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バルダーズゲート2
シャドウ・オブ・アムン攻略記
(その3)


●2007年10月17日(水)・ウマル・ヒル(第3章その11)

 陰謀渦巻くアスカトラ市内で、騎士団や寺院、官憲のために働きまくりましたが、超法規的な集団となっているカウルド・ウィザードと接触する手段が見つからず、困り始めた聖騎士NOVAです。

 そもそも、アスカトラ市の住人は、魔術師という職業が好きではありません。
 そこで「毒をもって毒を制す」という格言どおり、魔術師を統制する魔術師集団カウルド・ウィザードが秘密裏に作られたのでした。強力な魔術師が何をしようとも、一般人は干渉しない、というか、干渉できません。一般人は、魔術師を恐れるとともに、統制役のカウルド・ウィザードをも恐れ、積極的に関わらないことで自分たちの身の安全を図っています。
 その考え方は、普通の市民だけでなく、権力を持った役人や貴族、騎士、聖職者にも蔓延しており、カウルド・ウィザードに対しては、事実上いかなる束縛や監視、交渉も行ない得ない状況となっています。

 そんなカウルド・ウィザードに捕らえられた幼なじみの少女イモエンを助けるために、NOVA一行は市内を出て、ウマル・ヒルに向かうことにしました。
 2人のカウルド・ウィザードを殺して逃げた男、ヴァリガー・コルサラを探すために。

 仕事の依頼によれば、「ヴァリガーを捕まえるか、殺して死体を持って帰れば、カウルド・ウィザードとのコネを紹介してくれる」とのことですが……。
 また、もう一つ、依頼があって、「ウマル・ヒルで人々が困っているので助けて欲しい」と言ってきた子どもがいました(だいぶ前に受けた話ですが^^;)。

 ……ということで、本当に久しぶりに野外の旅です。
 ナリア
のデアルニス城解放クエスト以来ですなあ。

 到着したところは、丘のふもとにあるイムネスヴェイルの村。
 村人の話によると、「近ごろ、不思議な連続殺人・死体盗難事件が起こっている」そうな。残虐な殺人が行なわれた痕跡があり、その後、死体が消失してしまう、という事件です。
 そう言えば、最近「プレデター」という映画がやっていたなあ。あれも「透明な宇宙人のハンターが、兵士を倒して、死体を狩りの獲物よろしく、奪っていくのが趣味」という設定の話だっけ。ただ、プレデターは武器を持たない一般人は獲物にしない、というルールで行動していたっけ。普通の村人が襲われたなら、犯人はプレデターではない、ということだ(当たり前)。

 プレイヤーのNOVAが、こんな益体もない推理を行なっているように、村人たちも犯人の正体をめぐって、いろいろな論争を戦わせております。整理してみると、

・最近、村の近くに現われたオーガの一団
・狼(目撃談あり)
・何だか知らない影
・伝説の魔女ウマル

 村長さんの話によると、事件を調査していた村のレンジャー、メレナも失踪し、その探索のために雇った冒険者のマジーも帰ってこないそうです。
 とりあえず、探索のポイントとして、オーガの野営地と、メレナの小屋が提示されたので、順番に調べてみます。

@オーガとの交渉

 村を出て、すぐ北のところに野営していました。
 オーガと言えば、人食い鬼。村の近くに、こんな連中がたむろしてりゃ、確かに村人はビビるでしょうな。

 しかし、このオーガたち、珍しく平和主義の連中でした。
 何でも、南の方で戦争やっていて、徴兵されたんだけど、殺し合いがイヤで逃げ出してきたそうです。
 オーガたちは、平和を望んでおり、村人たちとの仲介交渉を依頼してきました。

 曰く、「村人たちが食料や日用品を売ってくれるなら、野蛮なオークや危険な動物から、村を守るために戦ってくれる」そうです。

 オーガが犯人でないことも分かり、また、村を危険から守ってくれることも現状、大変ありがたい申し出なので、村長さんはオーガを受け入れることに同意してくれました。

Aメレナの小屋

 次に、村の西にあるレンジャーの小屋に向かいます。
 そこは荒らされた跡があり、中には「メレナの日記」「マジーの残したメモ」がありました。
 メレナの日記には、事件の調査についての感想などが書いていました。「知性ある狼」という記述に、もしかしてワーウルフ? という推測も。ワーウルフといえば、聖騎士NOVAには相応の思い出がございます(BG1の追加シナリオTSC「獣人の島」を参照)。日記の最後のページには、「何だか頭の中に、自分とは違う声がささやいてくるような気がする」なんて記述も。その後、行方不明になったわけですから、何かに取り付かれたか、化け物と化してしまったのかなあ、とゾクゾク、ホラー調。
 マジーのメモには、次の探索ポイントとして、「寺院の廃墟」への行き道が記されていました。

 ただ、そちらに向かう前に、村の周辺をもう少し、探検したいところですね。そもそも、ここに来た最大の目的は、隠れ住むヴァリガーの捜索なんですから。(つづく)

 

●2007年10月17日(水)・カウルド・ウィザードとヴァリガー(第3章その12)

 謎の死体失踪事件の渦中にあるウマル・ヒル。

 そちらの解決はがんばるとして、ヴァリガーも探さないと、ただの「雇われたいい人」で終わってしまいます。
 他人の仕事の手伝いは必死でやるけど、そのせいで自分の仕事がおろそかになってしまいがちな人……たまにいますよね(笑)。

 さあ、ヴァリガーはどこにいるかなあ? と思い、村を散策していると、思いもかけない人と出会いました。
 それは、カウルド・ウィザードのジャーミーンさん。
 へ? こんな辺境の地に、カウルド(以下略)がいたの? ラッキー♪ と思って、話をします。

NOVA「こんにちは。実は、あなたの仲間に、ぼくの仲間が誤って、捕まってしまったんですよ。何とか、助け出すよう協力してもらえないでしょうか?」

ジャーミーン「そんなことよりも、おまえこそ、わしの研究に協力しろ。わしが現在作っている、このゴーレムを動かすには、<ミミックの血>が必要なのだ。それを持ってきて、ゴーレムを動かすのに成功したとき、わしもおまえに力を貸してやろう」

NOVA「分かりました。ミミックですね。お安い御用です」

 村の近くの洞窟に、宝箱に擬態したミミックがいたので、あっさりやっつけて来ました。

ジャーミーン「おお、これぞ<ミミックの血>だ。よし、行け、ゴーレム起動だ!」

ゴーレム「グオー! バキッ!(ジャーミーンを殴り飛ばす)」

ジャーミーン「うお、バカな。わしのコントロールを受け付けないだと? く、来るな! わしは、お前の主人だぞ」

ゴーレム「グオー! ドカバキグシャ、ドガシャーン、ググググ……ベキボキピキッ!(暴れ回って、ジャーミーンを痛めつけ、首根っこを引っつかんで力を込める)」

ジャーミーン「がはっ!」

 何だか、とんでもないことになってしまったので、慌てて、ゴーレムを倒しにかかるNOVAです。戦闘後、かろうじて一命を取り留めた魔術師の治療を行ないます。

ジャーミーン「す、すまなかったな。まさか、こんなことになろうとは。わしは自分で思っていたほど、腕も力も優れてはいなかったようだ。まだまだ修行が必要なようじゃわい。こんな体たらくじゃ、到底おまえさんの力にはなれそうにない。では、さらばじゃ」

 そう言って、こちらが返事する間もなく、テレポートでどこかへ消えてしまいました。
 おい、おっさん! 去る前に、せめて一人くらいコネを紹介しておいてくれ。
 しかし、消え去ってから、そう言っても、相手は聞いてませんなあ(苦笑)。

 仕方なく、日記に書き込みます。
 「カウルド・ウィザードの中には尊大で人の話を聞かない、しかも思い込みの激しい人物がいるようだ。おまけに、結構ドジ。そういう者が力を持つのは、非常に危険なことではないだろうか?」

 気を取り直して、ヴァリガー探索を続けることにします。
 
それと<ミミックの血>クエストでは、直接の報酬こそありませんでしたが、ジャーミーンの部屋には、魔法の巻き物が残っていたりして、これを報酬代わりに拝借することにします(笑)。泥棒と言うなかれ。

