モチーフ | クワガタ虫 | |
変身前 | 名前 (役者) |
五代雄介 (オダギリジョー) |
職業・経歴 | 冒険家 食堂の住み込み店員 |
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外見 | 黒の素体に赤の装甲 黄色の角 赤い目 変身ベルト・アークル |
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特殊能力 | 総計11種の形態変化 各種フォームはこちら |
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マシン | トライチェイサー2000 ビートチェイサー2000 ゴウラム トライゴウラム ビートゴウラム |
クウガは、クワガタ虫をモチーフとした仮面ライダーである。
クワガタ虫の特徴としては、ひたいの角を初めとする頭部デザインの他に、強固な外骨格が挙げられる。クウガのデザインの基本コンセプトは、シンプルな素体を強化装甲で覆う点である。
このコンセプトは、バイクにも取り入れられ、
シンプルな(アクション向きの)「トライチェイサー」や「ビートチェイサー」を「ゴウラム」で覆う強化形態が特徴的である。ちなみに、ゴウラムもクワガタ虫を形どったマシンである。
また、クウガ最大の特徴として、その形態変化能力が挙げられる(劇中では「超変身」と呼称)。通常状態(マイティーフォーム)を含めて、合計11形態のクウガが劇中に登場したことになる。これらの形態変化は、クウガのパワーアップを視覚的に見せるのみならず、玩具「装着変身シリーズ」の売り上げにも貢献し、クウガという作品を盛り上げる原動力になったことは否定できない。
五代雄介(演・オダギリジョー)が、クウガに変身する。
彼の本来の職業は、世界中を旅する冒険家である。「2000の特技」を持つが、戦闘的なものは少なく、どちらかと言えば、人々に見せて喜ばせるパフォーマンス的な物が多いと思われる。定職につかなくても、大道芸だけで食べていける、各種の技と積極的な行動力、そしてコミュニケーション能力を持っている、と考えられる。
クウガになってからは、冒険を中断し、オリエンタル食堂「ポレポレ」で住み込みのバイト(ほとんど居候状態)をしている。そして、協力者の一条刑事から通報があった際には、すぐに愛車トライチェイサー(ビートチェイサー)で現場に駆けつけるのが、彼の劇中での日常である。
また、彼は城南大学の考古学部の出身である、と思われる(劇中からの推測)。冒険家としては、(かのインディー・ジョーンズ教授を例に挙げるまでもなく)考古学の知識は必須であろう。大学院に進んだ沢渡桜子さんとは、よい友達関係であるが、恋人未満といった感じ。五代がクウガとなったのも、彼女が参加した長野の古代遺跡発掘に関わってのことである。
彼は従来の仮面ライダーのように、「科学的な改造手術」を受けたわけではない。変身ベルト・アークルは、古代の呪術的な遺品である。クウガの変身は、現代科学ではほとんど解明できない「魔法的」な変身と言える。
しかし、その肉体的な変容は、劇中、彼を診察した椿医師によって報告されている。アークルの中に納められた霊石アマダムは、五代の肉体を「戦うための生体兵器」に作り変えているのである。
よって、五代は「手術」こそ受けていないものの、「アマダムの作用による呪術的な改造人間」といって差し支えないだろう。
そして、アマダムの効力は、多分に五代の意思や精神の影響を受けている。五代が強くなりたいと思った時は、パワーアップの原動力となり、五代の心が闇に傾きかけた時は、「究極の闇をもたらす存在」に変化させる危険性をともなう。
つまり、五代は過去のライダー以上に、その内面が描写されたキャラクターと言える。
彼の戦う原動力は、「みんなの笑顔を守るため」「誰かの涙を見たくないから」、そういった言葉に集約される。
五代自身、拳で戦うことに常に疑問と痛みを感じており、決してなりたくてクウガになったわけではない。第1話の時点では、アマダムの導きにより衝動的にアークルを身に着けたわけだが、その後、第2話において戦う理由を見出し、それ以降も、常に戦う理由を模索していた節が見られる。
そうした五代の内面が最大限に描写されたのが、最終回1話前のダグバとの最終決戦と言える。涙を流しながら、ダグバに拳をぶつける五代の姿は、「もしかすると今までの戦いでも(仮面に隠されて見えなかったものの)常にそうした表情で戦っていたのかも」と思わせるに足る説得力をもっている。
