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ドラゴンクエスト8
旅日記
(その2)


●2004年12月10日(金)・バトルロード格闘場

※序文

 カプリさんは、
アスカンタ城をクリア。
 その間に、NOVAは飛行手段まであと少し、という状況になってます。レベルは、そろそろ40近く。ここまでのプレイの間に、カプリさんの主人公名
クロウというので、ニヤリとできるネタが見つかりました。同じ名前の重要人物が登場するんですよ。なかなか格好いいキャラなので、いつかクロウ同士が邂逅したときの記事のことを楽しみにしています。
 さて、今夜の記事書きのほうは、ドルマゲスとの決戦直前までにしておきます。下記のレベルも、その時点のものです。

ショウ:レベル28、HP282、MP102
    剣17、ヤリ17、ブーメラン35、格闘0、勇気37(現在の総スキルポイント106)
    新修得呪文:ベホマ
    新たな特技:バーニングバード、チーム呼び
成長方針:「ブーメラン」をメインに上げつつ、剣やヤリを地道に1点ずつ加算するという、どっちつかずのことをしています。
 この時期のメイン武器は、「ウィングエッジ」と「パルチザン」。

ヤンガス:レベル27、HP270、MP45
    オノ13、打撃23、鎌17、格闘22、人情36(現在の総スキルポイント111)
    新修得呪文:マホアゲル、スクルト
    新たな特技:なし
成長方針:新呪文の「マホアゲル」は、MPを仲間に融通するもの。フォロー役が板についています。
 この時期のメイン武器は、「はがねの鎌」。

ゼシカ:レベル26、HP153、MP152
    短剣0、ムチ31、杖31、格闘0、お色気35(現在の総スキルポイント97)
    新修得呪文:イオラ、フバーハ
    新たな特技:なし
成長方針:バイキルトとフバーハなど、ボス戦には欠かせない呪文支援役。もちろん、攻撃呪文も充実して、パーティーには欠かせないメンバーに成長。
 この時期のメイン武器は、錬金釜を駆使して作った「ドラゴンテイル」。

ククール:レベル26、HP179、MP144
    剣13、弓9、杖18、格闘0、カリスマ15(現在の総スキルポイント55)
    新修得呪文:ベホマ
    主な特技:特になし
成長方針:スキルポイントが低くて、あまり新しい特技を覚えない印象。
 この時期のメイン武器は、トロデーン城で見つけた「テンペラーソード」。

※ストーリー

 西の大陸についた時点で、NOVAは攻略雑誌の立ち読みで、「バトルロード格闘場」の存在を知り、慌ててショウの一行をパルミド周辺に引き返させました。
 そこで、格闘場主のモリー氏より与えられた試練は、
「さまようよろい」「スライム」「ぷちアーノン」の3体のモンスターを倒し、格闘場へと導くこと。
 このうち、
「さまようよろい」は、すでに倒しています。修道院でのクエストの途上で出会っていましたから。倒した奴はどうなるのかなあ、と思いながら、現場に向かってみると、復活しておりました。もう一度、倒すと、「尊敬のまなざし」で見つめられたので、格闘場へ行くように言うと、素直に従ってくれました。
 なお、こういうモンスターを倒したときに得られる「モンスター硬貨」は、錬金その他に使えるのかなあ、と思ってましたが、結局は売るだけのアイテムってことですね。今回は、どうも錬金システムがあるせいで、
「どんなアイテムも手元に置いておけば、錬金の役に立つかもしれない」と考えてしまい、なかなか売ることができず、お金がたまりません。いや、まあ、例えば、「薬草」から「上薬草」「特薬草」「万能薬」と進化させて売れば、金が稼げることも分かってはいるのですが……どうしても、アイテムを手元に残しておきたい性分で(^^;)。

 ともあれ、5から始まったモンスター仲間システム。6まで健在でしたが、7では仲間にはできず(モンスター職への転職はできるけど)、コレクションのみの「モンスターパーク」になっています。でも、倒したモンスターが「起き上がって仲間になりたそうな目で見つめる」リアクションは、嬉しいですね。
 一方で、バトルロード格闘場の前身は、3が元祖の「格闘場」。4に受け継がれ、カジノの名物になった後、6では自分が成長させた「スライム格闘場」にまで進化していました。今回は、仲間モンスターを自由に成長させられないものの、チームバトルが行われる点が進化と言えます。

 さて、「ぷちアーノン」は、女盗賊ゲルダの家の近くの海辺で見つけたものの、「スライム」を見つけるのには思ったより手間がかかりました。いや、トロデーン城のすぐ近くにいたんですが、なぜかNOVAは見逃していて、トロデーン城周辺の土地をひたすら踊り子姿のゼシカに走り回らせておりました。
 その際、ネコをやっつけて
「皮のムチ」をGETし、「うろこの楯」との錬金で「ヘビ皮のムチ」を作るなど、思いがけない成果にホクホク気分でしたが。

 こうして、3体のモンスターを集めて、いよいよ闘技場に入ることができるようになりました。
 この後は、チームバトルに勝ち進むことで、いいアイテムや特殊能力がGETできるようになります。そこで得た
「チーム呼び」という特技。これはMP10消費で、モンスターチームを召喚して、敵との戦いを行わせるもの。なかなか実戦的で使えます。
 NOVAの主力は、トラペッタ近くでスカウトした
ドラゴンレックスのドランゴ。Cランクまでは、十分現役で戦うことができます。

 他に特筆すべきは、賞品としてもらえるバニースーツ。この時点で、結構、強力な防具なんですが、他の装備といっしょにゼシカに着せることで、バニー姿にすることができます。
 まずは、メダル王女の城でもらえる
あみタイツ
 次に、「ヘアバンド」と「うさぎのしっぽ」の錬金で作れる
うさ耳バンド
 以上、3つの装備で、
バニー姿のゼシカが広い大地を走り回る姿が堪能できるわけで。冒険の楽しみもますます広がること受け合いです。(つづく)

 

●2004年12月10日(金)・サザンピーク城

 さて、遊びの時間は終えて、本編のストーリーを追っていきましょう。

 まず、西の大陸のどこに上陸するか、が問題になります。一応の正解は、海峡を通って、
「海辺の教会」という場所に上がるのでしょうが(ルーラでの表記順から推測)、NOVAが上陸したのは、サザンピーク城に通じる河口付近。いきなり、強敵ダンビラムーチョに襲われて、そこそこのダメージを喰った感じです。
 やっとの思いで到着した
サザンピーク城ですが、何と、麗しのミーティア姫の婚約者であるチャゴス王子がいる場所とのこと。しかも、この王子、街の人の噂だと、カジノ好きの遊び人にして臆病者のバカ王子だとか。そんな野郎に、大事なミーティア姫を結婚させるわけには行かない、と悶々としているショウですが、攻略の順番を間違えているために、この時点で城に入ることもできず、カジノがあると噂の街ベルガラックを求めて、西の大陸をさすらう羽目になります。