 その後、ヴァリガーは村におらず、ミミックの潜んでいた洞窟の北にある小屋に、いることが分かりました。
 早速出向いて行って、話し合いに臨みます。

NOVA「ヴァリガーさん、いますか?」

ヴァリガー「おまえ、カウルド・ウィザードの回し者だな!」

NOVA「とんでもない! 誰が、あんな尊大で人の話を聞かない、しかも思い込みの激しい割に、ドジな連中の回し者になりますか! むしろ、迷惑を被っているんですよ、実際」

ヴァリガー「そうだ、奴らは迷惑以外の何者でもない。勝手に、このオレを拉致しようとした上に、こちらが抵抗したら、街中に指名手配しやがって。オレは、正当防衛を主張する!」

NOVA「なるほど、そういうことですか。奴らなら、人の話も聞かずに拉致するってことも、平気でやりそうだな」

ヴァリガー「ま、まあ、抵抗したとき、勢いあまって、2名ほど殺ってしまったのは済まないと思っているが、連中の裁きにオレは従う気はない。やり方が理不尽そのものだからな」

NOVA「連中は、あなたをどうしようと考えているんです?」

ヴァリガー「スラムに出現した<プレイナー・スフィア>は知っているな。あれを作ったラヴォクは、どうやらオレの先祖らしい。先祖は代々のコルサラ一族の肉体を奪って、長寿を実現したそうだ。今回、あれが出現したのは、オレの肉体が目当てなんだろう。ラヴォクはオレの肉体を奪おうとしているし、カウルド・ウィザードはオレにラヴォクを始末させて、事件を解決しようとしている。仮に、オレが返り討ちになっても、それはそれで、ラヴォクの用事が済むわけだから、事件は解決すると思っているんだろうな。オレは連中にとって、体のいい人身御供ってことさ。こちらの意志や都合にはお構いなし。全く、付き合ってらんねえぜ」

NOVA「つまり、あなたの肉体さえあれば、憑依は可能、ということか。ぼくを雇った男は、『ヴァリガーを捕まえても、殺して死体だけ持ってきてもいい』と言ってきた。何だか怪しい男だったんだが、ぼくにもカウルド・ウィザードに捕まった仲間がいましてね、彼女を助けるためのコネと引き換えということで、一応は依頼を引き受けたわけだが……」

ヴァリガー「だったら……今ここでやるか?」

NOVA「あなたがただの悪党だったらね。でも、状況を分析すると、悪党はラヴォクであり、カウルド・ウィザードのようだ。あなたはただの被害者らしい。そういう人を捕まえて、残酷な運命に引き渡すようなマネは、ぼくにはできない。むしろ、ラヴォクを倒すことが正義なら、それを実践するまでだ」

ヴァリガー「ラヴォクを倒すには、オレの力が必要だって分かっているのか? <プレイナー・スフィア>はオレの肉体に反応して、開くようになっているらしいからな」

NOVA「だったら、あなた次第だ。あなたがこのまま隠れていたいなら、そうすればいい。あなたがラヴォクと戦いたいなら、ぼくは喜んで手を貸すよ」

ヴァリガー「少し……考えさせてくれないか? オレも、このままでは何の解決にもならないってことは分かっている。いつかはラヴォクを倒すか、それともオレが倒されるか、決着をつけなければならないってな。だが、他人の思惑に振り回されるのだけは勘弁だ。自分の運命くらい、自分で決めたいじゃないか」

NOVA「その気持ちはよく分かる。先祖や親の悪に、子孫が振り回される。本当は平和な生活が望ましいのに。時には、呪われた運命を振り捨てて、自由な世界に逃げたいと思うこともある。それでも、決して逃げ続けることはできないんです。最後には、自ら運命に立ち向かわないと」

ヴァリガー「知ったようなことを抜かすじゃねえか。おまえみたいな世間知らずの聖騎士坊やに何が分かるってんだ?」

NOVA「ぼくの本当の親は世間で悪そのものと呼ばれている。ぼくの育ての親は、良い人でしたけどね。本当の親の悪評や遺産のせいで、ぼく自身の平穏な生活は奪われ、育ての親もぼくを庇って殺された。ぼくの旅が始まったのは、それからです」

ヴァリガー「ほう、おまえさんも苦労してるんだな。あなどって悪かった。……いいだろう。おまえと一緒なら、オレも運命に打ち勝つことができるかもしれん。<プレイナー・スフィア>へ乗り込むのを手伝ってくれないか?」

NOVA「分かりました。ただ、今は別に仕事を抱えているので。その仕事を片付けたら、一緒にラヴォクを倒しに行きましょう」

 こうして、ヴァリガーと意気投合したNOVAでした。ただ、先にウマル・ヒルの事件を解決しておきたいところですね。(つづく)

 

●2007年10月18日(木)・ハーパーズ再び(第3章その13)

 ヴァリガーとの対面で、改めてカウルド・ウィザードの理不尽さを意識しました。
 連中相手に、「合法的に話し合って」とは、どうも通用しそうにありません。

 この段階で、イモエン救出には、裏稼業の協力を仰ぐことが必要、と聖騎士NOVAも確信するようになりました。
 ただ、その前に、乗りかかった船ということで、ウマル・ヒルの事件を解決しようと思います。
 向かった先は、「マジーのメモ」に記されていた「寺院の廃墟」。 そこは、古の太陽神アモーネイターの寺院だそうですが、過去の栄光は消え失せています。寺院の周りも、荒れ果てた枯れ木の森となっていました。

ミンスク「こっちに、狼の足跡があるぞ。北に向かっている。なあ、ブゥ(チューチュー)」

NOVA「よし、ハムスター先生のお告げに従うぞ」

ヨシモ「そんな行動方針で、大丈夫アルか?」

ミンスク「何だ、ヨシモ? ブゥのことが信じられないのか? ブゥは、こう見えても、ミニチュア・ジャイアント・スペース・ハムスターだぞ。このミンスクより、ずっと賢くて、いろんなことを知っているんだ」

ヨシモ「いや、そのハムスターが、お前より賢いってことは認めるけどネ。自分で考えず、頼り切るのはどうかと思うヨ。東方の格言にもこうアル。『天は自ら助くる者を助く。汝自身の知恵と努力をゆめ怠ることなかれ』ってネ」

NOVA「ヨシモの言うとおりだと思う。だが、今は判断材料が特にないのだから、どちらに進んでも、大差はないだろう。だったら、ここはハムスター先生の指示に従い、ミンスクの気持ちを納得させることが、最良の選択だと考えるのだが」

ヨシモ「それで、うまく行かなければ?」

NOVA「もちろん、ミンスクの責任だ」

ミンスク「おい」

 ってなパーティー間会話を勝手に妄想しながら、北へ向かいます。
 すると洞窟発見。
 中には、一人のオオカミ女がおりました。名前をアナスと言います。

アナス「侵入者め。おまえもシェード・ロード(影の王)の回し者か?」

NOVA「シェード・ロードだって? とんでもない! この光り輝く聖騎士オーラが見えないのか? ぼくはイムネスヴェイルの村を襲う悪を退治しに来た。村を襲う狼だか、影だか分からない物は、おまえが操っているのか?」

アナス「ちがう。我ら狼人間の一族は、自然の中で平穏に暮らしていた。しかし、そこにシェード・ロードが現われたのだ。奴は我が一族を襲撃し、殺してから魂を奪い、邪悪なシェード・ウルフに変えていった。我が一族の唯一の生き残りが、この私だ。私はこれから、奴らの潜む太陽神寺院に向かい、一族の仇を討つつもりだ。邪魔するなら、容赦はしない」

NOVA「……だったら目的は同じだ。共に行こう」

アナス「断る。私はおまえたち人間を信用しない。足手まといになるばかりだ。来たいなら、後からノコノコ付いて来い」

 やれやれ、あからさまな死にフラグだなあ、と思いつつ、アナスの向かった先について行きます。
 途中で、シェード・ウルフの襲撃にあったりもしますが、そこは難なく切り抜けます。
 ところで、戦闘中に、ヨシモの弓矢攻撃が時々、主人公に当てられているのは気のせいでしょうか? 特に、魅了や混乱状態に陥っているわけでもないのに……。

ヨシモ「いや、それは、ただの流れ矢アルよ。ヨシモはずっと盗賊だったからネ、プレートメールを着たまま、長弓を撃つのに慣れていないアル。今まではずっと、革鎧と短弓だったし……」

 もしかして、盗賊→戦士に転職させられたこと、恨んでる? 

