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バルダーズゲート攻略記
(その4)


●2003年11月16日(日)・観光から一変(デューラッグの塔1)

 当初の予定。
 本日の3周年記念の前に、「バルダーズ・ゲート」を終わらせて「アイスウィンド・デイル」をスタートさせる。
 ダメでした(笑)。まあ、11月中には終わるでしょう、きっと。
 でも、我慢できずに、「アイスウィンド・デイル」もスタートさせて、キャラだけでも作成と。

 で、同時並行だとプレイが進まない危険はとっくに分かっているのですが、
 一応、「バルダーズ・ゲート」を終わらせることを優先して、勢いが止まったときに「アイスウィンド」というつもりで取り組んでみると。
 何にせよ、「バルダランの島」編では、異様にドラマ重視の記事を書いちゃったので、気持ちの切り替えも必要でしたしね。

 そして、いよいよTSC最大のダンジョンと名高い「デューラッグの塔」に挑戦です。
 ここに入る目的は、プレイヤーとしても、キャラクターとしても、サレヴォクとの決戦前に己を鍛えること、これに尽きます。まあ、「鍛えなくても倒せるはず」という事実はさておき。
 実質、1レベルアップしても、それほど能力が劇的に変わるわけじゃないですしね。戦士勢はHPが10点ぐらい向上するぐらいと。
 一番、変わるのは、やはり魔術師のダイナヘールですか。役立つ4レベル&5レベル呪文が手に入るかどうかは、「デューラッグの塔」の探索に掛かっている、と。
 そんなわけで、ダイナヘールをレベル9まで成長させて、役立つ呪文を手に入れることを最大の目的と定めます。

 で、「デューラッグの塔」、ウルゴス・ビアードの村で観光名物となってます。案内人がいて、ツアーに誘っているんですね。
 観光案内によると、この塔はドワーフのデューラッグが建造したもので、莫大な秘宝が眠っている、と。しかし、その秘宝を入手しようと企むドッペルゲンガー集団が出現、デューラッグは家族に化けた連中を虐殺したあげく、半ば発狂するに至った。偏執的になった彼は、自分の宝を守るために、数多くの罠を仕掛けたわけです。そして、時代が流れ……。
 多くの冒険者が塔に挑み、罠や怪物で命を落としています。でも、塔のうち、探索済みの部分は観光地になっているわけです。

 その塔の案内人のイケさんは、冒険者に塔の奥に入るキーアイテムを格安で売りつけてきます。言わく、「冒険者が奥の探索を済ませてくれれば、観光できる場所が増え、自分も得する」とのこと。非常にちゃっかりした商人です。
 こういうメリットとデメリットをわきまえた計算高い人は好きですね。交渉する際に、相手の利益も計算に入れて、妥当な提案をしてくれますから。レベルの低い交渉人は、自分の目的しか頭にない。相手の利益を考えない人は、計算高いとは言えません。ただ、不必要な敵を作ってしまうだけで。単純なゲームだと、自分の利益が相手の不利益に一致することも多いですが、現実に近いゲームでは、自分の利益を相手の利益に結び付けられる局面がある。そういう局面を見出すのが上手な人は、良い交渉人になれる素質がある、と考えます。

 でも、何事にもアクシデントは付き物。
 イケさんとの交渉中、突然、デーモンが出現。「この塔は我々の物だ! 侵入者は皆殺し〜〜」と言って、突然、ファイヤーボールを2発叩き込んできます。
 ええと、イケさんとの交渉中は、パーティーの他のメンバーは、遠くに逃がしておきましょう(笑)。そして、交渉役に「レジストファイヤー」(耐火)の呪文を施しておけば、被害は最小限で済みます。

 デーモンは観光客&案内人のイケさんを虐殺して、姿を消してしまいました。
 こういう時は、ヒーローらしく、こう叫びましょう。
「おのれ、罪のない人々の命を奪うとは! 決して、許さん!」

 こうして、劇的なスタートで「デューラッグの塔」の攻略開始です。遠い北の地での冒険も気に掛けながら(つづく)。

 

●2003年11月17日(月)・地上階の探索(デューラッグの塔2)

 「デューラッグの塔」の攻略。
 まず、この塔は地上4階、地下5階から成ります。階数だけでも、バルダーズゲート一のダンジョンです。

 一応、塔での探索目的は、ウルゴス・ビアードの村で依頼されている仕事が二件あります。

@塔の探索に向かって行方不明になっている若者ダルトンを探してほしい。
 息子の身を案じる母親からの依頼です。善人だったら、迷わず引き受けましょう。

Aデューラッグの持つダガー「ソウルテイカー」を見つけ出してほしい。
 ダガーの正当な持ち主ハーガン・ストーンブレイドの依頼です。彼の祖父の形見なんですね。デューラッグはダガーを返そうと思ってたものの、不幸な目にあって、返せずじまいだったと。

 これらの依頼も気に留めながら、まずは地上階から探索を始めます。結構、罠の多いダンジョンなので、シーフを先行させながら、罠発見に務めます。そして、時々、出てくるモンスター退治という流れで、ちまちま進行。

・地上2階
 ここには、アンデッドのガストが巣食っています。罠探知の最中に襲われたりしないようにしましょう。一番、厳しいのはガストの部屋の入り口に、「ホールド(金縛り)の罠」が仕掛けられている点。うかつに飛び込んだりすると罠にはまって動けなくなり、ガストに好き放題、痛ぶられます。
 アンデッドはホールドの影響を受けないので、自由に部屋を出入りできるわけで……なかなか巧妙な罠でした。

 次に、この階から、屋上に上がるためのベランダに出ることができます。そこには、バジリスクがはびこっていて、石化対策をしていなければ、まさに死の罠というわけですね。情報がなければ、ベランダから外に出て、ギャーと石像になるわけです。
 NOVAは情報を持っていたので、「プロテクション・フロム・ペトリフィケーション(石化防御)」の魔法を施して、気軽にバジリスク退治。結構、経験値をたくさんくれる可愛いモンスターなんですね。
 でも、情報によると、この屋上に「シミター+2」という強力な剣があるはずなのに、見つかりません。あれこれ探し回ったあげく、シーフの罠発見モードをONにすることで、秘密の収納庫を発見。一応、ドルイドでも装備できる片手剣なので、「杖+3」の代わりにジャヘイラさんに装備させるのが吉。これで、シールドも装備できるようになります。

・地上3階
 ここのイベントは3つ。
 まずは、デューラッグの友人の魔法使いダイタルが、成仏できずにゴーストとしてさ迷っているので、成仏させてあげましょう。手強い相手かと思ったけれど、力技で何とかなりました。
 次に、遺跡荒らしのリッジロが絡んできます。こちらを商売仇と見なして、突っ掛かってきますが、とりあえず怒らさない方がいいです。
 3つめは、祭壇に隠された「ウィズダム上昇の書物」をGETすること。「能力値上昇の本」は貴重品なので、喜んで主人公に使用します。ジャヘイラさんに使っても、あまり有効でないし、続編にキャラ引継ぎはできないみたいですしね。主人公だったら、将来、プリースト魔法が使えるようになった時に、絶対に生きてくると。

・地上4階
 ここには、サッキュバスのキリンヘールが幽閉されています。彼女をやっつけると、1万点以上の経験値がGETできるのですが、レベルを下げるエナジードレイン能力を持っているので、リスクも大きいです。
 そこで、話し合いで解決すると。彼女は、デューラッグの呪いで幽閉されているのですが、彼女の体の一部を男性が持っていれば、身代わりにできる仕掛け。彼女の髪の毛を3階のリッジロに、「ニンフの髪を見つけたから、友好の印としてあげるよ」と渡せば、何のリスクもなく経験値4000点がGETできます。
 一応、そういう策略めいたことを行う主人公ではないのですが、交渉役がイモエンだったもので、盗賊の知恵を使った流儀で、解決することになりました。