 で、ベルガラックにて、ドルマゲスの手掛かりを知ることに。
 まず、
ショウたちが到着したとき、カジノは閉鎖中です。その理由をいろいろ調べてみると、カジノのオーナーの武闘家が、ドルマゲスに殺されたから、とのこと。そして、オーナーの部下の冒険者が、仇討ちのために、北の島に向かったらしいです。
 船で北へ向かうと、そこにあるのは
暗黒神ラプソーンを祭る闇の遺跡。しかし、闇の結界が張り巡らされていて、中に入ることはできません。闇を晴らすためには「魔法の鏡」が必要であり、その鏡は、サザンピーク城にある、との情報を聞いて、ようやくフラグが立ちました。これで、サザンピーク城内に入ることができるようになります。

 サザンピーク城は、どうやら王様の兄君が失踪しているらしく、その人がショウに縁のある人物……のような伏線が張ってあるのですが、それはともかく、今は一介の旅人として、「魔法の鏡が欲しいなら」と条件を突きつけられます。それは、「王家の試練を拒むチャゴス王子を護衛して、試練を成功させること」。う〜ん、ドラクエ6でも全く同じ内容のシナリオがあったなあ、と思いつつ。
 で、この
チャゴス王子、爬虫類が苦手で、試練の内容は「爬虫類系モンスターがいっぱい出る試練の山で、アルゴリザードというトカゲを倒し、その体からアルゴストーンという宝石を入手すること」。ええい、爬虫類が苦手だと、ゲッター3のパイロットには使えないので、そんな奴は、ハーモニカを吹きながら、ヘビや蛙だらけの小屋に閉じ込めたくなる、というマニアックなネタを披露しつつ、ついでに「蛙は爬虫類じゃねえ」というツッコミも入れておいて、
 まずは、部屋に立てこもっている
チャゴス王子を連れ出さなければなりません。「無理矢理、外に連れ出すと自害するぞ!」と言っているバカ王子に、「じゃあ死ねよ(そうすればミーティア王女は婚約解消だ♪)」と言いたいながらも、それが言えない小心者のショウです。こういうショウを助けてくれるのが、大切なペットであるトーポ。小さな穴でも入れるネズミの活躍で、バカ王子を連れ出すことに成功。

 で、いよいよ試練の山に向かうことになるのですが、そこでのエピソードは省略。
 ラッキーだったのは、竜人軍団を倒して入手した
「竜のうろこ」。これが2つと、「ヘビ皮のムチ」で、強力な「ドラゴンテイル」のムチが完成。あ、書き忘れてましたが、悪徳都市パルミドのイベントを終えた後で、錬金釜が強化され、3つのアイテムでの合成が可能になっております。

 何はともあれ、チャゴス王子のバカっぷり、我がままっぷり、臆病っぷりには、さんざん振り回され、トロデ王(正体は秘密にしている)もうんざりしている様子。おまけに、チャゴス王子馬姿のミーティア姫に失礼なことをするに至り、激怒。
 これで婚約解消だ♪ と思いつつ、この婚約は、祖父の代からの約束事なので、簡単に解消できないらしいので、複雑な気持ちの
ショウなのでした。

 なお、サザンピークの王様は、なかなか王者らしい風格と見識と、独特のユーモアセンスを備えた偉人で、ドラ息子のチャゴスを説得するために、「試練を乗り越えねば、ミーティア姫との結婚はできない。ミーティア姫は、そこの娘(ゼシカ)みたいに、ボンッキュッボーン(アニメ効果つき)な容姿と聞くぞ」と発言。
 それを聞いた王子が、俄然ヤル気を出す、というエピソードは大爆笑でした。
 その後、
ゼシカが、「あの王様、何てイヤらしいの。人のことをじろじろ見て、ボンッキュッボーンだなんて」と愚痴る一幕も(笑)。

 最後に、バカ王子がますますバカ王子であることを示すエピソードが付加され、関係者の複雑な気持ちを描きつつ、試練は終了。ショウたちは目的の「魔法の鏡」をGETします。しかし、鏡の魔力はいつの間にか失われていたのでした。(つづく)

 

●2004年12月15日(水)・闇の遺跡

※序文

 
ラーミアのテーマ(fromドラクエ3)に乗って、ノスタルジーにひたりながら、大空を舞っているショウです。
 懐かしいといえば、「レイクナバ出身の武器商人」とか「バトランド出身の王宮戦士」にも出会いました。
 バトルロード格闘場(闘技場とミス表記していたので訂正^^;)の方も、
ボストロールギガンテスベホマスライムの組み合わせで、全種クリア。やはり、ベホマで回復してくれるのは心強いです。

 カプリさんの方は、船を手に入れた模様ですね。あずさんからも、掲示板でプレイ報告が聞けるのは、嬉しい限り。
 とりあえず、船を手に入れてからの自由度が増すのは、いつもの通りなので、こちらとは違った攻略順番になるかもしれませんが、そういった違いも楽しみにしたいと思っています。

 なお、今回、キャラデータはなし。記録を忘れてたもので(^^;)。

※ストーリー

 効力をなくした「魔法の鏡」。まずは、魔力を取り戻してあげなければいけません。
 かつて
サザンピーク城の宝物を管理していて、その魔力に詳しいという老人が、西の森にいる、との情報を聞いて、そちらに向かいます。

 老人は森の中でモンスターとともに暮らしていました。
 その小屋のそばにある
「不思議な泉」は、アバン先生のところで知った「呪いを解く泉」です。そこで、ミーティア姫に水を飲ませてあげると、一時的に人間の姿に戻ってくれます♪ ミーティア姫は、婚約者のチャゴス王子のバカっぷりに不安を抱きつつ、ショウに好意を寄せてくれる模様。
 うむ、そうだろう、そうだろう。
 目指すは、
ドラクエ5の主人公の後を継ぐ作品内結婚です(笑)。いや、まあ、ドラクエ1の勇者とローラ姫の伝説にあるように「宿屋でゆうべはお楽しみでしたね」という展開もありなんでしょうが、それにはドルマゲスを倒して、呪いを完全に払わなければなりません。

 ……ということで、老人の話を静聴。
 鏡の魔力を取り戻すには、
「海辺の教会」近くの海峡で出現する海竜の放つ光を受け止めるべし、との情報を聞いて、早速、現場で海竜探し。ランダムモンスターで出現する海竜に対し、鏡を道具で使えばOK。
 こうして魔力を取り戻した鏡は、その名も
「太陽の鏡」となります。太陽といえば、太陽神ラーということで、試しに鏡を使ってみますが、さすがに馬を王女に戻すことはできません。やっぱり、本物の「ラーの鏡」でないと呪いは解けないようです……って、そもそも、「太陽の鏡」の使用法、まちがえてるし(苦笑)。
 この鏡は元々、ドルマゲスの潜む闇の遺跡の闇結界を晴らすのが目的。早速、遺跡へGO。

