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アイスウィンド2旅日記

目次
スタート〜第1章(シェインガーン・ブリッジ) このページ
第1章(ゴブリン要塞) 2ページ目

●はじめに(2007年11月9日)

 前作、「アイスウィンド旅日記」の書き出しを読むと、「ホビー館開設3周年記念」だったりするんですね。

 その時は、「バルダーズ・ゲート1」の終盤「デューラッグの塔」を攻略しながら、ダンジョン探索に疲れて、寄り道的にスタートしたわけですな。
 でも、アイスウィンドの方は、もっとダンジョンだらけだった……というオチが付いてくるわけですが(笑)。

 今回は、「ホビー館開設7周年記念」
 う〜ん、月日の経つのは早いものだ、と思いつつ、アイスウィンドって作品は、やはり「これから冬を迎える頃にスタートするのが、時候にかなっていて良い」と考えるわけですよ。

 しかも、今は「バルダーズ・ゲート2」の終盤(より少し前^^;)の「アンダーダーク」攻略を始めたところ。地底世界の探索に疲れて、寄り道的にスタートしてみます。
 いや、せめて「アンダーダーク」攻略が終わってから、とも思ったんですが、やっぱり無理かな、と判断。前倒し的に始めることにした次第です。

 始めたはいいけど、いつぐらいに終わるかなあ、と前作を見てみると、「2003年11月にスタートして、2005年5月に終了」しています。同じペースなら、「2009年5月」ですね(笑)。
 もっともBG1は「2002年9月〜2004年10月」で、2年で終了なのに、
 BG2は「2004年10月〜2007年11月」で、3年かけても終わってなかったりしますから、
 どうなるかは、知れたものではないですが(無責任^^;)。

 こういう気まぐれなプレイ記事に、付き合ってもらってる読者さまには、誠にもって感謝あるのみです(m0m)。

 その間の本サイトのD&Dプレイ経歴を見ますと、2005年に「プール・オブ・レディアンス」をクリアして(年内クリアとは奇跡に近い)、その後、始めた「テンプル・オブ・エレメンタル・イーヴィル」は、2年越しでクリア。
 実質、2006年がブログにハマリ過ぎたため、サイト更新が全く疎かになっていた事情があったわけですが……って、ただの言い訳ですね、ハイ。

 最近のD&D情勢としましては、オンラインゲームが主流のようで、それに合わせた「エベロン」という新世界が生まれているそうですが、そちらは、NOVAはよく知りません。
 昨年出たテーブルトーク版のワールドガイドブックも、未購入ですし。

 当面は、来年アメリカで出ると噂の「第4版ルール」が訳されるのを待って(早くても2009年になるかな?)、その展開に合わせて、こちらはのんびり、第2版(AD&D)や第3版のゲームを続けていけたら……と思っています。
 まあ、オフラインのD&Dゲームが出る、という噂を聞いたなら、反応するつもりですが、どうもBG作っている「ブラックアイル社」も倒産したようですし、続編の期待は難しいかな。

 もっとも、D&Dなんて歴史のあるゲームを楽しむのに、いちいち流行を追わなければいけない、ということもありませんので、ここは悠久の時代の流れを疑似体験しつつ、プレイを続けて行くことにしましょう。

 

●2007年11月9日(金)・やっぱり、まずはキャラクター作り♪

 BGと違って、アイスウィンドは、自分で6人パーティーを作らなければなりません。
 2になっても、それは同じ。
 一応、プレロールド(作成済み)キャラクターは用意されているのですが、やはり、自分で作るのが醍醐味でしょう。

 まず、主人公格ですが、前作のフレイカイヴァンの後継者ですね。
 前作を終えた段階では、
フレイ(ガンダムSeedのキャラがモデル)と同じ声優のステラを考えていたのですが、実のところ、NOVAはステラがあまり好きではありません。好きではないキャラを書いてもつまらないので却下。

 「Seedデスティニー」から採用は、シン・アスカ
 カイヴァン
の後継ということで、ハーフエルフのレンジャーです。

 
フレイの後継のソーサラー娘は、当初デスティニー終盤で、アスランを助けた話からハマッてしまったメイリンにしようか、と思いましたが、シンとメイリンが兄妹という設定も変。むしろ、シンの妹なら、マユだろう、と。
 この
マユという少女、第1話で死んでしまい、シンに「父よ、母よ、妹よ」のトラウマを背負わせてしまった悲劇の少女。本編中では、どういう性格なのか描写されることはなく、ただ遺された携帯電話の声から妄想を膨らませた妹萌えファンも多いとか。
 とりあえず、NOVA的
マユ像としては、暴走しがちな兄を抑える「しっかり者の妹」という方向性で。

 
シンフレイ似で、マユカイヴァン似の性格で、それぞれイメージしてみましょう。

シン・アスカ(HP15):ハーフエルフのレンジャー。ローフルニュートラル。
 レンジャーは、基本HPが8だと思い、「追加HP+3」の特技を修得したところ、基本HPは10だったので、予想よりもタフなキャラになってしまいました。そうなんだ、D&D3版までは、レンジャーのHPは高かったんですね。いつの間にか、3.5版の感覚でいましたよ。
 ともあれ、HPが高いのは、前衛戦士としていいことですな。
 性格は、自分勝手なケイオティックにしようかとも思ったんですが、物語終盤で「議長の生み出す秩序に心酔した感じ」があったので、秩序を保つために暴走するキャラにしました。正義のためではなく、平和や秩序を乱す輩を義務的に処断するのが生き甲斐。融通があまり利かない性格です。

●マユ・アスカ(HP4):ハーフエルフのソーサレス。ニュートラルグッド。
 まあ、HPの低さは、魔法使いですから、仕方ないってことで。原作の儚げなイメージも受け継いでるのでしょう。
 性格はしっかり者で、優しい娘。暴走する兄の良心回路ってことで。

 次に、小説「アイスウィンド・サーガ」から、ブルーノーに引き続いて、キャラを引用。
 ドロウのドリッズトは、BG2にも登場するようなので、ここは
バーバリアンのウルフガーと行きましょう。当然、小説版のキャラと同一人物ではありません。なあに、ウルフガーって名前の野蛮人なら、北方のいろんなところにいるでしょう(笑)。

●ウルフガー(HP14):人間のバーバリアン。ニュートラルグッド。
 素朴で気の良いバーバリアン。でも、バーバリアンだけあって、暴走すると思います。
 シンと2人で、突撃ツートップになることでしょう。

 4人めは、「先生」の後継者です。カルト時代劇「翔べ! 必殺うらごろし」から、和田アキ子演じる「若」に登場してもらいました。ええと、一応、女なんだけど、そうは見てもらえない長身僧形のキャラです。必殺武器は、「拳」(笑)。悪人どもを、殴って、殴って、殴り殺します。そういうキャラですから、筋力18のモンク(拳で戦う修道士)を選択。
 一応、
「先生」の弟子ってことなので、後からドルイドもレベルアップさせようかなあ、と思っていたら、「モンクは、他のクラスのレベルを上げると、モンクレベルをそれ以上上げられない」……というルールがあって断念。でも、実際にキャラを作ってみると、モンクにも3つの流派があって、「盗賊寄り」「僧侶寄り」「魔法使い寄り」の流派は、それぞれの該当クラスのレベルのみ、モンクと並行して上げられる、とあった。
 よって、「僧侶寄り」を修得。この場合、崇拝する神は、他者の苦悩に同情するイルメイター神に確定されます。
 そう言えば、前作で
「先生とクァイルおじさんに説得された、イルメイター神の僧侶」がいたなあ。確か、バーディエムという名前でした(こちら参照)。つながる物語は、つなげた方がいいので、本作でのは、バーディエムの身内ということにしましょう。

●若(HP12):人間のモンク。ローフルグッド。
 D&Dのモンクは、今回、初使用です。どんな使い勝手かが、楽しみ。
 また、キャラクターボイスは、いろいろ選択できるのですが、登録されている「ハーフオーク女性」の声が、何となく、和田アキ子っぽかったので、それに決定(笑)。

 そして、イルメイター絡みですと、BG2で、「ヨシモの心臓」イベントがございます。
 ノースに転生したヨシモも、何だか「イルメイター神の導き」って理由がこじつけられそうな気がします。
 ともあれ、転生したヨシモもキャラメイク。

●ヨシモ(HP8):人間のローグ。トゥルーニュートラル。

 最後に、まだいないキャラクタータイプですが、回復魔法の使えるプリーストは絶対必要。
 残っているのは、「マクロス7」のミレーヌの後継者。でも、マクロスで僧侶になれるキャラなんていたっけ? と資料を探してみると、黒歴史と化した「マクロス2」で、マルドゥーク軍の歌巫女イシュタルが良さそうですな。こういう不遇な扱いを受けたキャラに光を当てたい、って気持ちもありますので、採用します。

●イシュタル(HP8):ムーンエルフのクレリック。ケイオティックグッド。
 崇拝する神は、「月」と「旅」を司るセルーネイ。元ネタが歌巫女ですから、いずれバードレベルも上げないと、と思っています。
 