ヨシモ「気のせいアルね。あのまま盗賊を続けていたら、レベル12に上がって、もう少しでレベル13になっていたのになあ、とか、やっと経験値30万かよ、100万まであと70万も稼がないといけないなんて、実際やってられねえぜ、とか、そんなことは、ちっとも考えていないのコトよ」

 やっぱり恨んでいるんだな(苦笑)。
 忘れないうちに、日記に書いておこう。
 「どうも、最近、ヨシモの視線が悪意に満ちているような気がする。仲間を疑うなんて辛いけど、寝首をかかれないように用心した方がいいかもしれない」

 そう思いながら、野営をしていると、真夜中にイベント発生。

野盗(?)「フフフ、こんなところで野営とはうかつだな、兄ちゃん。有り金をよこしな」

NOVA「チッ、悪党め。お前みたいな悪を成敗するのが、ぼくの仕事だ。返り討ちにしてくれる」

野盗(?)「おっと、動くな。動くと、この姉ちゃんの首が飛ぶぜ」

ジャへイラ「ごめんなさい。捕まってしまったの。私のことはかまわず、こいつらをやっつけて」

野盗(?)「ええい、だまれ。おとなしくしていろ」

NOVA「人質か、卑怯者め。だったら、抵抗はしない。ぼくが代わりに人質になるから、彼女を放してやれ」

野盗(?)「自己犠牲の三文芝居はやめろって。俺たちが欲しいのは、兄ちゃんの命じゃなくて、持ち物だ。早く、有り金、全部よこしな」

NOVA「分かった。金なんかより、仲間の命の方が大切だ。持って行け」

野盗(?)「へへへ、こんな簡単に行くとはな。おっと、まだ動くなよ。仲間の命が大切と言ったよな。命は奪いやしないよ。しかし、この姉ちゃん、美人だよな。何だか、このまま返すのが勿体ないような気がしてきたぜ、へへ、どうしてやろうかな」

ジャへイラ「……このスケベ野郎! いい加減にしなさい!(急所にケリ一発)」

野盗(?)「ぐ、この女(アマ)」

ジャへイラ「今よ、NOVA。こんな下劣な野郎に従う必要はないわ。倒してしまって」

 ジャへイラが人質状態から逃れたので、遠慮なく戦います。そして野盗(?)を撃破後。

ヨシモ「こんな、人の通らないところに野盗なんて、おかしいアルね。ふつうは街道沿いとかに現われるものヨ。我々を特別に狙ったということも考えられるネ。ジャへイラ、何か心当たりは?」

ジャへイラ「し、知らないわ。こんな下賎な連中」

ヨシモ「そうアルか? その割には、あっさり拘束を逃れていたネ」

ジャへイラ「それは連中の隙をついたから……」

ヨシモ「連中の隙ネ。ヨシモの目には、最初から隙だらけだったアルよ。むしろ、あんたのような人がああも簡単に人質にされたことの方が、不思議に思えたモノ さ」

ジャへイラ「それ以上は言わないで。私も油断していたのよ」

ヨシモ「ふうん。だったら、そういうことにしておくヨ。誰にだって、秘密はあるものだからネ」

ジャへイラ「……」

 そして、この直後、一人の女が現われて、ジャへイラに何やらささやきます。

ジャへイラ「ごめん、NOVA。ハーパーズから召集がかかったの。私は行かなければならない。でも、必ず帰ってくるから、心配しないで。じゃあ」

 おおい、大事な回復役が去られると、つらいんですけど。
 今のままだと、冒険の継続も困難なので、一度任務を中断し、ハーパーズの拠点のあるアスカトラ市に戻ることにします。

 ジャへイラの身に何があったのか、心配しながら。(つづく) 

 

●2007年10月18日(木)・ハーパーズ裁判(第3章その14)

 ハーパーズ。
 「フォーゴットンレルムの正義の秘密組織」
 詳しくは、こちらこちら参照。

 正義を守るという目的は、こちらと一致しているので、協力できると思いきや、向こうはそう思っていないようです。
 何しろ、こちらは「邪神バールの子」という特別な事情がありますので、厳重に警戒されているわけですね。
 ハーパーズに所属していた養父のゴライオンは、邪神の子とはいえ、正しく育てるなら正義の道を志すはずだ、という信念でNOVAを育ててくれ、その信念どおり「法と正義を守る聖騎士」に成長。
 同じく、ハーパーズに所属していたジャヘイラと、亡くなった夫カリードは、NOVAが悪の道に転向しないよう、監視役としての務めを果たしながらも、いつしか冒険の仲間として大切な存在となっていきました。

 しかし、ハーパーズにも、ゴライオンやジャヘイラのように主人公に対して好意的な者ばかりではない、ということが、今回、分かるのでした。

ヨシモ「どうやら、あの女は下手な芝居で、NOVAを試したみたいネ」

NOVA「どういうことだ?」

ヨシモ「人質を取られた状況で、NOVAがどんな行動をするか? ジャヘイラを見捨てるのか、それとも助けるのか? どちらを選ぶかで、NOVAの正義っぷりが評価され、それがハーパーズによって審査される。そういう筋書きになっていたアルよ、きっとネ」

 アスカトラ市の酒場コパー・コロネットで、ジャヘイラの帰還を待ちながら、今後の対策を考える一行です。

ミンスク「ジャヘイラは昔からの仲間だ。信頼できる。疑っても仕方ない」

エアリー 「でも、信頼できる仲間が、あんなやり方でNOVAを試そうとするかな?」

ナリア「ジャヘイラの気持ちとは関わりなく、彼女の所属している組織がそうさせたのかもしれないわね」

エアリー 「どういうこと?」

ナリア「貴族社会に所属している者は、いやでも貴族の流儀に従わないといけない。そこから外れた考えや振る舞いをしていれば、それがどれだけ正しくても、変人扱いよ。組織の考えから抜け出すには、よほど強い覚悟が必要なの。私は、ハーパーズがどういう組織か、よく分からない。でも、ハーパーズが私たちの行動に干渉するようになったら、ジャヘイラがどちらを選ぶのか、気になるところね」

NOVA「ハーパーズは正義を守る組織のはずだ。ぼくが悪に加担しない限り、敵対関係にはならないはずだ」

ヨシモ「それは甘い考えネ。ハーパーズの正義が、NOVAの正義と同じかどうか、知れたものじゃないことヨ」

NOVA「……もしも、誤解があるのなら、じっくり話し合わないといけないな」

ヨシモ「話し合いの余地があれば、いいけどネ」

 そんな話をしていると、ジャヘイラが戻ってきます。

ジャへイラ「ここにいたのね。アスカトラのハーパー長ガルバリーが、NOVAに会いたいと言っているわ。私について来てくれるかしら」

NOVA「もちろんだ。ぼくも、この機会に、話し合いたいと思っていた」

ナリア「全員行かないといけないのかしら?」

ミンスク「どういうことだ?」

ナリア「何だか、陰謀の匂いがするのよね。貴族同士の勢力抗争でよくあることだけど」

ヨシモ「陰謀だったら、よけいに一緒に行かないといけないアル。誰かがお人好しな聖騎士の背中を守らないと」

ナリア「そうね。NOVAには助けてもらったし、喜んで付き合うわ。誰かさんを見張っておきたいしね」

ジャへイラ「……」

NOVA「そういう勘ぐりはやめにしないか。ハーパーズがぼくを怪しんで、ジャヘイラを監視役につけたことは故あることだ。だが、ぼくはハーパーズと敵対するようなことは何もしていない。疑惑が解消されれば、全てうまく解決するさ。それなのに、仲間同士で疑心暗鬼になるような言動はよして欲しい」

エアリー 「……そうだね。ジャへイラ、あんたは説教ぶった忠告しかしない、ちょっとイヤな女だけど、私たちを裏切ったりはしないよね。少しでも疑ったこと、謝るよ」

ジャへイラ「……エアリー、あんたは世間知らずで、空気の読めないバカ娘よ。可愛らしいくらいにね。そんなあんたやNOVAを裏切ったりしたら、それこそ私が悪になってしまう。自分が自分で許せなくなるわ。でも、気をつけて。ハーパーズの質問、いえ、尋問にうかつな答えをしたら、疑惑を呼ぶわ。私もフォローはするけど、くれぐれもバカな回答はしないでね、NOVA

