アンサンブル・クリスタル ディレクター

アンサンブル・クリスタルでは指揮者ではなくディレクターを置き、演奏の方向性を統一しています。

ディレクター・山本のりこ

京都市立堀川高校音楽コース(現市立音楽高校)、国立音楽大学声楽科卒業。
日本テレマン協会に所属中、ヘンデル「メサイア」、バッハ「カンタータ」「マニフィカート」等の ソプラノソロを歌う。
退団後ソロリサイタルを開催する傍ら、モーツァルト、
ヴィヴァルディ、グノー、 ペルゴレージ、ハイドン、ロッシーニ、フォーレ、ラター等、主に宗教曲のソロを務める。
2000年、ドイツ滞在中にバロック音楽をギゼラ・ポール氏、ルネサンス音楽をエドモンド・ブラウンレス氏に 師事。
その間、ドイツ各地の教会にてソロ演奏をし、好評を得る。
現在までにヴォイストレーナーとして関西の合唱団、並びに音大受験生等、数多くの
後進の指導に当たり受験実績、コンクール等でも成果を出している。
これまでに伊藤京子、岡田晴美、竹内光男、橋本俊詔の各氏に師事。

ディレクターコメント

クリスタルのメンバーは幅広い年齢、様々な音楽経験の持ち主。音楽を一つにまとめる為、一にも二にも声作りに 力を入れています。
「自然な声」作りをモットーに気息の制御、脱力のマスターに努めています。
又作品の時代背景を大切にし、スタイル(様式)についても重点を置いて練習しています。


ディレクターブログ(3)
No.6 海辺で聞いたハーモニー     No11.歌のレッスン徒然3
No.7 毎年青ざめる9月
No.8 歌のレッスン徒然
  
No.9 歌のレッスン徒然2(ブレス)
No.10 私も?歌のルーツ

もくじ
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2010年11月12日(金)
No.11歌のレッスン徒然3
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このブログを見て下さる方のほとんどが、歌を歌っている方ですから、

当然といえば当然かも知れませんが、私のブログで一番読みたいのは、
「歌のレッスン徒然」なのだそうです。

くすぐったいですが、そう言って頂くのが嬉しいのと、このブログを読んで頂いて、少しでも歌のヒントになればと思うので、調子に乗って?もう一つ書かせていただきます。

前回は「ブレス」について記しましたが、今回は歌を歌う器官=発声器官、 共鳴器官、その中でも「口」について考えてみます。
まず、誰でも最初に「口を大きく開けなさい」と教えられます。
「口」は大切な発声器官です。

初心者の皆さんは「口」と言うと「口びる」の有る「あ〜んと開いた口」を思い出すでしょう。

口の中には、何がありますか?
歯だけでも大きく分けて上歯、下歯、前歯、奥歯。
歯の内側、外側、臼歯の臼の部分。糸切り歯…
歯が植わっている歯茎。

舌は厳密に言うと「付け根」と前の「ベロベロなる所」では動きは別です。
舌に力が入ると、舌の中央ががペコリと引っ込んだり、プクリと飛び出たり。
つまり、舌にも表、裏、前、奥、中央、端があり、
口を開ける時に、舌の置き方を間違えただけでも思うように歌えなくなります。

口の中にあるものでその他に大切なもの。
上あごの上顎洞 これは、副鼻腔とつながっていて、鼻のいくつかの役割のなかでも声の共鳴と言う役割は大変大きいのです。
口の中だけ考えても、これら細かい部品の一つ一つ全てが発声器官なのです。
口と聞いて、この細部の部品全てをイメージした人は、上級者です。

これら細部の部品を最高に効率よく組み合わせて使った時に、一番よい声が出るということです。

「口を開けなさい」と習うのは、どうしてでしょう。
それは開けないより開けたほうが、「良く響くはず」だからです。
つまり、これら細部の部品を効率よく使い、口を上手く大きく開ける事により、頭部に形の良い大きな共鳴腔を作った時、最高に良い共鳴を得られると言うことです。

だから、口を開けたら、声が上手く響くはずなのです。
なのに、思い切り開けても、上手く響かないのは何故なんでしょう。
それは、上に記したことの反対をしているということです。

「口を開けても声が思うように響かない…」という症状は、
口の中の細かい部品を上手く使えていません。、
強い共鳴を引き出すような形に口が開けられていません。…と教えてくれています                             …つづく

 2010年11月3日(水)
 No.10 私も?歌のルーツ1
   
                              

 大西さんが歌のルーツについて記されたので、私も自分の歌の歴史について思いをはせてみました。

岡山県の山間のほんの小さな町に育った私。
唯一の幼稚園に通っていた時、東京からNHKラジオ番組「うで比べ、のど比べ」たる“子供のど自慢大会”の収録が巡回してきて町は大騒動。

幼稚園からも一人出そうということで、私が選ばれたらしいです。
…と言うのは、全く覚えが無いのです(汗!!)  
町中で20人くらいが出場したのでしょうか?