 以上の6人が、どういう絡みで冒険を展開していくのか、書いているNOVAにも不確定ですが、BG2ともども、うまく物語がまとまることを期待したい、と思います。(つづく)

 

●2007年11月15日(木)・波止場の倉庫でゴブリン退治(プロローグ1)

 物語のスタート地点は、タルゴスの町。
 ネヴァーウィンターの近くにある都市ラスカンから来た6人の冒険者が、タルゴスの町に船で降り立ったところから、ストーリーが始まります。

 何でも、北方ノースの地が、ゴブリンの大群の襲撃で乱世と化している状況で、タルゴスの町にも、ついにゴブリン軍が侵入したとか。
 よって、冒険者の最初の仕事は、町に侵入したゴブリン退治となるわけです。

ヨシモ「ゴブリン退治なんて、余裕アルね。アムンの冒険で鍛えられた、ヨシモの敵ではないヨ」

 いや、君のレベルは1になっているんだが。

ヨシモ「ノー! アムンでは、元レベル11バウンティハンター、転職してレベル10ファイターまで育っていたアルよ。それなのに、今さらレベル1なんて。レベルが下がるのは、柊蓮司だけにしてほしいのコトよ」

 柊蓮司……最近、アニメ化され、第2版のルールブックも出たTRPG「ナイトウィザード」の名物キャラクターですな。
 GMの陰謀で、学年が下がったり、レベルが下がったりして、「下がる男」の異名を欲しいままにしていたり。
 和製TRPGのリプレイファンでは、知らない者がいないぐらいの有名キャラになってます。

ヨシモ「大体、どうしてアムンで死んだはずが、こんな北方の地に来たアルか?」

 うむ、きっとそれは、今後の物語で解き明かされるに違いない(笑)。
 とにかく、君は今、ラスカンの裏稼業に従事していた盗賊で、一攫千金を求めて、このノースの地にやって来た、ということだ。

シン 「俺たちは、前作からの流れだと、ノース出身のはずだけど、ちょっとラスカンまで旅に出ていたんだな。しかし、ノースがピンチということで帰ってきたわけだ!」

マユ「お兄ちゃんのお守り役ってことで、ついて来ています」

若「おいらは、この年若い2人の後見役ってことだ」

 和田アキ子演じる若、女性キャラなのに、1人称が「おいら」ってのは、書いていても違和感ありまくりですが、原作がそういうキャラなんだから仕方ありません(苦笑)。

ウルフガー「オレは、戦いがあれば、どこにでも行く。ただ、それだけだ」

イシュタル「私も、月の導くままに、旅を続けるだけです」

ヨシモ「やれやれ。旅の同行を契約した覚えはないけれど、どうもイルメイター神の導きを感じる気がするヨ。前世の呪縛を断ち切るための修行の旅、ってことで納得するしかないアルね」

シン「よし。とにかく、ノースの秩序は俺が守る! 戦争なんて物は終わらせないといけないんだ! 船から下りたら、早速ゴブリン退治と行くぜ!」

マユ「お兄ちゃん、無理はしないで」

 ……とまあ、暴走しがちなシンをリーダーとする6人パーティーです。寡黙な渋い傭兵タイプのウルフガーと、世話焼きな修道士のがサポートに回れば、うまくまとまるかな。

 そして、船から下りた桟橋の先で、怪我している兵隊さんがいます。

シン「大丈夫か! 助けに来たぞ! 俺たちが来たからには、ゴブリンなんて目じゃない! 後は任せて、あんたたちは休んでくれ!」

兵士「いや、息まくのは結構なんだが、まずは装備を整えた方が良くないか?」

シン「へ?」

 ええと、初期装備は前作同様、杖1本。鎧すらありません。
 戦火の町を救援に来た傭兵たちが、そんなんで大丈夫か?(苦笑)

若「おいらは、武器なんてなくても大丈夫だぜ。この拳があれば、ゴブリンなんて粉砕だ」

 いや、君は和田アキ子だから、そうかもしれないけど、パーティー全体の戦力を考えるなら、やはり武器や防具は必要でしょう。

兵士「武器や防具なら、そこらへんに転がっている警備兵の死体から、拾い集めていくんだな。あるいは、近くの倉庫から使えるものを調達するとか。こんな状況では、誰も文句は言わないさ。それと、倉庫に行くなら、ついでに薬を持ってきてくれないか? オレもゴブリンとの戦いで負傷して、治療が必要だ」

 ……ということで、波止場周辺を散策しながら、散発的に襲ってくるゴブリンを返り討ちにしつつ、落ちている武器や防具を集めて回ります。斧とか、弓とか、革鎧とかを拾いながら、何とかそれらしい格好を整えた頃、

兵士「おい。お前たち、外から来た傭兵か? この大きな倉庫にゴブリンどもがいっぱい入っているんだが、もうすぐ突入作戦を行なう手はずになっている。酒場にも応援の傭兵がいるはずだが、連中を呼んできてくれないか? 数さえ揃えれば、何とかなるはずだ」

 はい、酒場に行って来ましたが、傭兵連中は飲んだくれて、何の役にも立ちそうにありません。

シン「あんな酔っ払いなんて、相手にせずに、俺たちだけで何とかしてみるぜ!」

兵士「い、いや、しかし……」

シン「ゴブリン相手に、怯えているんじゃない! ここは気合で乗り切る!」

ヨシモ「やれやれ。こんな無謀なリーダーに付いて行ったんじゃ、命がいくらあっても足りないアルね。ヨシモは、影に隠れさせてもらうヨ」

 自分でも無謀かな、と思いましたが、まあ、何とかなりましたね。
 倉庫のゴブリンを全滅させ、地下への階段を発見。ゴブリンどもは、そこから町に侵入したようで、洞窟に通じておりました。何度かの回復・休憩をはさみながら、洞窟探索をした挙句、ゴブリンを一掃。
 洞窟の奥は、ゴブリンの穴掘りが下手だったようで、落盤が発生しておりました。よって、町の外に通じる通路は塞がっていたわけで。もしも、これが塞がっていなければ、町の外からもっと大勢のゴブリンが侵入していたかも知れず、幸いだった、ということですね。

 倉庫のゴブリンを少人数で壊滅させたことで、兵士の皆さんも、我々冒険者の実力を認めてくれて、町のお偉いさんに会うよう奨めてくれました。幸先のいいスタートですね。(つづく)

 

●2007年11月19日(月)・領主との対面(プロローグ2)

 ゴブリン軍に包囲され、窮地に立っているタルゴスの町。
 ラスカンの街から救援のために駆けつけたのが、我らが冒険者って設定です。

 しかし、一行が港に降り立ってみると、すでにゴブリンたちが侵入していた模様。波止場は大混乱に陥っていました。
 ゴブリンたちの侵入口は、町の外に通じる洞窟。そこから波止場の倉庫まで地下通路が伸びており、兵士たちに奇襲攻撃を仕掛けてきたわけですな。

 冒険者が地下通路のゴブリンを一掃。さらに落盤のために、外部からのそれ以上の侵入は、不可能であることを確認して、事態は一段落しました。

シン「よし! これで、ゴブリンの侵攻は防ぎ止めた!」

ヨシモ「しかし、まだまだ安心はできないアルよ。街が軍勢に包囲されている状況は変わらないからネ。いずれ、本格的な戦いが始まるに違いないヨ」

シン「来るなら来い! 片っ端から、倒してやるまでだ!」

ウルフガー「異存はない。しかしな、無謀と勇気はちがうぞ」

シン「どういうことだ、野蛮人! あんたの口から、無謀を戒められる、とは思わなかったぞ!」

ウルフガー「オレは確かに蛮族の生まれだ。だが、蛮族が必ずしも無謀とは限らんのだ。荒野で生き延びるには、自らの力だけでなく、周囲の状況を見極めて、生き延びるための知恵を巡らせることも求められる。状況も見えないのに、戦に挑むのは勇気ではない。単なる愚か者か、未熟者のすることだ」

シン「あんたはケンカを売っているのか!?」

ウルフガー「オレは、商人ではない。ケンカをするなら、何も言わず、相手を叩きのめしている。無謀な仲間を戒めるのは、オレが生き延びるための知恵の使い方だ。だが……言うべきことは、もう言った。度を越したお喋りは、オレの柄じゃない」

シン「チッ、散々、喋っておいて、それかよ! 結局、黙るなら最初から口を挟むなよな!」

マユ「お兄ちゃん、そんな言い方、失礼でしょう。(ウルフガーに)ごめんなさい、せっかく助言してくれたのに……素直じゃない兄で……」

ウルフガー「かまわん。オレも昔はそうだった。ドワーフの友にして親代わりのブルーノーが、オレを叩きのめして、導きを与えてくれるまではな」

 小説アイスウィンドのウルフガーは、未熟だけれども学習能力は高いバーバリアンで、ブルーノーとドリッズトを師匠にしながら、戦闘技術と共に、荒野や文明社会で生きる知恵をどんどん修得していきました。
 本記事では、ある程度、経験を積んだ後のウルフガーをイメージしています。