 そして、一行はドック地区にあるガルバリー邸に向かいます。

ガルバリー「ほう、うまく連れてきたようだな、ジャヘイラ。これで、お前は役目を果たしたわけだ。私がハーパー組織の中で出世した暁には、お前の働きに報いてやるぞ」

ジャへイラ「私は、あなたの出世のために動いたんじゃない。NOVAの正義を、認めてもらうために来たのよ」

ガルバリー「ああ、丁寧な報告書だったな。だが、相当、主観が入り混じっているようだ。報告書は、もっと客観的でないとな。お前の感情の分を差し引いて、事実のみを抽出するのに苦労したよ」

ジャへイラ「私の主観が入っているとしたら、それは、それだけNOVAが私の好意を得るにふさわしい人格者だってことよ。事実、は私の知る限り、最も法と正義について生真面目に考える堅物で、好んで悪を為すとは考えられないわ。それだからこそ聖騎士として、神も力を与えているのね」

ガルバリー「神と言っても、いろいろいるがな。その男が、邪神の血を引くことは間違いないようだ。その男の力が、邪神に基づくものでないことを、どうやって証明できる? しかも、女を誘惑する術にも長けているようだしな」

ジャへイラ「どういうこと?」

ガルバリー「それは、お前の報告書が証明しているよ。夫のカリードを失ったお前が、喪にも服さず、NOVAに付き従うのは何故だ? それにデアルニス侯爵の娘NOVAが連れ歩いているとの話も聞くぞ」

ナリア「私の冒険好きは、NOVAのせいではないわ」

ガルバリー「NOVAがいなければ、そなたはイサイア・ロウナルの妻として、おとなしく貴族社会に収まっていたはずだ。それこそが秩序というものだろう。それをNOVAは壊して、無秩序の冒険の世界にいつまでも、そなたを留めているのだ」

ナリア「イサイアとの結婚なんて、死んでもイヤ。それが秩序だって言うのなら、私は混沌の方を選ぶわ」

ジャへイラ「ナリア、あなたは黙っていて」

ガルバリー「聞いたとおりだ。NOVAが本当に法について考えるなら、デアルニス侯爵令嬢をいさめこそすれ、いつまでも連れ回すようなマネはしないはずだ。彼はもしかすると、『法のためと称しながら、人々を密かに無秩序にいざなう誘惑者』ではないのかな?」

ヨシモ「やれやれ、素晴らしい魔女裁判アル。こんな茶番にいつまで付き合うつもりカ、NOVA?」

NOVA「最後までだ、ヨシモ。彼らの言い分を聞いて、その上で正々堂々と弁明する。それが法のあるべき姿だ」

 思いがけず、法廷劇が展開されてしまったリプレイ記事(苦笑)。
 実際のゲームでは、ここまでややこしい論争にはなってないぞ、と思いつつ、調子に乗って会話アレンジしております。

 果たして、NOVAの正義はいかなる形で、証明されるのか?
 あくまで、キャラクターのNOVAの正義であって、プレイヤーのNOVAとは違うことをお忘れなく。
 ああ、書いていてややこしい(^^;) (つづく) 

 

●2007年10月18日(木)・ハーパーズとの決別(第3章その15)

 「邪神バールの子」NOVAを断罪するハーパーズ裁判が続いております。

ガルバリー「NOVAの罪は、『無秩序への誘惑者』だけではない。『殺戮者』としての罪も含まれる。とりわけ、兄のサレヴォク殺しの罪は大きい、と言わざるを得ない」

ミンスク「ちょっと待て。サレヴォクは、バルダーズ・ゲートの街の平和を脅かした大悪人だ。その悪を退治したNOVAは英雄として尊敬されこそすれ、断罪される理由がない。なあ、ブゥ(チューチュー) ほら、ブゥもそう言っている」

ガルバリー「頭のおかしい蛮人の言っていることだが、吟味してみよう。確かにサレヴォクは悪人だ。それなら捕まえ、衆人監視の元で、法の処罰を受けさせるべきだった。法とは関係ない私闘で決着をつけるべきではなかったのだ」

ジャへイラ「その件は、バルダーズ・ゲートの太守も納得済みよ。関係者が認めていることを、あなたが違法となじる権限はない、と思うけど」

ガルバリー「もちろん、普通ならそうだろう。だが、サレヴォクも、NOVAも、バールの子なのだ。バールの子は、邪神の力をめぐって、互いに殺し合い、勝ち残った者が邪神の権能を引き継ぐ、とも言われている。NOVAのサレヴォク殺しは、邪神復活の礎とも見なされるわけだ。これも『正義のためと称しながら、破壊を繰り返す殺戮者』の証とは言えないかな?」

NOVA「……なるほど。確かに、あなたの言うことは、一面を見れば、理にかなっているように思える」

ジャへイラ「まともに受け止めないで、NOVA。彼の言っていることは、詭弁よ」

NOVA「詭弁でもかまわないさ。言い分に筋が通っており、その目的が納得できるものならな。さて、ガルバリーさん、あなたの目から見て、ぼくのいくつかの行動が罪に値するということは聞かせてもらった。それでは、結論を聞きたいわけだが。あなたは、ぼくの罪に対して、どのような処罰が妥当と考えるのか?」

ガルバリー「観念したか

NOVA「観念はしないさ。だが、頭のいいあなたのことだ。ぼくを罪に陥れる方法は、いろいろ考えているのだろう。それをいっぱい聞いていても、お互い疲れるだけだ。だったら、結論を先に聞いて、それをぼくが納得すれば、時間の節約にもなる。納得できなければ、いくらでも説得すればいい」

ガルバリー「生意気なことを言うじゃないか。時間の節約だと?」

NOVA「ああ。ただ、何も聞かないままじゃ、用意したシナリオが無駄になるな。一つ、質問してみなよ。あなたがどんな質問で、ぼくを陥れようとしていたのか、一つぐらい興味がある」

ガルバリー「ふん。では、聞くぞ。お前の好きな色は何だ? 次の選択肢の中から選べ」

NOVA「選択肢の中に、はないか、残念。だったら、英知と若さの色である『青』だな」

ガルバリー「それは憂鬱の色だ。やはり、お前は人々を無気力に誘う邪神の子だ」

ジャへイラ「茶番ね。空の青海の青だっていろいろあるわ。これじゃ、どの色を答えても、適当にこじつけて、邪神の子だと立証できる。最初から偏見に満ちた目で見ていては、何を見ても、悪と言えるわ」

NOVA「そのとおりだ。ぼくも、これ以上、不毛な言葉遊びに付き合うつもりはない。目的がはっきりしているなら、それをかなえる方策を考える方が、賢明じゃないか」

ガルバリー「では、判決を申し渡すぞ。数々の罪と、今後の危険性を考慮して、私はNOVAを次元牢獄に監禁することを要求する」

NOVA「それは甘いな」

ガルバリー「何だと?」

NOVA「理由は3つある。1つ、ぼくが邪神の子として力を発揮すれば、そんな監獄に追放しても脱出は容易だろう。処罰として、ちっとも有効ではない。むしろ、そんな中途半端な処罰を下した者に、恨みをぶつけることになるだろうな。処罰を下すなら、後顧の憂いを絶つために徹底的にするのが賢明な手腕だ。いっそのこと、死刑宣告でもした方がすっきりするんじゃないか?」

ガルバリー「ムッ。我らハーパーズは、無闇に命を取ろうとはしない。殺戮を好むのは、邪悪な者だけだ」

NOVA「ぼくだって好まないさ。だが、必要なら、自らの手を汚す覚悟はある。それが邪神の証だというなら、好きに言うがいい。さて、理由その2。ぼくが次元牢獄から脱出できないぐらい弱いなら、邪神の力を恐れること自体、ただの杞憂である。そのような弱い力なら、もっと知恵をしぼって、有効な利用法を考え出すことが、ハーパーズに課せられた使命だと思うがどうだろうか? 少なくとも、ぼくはそれをハーパーズに期待している」