 こうして、地上階の探索は終了。
 あまり実入りは多くなかったですが(レベルアップもなしで、魔法のスクロールも入手できず)、一応、入手した宝物を、塔の外で商売しているアーデインさんのところに持っていて、売りつけます。持てる荷物に限界もありますし、ただ捨てるのも勿体ないですしね。

 次回は、いよいよ地下に突入します(つづく)

 

●2003年11月20日(木)・4人の監視人(デューラッグの塔3)

 「デューラッグの塔」の地下は、実に本格的なダンジョンになっています。
 仕掛けが多く、一つ一つクリアしていかないと、先に進めない、と。
 3日かけて、ようやく地下2階をクリアした状況。

 その間に、シーフのイモエンがレベルアップ。
 もう、このダンジョン、罠だらけなので、彼女が大活躍しております。部屋の入り口や、廊下、宝箱のみならず、本棚にまでトラップが仕掛けられている始末。何をするにも、まずシーフが罠感知をしてからでないと、安心して進めません。
 ちなみに、パーティーの現状は以下の通り。

●主人公NOVA(HP85):人間のレベル7パラディン・男性。

●カリード(HP79):ハーフエルフのレベル7ファイター・男性。

●ジャヘイラ(HP64):ハーフエルフのレベル6ファイター/レベル7ドルイド・女性。

●イモエン(HP66):人間のレベル9シーフ・女性。

●ミンスク(HP69):人間のレベル7レンジャー・男性。

●ダイナヘール(HP40):人間のレベル8インヴォーカー・女性。

 この次は、ジャヘイラカリードがレベルアップする予定。パラディンやレンジャーのレベルアップの遅さが少々、目立ってきた感じです。
 特に、レンジャーのミンスク。ただのファイターとしてしか使っていないので、少々不満。レンジャーの特技って、「隠密行動ができる」と「動物魅了」「仇敵への有利な攻撃ボーナス」なんだけど、隠密行動はイモエンの専売特許だし、動物を魅了しても仕方ないし、「仇敵が弱いノール」ってんじゃ、今となっては、あまり意味がない。
 結局、レンジャーの必然性が薄いキャラなんで、「ただの成長の遅いファイター」でしかないと。

 今回の探索の成果は、レベル5呪文の「クラウドキル」のスクロールと、ゲーム中最強の鎧である「プレートメール+3」が手に入ったこと。
 本当は、他にも呪文のスクロールがいろいろ手に入ったんだけど、ダイナヘールに使えない「精神系」や「召喚系」ばっかりで、「ネコに小判」状態なのが悲しいです。「モンスターサモニング」や「コンフュージョン」とか役立ちそうなのになあ。
 「プレートメール+3」は黄金聖衣みたいに、黄金に輝く豪勢な鎧。喜んで主人公に装着。ただ、これって「+1の指輪」とか「+1のマント」とかと重複できないのが残念。「+の効果のある防具」って、どれか一つしか身に着けられないルールなので、「プレートメール+3」の代わりに、これまで着けていた「+1の指輪」が無用の長物に。で、結局、アーマークラス(AC)は変わらず。
 なお、主人公が着けていた「フルプレートアーマー」は、ミンスクに譲ります。こうして、ミンスクのACが2良くなったのが、実質的な強化と。

 さて、実際のストーリーですが、地下2階の攻略はややこしいので、特別コラムの形にします。

・地下1階
 ここには、臆病風に吹かれた冒険者のベイヤードがいます。
 彼は、主人公たちに、この地下の罠や怪物の恐怖を教えてくれます。ここからは、いよいよ気を引き締めて掛かれ、と言うことですね。
 ついでに、ウルゴス・ビアードで捜索依頼された若者「ダルトン」が、彼の仲間として、地下に降りて行ったことも教えてくれます。ダルトンは無謀にも探索を続け、ベイヤードは彼を置いて逃げてきた状況。
 NOVAは、「戦の神の信者」ではないので、彼の臆病を追及するつもりはありません。じゃあ、何の神に仕えるんだ? と考えて、フォーゴットンレルムの神々について少し調べてみたら、やはり「正義の神ティール」がふさわしいかな、と考えました(ソードワールドで言うファリスみたいなもの)。ということで、「ティール神に仕えるパラディン」という設定が急遽追加。

・地下2階
 ここから下に降りる昇降機(エレベーター)は、封鎖されています。その封鎖を解除するためには、階段を見張っている「4人の監視人」を満足させなければなりません。
 監視人はそれぞれ、貪欲誇り恐怖という名前が付いていて、彼らを満足させるためのアイテムを求めて、地下2階をいろいろ探索して回るわけですね。

 で、それぞれの監視人を満足させてやると、最後の試練と称して襲い掛かってきます。結構、強敵なんで、心して掛からないと勝てないです。
 NOVAポーションを使ったドーピングや、初使用のレベル4僧侶魔法「ディフェンシブハーモニー(防御力向上)」を駆使して(当然、強敵相手の「ヘイスト」使用は定石)、何とか撃退。
 レベル4魔法って、ふつう「キュア・シリアス・ウーンズ」をセットするんだけど、回復が間に合わないので、防御力UPに賭けてみたのが成功。でも、やはりギリギリの戦いになって、久々に「必死にヒーリングポーション飲んで、小まめに回復しないと生き残れない激戦」でした。

※地下2階探索の顛末

 地下2階は、まず、北の階段から、エレベーターのある中央部まで通じています。
 中央部に、エレベーターがあり、その周囲に「4人の監視人」が配置されています。それぞれを満足させる手順は以下の通り。

「ワイン」を作って、渡す。
貪欲:高価な宝石「ベルジュリルの宝石」を渡す。
誇り「デューラッグの偉業」を語る。
恐怖「ハンマー」「鐘」を叩く。

 まず、エレベーター付近にある樽を調べると、「ハンマーの柄」が手に入りますので、忘れずにGETします。
 この後は、北東部から反時計回りに進んで、アイテム集め&イベントクリアしていくと効率が良いでしょう。もちろん、罠解除とモンスター退治を行いながら。ザコ敵は、ガストやグールなどのアンデッド系、および瞬間移動してくるスパイダー系です。

@北東部:ここの区画には、グレータードッペルゲンガーが3匹潜んでいます。呪文を使ってくる強敵ですので、「ヘイスト」かけて一気に攻め込むのが正解。
 ここで「ハンマーの頭」が手に入ります。それと、「クラウドキル」のスクロールも手に入ったので、本棚なども忘れず、探すべし。

A北西部:ここので、「ハンマーの柄」「ハンマーの頭」を修復、「ハンマー」を完成させます。

B南西部:ここの部屋群で、2つのイベントがクリアできます。
 1つは、「鐘」のある部屋。「ハンマー」持っていると、監視人「恐怖」のイベントクリアです。
 もう1つは、「デューラッグの偉業」について書かれた4冊の本のある部屋。これを読み上げることで、監視人「誇り」のイベントクリアです。
 この辺りには、ちょっとした強敵スケルトンウォリアーが出現しますが、多少のダメージを受けるぐらいで、普通に倒すことが可能でした。スケルトンウォリアーの身に着けていたヘルメットはマジックアイテムじゃないけど、翼状のデザインが格好良いので、これまで「角付き兜」をかぶっていたメンバーに装着させました。

C南東部:ここには「寝室」「衣装部屋」「財宝室」があります。

・寝室:「プレートメール+3」が入っている宝箱と、「エンジンスイッチ」の入っている机の引出しがあります。ただし、机の引出しを開けるには、専用の「鍵」が必要。

・衣装部屋:この部屋の箱には、「ブドウ」が入ってます。

・財宝室:ここには「ベルジュリルの宝石」と、「寝室」の引出しを開ける「鍵」があります。

D東部:ここには「エンジンルーム」と「ブドウしぼり機」があります。
 ここに入る前に遭遇するスケルトンウォリアーと、フレッシュゴーレムは強敵。
 イモエン
を偵察に出すと、まず、ただのスケルトンと遭遇。さすがに、スケルトンみたいなザコだったら盗賊1人でも(9レベルだしね)余裕で倒せるので、撃退。さらに先に進むと、もう1体のスケルトンがいたので、調子に乗って勝負を挑みました。でも、それが実はスケルトンウォリアーだったんですね。慌てて逃げ帰って、仲間の援護でかろうじて命拾い。実に、冷や冷やさせました。