 一方のシンは、短気で好戦的、未熟な思春期の若者。
 本記事では、彼の成長を主軸に物語を進めて行こうかな、と思っています。

シン「とにかく、状況を見極めればいいんだろう? 誰かに話を聞くぞ!」

 まあ、情報収集は、RPGの基本ですからね。
 波止場での活躍が、町の領主に報告されたみたいですから、会いに行くとしましょう。

領主ウルブレック「おお、町を救った英雄が来たようだな。諸君の活躍は聞いた。疲弊した我が軍に、活気を取り戻してくれることを期待している」

シン「い、いいえ、領主さま。それほどでも……(緊張)」

ヨシモ(小声で)「権力者が、誉め言葉を並べるときには、気を付けた方がいいアルよ。おだてるだけおだてておいて、厄介な仕事をいろいろ押し付けてくる可能性があるからネ」

マユ(小声で)「私も、そう思います。でも、お兄ちゃん、おだてに弱いから……」

領主ウルブレック「諸君らには、北の城壁の守りについてもらいたい。そこで、防衛司令官が直属の部下として、諸君に指示を与えるであろう」

シン「了解しました!」

イシュタル「ちょっと待ってください。ご領主さまは、私どもに軍隊に入れ、とおっしゃられるのですか?」

領主ウルブレック「うむ。今は、非常事態だからな。何か、問題があるのか?」

イシュタル「いえ。実は、我が信奉する月の神の啓示がございまして、この町に魔力や死の力に基づく陰謀の影がちらついているように見受けられるのです。できますれば、そうした影なる危険について、探ってみたい、と考えていたのですが……」

領主ウルブレック「むむ、そうした目に見えない力については、わしには分かりかねるな。我が妻エリサーラが、魔法を専門としているゆえ、そうした問題は彼女に助言してもらうが良かろう。今回のゴブリンの襲撃は、確かに尋常の事態ではないゆえ、そこに魔力の関与があったとしても、ちっとも驚くべきことではない。軍隊の秩序は大事だが、そなたらは独自の判断で、町を守るために動いてくれても構わん」

イシュタル「分かりました。寛大なお言葉に、お応えできるよう、全力を尽くしたい、と思います」

 う〜ん、南方の大都市アムンでは、貴族連中が冒険者の主人公たちを散々、こけ下ろしていましたが、
 ここノースの地では、領主の対応が、冒険者に対して非常に好意的です。気持ち悪いくらい(笑)。
 もちろん、戦時下という事情もあるのでしょうが、やはり格式ある商業国家と、たたき上げの辺境の町の差なんでしょうかね。

 ともあれ、主人公たちの立場は、領主お墨付きの町の救世主です。もう、歴戦の勇者あつかいですよ。まだレベル1なのに(笑)。

 果たして、そんな彼らは、タルゴスの町を救うことができるのでしょうか?(つづく)

 

●2007年11月19日(月)・タルゴス町内クエスト(プロローグ3)

 領主と対面後、女魔術師でもある領主の奥方からも話を聞きます。
 そして分かったこと。
 
領主よりも奥方の方が優秀だ、ということ(笑)。

 基本的に領主は、報告を聞いて、承認と命令をするだけで、役立つ助言とかは一切してくれません。
 
「うむ、なるほど、分かった。よくやった。じゃあ、次はこれをしてくれ。うまく行くことを期待しているぞ」
 基本的には、こういう類のセリフしか言わない人です。
 無能ではないと思うのですが、役人的な対応に終始しがちな放任上司って感じですね。

 一方、奥方は、いろいろと専門分野からのアイデアを出してくれます。

 
「なるほど。ゴブリンたちが、そのような巻き物を持っていましたか。見せて下さい。……どうやら、簡単なテレポートの呪文が書かれていたみたいですね。しかし、これ一つだけでは使えないようです。もう、片方の巻き物があって、そちらに誘導されるみたいですね。こういうものがある、ということは、町の中にゴブリンを誘導した裏切り者がいるかもしれません。この巻き物に異常な関心を示す者がいれば、怪しいですね。気をつけて下さい」

 「なるほど。宿屋に出没する女幽霊ですか。彼女の流す涙は、魔力を秘めているようですね。それを持ってくれば、魔法の品物を作ることができるかもしれません」

 領主の命令よりも、奥方の示すクエストの方が面白く、そちらから解決に掛かります。

 まず、裏切り者クエスト。
 一人の魔術師が犯人だと判明したものの、1レベルでは倒せなかったので、解決は後回し。

 次に宿屋の女幽霊クエスト。
 この事件の解決に、気乗りしそうなのはイシュタル、それからヨシモ

若「先生なら、哀しむ亡霊をそのままにしておくなんて、あり得ないさ。おいらだって、まだまだ未熟だけど、何とかしてやりたい、と思う」

シン「でも、早く、町を守る軍隊に合流しないと!」

ヨシモ「いや、死者の尊厳は守ってやらないといけないアル。呪われた魂は、解放してやらないと……」

シン「ずいぶん、必死だな、ヨシモはとにかく、あんたがそんなに死者の尊厳にこだわるなんて、思ってもいなかった!」

ヨシモ(だって、他人事に思えないアル。このヨシモだって、前世では制約の呪文(ギアス)に縛られた挙句、命を落としてしまったんだからネ。転生はしたけれど、まだ魂の一部は呪縛されたまんま。早く、何とかしてほしいアルよ)

 いや、まあ、そのうちに、ね(苦笑)。

イシュタル「とにかく、この亡霊は、何かを訴えたがっているようです。まずは、亡霊自身の悲しみの源を解消し、霊界からの予言となるメッセージを聞き届けるよう、我が月の神が命じております。それは、このタルゴスの平安にも関係するような気がします」

 何だか電波巫女なイシュタルさんですが、とにかく、女亡霊の悲しみの源が「難破した夫の船乗りの消息」ということで、それを示す「船の残骸」を探し求めます。
 で、町の波止場には「船の部品コレクター」がおりまして、彼から
「件の難破船の舳先パーツ」を譲り受けます。夫の乗った船の舳先を確認した女亡霊は、夫の死を受け入れ、悲しみから解放されます。そして、タルゴスを含むノースの地を脅かす闇の存在をほのめかすのですが……今はまだ、その正体が分からないそうです。時が来れば、また予言を与えに戻ってくるらしいけれど……いつのことになるやら?(苦笑)

シン「女亡霊の件は、当面、これで解決だな。じゃあ、急いで軍隊の方に行くぞ!」

 戦いのないクエストは、シン君の好みではない様子。
 もしも、原作のように、妹が亡くなっていたなら、女亡霊の悲しみを解消する件についても、もっと感情移入していたのでしょうが。本記事の
シン君は、原作での悲しみを知らないIFワールドのキャラクターということで。
 とにかく、戦いたい盛りのお子さまキャラクター。バーバリアン以上に、突撃無謀な性格になってしまった
シン君の運命は?(つづく)

 

●2007年11月19日(月)・防衛戦の準備(プロローグ4)

シン「よし、戦いだ!」

 ええい、落ち着けって。
 町内クエストを解決したので、北の城壁に向かいます。
 そこで、司令官と対面します。

シン「司令官! 俺たちが来たからには安心です! 命令してください! すぐに最前線に向かいます!」

司令官「おお、元気のいい若者だな。だが、戦には十分な準備というものがいるのだ。これは町を守るための防衛戦だ。いたずらに突撃を繰り返して、戦力を消耗するわけにはいかん」

シン「ハッ、もちろんです、司令官! では、至急、準備に取り掛かります!」

 原作以上に好戦的で、仲間相手にはやたらと突っかかるけれども、
 原作以上に「軍隊の命令機構や上下関係に忠実」になってしまった
シン・アスカ。いやまあ、アラインメント(性格)をローフルニュートラルに設定してしまったため、なんですけどね(苦笑)。ちょっと、キャラ設定、間違ってしまった? 