 
「太陽の鏡」を持って、いざ遺跡へ突入しますが、結界は晴れません。何で? と、疑問に思いつつ、辺りを調べてみると、鏡を差し込むくぼみを発見。そこに差し込んで始めて、遺跡に光が差し込む寸法。
 遺跡の探索は、なかなかパズル要素にあふれたもので、時間がかかりましたが、それよりも厄介なのは、やはりボスのドルマゲス戦。はい、ドラクエ8プレイで初めて全滅してしまいました(シクシク)。
 いやあ、ドルマゲス自体は倒せたんですよ。
 でも、一度、倒されたドルマゲスが変異体になって、パワーアップ。こいつとの戦いで、回復魔法のMP切れを起こしました。

 全滅後、半分に減らされたお金を持って、「メダル王女の城」へレッツGO。もちろん、ゴールド銀行にお金を預けるためです。これ以上、お金を減らされないようにするための保険ってことで()。
 そして再戦。
 2度目は、最初からドルマゲスが変異体になっているので、連戦の必要がありません。
 それでも、唯一、復活呪文が使える
ククールがいきなり死んでしまいました(;;)。「世界樹の葉」で復活させたものの、なかなか厳しい戦いになりました。一番辛いのは「いてつく波動」で、掛かっている魔法効果を解除される上、ためたテンションまで下げられる点。さらに、敵が2回行動してくるのは、確実に難易度を上げています。2回殴られたら、ほぼ瀕死状態になりますしね。
 そうしているうちに、
ククールがまたも死亡。こうなったら、回復魔法はショウ任せで、攻撃はヤンガス任せ。で、ゼシカが支援魔法と、余裕があるときに攻撃魔法メラミを連発。
 それでも、とうとう
ショウが死んでしまいます。うわあ、2回目も全滅かあ、と半分あきらめモードで、最後の攻撃を、と思って唱えたゼシカのメラミが有効。ドルマゲスにトドメを刺すことができました。

 戦闘後、死んだキャラも復活して、ドラマが始まりました。
 ドルマゲスの肉体は崩れ、手にした杖がカランと落ちます。そこに現れた
トロデ王。しかし、まだ呪いは解けず、緑色のままです。
 杖を回収しようとすると、
ゼシカが気を利かせて、拾ってくれました。

 
ベ  べ  べ べ
  ベ・ ベ・ ベ・ ベ・ベン
                 ベン♪
 ゼシカは呪われた!

 こうして、杖の魔力に取り付かれた
ゼシカは、身に着けている装備を全て脱ぎ捨てて、我々の前から姿を消したのです(つづく)

●ドラクエの拠点街

 それにしても、本作では、主人公の故郷というか、拠点にすべき大きな街がないなあ、と実感してます。で、各作品での拠点を見てみると、

 ドラクエ1なら
ラダトーム城でしかセーブできないので、選択の余地なし。
 ドラクエ3ならスタート地点の
アリアハンが割と拠点として便利(ルイーダの酒場でのパーティー編成もできますし)。
 ドラクエ4なら
エンドール、5ならオラクルベリーと、カジノのある街が拠点感覚。まあ、5の場合は、自分の居城であるグランバ二ア城も拠点感覚が強いですが(幼少時はサンタローズの村もね)。
 ドラクエ6は、出身地の
ライフコッド村、居城のレイドック城、そしてダーマ神殿などが拠点候補と思いますが、やはりターニャが無料で休ませてくれるライフコッドに居付きたくなります。
 ドラクエ7は、スタート地点の
フィッシュベル(および近隣のグランエスタード城)以外の拠点は考えられません。石板の中の世界にとどまるのは、どうも居心地が悪い気がしますからね。
 結局のところ、ルーラでの街間移動が容易なドラクエシリーズは、スタート地点に戻りやすいので、そこを拠点に考えがちということです。4の
エンドールは、アリーナやトルネコ、ジプシー姉妹にとって重要な街ですし、勇者の故郷にも近いので、スタート地点的雰囲気があります。5のオラクルベリーも、成人した主人公が最初に立ち寄る町なので、スタート地点と見なすこともできます。

 で、これまで唯一、
「スタート地点=拠点」と呼べなかったのは、2なんですね。
 2では、ルーラのシステムがまだ
「好きな町に行ける」のではなく、「最後にセーブした所にしか行けない」ので、話が進めば、スタート地点のローレシア城に戻るのが簡単でなくなります。よって、終盤ではロンダルキアに直接行けるベラヌールの街が拠点になります。
 結局のところ、進行度に応じて、拠点を次々と変えざるを得ないのが、2だと。その中にあって、前作のスタート地点
ラダトーム城の存在感は大きいです。

 で、本作ですが、スタート地点のトラペッタを拠点と考えている人は少ないのではないでしょうか? 候補に考えられるのは、やはりカジノのあるベルガラックかもしれませんが、どうにも使いにくいです。今回、割と、教会が街の奥にあるので、セーブしにくいという気がしています。
 その中で、
ショウにとって拠点といえるのは、無料で休める「海辺の教会」なんですね。結局、冒険を終えた後は、「メダル王女の城」でお金を預け、「海辺の教会」で回復し、セーブする日々を送っています。
 本来、拠点であるべきトロデーン城が、ああなっているのは、やはり辛いなあ、と思いつつ。

 

●おまけコラム:ドラクエ・船の歴史

 カプリさんの「船入手記念」ということで、今回は船の歴史を振り返るってことで。

 ドラクエで初めて船が出たのは2です。
 1では、川を橋で渡る以外は、陸地を徒歩でテクテク、カニのように横歩きするしかなかった。
 交通上、たった一つの劇的なイベントは、「雨雲の杖」と「太陽の石」から得られる「虹のしずく」で、自ら橋をかけるシーン。
 これはこれで、後に、火山を爆破させたり、杖で岩を破壊したり、いろいろと通路を作り出すイベントに受け継がれていきますが、せいぜい、一つの道ができる程度。
 しかし、船は探索できる世界を劇的に広げてくれます。割と決められた道を歩むだけだった陸路と違い、広い海を自由に越え、未知の大陸や島に行き着くのは、いかにも冒険のワクワク感を高めてくれます。そんな船の話でござい。 

:初の海越えは地下道(ローラの門)を通るもの。ローレシア&サマルトリアのある大陸から、ムーンブルクのある大陸に渡ります。
 次に
「風のマント」を使って、「ドラゴンの角」の塔から飛び降りて、対岸に渡ります。思えば、ドラクエで空を飛んだのは、これが最初になるかもしれません。
 そして、到着したのが港町ルプガナ。そこでグレムリン2匹に襲われている孫娘を助けると、船主の老人が船をくれるわけですね。そのまま東にある、懐かしのアレフガルドへ向かいましょう。

:初の海越えは、アリアハン大陸から「旅の扉」を使います。着いた先にあるのがロマリア城。そこからしばし、陸路の旅が続きます。
 船をくれるのは、ポルトガの王様。王様の願いである「黒こしょう」を東方の国バハラタで手に入れると、広い航海の始まりです。ひとまずは、ジパングにでも行くとしましょうか。
 その後、アレフガルドでは、船がデフォルトで使えます。が、アレフガルドの四方は、壁に閉ざされているため、その先にあるであろうローレシアやムーンブルクなどには行けません。おそらく、1でローラ姫とともに旅立ったロトの勇者は、この壁を消去する方法を見出して、新天地を開拓したのでしょうね。