・エンジンルーム:ここで「エンジンスイッチ」を使うと、「ブドウしぼり機」が稼動します。

・ブドウしぼり機:稼動させた上で、「ブドウ」を入れると、「ワイン」が手に入ります。

 そして、後は、「ベルジュリルの宝石」「ワイン」を、貪欲に渡すことでバトル開始。この厳しいバトルに勝つことで、地下3階への昇降機が稼動した、と(つづく)

 

●2004年10月3日(日)・石像戦隊スタチューV(デューラッグの塔4)

 このページの最初に書いたことを読んで、時の流れの無常を笑ってしまいます。

> 本日の3周年記念の前に、「バルダーズ・ゲート」を終わらせて「アイスウィンド・デイル」をスタートさせる。
>ダメでした(笑)。まあ、11月中には終わるでしょう、きっと。

 はい、11月中に終わるどころか、それから1年近く、プレイしないだろうことは、昨年には予測もつきませんでした。今年一年は、本当にいろいろバタバタして、引っ越しを終えて、「バルダーズ・ゲート」を再プレイしてようやく、昨年からの日常を取り戻したような気になります。
 ともあれ、4周年記念の前には、終わらせたいですね、今度こそ。

 さて、久々のプレイだと、操作感覚や戦術勘を取り戻すのに、手間が掛かります。ましてや、難易度の高いダンジョンの中で、中断していますから。
 場所は、デューラッグの塔の地下3階。この階の特徴は、「機械仕掛けで封印された多数の扉」。これらの仕掛けを解除する方法をいろいろ探しながら、途中のトラップを切り抜け、モンスターを撃退する。作業としては、非常に面倒くさいダンジョンアドベンチャーなんですが、ストーリー的には書いていて何も面白いことがないという。それでいて、時間だけは、結構、費やしてしまう場所だった、と。
 厄介なのは、せまい部屋の中で、「スティンキングクラウド(悪臭煙幕)」「ファイヤーボール」「クラウドキル(猛毒煙幕)」といった範囲魔法を自爆覚悟で使ってくるドッペルゲンガーたち。しかも、こいつらが登場した瞬間に、パーティーが入ってきた扉が閉まるという仕掛け付き(つまり、退却できない)。
 まともに相手すると、ダメージが高すぎるので、対策は一つ。ドッペルゲンガーが登場した途端、ドッペルゲンガーの横をすり抜けて、素早く奥の部屋に避難することです。そうすると、ドッペルゲンガーは誰もいない部屋で魔法を使い、勝手に自爆してくれます。その後で、煙幕が晴れるのを待って、とどめを刺す、と。
 言葉で書くのは簡単ですが、素早く相手の横をすり抜けるのは、なかなか難しかったです。NOVAはアクションゲームが苦手なのに。

 そんな苦労をしながら、地下3階の扉を制御するレバー室に到着。ここまで来れば、話は簡単です。レバーを操作しながら、扉を開け、先に進む通路を確保するだけと。で、睡眠をとって、態勢を整え……ようとすると、ワンダリングモンスターがしきりに邪魔をしてきて寝かせてくれないので、一度、安全な地下1階に戻って、休息してから戻ってきました。
 で、ここで、また困ったことになりました。階を変わると、扉の状態がリセットされるらしく、レバー室に入る扉が閉まっていて、中に入れなくなっていました。この扉は最初、中からドッペル君が出てくることで開いたわけですが、そのドッペル君を倒したために、開かなくなったと。攻略本に書いていたやり方(あるアイテムをGETした状態で、とある彫像を叩いてみる)を試しても、間違った記述みたいで、うまく行きません(レバー室ではなく、その前の部屋の扉が開くだけ)。休息のために一度、上に上がったのは失敗だったようです。
 これはもう、先の探索をあきらめて、速やかにサレヴォク退治に向かうべきか? (デューラッグの塔は、あくまで追加シナリオなので、クリアしなくてもエンディングは迎えられる) とまで、思ったのですが、最後の望みをかけて攻略サイトをのぞいて見ました。
 すると……レバー室の中の「レバー室の扉を開けるレバー」は、(なぜか)レバー室の外からも操作可能、とのこと。つまり、あれですか? レバー室の壁にそこだけ小さな穴が開いていて、外から手を入れることができるとか? 

 何だか、仕掛けだらけの階で、どっと疲れを感じつつ、地下4階へ降りることに成功します。
 最初の部屋は、定期的に爆発が発生しています。つまり、タイミングを見計らって、うまく走り抜けろ、という試練です。でも、普通に走っても、間に合わない。
 こういう時のための、ヘイスト(加速)の呪文です。まずは、ヘイストを掛けなくても、足が速く、しかも耐火の指輪を身につけた主人公NOVAが、一人で走って、右側の部屋の扉を素早く開き、仲間が駆け込みやすい状態を作ります。先に扉を開けておかないと、その分のタイムロスで、後続が爆発に巻き込まれてしまいますから。
 続いて、ヘイストの呪文を掛けたパーティーが、地雷源(?)を駆け抜ける。でも、一番後ろの魔法使いダイナヘールが間に合わず、ドカーン! かろうじてHP3だけ残して、突破しました。

 到着した部屋の中には、巨大な化石が置かれています。まるで、恐竜やみたいに。
 で、巨大なワイバーンが3頭も飛びかっていて、部屋を通り抜けようとする者に襲い掛かってきます。試しに戦ってみたのですが、一撃で30近いダメージを与えてくる怪獣を3頭も相手にしては、勝ち目がなさそうです(2、3ラウンドで、死者が出る)。
 そのとき、正義の戦士が現れます。部屋に安置された石像。それを調べると、石像に封印された5人の戦士が魂を取り戻し、我々に味方してくれるではありませんか。

 誇り高き剣士ムアロック!
 ホブゴブリンの弓使いブルラッシュ!
 怪力のオーガー戦士ハック! 
 
サイリーン(妖精族)の魔法戦士メイアラ!
 
ハーフドワーフの弩弓兵ターナー! 

 
石像から目覚めた5人の伝説の戦士が、今、巨大な怪獣に苦戦する我々を支援してくれるというのです。便宜上、彼らのことを「石像戦隊スタチューV!」と呼ぶことにしましょう。
 我々パーティー6人とスタチューV、総勢11人の戦士が、3頭の巨大怪獣に挑みます! 何だか、戦隊の「VSシリーズ」を見ているような派手な展開! 