クウガの基本カラーは「黒の素体」である。このシンプルな動きやすいスーツの上から、胸・肩・腕・膝の各部にフォームごとの装甲をかぶせたのが、クウガの外見である。
基本は、赤のマイティーフォームである。
このとき、ライダー特有の大きな目の色は、赤になっている。目の色も、フォームによって異なっている。
また、ベルトのアークルの回転部分も、フォームによって色が変わるなど、細かい部分で凝っていると言える(この色の変化は、玩具でも再現されている)。
クウガ最大の特徴は、額の黄色い二本角である。今でこそ見慣れた感じの角だが、ライダーの場合、ここには棒状の触角2本が来るのが定番であり、しかも黄色をこれほど大胆に取り入れたライダーは、過去にRXの変身形態ロボライダーを除くと、皆無である。
ライダーの基本カラーとして挙げられるのは、「緑」「赤」「銀」であり、黄色はどちらかと言えば、「偽ライダー」の色ってイメージもある(笑)。
あとは、「ガンダム」のV字アンテナのイメージが強いかな。
さて、クウガのデザインと言えば、同じ甲虫モチーフの「ストロンガー」との比較を抜きにしては語れない。
どちらも、黒の素体と、赤のプロテクターと言う点では、共通している。
ただ、ストロンガーは胸の大きなS字や、緑の目、白い手袋と、パッと見には、より派手な印象がある。まあ、クウガを見慣れた目からは、「統一性がない」との批判も受けるかもしれないが(笑)。
ちなみに、ストロンガーの角(色は赤)は、クウガの角の原点だが、電気人間の彼は、超電子人間にチャージアップすると、角も銀色になる。また、クウガ自身、電気エネルギーでパワーアップ(ライジングフォーム)すると、黄金色の強化パーツが全身や武器に装着される。
これらを見ると、クウガがいかにストロンガーから影響を受けているかが分かると思う。
クウガの力の源である「アマダム」の原型は、仮面ライダーBLACK(RX)の「キングストーン」に見られる。
また、仮面ライダーに神秘の力を与えるアイテムとしては、アマゾンライダーの「ギギの腕輪」が原点と言える。
いずれも、古代の呪術に基づく土俗的な敵組織の印象がある。
アマダムは、クウガに状況に合わせて各種の形態変化(フォームチェンジ)の能力を与える。このクウガの超変身の進化が、クウガのドラマの縦糸となり、視聴者の興味を引き付ける一因となった。
その形態変化は総計11種類に達し、長文になるので、
「こちらのページ」でまとめることにする。
仮面ライダーが「ライダー」である以上、その存在はバイクと切り離せない。そして、仮面ライダーのバイクに求められる要素は、大きく二つあると考えられる。
一つは、激しいアクションが行いやすいよう、いかにシンプルなデザインにするか、である。
もう一つは、ヒーローらしく、いかに派手で目立つデザインにするか、である。
この2つの相反する要求を追求し、ライダーのバイクは二極化した。一つは、Xのクルーザーやアマゾンのジャングラーに見られる、プロペラや翼など派手な装飾を施したバイク。もう一つは、ストロンガーのカブトローを代表とするシンプルなバイク。
その後、スーパー1に至り、ライダーは2台のマシンを持つに至る。1つはアクション用のシンプルなマシン。もう一つは装飾過多な大型マシンである。
そして、クウガでは、新たなパターンを構築した。
通常時にはシンプルなマシン「トライチェイサー」および「ビートチェイサー」を使用。
それに、飛来する強化装甲機「ゴウラム」を合体させ、「トライゴウラム」および「ビートゴウラム」形態が、派手なマシンとなる。
これにより、クウガは、マシンとライダーの一体感を損ねることなく、バイクアクションや、派手な方が商品になりやすい玩具メーカー側の要求を両立させることができたのである。
では、マシン別にトピックを見ていこう。
クウガ最初の乗機。警視庁が開発した特殊白バイの試作機。
「TRCS」の略称で呼ばれることもある。
五代の戦う決意を認めた一条薫が託した、言わば五代と一条の友情の証ともいえるマシンである。
クウガが初搭乗したのは、第4話の「ヒョウ種怪人ズ・メビオ・ダ」戦である。足の速い相手の追跡には、欠かせないマシンとして登場。
試作機らしく、後の量産型にはない特殊機能もついている。