:船が最初に物語に絡んでくるのは、ジプシー姉妹の第4章。港町ハバリアは、キングレオの王様の命令で、エンドール行きの船が最終便になるとのこと。キングレオ戦を経て、乗船券を手に入れた姉妹は、エンドールへ向かうことになります。
 そして、4で船の持ち主は、パーティーメンバーでもある武器商人トルネコ。港町コナンベリー近くの大灯台に潜む魔物を退治することで、トルネコが船とともに加入します。最初の目的地は、トルネコの助言に従い、南のミントスの街へ。そこで、さらに仲間が加入することとなります。

:最初にパパスと一緒に船に乗っていますが、すぐにビスタ港に上陸。
 次に船に乗るのは、大人になってから。ラインハット城での問題を解決することで、ビスタ港からポートセルミ行きの船に乗ることができるようになります。
 船を自分で操作するのは、サラボナの街にいる船主ルドマン(フローラの父)の依頼を果たし、結婚してからのことになります。

:本作の船は、基本的に「ただの船」であった歴代作品と違い、「神の船」と大仰な呼称がついています。下の世界のゲントの村で、チャモロの加入とともに船が入手でき、魔王ムドーの城に向かうことになります。ムドー撃退後、船を自由に操作可能になりますが、それは下の世界だけ。
 夢の世界である上の世界では、海上移動手段として、船の代わりに、
「魔法の動く島」が入手できます。場所はカルカドの街。島を所有している魔物ジャミラスを撃退することで、「動く島」を操作できるようになります。

05年1月4日追記・6の船ですが、「マーメイドハープ」を使うことで、「あわあわ船」になって、海底探索もできることを忘れていました。慌てて追記と。

:記憶がないなあ(^^;)。主人公が「漁師の子」なので、船は身近なんだろうけど。
 石板で世界を広げるので、船で未知の世界に旅する、という感覚があまりないのも、印象を薄くしているのかも。時間があれば、7は再プレイの必要を強く感じます。プレイしているはずなのに、記憶がないなんて、あまりにも悲しすぎ。

12月20日追記・7の船について、再プレイして確認した分と、RICKさんからのフォローを元に。

 まず、石板を使って、崩壊に瀕した
「過去のウッドパルナ」を復活させます。すると、現実世界にウッドパルナが出現します。現実世界は、主人公の故郷であるエスタード島を除いて、全ての滅亡した街や地域が封印された世界なんですね。
 で、グランエスタード城では、この新しく出現した未知の島についての調査団が派遣されるわけですが、まだ子供である主人公たちは、調査団に入れてもらえません。そこで、自分たちだけでこっそり船を使うことになるわけですが、この船、主人公と
キーファ王子が、廃棄処分されたフィッシュベルの漁船を修繕してこしらえた「手作りの小船」なんです。ドラクエ史上、最も早い時期に、最も手軽に入手できる、最も小規模な船、と言えます。
 こういうところも、これまでの
「世界を救う勇者の冒険談」ではなく、トム・ソーヤ的な「少年の日の秘密基地感覚を思い出させてくれるジュブナイル冒険談」を感じさせてくれます。

 さて、もう一つの船は、対照的に、ドラクエ史上、最も大掛かりな船、と言えます。
 それは、
海賊シャークアイが率いる「マール・デ・ドラゴーン」の海賊船。魔王に封印されて、エスタード島の東の入り江の「虹色に光る水底」に眠っていたのを、主人公たちに解放されます。
 これについては、まだ、自分でプレイした実感を取り戻してから、また追記したいと思います。

 

●2004年12月20日(月)・呪われしゼシカ(リブルアーチ編)

※序文

 
そろそろ、ラスボス戦間近だと思うんですが、前回、「7の覚えてなさぶり」に愕然として、衝動的に再プレイを始めてしまいました。仕事で精神的にもきついので、負担の大きいラスボス戦は、正月休みにしようか、と思っています。それまでに、記事書きだけでも進めていこうかな、と。
 で、以前書いた、「コラム・パーティーメンバー」に関しての追加情報とか、
「7の船」に関する情報とかを、改めて追記しました。「7の船」については、自分でプレイした分に加えて、RICKさんがメールで教えてくれた情報も参考にしております。この場で、改めて感謝の意を表明します。

 さて、カプリさんの方は……おお、海賊キャプテンクロウについてのネタが書いてますね。じっさいに、遭遇するのは、西の大陸の攻略を終えた後になりますが、そこまでストーリーが進むのを楽しみにしてます。
 ところで、こちらの
ショウが聖地ゴルドを訪れたのは、西の大陸を探索し終えた後なんですが、ルーラでの記載順とか、販売アイテムの質を考えると、カプリさんが正解なのでは、と思います。この聖地ゴルドはイベントが少ないので(後々、重要なイベントが一つあるけど)、利用価値といえば、名前のとおり、「周辺にゴールドマンが出現する」ってことでしょうか。資金稼ぎには重宝する場所のようですね。まあ、NOVAは資金稼ぎよりも、ストーリーを追うことを重視しましたので、西の大陸では慢性的な資金不足に陥りましたが(^^;)。
 それはそれとして、こちらはこちらで、マイペースで話を続けていきますね。

※ストーリー

 ドルマゲスを倒したものの、あろうことかゼシカ失踪です。装備品全て残して。
 いや、これまでのゲームでも、装備品を身に着けたまま死んだり、勝手にパーティーから離脱したりして、
「お〜い、貴重なアイテムを残していけよ〜」って思ったこともありますし、離脱前に身包みはがしたこともありますが、
 イザ、こうして装備品を置いてかれると、女性キャラの場合は特にあれこれ想像してしまうではありませんか(爆)。
 う〜ん、
杖だけ持って、全裸に近い姿で夜の街をひた走る、ボンッキュッボーン! の魔法少女
 うう、何だか、いけない妄想が……。

 ……と、
ミーティア姫一筋だったショウが危険な誘惑にさらされていると、突然、夢の中にミーティア姫人間体が出現します。そっちはそっちで、色々話し掛けてきて、思わせぶりな言辞でショウを誘惑します。
 お子様だった前作の主人公と違って、ドラクエ8は実に大人なゲームです。

 それはともかく、ゼシカがいないと、貴重なぱふぱふが……ではなくて、貴重な魔法戦力が欠けるので、急いで追いかけないといけません。
 で、強引に突破された関所を越えて、北に向かうと、着いた街が「石工の集う芸術都市リブルアーチ」。
 この街で一番偉い魔術師が、
「呪われしゼシカ」というドルマゲスのようなくま取りをした恐ろしい女に襲撃されております。しかし、「呪われしゼシカ」、どうして衣装は普段どおりなんだ? 全裸は望まないにしても、もう少し、「悪の女魔術師らしい露出度の高い衣装」に着替えてもいいのではないか? 
 ともかく、悪に支配された
ゼシカは、魔術師の親父と、それを庇おうとしている頼りない付き人を殺そうとしていましたが、ショウたちが駆けつけると、妖艶な笑みを浮かべて姿を消しました。