ところが予選を突破し、本番では小中高のお姉さまを差し置いて、ただ一人だけ連打を鳴らした?…らしく、これまた大騒動になったとかならなかったとか…というのは…実は私、当時全くしゃべらない、ものすごくおとなしい子供だったのです。

今の姿からは、とても想像できないって???  本当ですよ。
毎日の園生活では、一言もしゃべらなかったそうで…

この晴れがましい事件を全然覚えてないのが、返す返すも残念なのです。
何を歌ったかも記憶なし(…)めちゃくちゃおくてで消極的な園児でした。

小学2年で尼崎に引っ越しましたが、
「連打の事」が頭に残っていた母は、私に「童謡」を習わせてくれました。
その先生が「童謡歌手」だったのと、自分の弟子を「のど自慢大会」に出すのがお好きだったせいで、読売テレビの「神戸やパンのど比べ」に無理やり連れて行かれました。

私はというと、背丈以上ある参加賞「神戸屋のバケット」と「抱えきれないほど頂ける豪華賞品」に目がくらみ数回出演。当時「里の秋」や「越後獅子」など、習った童謡は数百曲になります。「ちびっ子のど自慢」なんていうフジテレビの番組にも出ました。この頃、のど自慢荒らしとうわさされた事も…(学校では相変わらず一言もしゃべらないので、通知表の性格欄に「無口」と書かれていました。日に1度くらいはお話しましょうねって…歌だけが私の表現手段だったようです。)


そんな楽しい童謡生活も長くは続きません。
所詮「童謡歌手」地声でガーガー歌うので、高学年になると変声期で高音(ドから上)が全く出ない。勿論 賞品からも遠ざかって行き…という事でちゃんとした発声をならわなあかんと、初めて「発声」と言うものを習ったのが6年生でした。

それまで歌っていた「ガーガー地声」を 「声楽の声(当時はただの裏声)」に変えたので声量が無くなってしまい、結局賞品からも遠ざかったままでしたので大変でした。…が、無口で他に取り得の無い私は、声の出ない「歌」でも充分楽しめたのです。

その頃貪欲に「大阪少年少女合唱団」と言う団に入り、一人で難波まで通いました。学校では全く存在感の無い私。しょっちゅう早引きしてTV局に乗り込んでいたのに、誰一人、私がTVに出て歌っていた事や一人で難波まで通っていた事など想像すらしなかったのですよ…フフフ。   
本当に、奇奇怪怪な女児でした                 …つづく

 2010年10月24日(日)
 No.9  歌のレッスン徒然2


発声の話をすると、常に私の失敗談と切り離せません。     

ブレス一つで何十人の先生方から教えを頂いたのに、長い間その99%は自分のものにならなかったのですから、本当発声のレッスンほど効率の悪いものはありません。

 「背中に吸う」を習ったら身体が硬くなって高い声が出なくなった。
 「鼻から吸う」を習ったら高音は出るのに低声がフニャフニャ。
 「横隔膜」を意識すると胸まで固まり、硬く止まった声・甘茶声に…
 「息を通す」を意識すると息が直接口から前に押し出され、呼吸困難状態
コントロール不能のビブラートがかかるのも70%は呼吸法の不備からで、これらの事は全て私が経験してきた失敗です。

教えて頂いた有意義な何十通りの呼吸法から、自分にあったレベルの方法を見つけ出すのに何千回の失敗を繰り返し、やっと1回出来ても身に付くまで又何千回と失敗を繰り返し……(*1曲通して歌う間に十数回のブレス…と数えて。)

そう思うと発声は失敗の連続で成り立っているようなものです。

ちなみにブレスに関して言えば、私が胸を張って言葉にできることは只4点のみ。

@ブレスは「うまく吸う」ではなく「うまく吐き切る」。
 上手く吐き切るコツを知れば必ず一番上等な呼気を手に入れられる。

A息は口を開けた状態から吸う
 口は閉じるより開いた状態でブレスした方が、そのあと第一声を出す時、ほとんどの人で上手く行く。(その方が声を出す時、下あごの重圧から開放され易い様だ)

B息の通った声を意識をする時にも、決して下あごから直接息が前に押し
 出されはしない。


Cそしてその他の事は、各自ご自分で自分の身体に一番合った、やりよい
  形を模索
されるのが良い。(発声法、呼吸法にとらわれ過ぎない)

これらは、私の教授経験から行き着いた助言です。この4点には多くの人の失敗(涙)が詰まっています。勿論私の何千回の失敗も。ですから皆様の参考には充分なりえると思います。だまされたと思って試してみて下さいね。

しかしながら、声を出す以前のほんの「息」の事だけでこの混沌ですから、歌う事全般、他の「模索」=「失敗」は大変な数になります。

そこで、最近私『失敗』についての名言を聞くことがあったので、模索を続ける皆さんに勇気になればと思い記してみます。

うちの三女から聞いた話
「学力世界第1位」を誇るフィンランドの小学生達は、例えば理科の実験をして教科書に載っていないような「まずい結果」になった時 「新しい発見かも…」と言って小躍りするらしい。

有名な方々の名言
 エジソン  「私は失敗していない。これでは上手くいかないという発見を
        1万回したのだ」
 チャーチル「成功とは、失敗から失敗へと熱意を失うことなく進んでいける
        能力である。」
 カーネギー「酸っぱいレモンを手に入れたらレモネードをつくろう!」

 2010年10月2日(土)
 No.8 歌のレッスン徒然


 歌を習うことの難しさはこのブログでも前述していますが、
「若い人」と「年齢を重ねた人」では、どちらが勉強しやすいと思いますか?