 そして、激しい戦いの末、見事、3頭の巨大ワイバーンは、撃退されたのでした。これが特撮ものだと、倒された3頭が合体して、さらに巨大な三ツ首竜になる展開もありそうですが、ゲーム内ではさすがになかったです。
 ただ……
スタチューVが、突然、敵になって襲い掛かってきたではありませんか。どうやら、彼らは契約を果たし終えると、契約者を倒して、自由の身になろうとするようです(多少、設定を創作)。これこそ、まさに「VSシリーズ」です。
 
新星戦隊NOVAレンジャー VS 石像戦隊スタチューV」
 この戦いは、しかし前者の勝利に終わりました。何せ、ワイバーン戦では、スタチューVを前衛に回して、楯役に使っていましたからね(苦笑)。ほぼ瀕死に近い状態だった、と。

 こうして、石像戦隊スタチューVは、再び魂を失い、石像に戻ったのでした。さらば、伝説の5人の戦士たち。君たちのことは忘れない。また、いつか会う日まで。

 
「石像戦隊スタチューV 完」

PS:本日のレベルアップは二人。

●カリード(HP92):ハーフエルフのレベル8ファイター・男性。
 これで、彼のレベルは頭打ちです。HP92は、パーティー中、最もタフな壁役と言えます。

●ジャヘイラ(HP74):ハーフエルフのレベル7ファイター/レベル8ドルイド・女性。
 ファイター、ドルイド、どちらもレベルアップ。ドルイドレベルがもう1つ上がれば、本作最高の5レベル呪文が使用可能になります。でも、経験値が頭打ちになるのが先? 兼業キャラの場合、経験値の処理がどうなるのか、よく分からない。

 

●2004年10月6日(水)・四元素の洞窟とチェスボード(デューラッグの塔5)

 地下4階の探索は続きます。
 それにしても、地下3階までは、「ドワーフの作った機械仕掛けの多い建造物」という雰囲気をかもし出していましたが、地下4階に至っては、何だか別の世界に紛れ込んだ感じです。
 「地下の巨大な洞窟に、恐竜の化石があって、太古の世界の生き残りである飛竜が生息していて、石像に戦士が封印されている」 こういうのは、明らかにドワーフとは無縁の世界でしょう。
 ちなみに、地下4階初めの爆発の小部屋から出てくるコースは3つあって、NOVAが選んだのは、一番ドラマチックかつ敵が強いと思われるもの。他の2つは、「スケルトン・アーチャー(骸骨弓兵)の待ち構える吊り橋」と、「透明怪物の潜む庭園」。別にNOVAはダンジョンの隅から隅まで探索したいわけでもないので、先に進むことにします。

 次に待ち構えるのは、の四元素の洞窟です。この全てを突破すると、先に進めるとのこと。攻略の順番は自由ですので、攻略本を見ながら、一番、困難そうなところから進めます。

 難儀そうなのは。ここにいるのは「炎の娘」と称されるフレイムガードたち。彼女たちの中には、ファイヤーボールの矢を放つ弓兵がおり、しかも接近戦役も死ぬと自爆するという始末(おまけに、自分たちは火炎のダメージを受けない)。うかつにパーティーで突っ込むと、危険極まりありません。
 幸い、彼女たちのHPは低く、倒すのは難しくありません。「耐火の呪文」「耐火の指輪」で、炎ダメージを極力、受けないようにした主人公(スピードブーツのおかげで高速移動できる)で、単独突撃を仕掛け、ヤバくなったら引き返すというヒット&アウェイ戦法で、突破します。
 ちなみに、攻略本お勧めの戦法としては、敵が遠くにいるうちに遠距離射撃をすべし、というものでしたが、NOVAがトロいのか、どうしても敵に接近されて、ドカンとやられちゃうんですね。おまけに、ファイヤーボールの矢まで飛んでくる以上、遠距離戦ではパーティーに多大な被害が出ます。被害を防ぐには、管理のしやすい単独突撃と、引き返してのHP回復を繰り返すのが最善手と判断。

 次にです。ここにいるのは冷気を吐く熊と狼。フレイムガードと違い、こちらのファイヤーボールが有効なので、「耐冷の呪文」で防御した後は、力押しで仕留めます。死んで自爆しない分、安心して戦えました。

 3つめに。ここにいるのは、エアーアスペクトという名の小さい竜。それから、透明なインビジブル・ストーカー3体。ヘイスト(加速)の呪文をかけて、適当に殴っていたら勝てました。一応、特殊な操作としては、前衛のミンスクが集中攻撃を受けて死にかけたので、後ろに下げて弓矢攻撃に切り換えたぐらい。

 そして、最後の。ここにいるのは、スライムが一体。最後の洞窟をクリアすると、次の試練の場所にテレポートさせられるという情報を持っていたので、受ける被害の小さそうな洞窟を最後に残した次第。
 さて、このスライム。特殊能力として、以外の攻撃を受けると分裂します。よって、接近戦は禁物。用意したのは、ファイヤーボールの呪文と、火矢。主人公は接近戦専門なので、攻撃には参加せず、イモエンカリードミンスクの3人を弓兵として活用。大した苦労もなく、撃退。

 こうして、四元素の洞窟を全てクリアして、飛ばされた先がチェスボード。
 ここでは、移動に関して、特殊なルールが採用されます。

キング(主人公)は移動不可。
クイーン(イモエン)は、どこでも移動可能。
・黒のビショップは黒いマスだけ移動可能。
・白のビショップは白いマスだけ移動可能。
・残りのナイトは、どこでも移動可能だが、常に危険をともなう。

 で、このルールに違反して移動した場合は、電撃(ライトニング)が飛んできて、ダメージを受けるとのこと。ちなみに、主人公イモエン以外は、どのキャラがどのコマなのか、よく分かりませんでした。何せ、NOVAはいろいろ考えた挙句、面倒くさくなって、やはり力押しで進めることにしましたから(苦笑)。

 チェスというからには、当然、対戦相手がいます。対戦相手は、それぞれキング、クイーン、ビショップ×2、ナイト×2、ルーク×2、ポーン×8の6種類のコマ。キングとナイトは接近戦士。クイーンとビショップは呪文使いで、ルークは弓兵、ポーンは数の多いザコ。相手のキングを倒せば、勝ちです。

 まず、厄介なのは、主人公が動けないという移動制限。接近戦専門キャラとしては、致命的です。で、この制限は忘れることにしました。「耐電撃ポーション」を飲んで、電撃ダメージを無効にすることで。このポーション、数がそれほどないので、パーティー全員が飲むわけにいきませんが、主人公以外は、飛び道具による援護をすればいいので、主人公が突撃、他のキャラが支援という、いつものパターンで挑みます。目指すは、敵のキング。
 ……玉砕しました(苦笑)。ザコのポーンに阻まれて、斬り合いをしている間に、ルークの弓矢と、クイーン&ビショップの呪文攻撃を受けて、HPを削られてしまいました。ボード上を適当に走り回っていれば、主人公の周りにライトニングがいっぱい飛んできて、周りのザコ兵を蹴散らしてくれるのは、なかなか爽快なんですがね〜。それでも、さすがに一人でキングと、ナイト2人の接近戦と、ルーク2人の弓矢、そして他3人の呪文攻撃をしのぐことはできません。

 何度か試しても、うまく行かないので、手持ちのアイテムや呪文を検討しながら、作戦を練り直します。
 こちらの切り札は盗賊のイモエン。自由に動ける彼女が、ハイド・イン・シャドー(隠密行動)である程度の距離まで接近し、とっておきの「ファイヤーボールの矢」を相手のキングに向かって放つというもの。「ファイヤーボールの矢」は、呪文と違って詠唱時間が必要ない上、連発できるので、かなり強力です。ただし、欠点は矢の本数が少ないので、いつでも使えるわけではないこと。
 試しにやってみると、当然、矢を放った直後のイモエンは、相手の遠距離攻撃の集中砲火を受けて、死んでしまいます。
 一番厄介なのは、僧侶魔法のフレイム・ストライク。8D8のダメージだから、平均36点のダメージ。それが2連発。イモエンのHPは66点なので即死ですね。そこで、主人公の装備している「耐火の指輪」を身に付けさせ(炎のダメージ40%カット)、さらにいざというときに備えて「透明化の指輪」を準備。死にそうになったら、姿を見えなくして、敵の的にならないようにする作戦。