ガルバリー「当面は次元牢獄に放逐して、その間に、他の方策を考えればいい」

NOVA「なるほど。追放したままじゃないんだ。だったら、理由その3。肝心の次元牢獄なんだが、この間、そこに行って、脱出してきたところだ。監視者はもういないので、使えないと思う。ジャヘイラは報告していなかったのか?」

ジャへイラ「ごめんなさい。その件は、ややこしくなるので、割愛したの」

ガルバリー「バ、バカな。次元牢獄から脱出しただと?」

NOVA「ああ。ついでに、スラム地区にある<プレイナー・スフィア>事件も、そのうち解決しようと思っている。異次元関係なら、いろいろ知り合いもできたので、そこに監禁しようとしてもムダさ」

ガルバリー「やはり、恐ろしい邪神の力の持ち主め」

NOVA「勘違いするな。これはぼく一人の力ではなく、冒険で知り合った人々との協力関係によるものだ。ぼくは、自分の呪われた出自にまつわる力よりも、多くの人々との絆の方を大切にしたいね。あなたが邪神の力を恐れるなら、むしろ、それを利用しようとしているジョン・イレニカスという男に気をつけるがいい。それと、カウルド・ウィザードに捕まったイモエンを助けてくれるとありがたいんだが」

ガルバリー「何で、我々がそんなことをしなければいけないのだ?」

NOVA「そちらの要求が、ぼくを拘束することだからさ。ぼくはそれを甘んじて受ける。その代わり、交換条件として、ぼくが果たすべき使命を、あなたたちハーパーズが代行することを要求する。1つ、都市の地下のビホルダー退治1つ、ウマル・ヒルのシェイド・ロード退治1つ、ウィンドスピア ・ヒルのドライアドのところにドングリを持っていく。 今はこんなところかな?」

ガルバリー「だからどうして、我々がそんなことをしなければならないのだ?」

NOVA「同じ言葉を繰り返すようじゃ、思ったより頭が悪いな。アドリブは苦手か? あなたのその質問に答えるなら、どれも法と正義のためさ。人を拘束しようとするなら、その人の仕事を肩代わりするぐらいの覚悟を持てよ。それとも、あなたはぼくを拘束するだけで、世の中の悪を全て一掃できて、正義を実現できると思っているのか? ぼくを拘束することによる利益と損失を考えるなら、そんなバカな選択肢はとりえないと思うんだけどな」

ガルバリー「ええい、だまれ。お前は罪人だ。邪神の子だ」

NOVA「でも、邪神じゃない。罪人かどうかは、ハーパーズが決めることではない。我が神ティールが公正な裁きで決めることだ。ティールの司るは因果応報。ぼくが悪に染まれば、その罪はティールが下すだろう」

ガルバリー「おい、ジャヘイラ、いつまで、この生意気な小僧に喋らせている。ここはハーパーズの裁きの場だ。早く黙らせろ」

ジャへイラ「違うわね。ここは、NOVAの正義を認めてもらうための場よ。あなたは、自分の出世のために、NOVAを拘束することで、手柄にしようとしているに過ぎないわ。でも、はっきりした。あなたは権力欲のために陰謀をめぐらせるしか能がない小物ってことが。そんなつまらない陰謀も、NOVAは彼の流儀で、言葉の力で打ち破った。あなたの負けよ、あきらめなさい」

ガルバリー「ハーパーズを裏切るつもりか?」

ジャへイラ「あなたごときに従うハーパーズなら、それは私と夫の愛したハーパーズじゃない。ここにいるハーパーズのメンバーも、あなたの少数の追従者にすぎないわ。腐った組織なら、粛清が必要のようね」

ガルバリー「おのれ。この連中を生きて帰すな!」

 あ、キレた。
 久々の長文会話調リプレイになりましたが、戦闘になってしまうと、一瞬ですね。
 ガルバリー率いるハーパーズのアスカトラ支部員は、NOVAたちの前に、ボコボコに粉砕されてしまいました。
 そして戦闘後。

NOVA「結局、ハーパーズを裏切ることになってしまったな。これでよかったのかい?」

ジャへイラ「私がハーパーズを裏切ったのではなくて、ハーパーズが私と、ゴライオン、そして、あなたの正義を裏切ったのよ。当然の報いだわ」

 
結果としてハーパーズのアスカトラ支部を壊滅させてしまい、少々後味が悪い気もしますが、「触らぬ神に祟りなし」と開き直っておきましょう(^^;)。
 では、ウマル・ヒルの方に戻るとしますか。 (つづく)

 

●2007年10月19日(金)・幕間(第3章その16)

 ハーパーズ裁判の結果、NOVA一行は望まぬながら、ハーパーズと敵対することとなりました。
 そして、その際、暴露されたNOVAの秘密(邪神バールの子であるという事実)は、パーティーに重い空気を残します。
 ドック地区のシー・バウンティー亭にて。

ヨシモ「誰にだって、秘密はあるものヨ。でもネ、<邪神の子>なんて話は穏やかでないアル。ジャヘイラハーパーズのスパイだったって話よりも、ヨシモは、そっちの話が気になるヨ」

ナリア「そうね。せめて、事情を知らないと、判断ができないわ」

エアリー 「……」

NOVA「そうだな。この話は、いっしょにサレヴォクと戦ったジャへイラミンスク、それから今、捕まっているイモエンしか知らないんだった。それからイレニカスに殺された2人の仲間、カリードダイナヘール。ぼくたちは、共にバルダーズ・ゲート周辺で冒険していた仲間だったんだ。詳しくは、こちらの記事を参照してほしい」

ヨシモ「そんなの、全部読んでいられないアル。かいつまんで、説明してほしいネ」

NOVA「ハーパーズと、<邪神の子>サレヴォクにまつわる記載は、こちらにあるが、はっきり言えば、ぼくも人づてに聞いただけで、よく分かっていないんだ(苦笑)。ヴァリガーにも話したとおり、自分もよく知らない親の風評のために、悪い奴に絡まれ、正義と名乗る組織には警戒され、いい迷惑だ。本当は、そっとしておいてほしいんだけどね」

ヨシモ「その割には、嬉々として冒険に励んでいるみたいネ」

NOVA「出自が悪だと、善行を為して、身を清めないといけない気にもなってくる。それに、人助けは性分に合っているからな。悪と戦わないと、自分が堕落してしまうかもしれない」

ヨシモ「そんなものかネ? ヨシモは、堕落とか、そういうこと気にしないヨ。ただ、仕事を果たすだけ。それと、裏をかかれないよう、危険を察知し、敵を排除する。そうして生き残れば、万事OKと考えるアル。ただ、身内に<邪神の子>なんて物騒なものを抱え込んでちゃ、その危険がどれほどの物か、警戒に値すると思ったまでヨ」

ミンスク「オレはずっとNOVAといっしょだが、こいつが人に害を為す邪悪な振る舞いをしたことは、一度もないと誓える。もちろん、相手が悪党なら、話は別だがな。悪党相手に剣を振るうのは、英雄の証だ。それでも、こいつはまず、説得しようとするんだ。あのサレヴォクと戦うときだって、兄殺しを相当悩み、最後まで説得しようとしていたぐらいだ。なあ、ブゥ(チューチュー) ほら、ブゥもそう言っている」

ジャへイラ「そうね。ただ、サレヴォクを説得できたとは思わないけど。それに、捕まえるべきだった、とガルバリーは言ったけど、それができるほど、サレヴォクは容易い相手ではなかった。あの時は、誰もが必死に戦って、生き延びたのよ。それなのに、イレニカスの奴が……」

ヨシモイレニカスと因縁があるのは、ヨシモも同じネ。それに、NOVAといっしょだと飽きないし、定期的に仕事と報酬が入ってくる。NOVAが邪悪で危険な奴だとは、ヨシモも思ってないヨ。少なくとも、人を見る目はあるつもりネ。ただ、NOVAの秘密にかこつけて、襲撃を仕掛けてきそうな連中を警戒するには、情報が必要と思ったアル。お嬢ちゃん2人は、どうするカ?」

ナリア「私は、NOVAに感謝しているわ。むしろ、こんな高潔な騎士なら、デアルニス領の統治を代行してもらいたい、と思ったぐらい。イサイアが治めるよりも、よっぽど領民のためになるわ」