 この時点で分かったのは、
「諸悪の根源はドルマゲスではなく、杖ということ」「杖は手にした者を操り、自分の計画を遂行していること」です。

 偉そうな魔術師のおっさんは、窮地を救ったショウに、「杖を持った女に対抗する結界を作るための宝石」を手に入れるように命じます。当然、こちらに拒否権はありません。仲間に話し掛けると、「気に食わないが、ゼシカの手掛かりは、このおっさんにしかないんだから、言うことを聞くしかないだろう」とのこと。
 ちなみに、
ショウの意図はともかく、プレイヤーのNOVA自身は、「悪に操られた女性キャラ」萌えだったりします。「悪女」萌えではなくて、あくまで「本来は悪でないキャラが操られるシチュエーション」萌えなのです。よって、この「呪われしゼシカ」イベントは、まさにツボにはまりました。

 何にせよ、この後の展開は、宝石を求めて、
「宝石の持ち主である石工がこもっている仕掛けだらけの塔」に向かいます。でも、苦労の末に石工に会っても、宝石を持っていないことが分かります。宝石は、ある「女性の像の瞳」に取り付けられている、とのこと。その像はゼシカゆかりなので、ルーラで懐かしの場所に飛んだりします。こういう形で、一度訪れた場所に再訪するのは、「時間の流れを実感させてくれ、世界の印象を強めてくれる」と思います。

 で、像に宿るゼシカのご先祖様の願いを聞き入れ、宝石を手に入れた後、リブルアーチへ帰還。魔術師のおっさんに宝石を渡すと、結界の準備に取り掛かります。その際、入ることのできた書物室で、意外な真相が判明。それについては、ネタバレをしませんが、なかなか奥が深いなあ、と思いました。

 そして、「呪われしゼシカ」との対決。本来、ゼシカが覚えているよりも強力な呪文を放ってきますが、何とか倒すと、魔術師のおっさんが準備の終わった結界を放ち、ゼシカを分断させることに成功。
 しかし、
はすぐに別の体を手に入れ、まんまと目的を果たします。結局、人が死ぬんだよねえ、今回のシナリオ。

 正気に戻ったゼシカは、に支配されていた記憶を持っており、の目的を明かしてくれます。
 それによると、
の中に封じられているのは暗黒神ラプソーン。かつて、ラプソーンは七人の賢者と、神鳥レティスの力で封印されたが、今、七賢者の末裔を殺していくことで、復活しようと目論んでいるそうです。そのために、ドルマゲスを操るなどして、目的を果たしてきたわけです。
 七賢者の子孫は、「マスターライラス」「魔法戦士サーベルト(ゼシカの兄貴)」「オディロ修道院長」「ベルガラックのカジノマスター」までが殺害され、今また、5人目も犠牲になりました。
 残り2人の「賢者の末裔」を、
は殺そうと北に向かったので、ショウたちも北に向かう……というのが、ストーリーの必然なんですね。でも、まだベルガラック付近で探索していない場所があるんだよなあ(苦笑)。
 どうせ、残り2人も話が進めば殺されちゃうんだろうし、
ショウたちがそこに行って話を進めなければ、2人も長生きできる……って、はなはだゲーマー的解釈をしながら、寄り道を正当化するのでした(つづく)

 

●おまけコラム:ドラクエ・世界観の話(BGM含む)

 今回は、7の再プレイで改めて考えたことを書きたい、と。
 ライバルゲームとして、しばしば比較されるドラクエとFFですが、イメージとしては
「常に新しいことに挑戦するFF」に対し、ドラクエは「どこか懐かしさを感じさせる作風」です。
 FFが名前に反して、古典的ファンタジーではなく、機械文明を取り入れたSFチックな世界観であり、また、毎回、作風を大きく変えてくるのに対し、
 ドラクエは、剣と魔法の古典的ファンタジーの世界観を大きく崩すことはなく、乗り物にしても、飛空船のようなメカではなく、毎回、魔法風味を感じさせてくれます。ドラクエの「空飛ぶ乗り物」については、また後の機会に考察したいですが、
 今回は、ノスタルジックな雰囲気を宿す、歴代ドラクエ世界について概観してみることにします。

「伝説の勇者の子孫が、竜退治をする物語」。まさに一言で言うと、こうなりますね。
 ちなみに、FFシリーズもTは、
「伝説の光の戦士が、四大元素に象徴される魔物を退治する物語」です。その意味では、典型的なファンタジーなんですが、終盤に至って、ロボットが登場したり、時間移動して過去の世界に行くなど、SF的ギミックを披露してくれます。
 一方でドラクエの場合は、初めから最後までファンタジーの王道を貫いてくれます。
「妖精の笛で眠るゴーレム」とか「虹の橋」など。
 そして、ノスタルジーをかもし出す要素といえば、世界観を貫く
勇者ロト伝説の部分と、何よりもフィールドを歩く際のBGM「広野を行く」。あの物静かなメロディーは、初めて聞いたときから、どこか懐かしい風情のあるファンタジー世界アレフガルドを演出してくれていました。

:ドラクエ2は、1の続編として、ノスタルジーよりも新しさの部分を重視しています。前作の4倍という広い土地と海を探索するのは、ワクワク感をともないました。
 フィールドBGMも、ローレシア王子のテーマというべき
「遥かなる旅路」は、1とは一変して勇ましく格好いいノリ(SFCでリメイクされた際は、ファミコン版よりも少しスローテンポにアレンジされて、勇ましい部分が減った感じで少し残念)。
 また、ムーンブルク王女を仲間にした後の
「果てしなき世界」は、3人パーティーが揃った明るさを象徴するような陽性の曲。まあ、パーティーの誰かが棺桶になったときは、少し危機感を高めるような「遥かなる旅路」に戻るなど、BGM演出も凝っていました。
 で、2において、ノスタルジーと言えば、やはりアレフガルド。BGMも懐かしい
「広野を行く」になって、前作ファンを喜ばせてくれました。惜しむらくは、時代の経過を反映したのか、ラダトーム城と竜王の城以外がなくなったこと。かつては最強装備だった「ロトの剣」も威力が激減し、伝説が風化する様も感じたり。

「そして伝説へ…」です。もう、前情報もなく、1からプレイしていた人にとっては、まさにタイトル通りの感銘を味わったはずです。
 この3の基本世界は、現実の世界地図。中国や、今流行りの韓国がないなど、細かいツッコミはいろいろできますが、「ヒミコが治め、ヤマタノオロチの脅威にさらされたジパング」とか、「砂漠でのピラミッド探索」とか、「田舎者をバカにする気風の大英帝国」とか、時代考証などバラバラですが、とにかく世界地理の初歩ぐらいは勉強するに足る世界(ついでに、日本地理の初歩を勉強できるゲームなら、やはり「桃太郎電鉄」でしょうね)。
 しかし、このゲームの白眉は、当面のボスである魔王バラモスを倒してから。
 父親の後を追って、「ギアガの大穴」から地下世界に舞い降りた勇者一行。そこは闇に閉ざされたアレフガルドだったのです。プレイヤーの感覚としては、1の勇者と同じような過程を経て、大魔王ゾーマの居城である「竜王の城」に向かうことになります。ですが、実際のところは、1の勇者が、3の勇者と同じような過程を経ていたことが判明します。と言うのも、
3の勇者こそが「伝説の勇者ロト」であることが、最後に知らされるからです。
 この1〜3のいわゆる
「ロト伝説3部作」は、続けてプレイしてこそ、その壮大な伝説ぶり、そして、アレフガルドを基軸としたノスタルジー感覚が体感できることでしょう。