 さて、作戦どおり、イモエン「ファイヤーボールの矢」をキングに放ちます。この攻撃の最大の目的は、キングにダメージを与えることではなく、キングの周りにいるポーン他のコマを吹っ飛ばすこと。
 当然、イモエンが敵の的になりますので、慌てて、回復役のジャヘイラのところに引き返します。この際、ジャヘイラの方が移動しますと、チェスルールによる電撃ダメージを受けますので、イモエンは引き返すまで、敵の集中砲火をしのがなければなりません。「透明化の指輪」を装備してみたんですが、どうも効果がなかったのか、イモエンのHPがどんどん削られていきます。
 さらに、イモエンを追って、敵のキングが猛烈な勢いで突っ込んできます。これがまた、異常に早いでやんの。ただ、ボスが突っ込んで来るってのは、チャンスでもあります。
 イモエンを助けるために、飛び出す主人公。飛んでくるライトニングを全身に浴びつつ(当然ポーションの力でノーダメージ)、キングの前に立ちはだかります。何だか、ライトニング・ブレード! といった感じの勢いで、斬りかかって行くのは、思いがけない演出効果!
 さらに、カリードが、ミンスクが、キングに弓矢の集中砲火。矢はここぞとばかり、強烈な魔法の毒や酸の効果を秘めたものをチョイス。
 魔術師のダイナヘール
は、マジックミサイルの連続射撃。1レベル呪文とは言え、成長した彼女が唱えれば、1度に4本の光の矢がキングを貫きます。
 自陣に飛び込んできた傷だらけのイモエンに、ジャヘイラさんが癒しの呪文を唱えます。呪文を唱えている間にも、イモエンを狙って飛んでくる敵の弓矢の数々。慌てて、イモエン自身もヒーリングポーションをがぶ飲みして、耐えしのぎます。かろうじて、ジャヘイラさんの呪文が間に合い、瀕死の状態から免れて、ホッと一息。

 そのころ、降り注ぐ雷撃を背景に、NOVAは、相手のキングと剣による一騎討ちを展開していました。そして……死力を尽くした戦いの末、敵のキングは倒れ、チェスボードの試練は終結したのでした。
 プレイヤー自身、何度もやり直しを繰り返していたので、いろいろ作戦を練ることに気力を注ぎ込んだ感じで、ようやく勝てたときは、まさに戦い切った男の気持ちになっていました(笑)。

 こうして、一行は地下4階の試練を切り抜け、デューラッグの塔最後のフロアである地下5階に降りていくのでした。(つづく)

PS:今回はレベルアップなし。次は、
ダイナヘールのレベルが上がる予定。早く、クラウドキルの呪文が使いたいな、と。

 

●2004年10月7日(木)・炎と、鏡と、闇の影(デューラッグの塔・完結編)

 ついに降り立った最終フロアです。
 ここに至って、この塔に入った目的や、塔の過去にまつわる伝承を再度、確認してみます。

・目的
@塔の探索に向かって行方不明になっている若者ダルトンを探してほしい。
>息子の身を案じる母親からの依頼。

>Aデューラッグの持つダガー「ソウルテイカー」を見つけ出してほしい。
>ダガーの正当な持ち主ハーガン・ストーンブレイドの依頼です。彼の祖父の形見だが、それを返そうと思っていたデューラッグは、身に起こった不幸のためにダガーを返せずじまい。

・伝承
>この塔はドワーフのデューラッグが建造したもので、莫大な秘宝が眠っている。しかし、その秘宝を入手しようと企むドッペルゲンガー集団が出現、デューラッグは家族に化けた連中を虐殺したあげく、半ば発狂するに至る。偏執的になった彼は、自分の宝を守るために、数多くの罠を仕掛ける。その後、ここには宝を求める冒険者と、冒険者の探索跡を見物する観光ツアー客が訪れるようになる。

 そして、我々がこの塔の1階で遭遇したのが、強烈なファイヤーボールで観光客を虐殺したデーモンナイト。奴との決着のために、一行はこの最下階にまで降りて来たのでした。

 で、デーモンナイトの間に行くには、デューラッグの施した封印を解除しなければなりません。
 そのための探索と、途中に出会うモンスター退治が、淡々と続きます。それほどの強敵はいないんですが、麻痺をさせる敵が存在しますので、接近戦役の主人公「麻痺避けの指輪」を装備します。この指輪、麻痺を防ぐのはいいのですが、他にも移動に影響のある特殊効果を全て封じますので、「スピードブーツ」が無効化されるのが欠点。よって、ふだんはミンスクに装備させているのですが、今回、彼は後衛で弓矢を射ってもらいます。戦士なのに、盗賊のイモエンと大差ないHPの彼は、ちょっと油断すると簡単に死んでしまいますからね。
 ツートップは、「麻痺避け指輪」主人公と、「麻痺避け大剣」を振り回すカリード。この2人を押し出せば、グール(食屍鬼)とかクローラー(長虫)系の麻痺攻撃に悩まされることもなく、サクサク冒険は進みます。
 そんな中で、一体だけ知能を持った(会話可能な)グールがいました。彼によれば、古の時代に存在した非常に強力な魔物タナッリがこの地で封印されていた、とのこと。大事な情報を教えてくれたお礼に、成仏させてあげます(彼も、呪われた生から解放されることを願ってましたしね)。
 探索が進むと、いろいろお宝も手に入ります。一番、嬉しかったのは「炎の剣(フレイムタング)」。装備すると、剣の刃に火が付いていて派手なグラフィックになります。対アンデッドに+4という効果は、いかにも聖騎士が装備するにふさわしい仕様。火炎将軍剣だ〜、と喜んで振り回したくなります(笑)。

 そして、いよいよデューラッグの封印を解除する段階に。
 デューラッグの家族の名前や、一族の苗字、そして狂気に陥った彼の思いを受け止めるための会話選択を経て、ついにデューラッグの無念を昇華させることに成功します。
「つまり、デューラッグは、自分が戻るべきところ、出自、家族、そういったものを失うことを怖れたんだ。そして、外の世界を拒み、自分たちだけで閉じこもる生活を選んだ。災いが内側から生じたことも気付かずに。直接、一族を滅ぼしたのは、外からの侵略者だが、それを呼び込む要因は、常に内側にあった。そして、自分自身の偏狭な閉鎖性が全てを失う原因になったのでは、と、デューラッグの魂は、今でも自分を責め続けている」
「……デューラッグ、あなたの思いは分かった。外の世界を拒み、自分だけの平穏を望む気持ちは、ぼくにもある。一時は、自分を取り巻く陰謀や呪われた運命から逃げたくなることもあった。だが、それはさらなる破滅を呼び寄せるだけだ。……デューラッグ、あなたの失敗を繰り返すことはしない。ぼくは迫り来る破滅と戦う宿命を受け入れる。今や、あなたの塔には邪悪が巣食っている。あなたの破滅を利用して、塔を悪の根拠に変えようとしている者がいる。あなたの行いを、これ以上、連中に貶めさせないことを、ぼくは約束しよう」

 
そうして、意を決した主人公は、デューラッグの霊魂に導かれ、封印された扉に向こうに赴きます。
 扉を開けた部屋には、デーモンナイトに斬殺された冒険者の生き残りである女性クレア・デレインが隠れていました。クレアは、デーモンナイトの持つ「魔法の鏡」の話をしてくれます。それに映し出されると、自分の分身が現れ、戦うことになる、と。デーモンナイトを倒すなら、鏡を割ることから始めるように、とクレアは助言します。割れた鏡の魔力がどう影響するかは予想できないけれど、とあいまいな言葉を残しながら。

 この後、ついに一行は、デーモンナイトの間に入ります。そこは中央が闘技場のようになっており、デーモンナイトと、噂の鏡が見えます。

デーモンナイト「よく来たな。ちっぽけな人間の冒険者よ。そなたの探索のおかげで、塔の厄介な罠はあらかた解除された。礼を言うぞ。この塔を、我ら魔族の根拠とするに、罠が仕掛けられていては、面倒だからな。貴様らも、塔の掃除をする程度には、役に立つというわけだ」