司令官「まず、町の防壁を補強しなければならん。だが、木材の輸送が滞っているのだ。技師のところに行って、何が問題なのか確認してくれ」

シン「そんな! 俺は戦士です! 技師じゃありません! そんな仕事を命じるなんて、バカにしないで下さい!」

 あ、こういう反抗の仕方は、シンらしい(笑)。

ウルフガー「自分の武器や鎧の手入れは、戦士の仕事だ。防衛戦なら、陣の構築にも目を配ることが、指揮官には求められる。そうした役目を任されるのは、名誉なことだぞ」

シン「わ、分かっている! しかし、だな……」

司令官「すまない。本来なら、防壁の補強など、普段から心がけておくべきことだ。しかし、ゴブリンの攻撃が急だった上、タルゴスの兵士は未熟だ。戦の段取りというのも、よく分かっていない。その割に、互いの縄張り意識だけは強くてな。上からの命令が、スムーズに届かんのだよ。ここは、君たちのような実戦経験と機転を身に付けた優秀な冒険者に、 活を入れてもらいたい、と思っている。君たちなら、ただの兵士には気付かないような問題点をも指摘できるはずだ。私も、そして領主も、そういう期待を、君たちに向けているのだよ」

シン「ハッ、わかりました、司令官! 俺が浅はかでした! 期待に応えられるよう、全力を尽くします!」

 言葉巧みな上司のおだてに弱いシン・アスカ(笑)。
 反発はするけれど、根は素直なので、自分を認めてくれる相手にはとことん弱かったりします。

 現場に行くと、城壁工事主任のドワーフが「木材が来ない」とボヤいています。
 どうやら、運搬機械が壊れている様子。

技師「この機械の修理が終わらないと、木材は運べねえよ。主任にはそう伝えてくれ」

シン「だったら、早く修理しろよ!」

技師「分かっているよ。しかし、工具がないとなあ……」

シン「ハンマーなら、持って来たぞ! どこを叩けばいいんだ? 人手が必要なら、手伝ってやるぞ!」

技師「ええい。素人が余計な口出しをするんじゃねえ。機械のことは、俺たちに任せて、とっとと去りやがれ!」

シン「あんたらの作業が遅いから、周りが迷惑しているんじゃないか! こんな機械、叩けば直るだろうに!」

技師「そんな簡単に片付くか!」

 交渉技能のないシンは、現場でケンカを始めようとします。

マユ「もう、お兄ちゃんッたら! いいわ、私がやる! ハンマー貸して」

ヨシモ「ほい、ハンマーあるヨ。でも、本当に何とかなるアルか?」

マユ「簡単よ。この歯車のところが引っ掛かっているのね。ここを叩けば……って、私の力では無理みたいね」

若「だったら、おいらがやろうか?」

マユ「ダメよ。力任せじゃ、壊してしまうわ。やっぱり、こういう作業はプロの腕が必要よ。技師のお兄さん、ここを叩いてくれないかしら?」

技師「嬢ちゃん。素人に何が分かるってんだい?」

マユ「細かいことは、分からないわ。でも、プロの技師の方なら、この歯車の引っ掛かりを何とかすればいいことは先刻、ご承知のはずよね」

技師「も、もちろんだ。工具があって、余計な邪魔がなければ、すぐに修理してやるさ」

シン「本当に分かっていたのかよ?」

技師「あ、当たり前だろ。俺はプロだぜ。嬢ちゃん、ハンマーを貸してくれ」

マユ「はい、どうぞ(渡しながらウインク)」

技師「お、おう。任せてくれ」

 こうして、魅力が高く、交渉技能を持ったマユのおだてに乗せられて、技師は機械を修理します。
 ミッション達成により、経験値を受け取ったパーティーは、晴れてレベルアップ。

シン・アスカ(HP27):ハーフエルフのレベルレンジャー。ローフルニュートラル。

●マユ・アスカ(HP8):ハーフエルフのレベルソーサレス。ニュートラルグッド。

●ウルフガー(HP28):人間のレベルバーバリアン。ニュートラルグッド。

●若(HP21):人間のレベル1モンク/レベルクレリック(イルメイター神)。ローフルグッド。

●ヨシモ(HP16):人間のレベルローグ。トゥルーニュートラル。

●イシュタル(HP14):ムーンエルフのレベル1クレリック(セルーネイ神)/レベルバード。ケイオティックグッド。

 レベルが上がったので、先刻、解決できなかった裏切り者クエストに挑戦し、魔術師を撃退してクリア。

 次いで、司令官の与える2つ目のクエスト「矢の調達」に挑戦。
 領主の非常事態宣言(武器屋は無料で武器を提供するように!)に反発して、在庫を隠している商人と交渉。
 領主の代わりに、代金を支払うことで、納得してもらいました。

 さらに、3つ目のクエスト「ゴブリンの死体に尋問する死霊術師の手伝い」に挑戦。
 死霊の声は聞けるけれども、ゴブリン語が分からないために、肝心の情報が分からない死霊術師。
 ゴブリン語が何とか分かるパーティーが通訳することで、情報を手に入れ、ゴブリン軍の構成や、群れのリーダーの名前などが判明しました。

 いよいよ戦いの時が迫ってきています。(つづく)

 

●2007年11月20日(火)・タルゴス防衛戦(プロローグ5)

司令官「よし、戦いの準備は整った。現在、このタルゴスを包囲しているゴブリンの軍勢は、大多数の部族の一つに過ぎないそうだ。情報によると、ゴブリンだけでなく、オークやトロールなども含む大軍勢が、ノースの各地に展開しているらしい。決して、状況は楽観的ではないが、我々は一致団結して、この難局を乗り越えなければならない。まずは、目前の脅威を排除する」

ヨシモ「思っていたよりも危険な戦況アルね。自由な辺境の地で、気楽な冒険をするつもりが、こんな大きな戦いに巻き込まれるなんて、思っていなかったヨ。逃げ出すなら今のうちネ」

シン「いきなり、何を弱気になっているんだ! 大きな戦いに勝ってこそ、英雄としての真価が問われるんじゃないか!」

ヨシモ「しかし、D&Dのレベル1〜2なんて、ダンジョン潜って、お宝探しが普通アル。大規模戦闘なんて、レベル10以上のコンパニオンルール推奨のイベントよ。こういう戦いこそ、どこぞの聖騎士に任せればいいことネ。ヨシモには、むしろアンダーダークに潜って、ドロウの都市で陰謀劇に明け暮れている方が向いていたかも知れないアル」

イシュタル「大丈夫です。こういう大規模な戦いがいつまでも続くはずがないじゃないですか。物語はまだプロローグなんですよ。よくある話ですと、最初の街が戦火によって滅びて、流浪を余儀なくされた冒険者が、悪の追跡を逃れながら、世界の平和のために悪の弱点を探るようになっているんですよ」

シン「ええい、メタな会話はやめろ! 大体、それじゃあ、タルゴスの滅亡が決まったみたいじゃないか! 俺たちは、タルゴスを滅ぼさないために、全力を尽くすんだろう? 戦火で泣くような家族が出ることは、この俺が許さない!」

マユ「お兄ちゃん、えらい。何だか、町が滅んだら、私も死んじゃいそうな気がするので、そうならないように頑張ります」

若「そうだな。あきらめる前に、できるだけのことはしないと」

ウルフガー「そのためには、まだ手が足りないな。どこかから救援の当てはないのか?」

司令官「ネヴァーウィンターの街に救援を要請はしているのだが、まだ連絡が届かないそうだ。他には、波止場に君たちと同じ冒険者が待機しているそうだが、会わなかったか?」

シン「もしかして、アイアンカラーバンドという傭兵集団ですか? あいつらはダメですよ! 波止場でのゴブリン退治の時にも、酒ばかり飲んで、動こうともしません!」

司令官「彼らには、前金で報酬を払っているんだが……大至急、ここに連れて来てくれ。私の命令だと言ってな。それでも働く気がないようなら、君たちの判断で処分してくれて構わん。危急存亡の時に、命令に従わない兵士の存在は、士気に関わるからな」

シン「処分って……つまり、殺っちゃっていい、ってことですか?」

司令官「軍隊では、命令違反は重罪だからな」

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シン「……ということだ! おとなしく、司令官のところに来てくれ! さもないと……」

傭兵3人組「うるさいなあ。人がせっかく、気分よく酒を飲んでいるのによ。オレたちに用があるなら、司令の方から来るように伝えてくれ。ゴブリンどもがここまで攻めてきたら、オレたちだって戦ってやるよ」

シン「それじゃあ、遅いんだよ! 町の中に侵入させる前に、倒さないといけないんだから!」

傭兵3人組「だから、それはオレたちの役目じゃないんだよ。オレたちは、町を守る最後の砦、言わば切り札なんだ。切り札はそう簡単に動かず、悠然と構えていないといけないんだって」

シン「(プッツン!) そんな自分勝手な理屈! あんたらは、火事場泥棒だ! 町に巣食うダニだ! オレが成敗してやる!」

傭兵3人組「何だと! 人がおとなしくしてりゃ、付け上がりやがって! ガキが、なめた口、聞けないようにしてやる!」

 ……どうやら、シンに交渉事を任せると、こういう結末になるようです(苦笑)。
 結局、傭兵3人組は、司令直属の親衛隊(候補)の手によって、処刑されてしまいました(合掌)。

 攻略情報によると、交渉能力の高いキャラなら、きちんと解決できたみたいですがね。

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シン「アイアンカラーバンドの連中は、動こうとしなかったので、始末してきました」

司令官「……やむを得んな。敵の動きが活発になっているみたいだから、決戦は今夜辺りになるだろう。ゴブリンの侵入に備えて、城壁の見回りを頼む。戦いで傷ついたときは、この司令部に戻ってくればいい。司祭が回復魔法をかけてくれる。持久戦になるから、無茶はするな」

 この後、ゴブリンたちの侵入イベントが発生し、激しい連続バトルが始まります。

 冒険者たちは、ゴブリン相手に激しいチャンバラ劇を繰り広げます。

 相手はしょせんゴブリン。ザコといえば、ザコなんですが、とにかく数が多い上、飛び道具使いが後衛の魔法使いを狙ったりすれば、たちまちピンチに。

マユ(弓矢が刺さって)「キャー!」

シン「き・さ・まーッ!」

 妹を守るために鬼神のように荒れ狂う、暴走レンジャーのシン、そして仲間たち。
 さすがに、連続バトルだとHPが保たないので、適度なタイミングを見計らって撤退。
 司令部の司祭に癒してもらって、セーブをした後、再び、戦いの中に飛び込みます。

 そして、呪文を使うゴブリンの族長との決戦。
 さすがに強敵で、周囲の取り巻きとの乱戦になってしまえば、勝てませんでした。
 そこで、族長の顔を見たら、すかさず撤退して、司令部の近くまでおびき寄せます。
 追いかけてきた族長1人を、ボコボコにした後(笑)、安全な司令部で回復。後から駆けつけてきた取り巻きも各個撃破して、何とか勝利! 