エアリー 「それって……もしかしてプロポーズ?」

ナリア「そう思ってもらってかまわないわ。でも、無理ね。NOVAには、イモエンって娘がいるみたいだもん

NOVA「イモエンは、ただの幼なじみだ。そういう関係じゃない」

ナリア「ふうん。だったら、私にもまだチャンスはあるのかしら?」

NOVA「い、今は、そういうことを考えている余裕はない」

ナリア「やっぱり、どうしようもない堅物なのね。ま、いいわ。私としては、せめて、イモエンの顔を見るまでは、いっしょに行動したいんだけど」

ジャへイラ「物好きなことね。いつまでも領地を空けっ放しでいいのかしら?」

ナリア「盗賊の技は必要なんでしょう? 領地は、私がいなくても、何とかなるわ。むしろ、私がいない方が、ややこしくならないかも。私は、法治よりも、自由の方が好みだから」

ジャへイラ「我がままな放埓娘だこと。エアリー、あんたは? そろそろクァイルおじさんのところに帰ろうとは思わないの? これからの旅は、危険になるわよ。ハーパーズを敵に回した分ね」

エアリー 「それって……もしかして、私を追い出したがっている?」

ジャへイラ「どうして、そう思うのかしら?」

エアリー 「だって、あなたはNOVAのために、ハーパーズを捨てたじゃない? それってつまり……」

ジャへイラ「! 変な勘ぐりはしないで! 私はただ、ガルバリーよりもNOVAが正しいと思っただけよ。ガルバリーなんかの邪推を真に受けるなんて、何考えているのよ!?」

エアリー 「だったら、私を追い出す理由はないわね。クァイルおじさんは私に、外の世界を見て来い、と言った。それに、私の力でNOVAを助けろ、ともね。どちらも満たせているんだから、私が出て行く理由はないわよ。それに、NOVAとの旅は十分に楽しいわ。いろいろ、うるさく言ってくる年増女がいないと、もっとね」

ジャへイラ「最後の一言はよけいよ」

ヨシモ「やれやれ。女たちにとっては、<邪神の子>なんて話は、どうでもいいことのようネ。気にしたヨシモが、バカみたいアルよ」

 ここまで書いて、プレイヤーのNOVAは思いました。
 BG2って、恋愛ゲームだっけ? (いや、一応、そういう要素もなきにしもあらず、なんですけどね^^;) 
(つづく)

 

●2007年10月19日(金)・シェイド・ロード(第3章その17)

 ハーパーズのせいで中断されたウマル・ヒル事件の調査のため、もう一度、「寺院の廃墟」に向かいます。
 すると、廃墟の入り口で、オオカミ女のアナスが、邪悪なシェイド・ウルフの群れと戦っていました。もしかして、我々が来るまで、ずっと戦っていたのかな (笑)と思いつつ、加勢することにします。

 しかし、時すでに遅し。
 傷だらけになったアナスは、戦闘後、「影を消すための光」についてのヒントを言い残して、絶命しました。
 こんなことになったのも、ハーパーズのせいですな(笑)。

 事件解決のために、廃墟に入る一行。
 入り口脇の部屋で、スケルトン・ウォリアーとか、シャドウの部隊を撃退し、囚われていたハーフリングの戦士マジーを助けます。彼女は、仲間にできるキャラクターで、聖騎士志望の少女なんですが、残念ながらルール上、ハーフリングは聖騎士になることができません。聖騎士は人間専用のキャラクタークラスですからね(3版以降のD&Dなら、ハーフリングの聖騎士も作れますが)。
 盗賊能力に不安のある現パーティーで、もしもマジーの職業が「戦士/盗賊」だったなら、喜んで仲間に加えたいところですが、ハーフリングの戦士じゃ、いまいち攻撃力不足で使いにくいですね。ここは、さようなら、と言うところでしょう。
 ただし、情報だけは、きちんと教えてもらいます。

 マジー曰く、
 この寺院には、元々、邪悪なシェイド・ロードが封印されていたそうです。封印を施したのは、太陽神アモーネイターの神官たち。しかし、時経て、封印の力が弱まり、再封印の儀式も手遅れになったせいで、シェイド・ロードが復活。この地を、光の当たらない影の森に変えていき、次第に、その領域を拡大中とのことです。
 シェイド・ロードは、レンジャーのメレナの肉体に憑依し、周辺のオオカミや人間を次々と襲って、同族のシャドウ(影)に変えていきました。
 マジーの仲間も、シャドウに変えられてしまい、マジー一人だけが囚われの身となりました。どうやら、メレナの肉体が破損した場合に備えて、マジーを予備の肉体として確保しておこう、とのことです。

 マジーを逃がした一行は、寺院のダンジョンを探索し、アモーネイターの再封印儀式を敢行することになりました。
 攻略情報によると、「このダンジョンを攻略するには、強敵リッチを倒さなければならず、この段階ではトップレベルの難度」だそうですが、NOVAとしては、「リッチと戦ってみて、勝てないと判断したら、クエストを断念しようか」ぐらいの気持ちでいました。
 でも、リッチ、出なかったです。
 たぶん、攻略の時期や、キャラのレベルによって、出現モンスターの調整が行なわれているのでしょう。
 リッチの代わりに登場したのは、スケルトン・ウォリアー。一応、これもレベル9モンスターで、決して弱くはないのですが、特殊能力がない分、戦いやすいです。こちらには回復呪文があるので、殴り合っていれば打ち勝てる……と思いきや、ジャヘイラさん、回復呪文を使ってくれなかったので、みるみるNOVAのHPが削られていき、少々焦ったりも。
 ええと、ハーパーズイベントで一時期離脱した際、AI戦闘の命令が解除されていたようですな。全く迷惑なハーパーズです (苦笑)。

 ダンジョン内をいろいろ歩き回ってのアイテム探しや、謎解きなどあるのですが、ストーリー的には書いても面白くないので本記事では割愛。「光の宝石」の魔力で途中の扉を開け、「光の紋章」を3つ組み合わせて「太陽神の紋章」を作り、その力で影の祭壇を封印すればOK、という流れです。
 儀式の最中、しばしば「太陽の子」と呼びかけられ、「宇宙刑事シャリバン」「仮面ライダーBLACK RX」を連想したのは、特撮ファンならではの発想ですな。後は、「エステバン」というNHKアニメもありましたが。

 途中、シェイド・ロードの護衛をしている巨大なシャドウ・ドラゴンがいたのですが、あるアイテムを持っていれば、眠ったままにできますので、その脇を通り抜けます。間違って攻撃を加えれば、目覚めて反撃してくるそうですが、さすがにドラゴンは怖いので手を出しません。
 こいつは、もっとレベルが上がった際に、挑戦すべきボーナスモンスターでして、倒せば、いいアイテムが手に入るそうですが、現在は「触らぬ神に祟りなし」としておきます。

 そして、シェイド・ロードとの対決。
 普通に戦っていれば、難なく倒せました。スケルトン・ウォリアーの方が強かったような……。
 けれども、憑依されていたレンジャーのメレナは、助けることができませんでした。邪悪から解放されて、感謝の言葉を述べた後、息を引き取ってしまいました。シクシク。

 ともあれ、影の森も再び、光が差し込むようになり、事件が解決したのをイムネスヴェイルの村長さんに報告して、クエスト達成。ハーパーズ絡みで鬱屈していた気分を、すっきりさせてくれました。

 さあ、この後の展開ですが、ヴァリガー絡みは長引きそう。他の地域「ウィンドスピア・ヒル」や「トレードミート」関係も(行けるようになったとはいえ)、少々時間を食いそうです。
 プレイヤーとしては、そろそろ物語を先に進めたいですし、
 キャラクターとしても、イモエン救出のためには、表から手を回しても、ラチが開かないと悟りましたので、裏稼業と手を組むのもやむなし、と判断。盗賊ギルドに接触することを決意します。

 そもそも、「正義の組織ハーパーズ」と敵対してしまった以上、善悪の概念についても、杓子定規にはいかない、と分かりましたし。(つづく)

 

●2007年10月20日(土)・シャドウ・シーフの元へ(第3章その18)