その1つが、「ボディカラーを変えるカモフラージュ機能」。五代の変身前(ブラックヘッド)と、クウガ変身後(ゴールドヘッド)では、色が変わっていた。映像では、CGによる色の変化だが、実際の撮影では、複数のバイクを用意していたことになる。クウガは、劇中使用のバイクの総数が歴代ライダー中でも、かなり多い作品と言える。
他には、「警察からの無線を受信する機能」や、グリップ部分に装着する作動キー代わりの「トライアクセラー」が劇中で描写された。
前者は、一条から五代への緊急連絡に欠かせない。これがあるからこそ、五代は怪人の出現した現場へ駆けつけることができるのである。
後者は、しばしば「タイタンソード」の素材として活用されている。
後継機のビートチェイサーが登場してからも、しばしば量産型が登場し、最後は一条の乗機となって、五台と併走して長野へ向かう姿が描かれている。
トライチェイサーの後継機で、クウガ専用に試作されたマシン。
略称は「BTCS」。
この、さらに後継機が、「アギト」劇中でG3の乗るガードチェイサーである(デザインは全然異なるが)。
トライチェイサーとの外見の違いは、カラーリングぐらい? こちらの方が「より青い」って感じかな。なお、雄介搭乗時の車体は「ブルーライン」、クウガ搭乗時の車体は「レッドライン」という。
クウガが初搭乗したのは、第33話の「バッタ種怪人ゴ・バダー・バ」戦である。かねてから損傷していたトライチェイサーが完全に破壊され、バイクを操るバダーに対し、クウガは為す術がなかった。
そして、警察上層部は、第4号(クウガ)の危険性を報道するマスコミを意識して、BTCSを封印しようとする。しかし、一条をはじめとする未確認対策本部の連携があって、BTCSは五代の手にわたり、バダー戦で鮮烈なデビューを飾るのである。
TRCSの機能をそのまま受け継いでいる他、劇中で語られる追加機能としては、「ゴウラム」との融合による金属疲労を抑えるべく、本体材質を改良、また、「ゴウラム」に提供する予備の金属タンクを装備。科警研の技術力を印象付けるのにも貢献した。
また、高速走行の制動に、後部からパラシュートを展開。1号ライダーの新サイクロンと同じギミックに、ライダーファンを喜ばせた。
長野県の古代遺跡から発掘された、クウガのサポート機。
最初は砕けた陶片の集合体に見えたが、クウガを追って東京に飛来する途中で、トラックなどの金属を吸収、クワガタ虫型の装甲機となる。
桜子さんの解読した文献では、「馬の鎧」とも言われ、クウガの乗るバイクと融合合体する。また、単独でも、その飛行能力でクウガをサポートする。
ちなみに劇中で初めて、陶片が語られたのは、第7話(夏目実加ちゃん登場話)だったが、初めてクウガに認識され、トライチェイサーと合体したのは第15話と、結構、話を引っ張ったマシンである。
その後、科警研の研究対象となり、ビートチェイサー登場のきっかけとなったり、また、榎田さんとジャンの出会いのきっかけをも作った「愛のキューピッド役」。
また、クウガが戦闘中に、画面の片隅で、いかにも準備を心得ているかのように、そっと飛来、BTCSと合体して待機する奥ゆかしさを見せる。
CG合成による「ゴウラム」の描写は強い印象を持ち、また、最終回でも、「雄介の心が破壊の闇に飲み込まれた時、ゴウラムは自壊するはずだが、そうはならなかった」とのセリフ描写により、ドラマにも一役買っている。
トライチェイサーとゴウラムが融合合体した形態。
ゴウラムのクワガタ角の部分が、イノシシのキバのような衝角となり、それで突撃して封印エネルギーを送り込む「トライゴウラム・アタック」が必殺技。歴代ライダーのマシンの中でも、ぶつかったら最も痛そうな形状だ(笑)。
初登場は15話。翌16話で、「ヤドカリ種怪人メ・ギャリド・ギ」を乗っているトラックごと撃退した。
その後は、もっぱら、怪人を角で引っ掛けて戦いやすい場所に運搬するのが役目となる。
ビートチェイサーとゴウラムが融合合体した形態。
形は、トライゴウラムと大差ない。
初登場は35話。「ヤマアラシ種怪人ゴ・ジャラジ・ダ」を運搬した。
その後、39話で「サソリ種怪人ゴ・ザザル・バ」を運搬し、閉じるシャッターをギリギリすり抜けるアクションが印象的だった。
そして、42話の「バッファロー種怪人ゴ・バベル・ダ」戦で、ライジングフォームになり、「金のゴウラム合体ビートチェイサーボディアタック」(五代命名)を披露。一条に「名前、長すぎないか?」と掛け合い漫才のネタを作るなど、大活躍。