 こうして、何とかタルゴスの町を防衛することに成功しました。(プロローグ終わり)

 

●プロローグ感想

 BG2のプレイの途中で、こちらに切り替えてみましたが、最初はもう少し軽めのスタートだと思っていました。

 前作同様、のどかな田舎町にやってきた自由人の冒険者が、密かに進行中の陰謀に巻き込まれて……ってストーリーパターンを意図していたら、「いきなり戦争」ってんでビックリ。
 BG2「いきなり捕まっての脱出行」というのも刺激的でしたが、しょせんは個人レベル。物語規模の大きさとしては、明らかにIW2の方が上ですね(まだレベル低いのに……)。

 で、「戦争」って物語設定ですと、原作アニメよろしくシンが暴走しまくります(笑)。
 当初、プロローグは、6人の冒険者のキャラクターをつかみながら、パーティーとしての関係性を構築するつもりで書いたのですが、こちらの想像以上にシンが出しゃばって、他のキャラがまだつかめていません。
 お気に入りでスピンオフさせたヨシモも、BG2の時とは勝手が違うため、まだ上手く動いてくれませんし。

 ウルフガーも当初は、もう少しバーバリアンらしく、シンに負けないぐらい暴走するキャラの予定でしたが(前作のブルーノー程度を想定)、そうなると本当に パーティーの歯止めが掛からなくなるので、シンの先輩戦士というポジションに落ち着きました。
 シンを導く役ですと、デスティニー原作ではアスランとか、レイとかがいましたが、ウルフガーはそんな線の細いキャラでもないので、渋い大人のキャラとして描きたいな、と。
 イメージとしては、デスティニーの「トダカ一佐」

 このトダカ一佐も、もしヨシモ復活要望がなければ、代わりの「盗賊(戦士)」として登場させようか、と思っていました。
 そうなったら、暴走する若者をフォローする苦労人のキャラ、を想定していたわけですが。
 ヨシモの性格ですと、トダカ一佐と同じ役回りはできないでしょうから、その辺はウルフガーと役割分担しながら、シンのフォローをすることになる、と思いますね。

 マユイシュタルについても、まだ物語上の役割が確立されているわけではなく(現状は、やっぱりシンのフォロー役でしかない)、これからのストーリーイベントとの絡みに合わせて、どう動いてくれるかが楽しみです。

 ともあれ、キャラ個人の大まかなイメージは原作に合わせてできていても、それらが原作にない組み合わせで結びついたとき、どう変化していくかに注目したいですね。

 当面は、「第1章」までプレイして、それからBG2に戻ろう、と思っています。 

 

●2007年11月20日(火)・新たな任務(第1章その1)

 無事に、タルゴスの町をゴブリン軍の襲撃から守り通した冒険者たち。

領主ウルブレック「さすがは我らが見込んだ勇者だ。この度の働きは、ご苦労であった」

シン「いいえ! 戦火から町の人を守ることができて、何よりです! ですが、まだノースの地は、安泰ではありません! この機に、遠征軍を派遣し……」

ヨシモ(うわあ、どうして、こいつは身の程知らずに余計なことを言うアルか? まだ、どこぞの聖騎士には謙虚さが備わっていたアルね。直情的な自信過剰ほど、始末に終えない者はないアルよ)

領主ウルブレック「……ううむ、遠征軍か。しかし、わが町は今回の戦いで、結構な被害を受けた。とても、そのような余裕はない」

シン「では、他の町に連絡を回し、せめて、強固な同盟関係を……」

ウルフガー「おい、シン。どこまで出しゃばるつもりだ。たった1回の大規模な戦いに生き残ったぐらいで、のぼせ上がるんじゃない! 領主の決めることまで、口出しするなんて、何様のつもりだ!」

マユ「す、すみません、領主さま。兄が無礼な口を聞きまして……」

領主ウルブレック「……いや、構わん。こういう戦時下では、実戦を知る者の意見は聞くに値するものだ。建設的な提案なら、歓迎するぞ。しかるに、シンの提案した同盟関係だが、ネヴァーウィンターの町に、すでに打診している。また、周辺地域にも、いろいろと斥候を送って、敵の動向は探らせてあるのだ。そして、一つの問題が判明した」

ヨシモ(一つの問題アルか。本当は、もっといっぱいあると思うけどネ)

領主ウルブレック「南部に向かう街道沿いにシェインガーン・ブリッジという橋がある。そこがオークの軍勢によって制圧されているそうだ。仮に、ネヴァーウィンターから増援が来たとしても、そこを突破しない限り、タルゴスに到着することはできないだろう」

シン「なるほど! つまり、そのシェインガーン・ブリッジを確保すればいい、と!」

領主ウルブレック「うむ。正面から軍隊で突破するには、困難な要害であるが、少数精鋭で 隠密裏に奇襲攻撃を仕掛ければ、何とか落とせるかもしれない。ノースの未来は、諸君らの活躍に掛かっているのだ」

シン「分かりました! 任せてください!」

ヨシモ(小声でブツブツ)「やっぱり、おだてるだけおだてておいて、厄介な仕事をいろいろ押し付けてきたアル……。どうして、こういうパーティーに付いて来てしまったアルか?」

若(ヨシモの後頭部をドツキながら)「ええい、ブツブツぼやいてんじゃねえ。苦しんでいる者を助けるのは、イルメイター神の教えだろうが。てめえが突然、イルメイター神殿に現われて、呪縛がどうの、贖罪をしなければならないだの、言ってるから、旅に同行させたんじゃねえか」

ヨシモ「そ、そうアルか? やっぱり、これは贖罪の試練?」

 どうやら、そういうことらしいです(笑)。
 神(イモータル)の導きさえあれば、死んだキャラクターの時空を越えた転生も、どうとでも理屈が成り立つ。これがファンタジー世界というものです。いやあ、ファンタジーって便利ですな(^0^)。

 あと、通常なら、こんな戦争行為にわざわざ好きこのんで関わる冒険者は少ない、と思うのですが、
 このパーティーは基本的に、前作の冒険者にゆかりの者たちなので、ノースの地に故郷と同じ愛着があるのですな。よって、ヨシモを除けば、全員、シンの選択に異存なく、従うわけです。
 イシュタルについては、別に前作のミレーヌとの絡みは考えていませんが、クレリックは「信仰する神の導き」ということで理由が成り立ちます。
 以上、GM的立場からの冒険動機の解説でした。

ヨシモ「う〜ん、贖罪なら仕方ないアル。この身は、に委ねられたってことネ」

 こうして、ブツブツぼやくヨシモにも、何とかパーティーで行動せざるを得ない動機ができたってことで。
 ちなみに、NOVAのイメージとしては、「翔べ! 必殺うらごろし」で火野正平演じる密偵キャラ、正十がヨシモかぶっています。基本的に金銭欲や文明社会に無縁な「うらごろし」の登場人物の中で、一人だけ世俗的で、世の中のコスッ辛い常識を持ち合わせたキャラ。先生の「霊界通信」といった特殊能力を何とか金儲けにつなげようと、こそこそするんだけど、バレてしまって、に張り倒されたりします(笑)。
 マイナーな例で分かりにくいと思うので、あえてメジャーなキャラを挙げるなら、
「鬼太郎のネズミ男」に通じる感じですな。

シン「とにかく! シェインガーン・ブリッジに行くぞ!」

 と言うことで、実際のゲームでは、タルゴスを出た冒険者がシェインガーン・ブリッジに向かうところで、プロローグは終了。
 物語はここから、本格的に第1章に入ります。

 プロローグや各章の初めには、ナレーションが入りますが、
 今回のナレーションは、今回の冒険の「20年後に書かれた物語」という設定。結構、細かいところに凝ってます。
 プロローグ段階では、「オズワルド叔父さんは、ゴブリンとの戦争や、タルゴス町を救った傭兵の到着を目撃した」といった記述の意味がよく分かっていなかったのですが、このオズワルド叔父さんというのは、前作でも登場したノームの発明家です。クルダハルの村で、壊れた飛行船に住んでいて、ポーションを売ってくれました。我らがクァイルおじさんと発明談義をしたのが懐かしいです。
 今回も、このオズワルド叔父さんが、タルゴスの町でポーション屋をやってました。あと、自慢の飛行船も登場。いまだ乗せてはくれませんが、空からゴブリン軍の偵察をしたり、結構、活躍しているみたいです。
 そして、オズワルド叔父さんの今はまだ幼い姪っ子が、将来、この戦いの物語を記述するわけですね。