 BGMの話をするなら、フィールド音楽の
「冒険の旅」は、アップテンポマーチとして一番のお気に入り。特に、マイナー系のメロディー「ほこら」を出た後に、勢いよく流れるフィールドBGMは最高。
 一方で、アレフガルドに降りた後は、
「広野を行く」をさらに美しくアレンジした「アレフガルドにて」に代わり、懐かしさを盛り上げてくれます。
 そして、今回、8で復活した飛行BGM
「大空を飛ぶ」。これほど郷愁感を高めてくれる飛行BGMはありません。
 ラスボス戦の
「勇者の挑戦」や、エンディングの「そして伝説へ…」も合わせて、ドラクエ3こそベストBGMだった、と断言します。

:後に「天空シリーズ」と呼ばれることになる新たなシリーズの幕開けとなる本作。
 印象的なのは、5章に渡る章構成。これを通じて、ドラクエ1〜3に至る流れを再現しよう、との意図が感じられます。フィールドBGMも、各章ごとに、キャラの個性を表した傑作曲が目白押し。とりわけ、後に「不思議なダンジョン」シリーズでアレンジされまくるトルネコのテーマや、いかにもジプシー姉妹の踊り子的な雰囲気を備えた第4章(戦闘BGMも独自の物が採用)など、各章の雰囲気をうまく作ってくれます。
 そして、第5章は、序盤の
「勇者の故郷」が滅びた故郷をしのばせるスローテンポな曲で、中盤以降の「馬車のマーチ」が導かれし者たちの集結を象徴した、勇ましいアップテンポ曲。前者はアレフガルド的で、後者は「遥かなる旅路」「冒険の旅」の流れを受け継いでいます。

 物語的には、各章でバラバラだった世界が、第5章で改めて一つの大きな世界に集約されるのが劇的です。それまでの章で見知った街や城に、第5章で再訪する際、時間の経過を感じさせてくれます。この「時の流れを感じさせる懐かしさ」こそ、1〜3にかけてじっくり生み出され、4以降の作品では毎作ストーリー内に込められた要素だと考えています。
 ドラクエ1→2では、世界の広さを横に拡大し、3では上下軸でのさらなる拡大。ここまでで空間的に広げることを中断し、4以降は時間的な広がりを求めるようになった、と考えられるでしょう。

:「天空シリーズ」第2弾ですが、ワールドマップは前作と大きく異なっています。
 ただ、「山奥の村」に勇者の血を引いた者がいる点や、勇者の旅の同行者の作った城、天空シリーズの装備や、天空城とマスタードラゴンといった要素(ついでに隠しダンジョンの主エスターク)で、シリーズとしての継続性を打ち出しています。

 物語的には、「主人公の幼少期」「青年期」「父親期」の大きく3章構成に分けられ、それに応じて時間の経過を実感できるようになります。例として、「幼少期」に過ごした村を「青年期」に訪れてみると、思いのほかに小さく寂れていたり、「青年期」に主人公に冷たい言葉を掛けた村人が、「父親期」に来訪した際に反省していたり、などなど。
 それと、記憶に残るイベントとして、幼少期に破壊されたアイテムを取り戻すため、青年期の主人公が過去に時空移動する展開が用意されている点。こういう
「過去の不幸や過失を、時間移動によって解消するシナリオ」は、6や7において、世界構造的にもサポートされて、しばしば追求されるようになって行きます。
 いずれにせよ、主人公の人生をとことん突きつめて描いた作品として、5は印象的でした。

 フィールドBGMも、どこか物悲しい牧歌的なメロディーが印象に残ります。後は、塔のやや不気味な変調する感じ(これは楽器でのアレンジ曲よりも原曲じゃないと分からない)と、戦闘BGMのピアノ連弾調子が記憶に残っています。そして、最も印象的な使われ方をしたのは、家族の絆を描写したような
「哀愁物語」。パパスの遺した手紙を読む際に流れるBGMは感動的でした。

:「天空シリーズ」第3弾ですが、世界観は全く異なります。上下に別れた世界と、ダーマ神殿による転職システムなどから、3を思わせる世界観と言うこともできます。
 物語として、5は4より後の時代であることは明らかです(勇者の子孫という言葉を使っています)が、6の場合はいまいち明確ではありません。ただ、悪に支配されていた天空城を解放するなどのイベントを通じて、4以前と考えさせる要素はあります。

 主人公は当初、「上の世界の村の若者」として、立身出世の旅に出ますが、その過程で「幻の大地」と呼ばれる「下の世界」を訪れることになります。
 「上の世界」と「下の世界」は、似ているけれどもどこか違っており、その謎を探求する過程で、主人公は「下の世界」こそ破滅に瀕した現実世界で、「上の世界」こそ理想を体現した夢の世界だと知るようになります。ですが、理想といっても、現実に不幸なことが起きれば、その影響は夢にも波及する仕掛けになっており、主人公はその解決をめぐって、上下の世界を往復しなければなりません。
 世界構造や、主人公の「自分探し」というテーマも含めて、ドラクエ史上、一番複雑な造りを持つ作品だった、と言えるでしょう。

:「天空シリーズ」ではありませんが、6で示された「似ているけれども異なる2つの世界」という要素(さらに転職による特技・呪文修得システム)を受け継いだ作品として、強い関連性を持っています。逆に、8には7の要素を感じないので、別に3部作にこだわらず、「4&5」「6&7」と二つ一組で考えるほうがいいのかも知れません。

 主人公たちは「魔力を秘めた石板」により、異世界に赴くことになりますが、いずれも破滅に瀕した過去の世界になっています。それを解決に導くことで、現実世界で滅びた地域が復活する仕掛けです。復活した場所を訪れれば、その後の歴史を知ることもでき、また、そこで見つけた石板で、新たな過去の世界への扉を開くなど、物語を先に進めるためにも、必要な手順となります。
 世界構造的には「絶えず上下移動を意識する必要のある6」に比べて、分かりやすくなっています。が、広大な大地を旅する感覚に欠けている、と思います。細切れにされた世界のミニイベントを解決することの繰り返しなので、いかにもゲーム的、というか、生きた世界を実感できないのが難点でしょうか。

 ただ、6も7も実際にプレイすると、
「広大な未知の世界の探索」よりも、「事件解決や時間経過による変化」に重点を置いた造り、と言えます。空間よりも、時間を重視した作風と言ってもいいでしょう。それに対して、8はとことん空間にこだわった造り、と言っていいかな? それなら、4以前の作風に戻った、と言うこともできますね。
 正直言って、6以降のドラクエの方向性には「?」だったので、8の造りを歓迎したいと思っています。ただ、まあ、7の再プレイを通じて、再評価もしてみたいですがね。