NOVA「掃除はまだ終わっていない。お前という一番大きなゴミが残っているからな」

デーモンナイト「自分の力が分かっていない者は、面白いことを言う。遺言の言葉を口にするがいい。墓碑銘に刻んでやろう」

NOVA「邪悪な怪物を倒すは、我が使命。ティール神にかけて、死して後も、使命は果たされるべし」

デーモンナイト「……死後の呪われた生が、貴様にはふさわしいようだな」

 
恐るべきデーモンナイトに対し、主人公NOVAは単独突撃を敢行します。と言うのも、デーモンナイトは、一行に「ディスペルマジック(魔法効果消去)」を仕掛けてから、すかさず自分を中心にファイヤーボールを放つからです。これにより、戦闘前に、耐火の魔法を掛けておいても無意味になり、パーティーは強力な火炎攻撃をまともに受けることになるのです。しかも、デーモンナイト自体は、75%の呪文無効化率を誇っており、ファイヤーボールから守られている、と。結局、犠牲を少なくしようと思えば、デーモンナイトに近づくのは主人公一人に限られる、と。

デーモンナイト「……フッ、消し炭になったか。口ほどにもない」

 
しかし、爆炎の中からほとんど被害を受けていない主人公の姿が現れます(受けたダメージは16点)。

デーモンナイト「何? 効いてないのか?」

NOVA「こう見えても、炎とは相性が良くてね」

 
え〜と、当然、主人公
「耐火の指輪」を装備しています。そして……文章で演出するなら、主人公を取り巻く炎が力を与えたかのように、手にした抜き身の刃からグォンッと火炎が吹き上がった。すかさず、主人公はデーモンナイトの傍らを走りすぎ、背後にある「魔法の鏡」を一閃します。パリーンッ!

デーモンナイト「バカな。それを割るとは! 魔力が暴走して、どういうことになるか! お前は自ら破滅を招いたのだぞ!」

NOVAの影「……破滅するのは貴様だ! 我は破滅を呼ぶ者! 貴様ごとき小者が、我に戦いを挑むこと自体、おこがましい」

デーモンナイト「! ……な。その姿は……も、もしや、邪神バ、バール! ど、どうして……」

NOVAの影「貴様の命、貴様が自分で始末をつけろ」

デーモンナイト「……」

NOVA「(鏡を見た途端に突然、自らの命を絶ったデーモンナイトを見すえながら)一体、あいつはどうしたんだ? 突然、怯えたかのように……」

 
そのとき、割れた鏡の破片から実体化するかのように、いろいろな姿の戦士たちが出現します。周囲を囲まれる前に、主人公は仲間のところに走りこみます。その後は、ミラーフィーンド(鏡の亡霊)とのバトル。しかし、デーモンナイトがいない以上、その戦いに一行が負ける要因はありません。

 こうして、「デューラッグの塔」を魔族の根拠地にしようと考えたデーモンナイトは、鏡の魔力の暴走によって自害という思いがけない形で幕を閉じたのでした。なお、デーモンナイトが邪神バールの幻を見たのは、NOVAの創作です。じっさいは、単に混乱状態に陥ったのみ。
 何はともあれ、5階の最終決戦はちょっとしたイベントバトルに近く、4階のときほど、困難ではなかった、というのが実感。(つづく)

 

●2004年10月9日(土)・邪神タナッリの復活(最終決戦編1)

 昨夜のプレイで、追加シナリオTSCが終了。パーティーの現状は以下の通りです。

●主人公NOVA(HP85):人間のレベル7パラディン・男性。

●カリード(HP92):ハーフエルフのレベル8ファイター・男性。

●ジャヘイラ(HP74):ハーフエルフのレベル7ファイター/レベル8ドルイド・女性。

●イモエン(HP66):人間のレベル9シーフ・女性。

●ミンスク(HP69):人間のレベル7レンジャー・男性。

●ダイナヘール(HP45):人間のレベル9インヴォーカー・女性。

 ダイナヘールが5レベル呪文を使えるようになったのが大きいです。でも、持っている呪文は「クラウドキル」だけ。有効利用できるかどうかは、まだ分かりませんが、最終決戦前に最強呪文を使えるだけでも、心強いです。
 あと少しで、主人公も最高のレベル8に上がるのですが、ギリギリってところかな。デューラッグの塔の未探索エリアでモンスター退治を2、3回すれば確実にレベルアップできそうですが、この段階で経験値稼ぎに時間を費やす気にもなれません。むしろ、とっととエンディングまで進めたいと思います(ラストダンジョン攻略中に、レベルアップすることを期待)。

 さて、デューラッグの塔のラスボス・デーモンナイトを、「魔法の鏡の魔力の暴走による幻惑効果」という呆気ないやり方で仕留めたわけですが、
 何だか、「最終話の前で盛り上げるだけ盛り上げて、最終話はつまらない」というありがちな展開になりました。デューラッグの塔で、一番苦労したのは、やはり地下4階のチェスボードだったと。
 ただ、まあ、ドラマ的には、地下5階のデューラッグの謎解き、そしてデーモンナイトとの戦いを通じて、「邪神バールの子」という呪われた宿命を主人公が正面から受け止めるようになる、そういう話になったのが大きいです。

 そして、TSCの物語は、もう少しだけ続きます。
 まず、塔に来た2つの目的を果たさなければなりません。
 1つは、デーモンナイトに捕まった若者ダルトンの救出。普通だったら、とっくに死んでそうなものだったのですが、奇跡的に生きていました。どうやら、デーモンナイトは、ダルトンをお気に入りの従者に仕立て上げようと目論んでいたらしいです。
 2つめは、「ソウルテイカー」という魔法のダガーの確保。これは、デーモンナイトが所持していましたので、死体漁りをしてGETしましょう。このアイテムが、TSC最後のイベントに関係します。

 目的を果たし、デューラッグの霊魂もおそらく浄化されたでしょうから、晴れて塔の外に出ます。
 帰り道は、デューラッグの奥さんイズランヌの霊魂がテレポートしてくれます。そして、はるばる懐かしのバルダーズ・ゲートの街まで凱旋。ついでに最終決戦に備えて、稼いだ金でマジックアイテムの買い物。一番欲しかったのは、「ファイヤーボールの矢」。チェスボードで全部使ってしまったし、その際、とても便利なことを知ってしまったからです。最終決戦を盛り上げるのに、派手な爆発全開は基本だなあ、と思います。5本で1000ゴールド以上と、なかなか高価な使い捨てアイテムですが、まとめて60本(!)を買いました。しめて、1万数千ゴールドの出費なり。まあ、所持金が5万ゴールドもあれば、他に使いようがないですからね。HPを完全回復する薬でもあれば、喜んで投資するんですが、せいぜい1D8のヒーリングポーションじゃ、受けるダメージに回復が追いつきません。結局のところ、このゲーム、「やられる前にやれ!」を体現しています。

 準備を終えたあと、任務達成の報告のために、漁村ウルゴス・ビアードに向かいます。すると、そこに待ち受けていたのは、謎のカルト教団。彼らは主人公に「ソウルテイカーを渡せ!」と詰め寄り、渡しても、拒んでも、結局、攻撃してきます。結構、ダメージを受けたものの、死にそうな仲間を戦線離脱させつつ、何とか撃退。でも、結局、魔法のダガーは乱戦の中で盗られてしまいます。
 回復のための宿屋で、ダガーの持ち主、ハーガン・ストームブレイドが状況説明してくれます。あのダガーの中には、「タナッリ」という異界の化け物が封印されており、タナッリを崇拝するカルト信者が狙っていた、とのこと。ハーガンの祖父はデューラッグと共にタナッリを封印したのだが、タナッリの発する「死の視線」を浴びて還らぬ人になったこと。ハーガンは、ダガーをデューラッグに預け、封印されたタナッリを滅ぼす方法を求めて、各地を旅していたこと。カルト教団は、タナッリの封印を解くつもりなので、そうなる前にダガーを取り返して欲しいこと。