 あと、前作の物語および、その後日譚(拡張シナリオ『ハート・オブ・ウィンター』『トライアル・オブ・ザ・ルアマスター』)も、今作では歴史の書物に記述されておりまして、壮大な物語を紡いでいる感覚を味あわせてもらいました。

 姪っ子の物語によれば、「傭兵たちを傷つけたのは、厳しい自然ではなかった」などと、なかなか意味深で凝った内容の記述が語られています。まあ、何だか装飾過多で分かりにくい文章だったりもするのですが。
 ともあれ、厳しい自然以上の強敵が、待ち構えているのですな。覚悟を決めて、挑むとしましょう。(つづく)

 

●2007年11月22日(木)・雪山にて自爆テロ(第1章その2)

 第1章に入り、いよいよタルゴスの町から外に出ることになりました。
 本記事のタイトルは、「アイスウインド2旅日記」なのに、このまま旅に出ることなく、戦争ばかりやっているようなら、「アイスウインド2戦記」に変更しないといけないかなあ、と思っていた矢先ですので、
 体裁上だけでも、「旅」の形を取れたので、ホッとしています(笑)。

 もっとも、「自由な旅行」という気分ではなく、「使命を帯びた行軍」なんですがね。

 で、目的地は、シェインガーン・ブリッジ
 しかし、街道沿いをのこのこ向かって行くなら、たちまち撃破されてしまいますので、迂回路を通ることになります。雪山から背後に回り、そこから急襲する作戦。いわゆる「義経のひよどり越え」といった趣ですな。いかにも軍事キャンペーン的なシナリオです。
 でも、相手もバカではありません。雪山には、オークの一部族の防衛部隊が潜んでいました。そいつらを撃破しながら、雪山登山を敢行するシチュエーションなわけです。

 樽(たる)で、バリケードを築きながら、弓矢攻撃を仕掛けてくるオークの部隊。

シン「うおー! 突撃ーー!」

 
まずは、樽を壊してからでないと、接近戦に持ち込むことができません。
 で、樽を壊している間に、弓矢のダメージを被って、やむなく撤退。何だか、オークの方が賢くて、突撃しか能のない自分たちがバカに見えてきました(苦笑)。

ヨシモ「こちらも飛び道具で応戦したよくないアルか?」

シン「俺は弓矢なんて持っていない!」

ヨシモ「あんたは、それでもレンジャーかネ?」

 レンジャーは、弓矢攻撃の名手のはずなんですがね(笑)。NOVAのプレイスタイルですと、どうしても切りかかった方が早い、なんて思ってしまいまして。
 それでも、いざと言うときに弓矢ぐらい持っていた方が、戦術にヴァリエーションが出るということで、一度、タルゴスの町に戻って、装備を買い揃えます。
 ついでに、「負傷兵に紛れ込んだドッペルゲンガーのスパイを発見」したり、「酒場で飲み比べに勝って、狼のお守りをGET」したり、「予言の幻影に朦朧としていた僧侶を正気に戻す」などの、やり残しクエストを攻略。レベルアップを果たします。

シン・アスカ(HP39):ハーフエルフのレベルレンジャー。ローフルニュートラル。

●マユ・アスカ(HP12):ハーフエルフのレベルソーサレス。ニュートラルグッド。

●ウルフガー(HP42):人間のレベルバーバリアン。ニュートラルグッド。

●若(HP30):人間のレベルモンク/レベル1クレリック(イルメイター神)。ローフルグッド。

●ヨシモ(HP29):人間のレベルローグ。トゥルーニュートラル。

●イシュタル(HP25):ムーンエルフのレベルクレリック(セルーネイ神)/レベル1バード。ケイオティックグッド。

 で、僧侶の聞いた予言によりますと、「いずれ飛行船に乗ることになる」そうで、何だか楽しみが増えました。
 それと、敵の背後には、「三つ首のキマイラの旗印」が見えるそうです。それって、幻獣拳? ってタイムリーなネタにニヤリとしたりも(笑)。

シン「とにかく、強くなったので、もう一度、突撃を敢行だ!」

ヨシモ「……って、何も懲りてないアル。飛び道具で応戦するはずじゃなかったのカ?」

ウルフガー「まあ、大丈夫だ。壊れた樽のバリケードは、修復されていない。一気に攻め込めるぞ」

 この辺が、コンピューターゲームですな(笑)。
 一度、壊した物は壊れたままで、一度、倒した敵も補充されることはないため、うまく撤退して、回復を繰り返し、何度もゲリラ的攻撃を繰り返せば、どんな砦も、いつかは落とせます。
 怖いのは、一体で非常に強力な敵と、撤退を困難にさせる「ホールド(金縛り)」などの呪文を使う術使い。攻略セオリーは、術使いを早めに倒して、その後で撤退。後は何度も突撃を繰り返せば、大勢の敵も切り崩されて、壊滅に追い込めます。
 ただし、ピンチの際の撤退を容易にするには、敵の中枢で戦うのではなく、一度マップの端近くまで退却して、そこまでおびき寄せられた敵を仕留めていく戦術。退却ルートを確保して、安全な状況で戦うのは、少数の勢力で挑む際の戦術の基本です。
 「背水の陣」
は、味方の被害を度外視した、絶望的な状況でのみ機能する起死回生・短期決戦の手段です。味方の士気を高める効果はあるでしょうが、士気効果をあまり考えずに済むタイプのゲームでは、無用の策ですな。

 ともあれ、突撃と撤退、町に戻っての回復を繰り返して、オークの前線部隊を殲滅させました。

シン「よし、この勢いで、どんどん攻め込むぞ!」

 この雪山は、ちょっとしたダンジョンのような構造になっています。
 配備されたオークの兵士を倒し、道沿いに進んでいくと、時々、木材で塞がれた場所があって、移動が制約されます。
 けれども、イベントが発生することで、木材が取り除かれ、進める範囲が広がっていくわけで。

 そして、雪山をどんどん進むと、時々出てきて、こちらを挑発するオークの族長も。

オーク族長「これ以上、我が領域に侵入することは許さん! とっとと立ち去れ! さもないと、待っているのは死だ!」

シン「やかましい! 言うだけ言って、すぐに逃げ出すくせに! 正々堂々と戦ってみろ!」

オーク族長「ふん! 手下ども! この生意気な小僧を黙らせろ!」

 そう言って、逃げ出す族長(笑)。そういうイベントが何度かあった後……、

雪山のドルイド「ふう、助かりました。あなた方がオークを倒してくれたおかげで、私の家の周りは安全になりましたよ」

若「あんた、ドルイドか? おいらは、先生って行者の弟子筋の者だが、聞いてないかい?」

雪山のドルイド「さあ、私はこの山に引きこもっていたので、外の世界はよく知らないんですよ。それより、私の妻を見ませんでしたか? オークの侵攻にあって、はぐれてしまったんです」

若「分かった。見つけたら、助けるようにする」

雪山のドルイド「ありがとうございます。それでは」

 呪文を唱えて、消えます。
 瞬間移動なんて高度な呪文を使えるなら、オーク退治を手伝ってくれてもいいのに……とぼやくこと、30秒(笑)。

 気を取り直して、プレイを続けます。
 オーク退治に慣れてきた、と思った矢先、

シン「ん? 火矢が飛んできた! でも、全く見当外れかよ! どこ、狙ってんだ!」

 3・2・1……ドカーン! 

マユ「キャー!」(爆風で吹き飛ばされる)

シン「なッ! 一体、何が起こったんだ!?」

ヨシモ「樽アルよ。近くの樽の中に、火薬がいっぱい詰まっていたのネ」

シン「何だって! 畜生! 妹の仇だ! うおー! 突撃ーー!」

マユ「お、お兄……ちゃん、私……まだ、生きてるよ……。HP1だけど……」

シン「暴走しているから、話は聞いてない!」

マユ「ひ、ひどいよ……お兄ちゃん……クスン」

イシュタル「気を取り直して。回復呪文を唱えますから」

 この辺りから、周囲のオブジェに「火薬の詰まった樽」が登場するようになります。火矢を撃ち込まれる前に壊しておかないと、爆発して大変な目に。
 厄介なのは、「乱戦の渦中に、突如出現した樽」。前もって壊しておけないので、慌てることになります。

 3……2……

シン「うわー! 撤退ー!」

 1……ドカーン! 