 聖騎士は、正義の味方です。
 でも、バルダーズ・ゲートをプレイしていると、単純に正義の主人公を演じるのも困難になってきます。どちらかと言うと、ダークヒーローの世界ですね。

 特撮物で近いのは、やはり「仮面ライダーBLACK」になるのかな。
 邪悪な兄と、神(創世王)の力を巡って、望まぬながらに倒してしまった主人公……って設定は、ほぼそうですね。
 そして、「正義の組織」は主人公の力を危険と見なし、拘束しようとする。この辺は、平成ライダーに近いノリかも。
 主人公は、それでも自分の正義と、世界の平和を守るために、少数の仲間たちとともに戦いを続けるのだ。

 それでもまあ、組織のバックアップは欲しいところです。
 表の組織が当てにならない以上は、共通の敵を持つ裏稼業とも手を組まないといけません。
 その組織が、「ヴァンパイアと抗争中のシャドウ・シーフ」第1章では、イレニカスとも敵対していました。

 しかし、シャドウ・シーフとの共闘は、それまで潔癖さを貫いてきた聖騎士にとっては、重い選択です。一度踏み込むと戻れないと感じながら、来た道を振り返ることも。
 ウマル・ヒルからの帰途、ナリアの居城、デアルニス城に戻ってみました。しかし、そこはロウナル家に占拠されていて、立ち入る隙がありません。

ナリア「これで、私は帰る家を失ったわけね。ちょっと寂しいけど……ま、せいせいしたわ。縛る物がなくなって、自由を手に入れたんだから。貴族同士の抗争で、領地を奪われることもよくあることよ。命を奪われなかっただけ、マシと思わなくちゃ」

 そして、アスカトラ市のサーカステントでクァイルと再会。

クァイル「おお、劇団長を助けてくれたこと、感謝するぞ。それに、エアリーも元気そうじゃな。お前が外の世界で元気にやっているのを知ると、わしも嬉しいわい。若いころのわしにも負けないくらい、価値ある冒険に励むんじゃぞ」

エアリー 「うん、クァイルおじさんNOVAの旅は、闇を光で照らし、閉じ込められたものを解放するための冒険なの。私も、できる限りの協力をしているわ。だから、心配しないでね」

クァイル「おお、お前は天才のわしが、いろいろ教えたんじゃからな。何も、心配しておらんわ。それより、NOVA、心配なのは、お前の方じゃ」

NOVA「ぼく、ですか?」

クァイル「ああ、天才のわしには分かるぞ。光と闇の間で、いろいろ悩んでいる顔じゃな。お前さんの価値感じゃと、おそらく光と闇は相容れず、光が闇を滅することが正義と、単純に考えているんじゃろ」

NOVA「そうではないのですか?」

クァイル「時としては、光が闇を内包することも、闇の中に光が見出されることもあるのじゃ」

NOVA「……分かる気がします。光と闇は表裏一体ということですか?」

クァイル「そう単純な理屈では割り切れんのじゃが。……昔、記憶喪失のドワーフ戦士がいてな、彼は己をむしばむ闇の呪いに抵抗するために、自らの記憶を封印し、架空の己自身を生み出し、それを戦う縁(よすが)としたのじゃ。彼の生み出したものは虚構であり、嘘偽りの自分じゃったが、それが結果として光を生み出し、闇を払う原動力となった。そのことが何を意味するか分かるか?」

NOVA「時として、自分を偽ることも必要ということですか?」

クァイル 「違う。真実や虚構は、それだけで光や闇とは言えない、ということじゃ。光を生み出すのは、今ある真実ではなく、自分の意志、すなわち、なりたい自分を思い描き、規定し、それに向けて絶えず自己を高めようとする心の力じゃ。他人が何を言おうが、お前さんは、自分の中の光を信じ、誘惑する闇を貫き、心の戦いに打ち勝つことじゃ。心が定まれば、事の本質も明らかになる。そうすれば、目指すべき道、果たすべき使命、倒すべき敵も見出せよう。くれぐれも、焦って自滅せんようにな」

NOVA「……分かりました」

クァイル「そう簡単には、分からん。焦るな、と言ったばかりじゃろう。いち早く分かったつもりになるのではなく、目的だけはしっかり見定めたまま、行動の中で絶えず自己修正しながら、悩み考えながらも、自分の本質は見失うな、と言っておるのじゃ。一足先に結論を出そうとするのではなく、状況の変化に対応する柔軟さも忘れずにな」

NOVA「??? 正直、難しいですね。それだけ、含蓄が深い、ということでしょうが」

クァイル「自分の経験に基づいて、ベラベラ喋っているだけじゃよ。だが、その内のいくつかが、お前さんの考える材料になれば、とは思っておる」

 ……と、口達者なクァイルおじさんにベラベラ喋らせると、話がいつまでたっても進まないので、彼の経験については、こちらを参照することにしましょう。そのうち、「アイスウィンドU」もプレイを始めたい、と思いつつ。

 こうして、いろいろありましたが、ようやくにして、シャドウシーフの長アラン・リンヴェイルに会いに行くこととなりました。

ヨシモ「本気で、シャドウシーフと共闘するつもりアルか?」

NOVA「何だ、ヨシモ? 今さら反対か? イモエンを助けるためには仕方ないじゃないか」

ヨシモ「いや、それはそうだけどネ……深入りしすぎると、ヴァンパイアを相手にしないともいけないし……危険が大きすぎないか、と思ってヨ……」

NOVA「はっきりしないな。君らしくもない。どちらにしても、ヴァンパイアが街にはびこるのは見過ごせないだろう」

ヨシモ「ま、仕事ならやるヨ。ただ、警告だけはしておこうと思ってネ」

 ヨシモの警告を聞き流しながら(笑)、アランとの対面。
 ここから、敵対するヴァンパイア・ギルドとの抗争が開始されるのでした。(つづく)

 

●2007年10月20日(土)・ギルド戦争(第3章その19)

 シャドウシーフの長アランの最初の命令。

 『港で抜け荷をすることになっている。しかし、そこに敵対者が襲撃を仕掛けてくるかもしれない。だから、護衛を頼む』

 抜け荷という犯罪行為に手を貸すのは気に入りませんが、そこは見て見ぬ振り。護衛任務と割り切って、受け入れましょう。
 抜け荷の責任者は、ムークという名の気さくなお姉ちゃん。主人公の活躍の噂は聞いていて、護衛をしてくれるのは心強い、と言ってくれます。そして、最近、怪しい男につきまとわれて警戒している、とも。
 その怪しい男、ラッセルが抜け荷の現場に出現します。そして、ディスインテグレイト(塵化消滅)の呪文をムークに掛けて殺害! 
 慌てて、ラッセルを攻撃しましたが、相手はガス状になって逃げていきました。任務失敗です、シクシク。

 アランに報告に行くと、彼も沈鬱な表情で「ムークはいい友人だった」と告げます。ああ、部下をコマ扱いする非道なボスじゃないんだな、と共感を覚えますね。
 そして、次の命令が与えられます。

 『敵対者が、ヴァンパイアだということは分かっている。しかし、その拠点の場所が分からない。味方のシーフのうち、敵対ギルドに寝返ろうとしている連中がいるのだが、奴らと話して敵の拠点の場所を探ってくれ』

 要するに、裏切り者をだまして情報を仕入れて来い、ってことですか。
 でも、自分、「良心回路」が付いているので嘘がつけない……なんて昔、言っていたよなあ(苦笑)。
 まあ、
クァイル先生「真実や虚構は、それだけで光や闇とは言えない」とおっしゃっていたし、正義を果たすための嘘は許されるのか、と自分をごまかしながら会合に臨みます。

 あ、あっさりバレてしまいました(爆)。
 やはり、人をごまかすなんて性に合わない、と思いつつ、ここは「ば〜れ〜た〜か〜〜!」と開き直って、バトルタイムに突入です。
 で、呆気なく勝利。
 何だか昔から、一大覚悟をして嘘をついたものの、結局バレてしまって、バトルで解決ってパターンが多すぎますな。もう少し、器用に立ち振る舞いたいと思いつつ、まあ全身から「公明正大オーラが満ち溢れている聖騎士」だから仕方ないのかも。その割には、貴族連中からは下賎な者扱いを受けるんですけどね(苦笑)。

 とにかく、だまして情報収集作戦は失敗。
 でも、倒した相手は「お手紙」を持っていました。それを読むと、敵の拠点は「グレイブヤード地区の地下」にあることが判明。結果オーライですな。

 アランに報告に行くと、そちらでも「ヴァンパイアギルドの首領が、ボーディという名の女」という情報を仕入れていました。そして、敵の本拠地が分かったので、いよいよ壊滅作戦の開始です。

 『敵ギルドの扉は、こちらの部下の魔術師に開けさせる。お前たちはそこから突入して、ヴァンパイアたちを倒してくるのだ。ほら、これがとどめを刺すための木の杭だ。健闘を祈る』

 ……あのう、それだけですか? 
 ギルド戦争っていうぐらいだから、盗賊ギルドからもいっぱい人を派遣してくれたりしないんですか? 
 少数の冒険者だけで、ヴァンパイアをいっぱい倒せって言うんですか? 