 

●2004年12月30日(月)・豹と砂漠と雪原と(オークニス編)

※序文

 しばらく、仕事に専念していて、記事書きできなかったんですが、その間に、カプリさんに追いつかれてしまったようです。
 お互い、
「暗黒神ラプソーンのいる浮遊城」を目前にした状態ですね。
 できれば、
「はぐれメタルの剣」のレシピを教えて欲しい、と思いつつ、「ドラクエ・ラスボスの系譜」について補完して欲しい、と頼まれました。ええと、4のラスボスは「デスピサロ」で、6は「デスタムーア」、7は「オルゴ・デミーラ」ですね。詳しくは後述。

 とりあえず、再プレイした7については、ダーマ神殿を復活させたところです。
 
主人公が力を奪われたり、欲望に流される人間の醜さを魔族が煽動したり、主人公の行動をきっかけに人間側が革命を起こしたりする展開は、初プレイ当時、「6のはざまの世界」の二番煎じだなあ、と思ってましたが、きれいさっぱり忘れていました。
 おかげで、今回のプレイも新鮮な気持ちで楽しめて、さあ、これから転職を楽しもう、と思っていた段階で時間切れ。冬期講習に突入した次第です。

 さて、記事書きのほうでは、カプリさんに追い抜かれた形になるので、こちらも急いで進めたいと思います。
 まずは、氷原の町オークニス終了時点でのキャラデータをば。

ショウ:レベル34、HP354、MP156
    剣25、ヤリ25、ブーメラン50、格闘0、勇気52(現在の総スキルポイント152)
解説:この時期のメイン武器は、「ツインスワロー」と「砂塵のヤリ」。
 呪文は、ザオラルや、勇者らしくライデインを覚え、特技は「さみだれづき」を主に使用してます。

ヤンガス:レベル33、HP364、MP52
    オノ16、打撃26、鎌22、格闘31、人情58(現在の総スキルポイント153)
解説:相変わらず、どっちつかずのスキル成長をしているヤンガス。ただ、この時期から「早くベホイミ覚えろよ」という思いで、人情に専念しようか、と考えるようになってます。

ゼシカ:レベル32、HP220、MP229
    短剣0、ムチ44、杖44、格闘0、お色気51(現在の総スキルポイント139)
解説:リブルアーチで、呪いから解放された際、マヒャドとべギラゴンを覚えました。

ククール:レベル33、HP269、MP177
    剣27、弓10、杖31、格闘0、カリスマ27(現在の総スキルポイント95)
解説:この時期の間に、ベホマラーとバギクロスを覚え、回復力と攻撃力を兼ね備えるようになりました。

※ストーリー

 ゼシカを呪いから解放し、4人パーティーに戻ったので、ようやく西の大陸をじっくり探索する気になりました。何しろ、カジノ都市ベルガラック周辺はほとんど探索してませんでしたから。

 で、最初に訪れたのが、ラパンさんところ。キラーパンサーを仲間にすることができます。ただ、このキラーパンサー、走ることができないので、あまりスピード感がありません。BGMも、徒歩の時のスローテンポが好きなので、
ショウはほとんどキラーパンサーに乗らなかったです。

 次に、カジノを再開させるための、「南の砂漠」探検。カプリさんは、
だいぶ冒険を進めてから取り組んだので楽勝、と書いていましたが、NOVAの方は、かなり手強かった、という印象。とにかく、「はげしい炎」の連発には大苦戦しました。一度、パーティー全滅もしましたし。

 そういう寄り道を終えて、カジノで少し遊んだ後、ようやく杖の後を追って、北の地へ向かいます。
 そして、雪山で雪崩に巻き込まれて遭難(爆)。
 うう、こういう経験、前にもしたぞ。何だか、無性にアイスウィンドのことが思い出されるぞ。それに、砂漠の次に雪原探索なんて、気温の変化激しすぎ。風邪をひいてもおかしくありません。
 ……と、そんな
ショウたちを助けてくれたのが、薬師のおばあさん。彼女の煎じた薬草茶を飲めば、心も体もポッカポカ。元気になって、オークニスの街に向かいます。その際、街の薬師への届け物を預かることになります。

 そして、到着したオークニス。
 薬師さんは洞窟で行方不明だってんで、探索に向かいます。ここでも、トーポの活躍で、無事に薬師さんの救出に成功。何でも、狼に襲われたらしいです。狼は、一行が洞窟を出た際にも襲ってくるのですが、どうやら薬師さんは攻撃対象ではなかったらしく、小競り合いの末に去って行きます。
 杖の魔力に操られた狼軍団は、薬師さんの母親、すなわち
ショウたちを雪崩から助けてくれたおばあさんの命を狙っている模様。
 七賢者の末裔が次々と殺されていく
ドラクエ8ですが、ゼシカの兄とか、修道院長の死は、キャラとしての復讐の対象にはなり得ても、プレイヤーが接したわけではないので、いまいち感情移入が薄いです。マスターライラスや、カジノマスターに至っては、殺される場面すら描かれず。リブルアーチでは、呪われしゼシカのインパクトが大きすぎて、末裔の死よりも、仲間救出にホッとした思いの方が強かったわけで。結局のところ、末裔の死が一番プレイヤーの心情にのしかかってくるのは、このばあさん絡みではないでしょうか。

 とにかく、命の恩人の窮地に急いで駆けつけるショウたち一行ですが、ばあさんはショウたちに後を託すように「最後のカギ」を手渡すと、暗黒神ラプソーンの意図どおりに命を落としてしまいます。仇討ちに挑むショウたちですが、敵は翼を広げて東方の空に飛び去ってしまいます。空飛ぶ相手の後を追うために、飛行手段が必要だと痛感するショウたちなのでした(つづく)

 

●おまけコラム:ドラクエ・世界観の話2(光と闇の果てしないバトル)

 カプリさんが、「ドラクエのラスボスの系譜」で話をしたので、こちらはさらに話を広げて、神と魔王(ラスボス)の関係にまで、踏み込んでみたいと思います。

:ラスボスは竜王。人間体から、巨大な竜形態に変身します。
 さて、この
竜王。3で語られるように、本来は悪い奴ではなく、大魔王ゾーマの遺した(と思われる)闇の波動の影響で、邪悪化した、と考えられます。闇の波動の晴れた後の2では、竜王の子孫が勇者の子孫に好意的に話すなどのイベントがあったりもします。
 一方で、この世界では、神の存在がまだ明確ではありません。教会はまだなく、アイテムに魔よけの「聖水」がある程度。死からの復活も、教会ではなく「ラダトーム王」の仕事なのでした。
 ただ、
「光と闇の世界観」を考察する上で、気になるのは、竜王との会話時に、勇者に与えられる選択肢。「この世界の半分をやろう」。この提案を受け入れると、竜王が「光の世界」を支配し、勇者はもう半分の「闇の世界」に囚われてゲームオーバー、というダークエンディングが待っております。闇の世界がどういう世界か、定かではありませんが、ドラクエの世界観を示すのに外せないエピソードと思います。
 本作での、光と闇の勢力バランスを考えると、魔物に滅ぼされた町の存在や、王女誘拐という大事件で、闇側の侵攻がかなり進んだ世界と言えるので、
「光:闇=3:7」ぐらいかなあ、と考えます。