 パーティーは、いち早く爆発範囲外に逃れて平気でしたが、周囲にはオークの死屍累々……。

ウルフガー「こいつら。自爆や、仲間の死も、意に介さない、というのか? 厄介だな」

イシュタル「普通のオークの思考ではありませんね。強大な闇の勢力にコントロールされているとしか……」

ヨシモ「とにかく樽は危険アルよ。見つけ次第、壊してしまうといいネ」

 ……とは言っても、樽を壊すために、接近してしまうと、爆風に巻き込まれるというジレンマが。
 やはり、飛び道具は必須の雪山だと、痛感しました。
 つまるところ、「傭兵たちを傷つけたのは、厳しい自然ではなく、火薬の詰まった樽だった」ということなんですな。

 そんな危険な行軍でも、やがては一段落し、ドルイドの奥さんも助け出すことができました。

ドルイドの妻「助け出してくれて、ありがとうございます。しかし、気をつけて下さい。ここのオークは、火薬樽を準備して、爆発させてきます

 今ごろ、そんな情報を教えてくれても、遅いわ〜! とツッコミを入れつつ、雪山マップの一面目をクリアした一行でした。(つづく)

 

●2007年11月26日(月)・人質救出作戦(第1章その3)

 自爆攻撃も辞さない危険なオークの軍勢に支配されている、雪山マップの2面めです。

 マップに入ると、すぐにオークの部隊と戦っている女性を発見。加勢してやると、間もなくオークは全滅。でも、安心した隙を突かれて、女性は大切な剣を盗まれてしまったみたいです。
 そこまでのイベントが流れた後で、自己紹介。

女性「私はエマ・ムーンブレイド。女神セルーネイの神官です」

イシュタル「あなたもですか? 私もそうです。女神の導きに従い、オーク退治に来ました」

エマ「そうですか。まさに、女神の引き合わせですね。先ほどの戦いで、私は邪悪なトロールに、大切な剣を盗まれてしまったようです。取り戻すのに協力してもらえないでしょうか?」

イシュタル「トロールですか? それは少し、手強そうですね」

ヨシモ「確かに手強いアル。大体、トロールみたいな大型ヒューマノイドに剣をすり盗られるなんて、考えられないネ。よっぽど、うっかりしていたとしか思えないヨ」

イシュタル「女神の使徒を侮辱するのですか?」

エマ「いえ、いいのです。うっかりしていたのは私なのですから。ウッ、ゴホゴホ……」

若「お、おい、大丈夫か。(倒れそうな体を支えて)すごい熱だ。こんな雪山で無理をするから……」

 エマさんを近くの小屋で介抱。

イシュタル「こんな体で、無理をしてはいけません。剣の奪還は私たちに任せて、あなたはここで休んでいてください」

エマ「分かりました。では、せめて、ここで治療できるように、簡素ながら、女神の祭壇でもこしらえておきましょう」

 こうして、回復拠点をGETした一行です。
 トロールの後を追って、東に向かうと、またもや、一人の女性と遭遇。

女性「私は、この先にある木こり村の村長を務める者です。オークの族長トラックの伝言を届けに参りました。あなたたちは、これ以上、彼の領域に侵攻すべきではない、とのことです」

シン「オークの回し者だと! その要求は受け入れられないな!」

女村長「お願いです。あなた方が、彼を刺激すると、彼は人質の村人たちを皆殺しにする、と脅しているのです」

マユ「そんな、ひどい……」

ウルフガー「どういうことだ。詳しい話を聞かせてくれ」

 女村長さんの説明によると、オークたちは木こり村を占拠して、シェインガーン川の上流にダムを建造中とのこと。それによって、蓄えた水を一気に解放して、下流域にあるタルゴスを水攻めにする計画だそうです。

ウルフガー「オークにしては、ずいぶんと頭の良い軍事作戦だな」

イシュタル「やはり、背後に大物が控えているみたいですね」

シン「どうでもいい! 人質を取るような卑怯者は、成敗するしかないだろう!」

若「もちろんさ。でも、先に人質を解放しないと……」

マユ「どうやって?」

 女村長さんの更なる説明によると、人質のつかまっている水車小屋に行くには、門の鍵を開かなければなりません。しかし、門の鍵は、オークの野営地にある機械を操作しないと開きません。オークの野営地に侵入して、門の鍵を開けてから、水車小屋の見張りオークを倒し……非常に厄介な段取りを踏まないといけないのです。

シン「うう、面倒くさいな! 一気に奇襲攻撃を仕掛けて、人質を殺される前に、こちらがオークを殲滅させる、と言う訳にはいかないのか?!」

 試してみました(笑)。
 戦闘が始まった途端、オーク族長は水車小屋の見張り兵に命令を下します。人質の周辺には、火薬樽が設置されていて、それに火矢が撃ち込まれ……どう、あがいても爆殺されてしまいます。
 リセットして、そういう悲惨な光景は、あくまで「脳裏に描いた予想」だった、ということで(笑)。

マユ「お兄ちゃん、やっぱり爆殺されるのを見殺しにはできないよ。何だか、他人事には思えない……」

シン「そ、そうだな。俺だって、マユがそんな目にあったら耐えられない! 鬱になるか、暴走するか……」

ウルフガー「とにかく、オークの野営地に気付かれずに侵入する。これって、レンジャーの腕の見せ所じゃないか?」

シン「ヘッ?」

ウルフガー「レンジャーにも、<忍び足>や<隠れ身>の技能はあるだろう?」

シン「いや、俺、それ取ってないし。<野外知識>と<動物共感>しか、技能上げていない」

イシュタル「飛び道具も使わない、隠密行動もできない……そんなレンジャーなんて、ただのファイターと変わらないじゃないですか」

シン「……」

若「おいらも、モンクだから<忍び足>や<隠れ身>が修得できたはずなんだが……取ってないな」

 ええ、ええ、済みません。
 基本的に正面突破がメインのプレイスタイルなもので、隠密系の技能はあまり意識してませんでした(苦笑)。

マユ「ヨシモさんはどうですか? 盗賊なんだから……って、ヨシモさん? どこに行ったんですか?」

シン「いない! どこに行ったんだ!?」

若「! そこか!」(隠れているヨシモの腹を拳で一撃)

ヨシモ「グ、グフッ! ゲホ、ゴホ……」

若「てめえ、こそこそ隠れているんじゃねえ」

ウルフガー「いずれにせよ、これで分かったな。隠密行動には、彼が適任だということが」

ヨシモ「い、いや、ちょっと待つアル。ヨシモの得意技は、<開錠>と<装置無力化>(罠外し)ヨ。潜伏系は、最初にちょっと修得しただけで、上昇はさせていないのネ。今だって、に簡単に見破られてしまう程度だし……」

シン「それでも、俺には分からなかったぞ!」

イシュタル(鈍感なレンジャーって、あまり誇れることではないのですけどね)

若「とにかくだ、苦しんでいる者を助けるのは、イルメイター神の教えだ。今こそ、贖罪の時だろうが」

ヨシモ「うう……でも、オークの野営地に単身、潜り込んで、もし見つかったりしたら、ただで済まないことヨ」 

マユ「お願い、ヨシモさん。あなたしか頼れる人がいないの(目をウルウル)」

ヨシモ「……そ、そういう目で見つめられることには、あまり慣れていないアル。……(少し考えて)分かったヨ。一度は失った命ネ。ここで、人助けのために尽くすのが贖罪になるのなら、一世一代の大勝負としゃれ込んでみるアルよ」

ウルフガー(小声で)「どうやら、飴とムチが効いたようだな」

イシュタル(応じて)「さんがムチで、マユさんが飴ですね」

 こうして、ヨシモ一世一代の潜伏行が開始されます。
 とはいえ、始める前にクイックセーブして、オークに見つかればクイックロードでやり直せば、問題ナッシングなんですけどね。厄介なのは、水車小屋の門の鍵がどこにあるのか、見つけるまでに手間取ったことぐらい。
 ええと、オークの野営地の左下に、そういう装置があったわけで……。

ヨシモ「ふう……何とか門の鍵は開けてきたアル」

若「よし、よくやった」

ヨシモ「いや、マユちゃんのためなら、これぐらい……」

シン(妹に手を出すな! の兄貴視線!)

ヨシモ「……ああ、コホン、若さんと、イルメイター神への贖罪のためでもあるネ」

 この後は、水車小屋における人質解放バトル。次いで、オークの野営地での決戦が行なわれます。
 後者は、さすがに敵が大勢で苦戦したので、戦場を野営地から、エマさんの待機している小屋付近に移動。エマさんの手伝いも借りて、オークどもの殲滅に成功します。

 こうして、木こり村をオークの手から解放した一行は、さらなる探索に向かうのでした。(つづく)

 

●2007年12月3日(月)・任務失敗(第1章その4)

シン「人質解放成功! さあ、次は川の上流に建設中というダムを、壊しに行くんだな!」

若「水車小屋の北の門を開けないと、先に進めないぜ」

ヨシモ「門の鍵は、『オーク族長の所有物の中に含まれている』みたいネ」

ウルフガー「……その堅苦しい言い回しは何だ?」

ヨシモ「村長が、そう言っていたのヨ」

 いかにも、高校生レベルの英語の直訳って感じですな。
 せめて、「オーク族長の荷物の中に入っている」とか、「オーク族長が持っている」とか、分かりやすく表現できなかったのでしょうか? まあ、今後、どんどん解読困難な訳が登場するとの噂なので、それはそれで楽しみにしているのですが(笑)。

イシュタル「ところで、先に進む前に、エマさんの剣探しをやっていきませんか?」

マユ「そうね。オーク退治も手伝ってもらったんだし、恩返しぐらいしないと」

 物語を進めるには、マップ北西に向かうわけですが、泥棒トロールの逃げた先は、マップの北東。
 オークの野営地のさらに奥に洞窟があって、そこにトロールが潜んでいます。
 今まで都市内や野外での戦闘が中心だったので、洞窟探検は初めてになりますな。スライムなんかを倒しつつ、順調に探索を続けて行きます。途中でレベルもアップ。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

シン・アスカ(HP51):ハーフエルフのレベルレンジャー。ローフルニュートラル。

●マユ・アスカ(HP16):ハーフエルフのレベルソーサレス。ニュートラルグッド。

●ウルフガー(HP54):人間のレベル3バーバリアン/レベルファイター。ニュートラルグッド。

●若(HP39):人間のレベル2モンク/レベルクレリック(イルメイター神)。ローフルグッド。

●ヨシモ(HP37):人間のレベルローグ。トゥルーニュートラル。

●イシュタル(HP33):ムーンエルフのレベルクレリック(セルーネイ神)/レベル1バード。ケイオティックグッド。

 シンはレンジャーらしく、呪文も使えるようになりましたが、うまく活用できるかな?