若い人は、声も若々しく美しいし、心も体も柔軟、特に新しい知識に対する記憶力の良さは言うまでもない。
反して「年齢を重ねた人」はその全ての面で劣ってきますので、
歌が「体の運動」だとすると、間違いなく「若い方が楽」…
と思いますよね。

 私は縁あってたくさんの音大受験生の歌のお稽古に付き合ってきました。皆さん未来に良い歌い手さんになられる素養は充分です。
ところが、若い人のレッスンは本当に難しい。

全く初めて発声を習われる時は良いのですが、(例えば合唱団等でも)ちょっとでも発声を習って来た人は、たいてい自分の歌い方を持っていて、それが、本来の発声のルールにのっとっている時は良いですが、
とても変な事になっている場合、直す(元に戻す)のにそれはそれは大変長い時間を要します。
 
その間自分の進路に迷わなくてはなりませんし、
友達がどんどん進路を決めて行くとき、ちっとも上手くなっていかない自分に嫌気がさし 歌うことを諦めてしまう…と言うような事も多いのです。
まともな発声を勉強しようとすればするほどの悪循環

ですから若い人にまず大切なことは、スタートの先生をしっかり選ぶ事。
そして30〜40歳くらいまでの長い目で声つくりを進めていこうという覚悟です

 勿論「年齢を重ねた人」も間違った発声を長くやればやるほど元に戻すのは難しいです。
しかし、若い人は、「声が若く綺麗」なので、発声器官にかなり無理な運動をかけてもそこそこ綺麗に歌えてしまう。
「声帯も柔軟」ですから、無理な発声で「高い音」もラクラク出せてしまう。

つまり、「無理な発声」がそのまま「まずい歌」につながらないのです。
私は実はその事が、正しい発声を身につけるのに一番困った事だと認識しています。

 年をとると、 発声器官の筋肉も硬くなっていますから
ここで無理な力をかけたり、変な呼吸のまわし方をすると即、のどを痛めて声が出なくなったり、ブレスが続かなって胸が痛くなったり、肩が凝ったり…と全身の症状に出るわけです。

そこまで行かなくとも「高い音が出なくなる」「音が下がる・うわずる」「声がキンキンする」「ヴィブラートのコントロールが効かない」等すぐにまずい状態がおこります。

よく、『熱が出るのは体のサイン』といいますが、
上のことは全て『理にかなわない無理な発声のサイン』です。

 「最近無理が効かなくなってきたわ〜」なんていいますよね。
年取ると、若い時より自分の身体の状態によく気付く様になります。

それと同様に、「発声が悪い時、すぐにまずいサインが出て、すぐにそのサインに気づく事」…これこそが、私達「年齢を重ねた人」が発声を勉強するに当たって、「若い人たちより恵まれた事」なのです。


2010年9月20 日(月 )
No.7 毎年青ざめる、9月

 早いもので今年ももう9月半ば。
毎年9月はなんとなくあせりを感じませんか。
涼しくなってほっとし、ふと、その年の前半をどう過ごしたのかと振り返ると、いつもながら青ざめてしまいます。(><!)

 今年は新しい事でやりたい事も数件有ったのですが、これが、スケジュール等の加減でなかなか思うように進まず、すべて先送りになっている事も有り、あと3ヶ月を何とか充実させなくちゃ…と結局今年もあせっています。

ただ私、今年〜来年は《大殺界&天中殺のダブルパンチ》なので、そちら方面から言うと、今年は《新しい事を始めたらいけない年》らしく、スケジュールが上手く行かなかった事は不幸中の幸いだったかも…です?

で あえて今年上半期の達成感…と言えば、初夏から夏にかけてのダイエットで、
5キロ減らすことが出来た事でしょうか

 私のダイエットは記録ダイエットです。夏中カロリーを気にしながら食事を作ったので、今では大体の食品のカロリーを把握できるようになりました。 

 パン類はとても高カロリー。「そうめん」のカロリーはその食感に反して思いの他高く、反して「あんみつ」は思ったほど高くありません。

〔食欲の秋〕到来で せっかく頑張ったカロリー計算を忘れてしまい、『年末の体重に青ざめる…(><!)』 なんて事のない様、あと3ヶ月きちんと過ごさなければなりませんね

今井彩香(ピアノ)

京都市立芸術大学卒業。
2002年、ベガ学生ピアノコンクール高校生部門第3位。
2005年、同コンクール大学生部門奨励賞、2008年同部門2位、2004年、音楽会ピアノコンクール銀賞、2007年、 ポーランド国立クラクフ室内管弦楽団と共演、
これまでに、山本のりこ、松井和代、赤松林太郎、岡田敦子、松田康子の各氏に師事。