操作しても、パソコンの容量や処理速度は向上したりしない。それには、メモリーの増設やCPUの性能アップが必要である。あるいは、現状の性能のままでも、無駄なデータを削除したり、時おりメンテナンスを行なうなどの工夫で、補うくらいである。後者が「機械の使い方」に関する部分である。
戻る7

●注8アマゾンライダーの変身前の姿はアマゾンと呼ぶのが通例である。本当の名前は山本大介であるが、それは劇中で本人すら知らない名前なので、そう呼ばれることはない(初期話のナレーションのみ)。父親・山本教授の旧友であり、彼の本名を知っていると思われる高坂博士は、第1話でクモ獣人に殺害されているので、結局、アマゾンが自分の名前を認識することはなかった。
 よって、
アマゾンの人間体を、「山本」とか「大介」とか呼ぶのは、物を知らない証拠と見なされる。少なくとも、同人誌やヒーロー総登場のゲームなどのドラマで登場人物がそう呼んだりしては、興醒めもいいところである。
 ここでは、変身前を
アマゾン、変身後をアマゾンライダーと呼ぶ。戻る8

●注9:ダークは「人造人間キカイダー」、シャドウは「キカイダー01」、バドーは「ロボット刑事」に登場する悪の組織である。それらの組織は、アマゾンが活躍した1974年にはすでに壊滅していた。
 
アマゾン活躍期の74年に、ロボットを操っていた敵組織といえば、「電人ザボーガー」のシグマ団、「マッハバロン」のロボット帝国、アニメでは「グレートマジンガー」のミケーネ、「ゲッターロボ」の恐竜帝国が挙げられる。もっとも、アニメの2作は、敵側はメカ主体というよりも、オカルトを含む古代文明に基づくものだった。やはり、この時期は「機械工学」で優秀なのは正義側であって、悪の側は別種の技術で生き残りを賭けようとしていたのだろう。
 なお、この時期、正義側のロボット工学技術が、一般家庭にフィードバックしているケースが見られる。それは、
「がんばれ!! ロボコン」だ。この時期の機械は、人類の敵ではなく、人類の味方(友人)として扱われている一番の証拠と見なされよう(戻る9)。

●注10:「虫が操る機械人形」。こう書いて、NOVAは「忍風戦隊ハリケンジャー」の敵ジャカンジャのサーガインを思い出した。もしかすると、ブラックサタンと、サーガインの間に何かつながりがあるのかもしれない。だが、そんなことを言うなら、「電気と甲虫」というキーワードで、ストロンガーゴウライジャーの関連も考察しないといけないので、今回は問題提起だけにとどめておく(戻る10)。