 ウルフガーは、バーバリアン一本で育てるつもりでしたが、どうも発言が「戦術戦闘のプロ」っぽくなっているので、それを反映してファイターレベルも上げてみました。なお、第2版までのAD&Dでのファイターは「特殊能力を持たない純粋な戦士」で、成長してもHPとTHACO(命中しやすさ)が良くなるだけで面白みの少ないクラスでしたが、第3版に入ると進化しています。
 レンジャーやパラディン、バーバリアンなどの、特殊な前衛クラスは、これまでの版のように、レベルアップに応じて、特殊能力を得る形なのですが、
 ファイターの場合、フィート(戦闘特技)の修得数が他のクラスより優遇されている、というのがメリット。よって、プレイヤーの好みに合わせて、自由にカスタマイズしやすくなっているんですね。その点が通好みと言えます。

 あと、イシュタルの成長については、少し悩みました。
 クレリックを上げるか、バードを上げるかの選択なのですが、クレリックを上げた場合、バードとのレベル格差がついてしまい、経験値に20%のペナルティーを受けてしまうルールです。自由にマルチクラスが作れるようになったのは、3版以降の特長なんですが、下手なマルチにしてしまうと、ペナルティーがあるわけです。
 種族が人間やハーフエルフの場合は、推奨クラスが自由なので、あまり問題にならないのですが、ムーンエルフの場合、推奨クラスが「ウィザード」と定められているため、そうでないクラスを兼業すると……育て方に気を使うことに。
 正直言って、バード(吟遊詩人)の能力は使っていないので(歌を歌うと、回復呪文を使う余裕がなくなる)、取る必然はなかったのですね。だからと言って、そちらのレベルを上げると、クレリックとしての成長が遅くなり、後々、必要な呪文が必要なタイミングで得られなくなりそうだし……。
 だったら、どうして、バードを取ったんだ? と聞かれたら、「元ネタキャラが歌巫女という設定だから」と答えるわけで、あえて不利な選択をしてしまったことになるのです。まあ、経験値ペナルティーを避けようと思えば、人間やハーフエルフでキャラを作れよ! という意見も納得ですが、それも元ネタキャラのイメージ(マルドゥークは異星人だし、イシュタルはハーフじゃないし……)に合わせることばかり意識して、ルール上の有利不利は後から気付いたわけで(苦笑)。

 そんなわけでイシュタル有利不利面からは失敗キャラの烙印が押されてしまうわけですが、経験値20%ペナルティーくらい、まあいいか、と割り切りました(笑)。別に、最適最強キャラじゃないと、ゲームがクリアできないわけでもない……と思うし、たぶん。

 そう言えば、秘術呪文の使い手がマユ一人というのは厳しいらしい……という情報も最近、某所でいただいたのですが、まあ、頑張ってみることにしましょう。のん気なチャレンジャー精神で。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 ともあれ、多少の有利不利は気にしつつ、攻略そのものは順調に進みます。

 トロールへのとどめは、火で燃やさないと、と思って、フレーミングオイルを使うタイミングを図っていたら、
 たまたま偶然、とどめの一撃がマユ「メルフズ・アシッドアロー(酸の矢)」だったおかげで、AI戦闘でうまく決着がつきました。
 BG2のAIでは、「アシッドアロー」を使ってくれませんが、本作ではきちんと使ってくれるんですね、感心感心。

 そして、トロールを倒して、盗まれた剣をきちんとエマさんに返した後は(そこそこ強力な剣で、ネコババもできるみたいだけど、ロールプレイ的には、やはり返したいところ。今回は邪悪パーティーではないですし)、
 どんどんマップを先に進めます。

 雪山マップ3面目は、ワーバジャー(アナグマ男)などの部隊との集団戦。
 とにかく、このゲーム、一度に戦うことになる敵の数が多いので、力技では対処困難です。そこで、戦術を行使するわけですな。
 つまり、マップの端っこに敵をおびき寄せて、そこで戦う、と。
 やばくなったら、マップ外に即撤退(笑)。

 安全地帯で回復してから、再び戦場に突入して、暴れて撤退……を繰り返し、敵戦力を徐々に削って、最後に勝利。

シン「気に入らん! 気に入らないぞ、こんなゲリラみたいな勝ち方!」

ウルフガー「そうは言っても、少数部隊で戦果を挙げるには、ヒット&アウェイの電撃作戦が最適戦術なんだ」

ヨシモ「そもそも、ゲリラ戦はレンジャーの十八番アルよ。正面から堂々と戦うのが理想なんて、シンはそれでもレンジャーあるカ?」

シン「レンジャーだぞ! 呪文も覚えた!」

ヨシモ「だったら、エンタングル(ツタ縛り)の呪文なんかで、敵の動きを封じて足止めしたり、いろいろ頭を使って欲しいアルね」

シン「……」

 う〜ん、これって、シンが突撃野郎ってだけじゃなく、プレイヤーのプレイスタイルの問題ですなあ(苦笑)。
 基本的にAI戦闘に任せっきりなもので、個々の呪文の使い方には、あまり気を回してなかったりします。気を回しているのは、キャラのHPと、パーティー各員の位置取りだけ。さすがに、後衛が集中攻撃を受けた場合など、逃がしたりする程度は気を使っているのですが……。

 何だか、RPGよりも、小隊規模のシミュレーションゲームをプレイしている感覚ですな。

 それでも、撤退のタイミングさえ間違えなければ、何とかなるもので、マップ3面目に続き、4面目に突入。
 ここでは、マラー神のプリーストが登場します。マラー神とは、「野生を司る悪神」で、弱肉強食を旨とします。邪悪なライカンスロープの神でもあり、月をも崇めています。

イシュタル「あんな邪悪な連中に、月を崇めてほしくありませんわ」

 イシュタルの崇めるセルーネイ神も、月の女神で、善や中立のライカンスロープをも守護しています。
 その意味では、セルーネイ神と、マラー神は、似たような属性を備えつつ敵対関係にあるわけですな。同じ「戦の神」でも、ギリシャ神話のアテネとアレスが戦闘スタイルという点で、対立関係にあるように(アテネは「秩序や規律ある戦い」を重んじる一方で、アレスは「本能と残虐さに基づく戦い」を推奨)。

ウルフガー「しょせんは獣。ヒット&アウェイを駆使すれば、撃退はたやすい」

 発言がどんどんバーバリアン(野蛮人)から離れていくウルフガーですが(そう言えば、彼の特技である「激怒」も使ったことないなあ^^;)、言っていることは間違いでありません。
 マップ4面目もほどなくクリアして、敵勢力の建造中であるダムの破壊に成功しました。

シン「よし、任務達成だ! これでタルゴスの平和は守られた!」

マユ「そうね、お兄ちゃん。これで敵の水攻め作戦は食い止めたわ。でも、まだ、することは残っているのよ」

シン「ええと……何だっけ?」

ウルフガー「最初の目的を忘れるな。オレたちは、ネヴァーウインターからの援軍がタルゴスまで来られるよう、敵に制圧されたシェインガーン・ブリッジを奪回に来たんだ」

シン「おお、そうだった! でも、ここまで来たら、その任務は簡単に達成できるだろう! 俺たちも、結構、強くなっているんだぜ!」

 まあ、その通りですな。
 敵を倒すだけなら、ヒット&アウェイ作戦で十分対処可能。しかし……。

敵兵「まさか、ここまで攻め込まれるとは! 仕方ない。奴らが迫ってきたら、橋を落としてしまえ」

 こうして、一行はシェインガーン・ブリッジを制圧した敵部隊を壊滅に追い込みました。
 それでも、目的は達成できなかったんですね。奪回するはずの橋そのものを破壊されてしまったんですから(^^;)。
 戦術的勝利は得られたものの、戦略的目標は達成できず、という結果に終わってしまったんです。

 割り切れない思いにさいなまれながら、一行は任務失敗を報告するために、タルゴスの町に帰還するのでした。(つづく)

【2ページ目へつづく】