:ラスボスは邪神官ハーゴン……と思わせて、直後に真のボスである破壊神シドーが登場します。サブタイトルが「悪霊の神々」とあるように、前作に比べて宗教観を強く持つ作品と言えます。なお、この作品で神と呼ばれるのはシドーだけで、神々というのはおかしい、という話もあるのですが、ハーゴンの城にいる中ボス、「アトラス」「バズズ」「ベリアル」の3体も、神扱いとして考えているのでしょうね。
 一方、光の方ですが、本作からパーティーの仲間を復活させる施設として、教会が登場しました。ただ、神が具体的に登場することはありません。強いて言えば、ハーゴンの幻術を破るためのアイテム
「ルビスの守り」の存在が挙げられますが。
 本作での、光と闇の勢力バランスを考えると、魔物に滅ぼされた城の存在があるものの、ハーゴンは本拠地ロンダルキアに引きこもって、邪神召喚に専念しているため、闇側の侵攻は意外と進展せず、
「光:闇=4:6」ぐらいか、と考えます。

:当初の目的は、魔王バラモス追討。しかし、真のラスボスは大魔王ゾーマです。本作より、昼夜の概念ができ、「闇に閉ざされた地下世界アレフガルド」の描写にも貢献しました。
 
大魔王ゾーマは、アレフガルドを創造した大地の精霊ルビスを石化・封印するなど、非常に強力な力を誇っています。
 一方、光の方では、パーティーメンバーに
「僧侶」がいるなど、前作以上に明らかな宗教観を持っています。ただ、「僧侶」の信仰する神が、封印されているはずの精霊ルビスなのか、それとも別の神なのかは不明です。上の世界には上の世界の神がいて、ルビスの治める範囲はアレフガルドのみ、とNOVAは考えています。
 なお、本作には、勇者に
「光の玉」を託す「竜の女王(竜王の母?)」という存在がいて、彼女にも神性が感じられるのですが、ドラゴンが明確に神となるのは、次作です(ただし、SFC版では文字どおり「神竜」という隠しボスが存在する)。
 本作での、光と闇の勢力バランスを考えると、アレフガルドの方は9割方闇に落ち、上の世界ではバラモスの侵攻が始まったばかり。総合してみると、やはり
「光:闇=4:6」ぐらいか、と考えます。

:本作において、ラスボスはデスピサロですが、終盤まで「地獄の帝王」として恐れられるのがエスタークです。
 本作では、
「魔族」という種族分類が生まれ、それと対立する光の存在として「天空人」も登場します。そして、「竜の神さま」こと「マスタードラゴン」が天空城を治める光の神として初登場。竜が悪だった1作目から考えて、大きな変化と言えます。
 一方で、魔族の神と言える
エスタークは、少々神秘性を欠いています。というのも、「進化の秘宝」という錬金術で生み出されたことが語られ、本質は神ではなく、超生物になってしまったからです。
 本作のスタート時点では、前作までと異なり、悪の存在は明確でなく、各章での導かれし者たちの探索を通じて、じっくり闇側の動きが描かれていく形になっています。逆に言えば、魔族の神が封印されているなど、光側がまだまだ強い
「光:闇=7:3」ぐらいか、と。ただし、勇者が旅立つ第5章にいたって、「光:闇=4:6」ぐらいに逆転している、と考えます。

:ラスボスは、暗黒世界の王ミルドラース。隠しダンジョンのボスはエスタークです。
 NOVA的には、この
ミルドラースから、どうも存在感が薄くなってきたなあ、と思います。理由としてはまず、名前が6文字を越え、どうも覚えにくい(笑)。それと、物語の中でしばしば名前を連呼され、怖れられる従来のボスと違い、5以降はボスの名が出るのが終盤で、その名を聞く機会も少ないからです。
 さて、本作の世界観は、基本的に前作と変わらず、
天空城のマスタードラゴンが光側の神として登場します。ただし、天空城自体が封印されており(マスタードラゴンは力を失い、人間の男性プサンとして生活)、「神の消えた世界」となっています(教会は機能するんですがね)。
 一方で、闇側の勢力は、巧妙に暗躍しており、武力による侵攻とは一線を画しております。具体的には、「光の教団」という宗教集団に偽装して、暗黒神を迎える準備をしているわけです。表立ってはいないだけで、悪がかなり浸透した世界、それを防ぐべき天空城の陥落などを考え合わせると、
「光:闇=3:7」ぐらいと言えるでしょう。
 ただし、
ミルドラースは、暗黒世界からこちらの世界に出ることができず、そのための門作りのために、主人公の母親マーサを誘拐したことを考えると、武力による侵攻を行いたくても行えなかった可能性もあったかもしれませんね。

:中盤までボス扱いされているのはムドー。ラスボスはデスタムーア。隠しダンジョンのボスはダークドレアムです。
 本作の世界観は、夢の世界と、下の現実世界から成り、そのうち夢の世界を治める神的存在が、
ゼニスです。ゼニスの城「クラウド城」は、4・5の天空城と同じ構造をしており、後にマスタードラゴンに受け継がれるか、あるいはゼニス自身がマスタードラゴンに化身するのだと考えられます。いずれにせよ、この「クラウド城」は、魔族のデュランに占領され、「ヘルクラウド城」と名を変えております。神のゼニスは完全に無力化されているわけですね。
 一方で、この世界には、
「大地の精霊」を祭る風習があり、その精霊の名がルビスであるなど、天空シリーズとロトシリーズの融合を目指した形跡があります。
 闇側の侵攻計画は、5以上に巧妙で、世界を夢の世界と現実世界に完全に分断し、そのはざまに別世界を作り出し、そこから夢と現実の両方の世界を支配しようとするもの。主人公自身も、ムドーの力で夢と現実に分断されており、
「光:闇=2:8」ぐらいでほぼ征服された状態と言えます。
 そんな中で、主人公を冒険に導き、覚醒させた
大地の精霊ルビスこそが、この世界を救った神、と言えるでしょう。

:ラスボスはオルゴ・デミーラ。過去の世界で一度倒した後、現代で「偽の神さま」に化けている奴を倒してエンディングです。その後、隠しダンジョンで、本物の「神さま」と戦うこともできます。
 本作の世界観は、エスタード島以外が、過去の世界で滅びており、石板に封じられたため、
「光:闇=1:9」ぐらいで、ほぼ完全に征服された状態になっております。

 どうも、世界観そのものがゲーム的ですし、
「神さま」という名前でストレートに登場されると、それ以上、神話観について考察の余地がありませんね。あまりにもゲーム的過ぎて、ファンタジー世界のリアリティ(矛盾した言い方かもしれませんが、架空世界を構築するには一定の説得力が必要)が、7の場合はほとんど感じられません。
 強いて言えば、石板の色分類に合わせて、地水火風の四大精霊にスポットが当たった世界観と言えますが、それまでのドラクエと根本的に異なる設定に感じます。

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