アラン「大丈夫だ。お前たちならできる。その昔、少数で、バルダーズ・ゲートの盗賊ギルドや、アイアン・スロウンを壊滅に追い込んだそうじゃないか。お前たちがヴァンパイアギルドを滅ぼしてくれたら、オレたちも自由に動けるようになる。イモエン救出にも手が貸しやすくなるってことだ」

 仕方ないですな。
 ここは、本気でヴァンパイア退治の作戦を、綿密に考える必要がありそうですな。(つづく)

 

●2007年10月20日(土)・ヴァンパイア・ハンター(第3章その20)

 ヴァンパイアギルドのアジトは、グレイブヤード地区の地下にあります。
 ということは、この機会に、そこにあるダンジョンを探索しておくと一石二鳥ですね。

 アジトに乗り込む前に、いろいろと墓荒らしを試してみます(笑)。
 いや、墓荒らし、と言うと聞こえが悪いですね。お墓のお掃除ですよ。ほら、クモとか、アンデッドとか、たむろしていますからね。
 おまけに、罠まで仕掛けられています。そこは、ナリアを活用して、慎重にダンジョン探索。

 おかげで十分な経験値を得て、ナリアエアリーのレベルが上がりました。

●ナリア(HP66):人間のレベル12メイジ(元レベル4シーフ)・女性。

●エアリー(HP45):アヴァリエルエルフのレベル9クレリック/レベル11メイジ・女性。

 さらに、「HPが+10%効果の頭飾りの宝石」を手に入れて、エアリーのHPは49になります。

 また、宝石とは別に、エナジードレイン防止の首飾りもGET。
 ドレインから回復する「レッサー・レストレーション」の呪文は、エアリーにしか使えません。もしも、エアリーがドレインされてレベルが下がってしまえば、ドレイン回復呪文が使えなくなってしまい、教会に頼ることでお金がかかってしまいます。さらに、エアリーが一番、呪文をたくさん持っており(魔術師と僧侶の兼職ですから)、レベルが下がってしまえば、覚えた呪文も消えてしまい、もう一度、覚え直すことが相当面倒くさい。
 よって、ドレイン防止アイテムは、エアリーに渡しておくのが無難、という判断です。
 もちろん、ドレインされる可能性が高いのは前衛戦士……と考えれば、前衛戦士に装着させるのが有効なのかもしれませんが、この辺は現在、考え中。

 このように、レベルアップだけでなく、アイテムGETでパーティーの戦力は、ずいぶん上がっています。
 1ヶ月前に、「ヴァンパイアが怖くて、夜の街を歩けない」なんて言っていたときと比べれば、雲泥の差。
 レベルはあれから、1つ2つしか上がっていませんが、相手の攻撃手段への対応も分かったし、魔法の鎧の入手によって防御力も上がってますし、決して勝てなくはない、と確信。

 また、部屋に入って、大勢の敵に囲まれかけた際も、慌てず騒がず、後退して、部屋から逃げた後、もう一度、入り直して、部屋の入り口付近でちまちま戦う、といった戦術も思い出しましたし(笑)。
 危険な状況なら、一時退却して仕切り直し(リセット技とは違います)、これを使いこなせば、実に楽しめるバランスのゲームですな。

 こうして、墓場地下のダンジョンで、いろいろ戦術も確認し直しながらのプレイですが、ヴァンパイア戦での準備について、まとめてみましょう。
 まず必要なのは、魅了防止呪文の「カオティックコマンド」。NOVAミンスクが前衛の主戦力ですから、2人にしっかり施します。そして、「ヘイスト」掛けた後、エナジードレイン対策の「ネガティブ・プレーン・プロテクション(NPP)」を前衛の2人に施して、突撃。
 基本的には、これで何とかなるでしょう。
 あと、ジャヘイラヨシモには、忘れずに魔法のスリングストーンや矢を装填しておきます。ヴァンパイアは、普通の弾ではダメージを与えることができませんからね。

 以上の準備を考えてから、いよいよ女吸血鬼ボーディのアジトへ。
 盗賊ギルドから派遣された魔術師は、何とゴーレム使いです。ゴーレムパワーで、敵ギルドの大扉を粉砕します。おお、心強い。
 そのまま、中に突入するゴーレム君。
 行けえ! と後ろから応援する我々(笑)。

 しかし、のんびりしている場合じゃありませんでした。中から刺客が飛び出してきて、あっという間に、ゴーレム使いの魔術師を瞬殺。「た、助けてくれ〜」と、魔術師くんは断末魔の声をあげましたが、無理でした(苦笑)。
 のんびりしていなければ、助けられたんだろうか? と、ちょっぴり後悔の念を抱きつつ、我々も振りかかる火の粉は払わなければなりません。チャンチャンバラバラの戦いで、ヴァンパイア 率いる刺客部隊を撃退。
 倒されたヴァンパイアはガス状に姿を変えて、棺桶のある寝室に漂い去っていきます。それを追いかけて、寝室に突入すると、そこにもう1体のゴーレムがいました。敵もゴーレムを使っていたんですねえ。寝室の番人ゴーレムを撃退し、棺桶で眠っているヴァンパイアに、木の杭でとどめ! 

 とりあえず、アジト突入の際の大広間決戦は、思っていたよりも簡単に決着がつきました。
 まあ、ゴーレム使いの魔術師くんという尊い犠牲を伴いましたが。

 こちらも少し消耗しましたので、ドキドキしながらヴァンパイアの寝室で、休息をとります(笑)。
 寝こみを襲われるかなあ、と思っていましたが、無事に過ごせて、回復成功。この辺は、やはりコンピューターゲームですなあ。そして、ヴァンパイアの寝室を拠点に、アジト内の各部屋を探索し、出現したアンデッドどもを始末し、アジトをどんどん制圧していきます。

 そして、副首領のラッセルにとどめの杭を浴びせた直後、ついに女首領のボーディが出現しました。
 ボーディは、主人公がバールの子であるという秘密を知っており、またイレニカスとの関係を匂わせた後、ちょっとした戦いを経て逃走。残念。

 首領には逃げられましたが、ヴァンパイア・ギルドはこれで壊滅させました。
 アランに勝利の報告をしますと、これまでの経緯を語ってくれます。

 シャドウシーフイレニカスの間の抗争。
 主人公がイレニカスに捕らえられたことも、アランは知っていたけど、当初は気に留めていなかったようです。しかし、主人公たちがイレニカスのダンジョンから脱出した唯一の存在であることから、注目するようになり、イレニカスとの戦いに際しては協力できる同士になるだろう、と確信するに至ったわけですね。
 イモエンが捕まったことについては、シャドウシーフにも責任の一端はある(イレニカスとの大規模な戦いによって、カウルド・ウィザードの注目を引きつけてしまったため)と認めた上、イモエンの居場所についても調査。
 ブリンロー島にある収容施設スペルホールドにいることが判明しました。

 さらに、アランは主人公の支払った金銭1万5千ゴールドを使って、ブリンロー行きの船を手配。そこで、共通の敵であるイレニカスとの決着を依頼。イモエンの救出についても、健闘を祈ってくれました。
 ブリンローでの行動についても、現地を知る者を案内役として付けてくれるそうです。

 主人公NOVAは、アランを信用できる同盟者と認め、ブリンロー行きを決意するのでした。(第3章、これにて完。第4章につづく)

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