 このあとの展開は、村にあるカルト教団のアジトに乗り込んでの一大決戦。
 カルト教団はそれなりに手強いですが、「ヘイスト」で加速したパーティーなら、問題なく倒せます。加速していないなら、結構、ダメージを受けるんですが……まさに「やられる前にやれ!」ですね。
 そして、教団アジトの地下では、まさに邪神タナッリ(通称。本名はアエックレテック)の復活の儀式が行われていました。で、主人公たちが乗り込むと同時に、儀式が完了すると。まあ、邪神といっても、バールみたいな大物ではなく、ミニ邪神とかプチ邪神と言ったほうが、正解でしょう。「麻痺効果」や「即死効果」をもたらす「死の視線」が厄介ですが、それさえセービングスローで凌げば、攻撃がきつすぎて耐えられない、ということはありません。バシバシ殴れば、簡単に勝てそうな相手です。
 問題は、このタナッリ、プチとは言え、まがりなりにも神ですから、信者の信仰心をエネルギーにして復活してくるんですね。つまり、とっととボスだけ倒して終わり、というわけには行かず、周囲のザコ信者を全滅させてから、ボス退治に移らないといけないと。
 幸いなのは、戦いを始めてからも、カルト教団のアジト地下からは、いつでも退却可能な点。つまり、相手を削って、ヤバくなったら引き返して、宿屋で回復、また攻撃を仕掛ける……という戦術が可能だと。こういう気長な戦いの場合、パーティー全員で乗り込むのは得策ではありません。誰かが麻痺させられれば退却不可能になりますし、味方の数が多ければ多いほど防護呪文が必要になり、操作も気を使うようになる。つまるところ、足の速い精鋭が素早くザコ退治をして、タナッリの攻撃は適度にしのぎ、やばくなったら脱出というのが、一番、有効な戦術と。
 そんなわけで、主人公の単機突撃、という展開になるわけですね。火炎の剣を振りかざし、ティール神の加護で「邪悪からの防御」「聖なる活力(ホーリーマイト)」を自分にかけ、防御力と攻撃力を増強。さらに「麻痺避け指輪」を装備し、「ヘイスト」の呪文で加速。そして、カルト信者をバッタバッタと切り倒します。
 ただ、手前にいる信者は、そうして接近戦で容易に対応可能なんですが、広間の奥に待機して、動かない連中がいます。こいつは、ちと厄介なので、選手交代。「ファイヤーボールの矢」を装備した盗賊イモエンを有効利用します。ドカーンッドカーンッドカーンッドカーンッドカーンッダイダイダイダイ大爆発だ〜〜、ダダッダー♪ ってなノリで、ザコ一掃。

 信者さえいなくなれば、プチ邪神なんて、鍛え上げられた「邪神の子」の敵ではありません。
 いよいよ、パーティー全員で乗り込むわけですが、主戦力は当然、主人公です。他の連中は、飛び道具援護に専念します。そして、とどめはやはり、「レイジング・フレイム!」と叫びながら、紅蓮の剣で切り裂くのが、2004年秋のヒーロースタイルと言えましょう。
 ともあれ、タナッリ、もといアエックレテックの撃退とともに、「TSC」終了の淡白なメッセージが出ます。そして、「主人公の試練はなおもつづく」との表記が。
 残るは、サレヴォクとの最終決戦、そして、プレイヤーのNOVAの気持ちは、続編の「バルダーズ・ゲート2 シャドウ・オブ・アムン」に向かっていることを予告して。(つづく)

 

●2004年10月11日(月)・サレヴォクとの決戦(最終決戦編2)

 プレイを始めてから2年を経たBGもついに終了しました。
 ただし、NOVAはすでに「BG2シャドウ・オブ・アムン」を始めてしまったので、連載の方も引き続き、「BG2攻略記」に突入する予定ですが、その前に、こちらを終わらせる、と。

 さて、プチ邪神タナッリを退治した勢いで、バルダーズ・ゲートに戻る一行。そして、盗賊ギルド地下から、古代の地下都市に向かい、最終決戦のバール寺院に突入するという展開。
 盗賊ギルド地下は、ちょっとした迷路になっており、トラップやモンスターも存在するのですが、「デューラッグの塔」ほど、ややこしい仕掛けはないので、楽々クリアしていきます。一箇所だけ、ややこしい場所がスケルトン・ウォリアーの射手が待ち構えている場所。ここの仕掛けは、アイスウィンドの方でも経験済みですが、そちらの文を抜粋すると……

>厄介なのは、遠距離から矢を撃ってくるスケルトン・アーチャー。接近戦に持ち込もうと、突撃を掛けると、途中でトラップが発動します(爆)。だからと言って、盗賊がのこのこ罠外しに出て行くのも、自殺行為だし。しかも、骨だけのスケルトン相手だから、こちらの矢は効果が薄いと思われ。非常に巧妙な戦術を使ってくるものです。
>結局、多少のダメージ覚悟でトラップを踏み抜き、力技で粉砕するのが最も効果的と判断。
ファイヤーボールがあれば、遠くから一気にケリをつけてやれるのに。

 
……ということで、まだレベルの低いアイスウィンドでは苦労した状況も、BGの方では、派手に突破できるわけですね。「ファイヤーボールの矢」による射撃戦で射ち勝ちました。盗賊イモエンはもはや、盗賊にしておくのが惜しいほどのメイン火力に昇格です。

 盗賊ギルド地下迷宮を抜けると、そこにあるのが、古代の地下都市(アンダーシティー)の廃墟。アンデッドの巣窟になっていますが、アンデッド退治用の「炎の剣」を振りかざす主人公たちの敵では、もはやありません。
 少々手強いのは、裏切り者のサレヴォク討伐に来たアイアンスロウンの刺客。彼らは主人公たちを見つけると、「お前たちも敵であることには変わりない。ついでに倒してやる!」と、襲い掛かってきます。「ついでで悪かったな!」とばかりに応戦。少々苦戦はしたものの返り討ちにします。
 さらに、サレヴォクを慕う女プリーストと遭遇。彼女は、悪のサレヴォクを改心できる、と信じて尽くしてきたものの、結局、捨てられてしまった模様。それでも、サレヴォクへの愛を捨てられず、単身、主人公に挑みかかることで、自分の想いを示そうと、けなげな行動に。こちらは「戦いたくない」と拒んだものの、愛に殉じる悲愴な覚悟を決めた思い込みの強い女性を止める言葉は持ちません。やむなく、迷妄を断ち切ることに。
 この戦いで得た経験値によって、主人公がレベルアップ。HP98のレベル8パラディンになりました。実に重い経験だったと思いつつ、最終決戦への覚悟を固めます。

 そうして、バール寺院に到着しました。
 まずは、敵の強さを確認するため、堂々と乗り込みます。
 「相変わらず、群れを作っておるな、弟よ。それこそ、一人では何もできない貴様の弱さというものよ!」

 サレヴォクの言葉が、重々しく響き渡ります。

 「兄さん。あんたの野望は潰えた。今こそ、バールの呪縛から解放される時だ! 二人で力を合わせれば、邪神にだって打ち勝てる。何も、自ら破滅の道を選ぶ必要はない」 

 説得してはみるものの、聞く耳もたないサレヴォクは、配下のタゾク、アンジェロ、セマジュを呼び出し、こちらに襲い掛かってきます。
 ちょっと待て! こちらがパーティーを組んでいることを非難したくせに、自分も同じことをしようとは! どうやら、サレヴォク兄さんは、言行不一致が特徴のよう(笑)。さすがはカオティックイービルの性格なだけあります。ローフルグッドの主人公には、到底理解不能。

 で、一戦めは、魔術師セマジュの呪文攻撃により混乱したパーティーは、突進してきたサレヴォクによって撃破されてしまいました。この魔術師を何とかしない限り、サレヴォクには太刀打ちできません。

 そこで、セーブしておいた寺院前に戻り、作戦を考えます。
 なお、攻略本や攻略サイトによると、「召喚したモンスターを壁にしておいて、サレヴォクの動きを封じておいて、その間に呪文や射撃で各個撃破」がお勧めでした。そして、BG攻略において、召喚モンスターの利用は、必須テクニックとまで言われています。でも、NOVAはあえて召喚魔法を使っていません。と言うのも、魔術師のダイナヘールが召喚魔法の「モンスターサモニング」を使えないから(爆)。ついでに、ドルイドのジャヘイラの「アニマルサモニング」も「野外でしか使えない」ということだから、結局、使える呪文はアンデッド召喚の「アニメイトデッド」しかありません。でも、「アニメイトデッド」のスクロールは見つからなかったからなあ(^^;)。
 なお、バルダーズゲートの街では、「モンスターサモニングの杖」も4500ゴールドで売っていて、それを買う、という選択肢もあったのですが、ここまで来たら、召喚魔法なしでクリアしてやる! との決意で望みました。

 そしてNOVAが選んだ作戦は、以下の通り。

1.敵の進路に、魔法使いのダイナヘール「ウェブ(クモの巣)」の魔法を仕掛ける。
2.クモの巣に引っ掛かって動けない場所に、「クラウドキル」の魔法を掛ける。
3.瞬間移動のできる魔術師は、戦士たちが集中攻撃して、呪文を妨害。
4.サレヴォクに対しては、ダメ元で、ミンスクジャヘイラ「チャーム(魅了)」攻撃。

 残念ながら、「ファイヤーボールの矢」は、この戦闘では使えませんでした。と言うのも、ものすごい勢いで突っ込んで来るサレヴォクに対して、爆発する矢を射ってしまえば、味方も思いきり巻き込んでしまいます。敵の動きを止めることができれば、使いようがあるんですけどね。まだ、「毒矢」の方が効果的です。
 ともあれ、挑戦開始。

 準備段階として、単独で敵の方に向かうダイナヘール「ミラーイメージ(分身)」の魔法を掛けて、さらに「ヘイスト(加速)」主人公たちは、その間、ドーピングや強化魔法で、接近戦に備えます。
 それから、呪文で透明化したダイナヘールを呪文の射程距離まで近づかせて、サレヴォクとの会話が始まる前に呪文の先制攻撃。

 「相変わらず、群れを作っておるな、よ……」

 
おいおい、おもむろにダイナヘール兄妹みたいな会話を展開し始めたサレヴォクでした。もしかして、自分に近づくキャラは全て「バールの子」に見えてしまうのか? 
 ボケた会話で脱力しながらも、ツッコンで来るサレヴォクからは、慌てて退避しなければなりません。手下のタゾクとアンジェロは、クモの巣に引っ掛かって、毒雲にもがいておりますが、サレヴォクは気にせず、突進してきます。さすがにラスボス、呪文への抵抗力が高く、簡単には行きません。

 一方、パーティーはサレヴォクよりも魔術師のセマジュに警戒しています。こいつに好き勝手に呪文を掛けられては、勝てる戦いも勝てなくなります。戦士は一人の敵に大ダメージを与えますが、魔術師は複数の相手を無力化できますからね。後者の方がよほど恐ろしい。
 セマジュは「飛び道具からの防御」の呪文を使っていますから、接近戦でガンガン削るしかない。結局、いかに早くセマジュを倒して、全力でサレヴォク攻撃に移れるかに勝敗はかかっている、と。その間、サレヴォクの攻撃は甘んじて、耐えしのぐしかありません。

 サレヴォク接近後の、パーティーのシフトは以下の通り。

●主人公NOVA:ひたすらセマジュを攻撃。

●カリード:ひたすらセマジュを攻撃。

●ジャヘイラ
:サレヴォクにチャーム。

●イモエン:サレヴォクに毒矢攻撃。

●ミンスク:サレヴォクにチャーム。

●ダイナヘール:サレヴォクに「5連発マジックミサイル」で攻撃。

 殴られているセマジュは、呪文詠唱を妨害され、無力化。
 サレヴォク
は、「鍛え上げた筋肉を誇らしげに、ポーズをとっている蛮族の戦士」に魅了されることなく、彼に攻撃を向けます。う〜ん、サレヴォクミンスク同じタイプのキャラ(禿頭の筋肉戦士=マッチョなハゲ頭)だから、何らかの感銘を与えるのでは?(笑)と思ったのですが。
 ともかく、ミンスクの魅了ポーズは、サレヴォクには挑発に映ったらしく、すごい勢いで攻撃しています。瀕死の重傷を負ったミンスクは、やむなく後退して、弓矢攻撃に切り換えます。
 次に、サレヴォクが狙ったのは、ジャヘイラさん。彼女のピンチに、カリードが自ら楯になります。そして、カリードもまた、窮地に陥ることに。
 この時点で、ようやくセマジュが死亡。カリードを弓矢攻撃に後退させて、主人公サレヴォクと剣で切り結びます。で、主人公もピンチに。HPを回復する時間が欲しいところですが、その間の楯役をどうするか……。
 そのとき、ダイナヘールが自ら楯役を買って出ました。彼女の「ミラーイメージ(分身)」はまだ有効です。サレヴォクの攻撃が分身にそれている間は、時間稼ぎができます。もちろん、分身ではなく本体に直撃すれば、終わってしまいますが。ほとんど、ロシアンルーレットみたいな一か八かの勝負。
 この命を張ったダイナヘールの行動が幸いして、主人公は自分の治癒能力と、ジャヘイラさんの治癒呪文でHP回復。もう一度、前線に立ちます。
 そして、ダイナヘールに気を取られているサレヴォクに攻撃。すでに何本もの矢に傷つけられている「バールの子」にとって、この攻撃が致命傷になったらしく、戦闘終了。
 サレヴォクが倒れ、その体がチリと化していくCGデモが流され、エンディング。スタッフロールが流れて、ゲーム終了。

 後日談も何もないのは、ちょっとむなしいですが、一応、ある攻略サイトで知った「サレヴォク打倒後の主人公の日記」の隠れたデータを引用して、本記事のエンディングとします。

●サレヴォクの死を目前にして

 サレヴォクは自分の念入りな計画と共に目の前でちりとなっていく。彼の怒声は壁面にまだ響いているが、彼は力尽きたのだ。ソードコーストは彼の残した爪あとにしばらくは影響を受けるだろうが、その内今まで通りに戻るだろう。

 だがしかしサレヴォクは決して消せない痕を自分に残していった。

 サレヴォクとは、嫌というほどたくさんのことを共有してきた。彼と同じ血が自分にも流れているのだ。彼の心臓を流れる毒は自分の命を危機にさらす力さえある。彼も自分と同様、過去の呟きが聞けるのだろうが、自分は心を閉ざすことにした。あのそびえ立つようなサレヴォクが弱い人間だとは考えがたいが、あの脅威的な性格にも関わらず暗黒の誘惑に負けたのだった。

 囁き声は叫び声に変わりつつある。けれどもまだ実際にはこの世界と自分には危険が残っている。

 もし、サレヴォクの計画がうまく行っていたら、彼は神になれたのだろうか? 仮にそうだとしても、彼の望み通りではなかっただろう。サレヴォクは父の名を借り多くの苦しみを引き起こしたが、彼の死がその報いとなった気がする。兄弟であるサレヴォクの魂が次第に溶けてなくなって行くのを見ていると、頭の中に恐ろしいシナリオが浮かんできた。
 それはある子供が気狂いになるよう育てられ、征服者となるのを余儀なくされる。そして正義を持つものに殺されるというものだ。サレヴォクの人生はいつかよみがえる父のための「燃料」にすぎないのだったのだ。殺戮の神、バールは自分の代理を立てるためではなく、自分自身が復活するために子孫を繁栄させたのだ。

 死んだ殺戮の王が再び復活するにはまさにふさわしい方法である。

 バルダーズ・ゲート完      バルダーズ・ゲート2 シャドウ・オブ・アムンへ つづく