●2004年6月20日(日)
2週間前に、「2週間分の特撮感想・前編」と書いておきながら、後編を書かずに停滞させてしまいました。
その間に進んだのは、「スパロボMX」のプレイのみ、という状況。
ちなみに、6月7日でシーン5、今でシーン9まで進行。1シーンが4〜5シナリオぐらいなので、1日1シナリオのペースです。
さて、まずは2週間分の土曜日特撮について。
●セーラームーン:美奈子ちゃん主役回と、プリンセス・セーラームーン覚醒回。
エンディミオンとの恋愛の因縁話は、セラムンでは、重大なテーマなわけですが、自分としてはあまりハマれないので、ノーコメント。
むしろ、覚醒して、自分を喪失したうさぎちゃんに「制御できない力の暴走」を感じました。クインベリルの攻撃を簡単に受け流して、背後で爆発! 後ろにいる仲間の安否を気づかうことなく、歩みを止めない無表情のセラムンが、ちょっと怖いです。これが仮面のヒーローなら、格好いい映像にも思えるのですが、素面の少女キャラクターって点で、異なる印象を受ける、と。
●グランセイザー:仁(ダイル)主役回は、なかなか面白い話でした。
犯罪者を追う宇宙刑事の身勝手な捜査に巻き込まれたってことで、デカレンジャーとの整合性なんかも頭をよぎったり。表面的には軽いプレイボーイに見える仁が実は友達思いのいい奴だったり、SF映画「ヒドゥン」(人間の体を借りる宇宙刑事と、その相棒の絆がテーマ)を連想させる設定とか、いろいろ楽しめました。
一方、辰平(ギャンズ)主役の、「イルカと心を通わせる女の子」の話も、ヒーロー物として及第点。イルカの持つ超音波を悪用する宇宙人が、イルカの逆襲を受けて、弱ったところをグランセイザーに倒される話……簡単に言ってしまえば、それだけなんですが、
「これ以上イルカが人間を襲うなら、ユウヒで水族館を破壊する」と宣言する御園木さんのセリフがいいです。いかにも、「個人の感情よりも、大局的な視点に立つ軍人の立場」って感じで。こういうキャラがいてこそ、辰平の人道主義というか、イルカへの愛が引き立つと思うし、それに今回、巨大戦はなかったにしても、セリフの中でユウヒが登場したことで、巨大ロボの一応の存在感を示せた、と。
次に、ゴルフで一週飛んだけれど、3週分のデカ&剣について。
●デカ:デカベースロボ登場編(アンドロイド少女後編)と、女戦士活躍編と、京都編。なかなかバラエティーに富んだ3話と言えます。
とりあえず、デカベースロボについては、ギャラクシーメガに次ぐ「多数の職員搭乗ロボ」。起上時に、中の人が大変な目に合うことも、エンディング時のコントで紹介(笑)。アンドロイド少女フローラについては、悲劇に終わらなかった点がよかったな、と。
女戦士活躍編については、専用のエンディングテーマまで用意するなどの凝り様。しっかり者のジャスミンと、計算外の行動になりがちなウメコの対比とか、酔拳で活躍したはいいけど、「飲んだら乗るな」の交通法規を守るため、ボスの代理出動→巨大戦とか、小ネタが笑わせてくれた回。
そして、先週の京都編は、昨年に続いての太秦ロケが楽しめました。でも、昨年のブラキオ総帥の時間をかけての大移動に比べ、今回はデカベースクローラーの到着早すぎ(笑)。これが飛行メカなら、あまり気にならないんですが、やはり地上を走るとなると、どこの道路を通ったのか? とか、いろいろ気になって……。
しかし、まあ、一番のネタは、ラストのスワンさん勢作の「中村座ロボ」かと(笑)。新兵器作りが趣味の人……なのかも。
●剣:桐生さんが死んだ回(井上脚本)と、女アンデッドが虎太郎をだます前後編(今井脚本)。
桐生さんの回は、もう格好いいギャレンに尽きます。両腕を広げて、トーッと飛び降りながらの変身は、宇宙刑事ギャバンを思い出しました。レンゲルのREMOTEカード使用を、ギャレンラウザーによる銃撃でとっさに妨害してから、自分のカードを使用するなど戦闘描写もいいです。
一方の今井脚本。これはドラマもさておき、何よりも戦闘が盛り上がってくれないのが悲しい。ギャレンとレンゲルがサソリ退治に駆けつけたら、カリスが先に倒していて、にらみ合い。
後編の最初は、カリスVSギャレン、そしてレンゲルなんだけど、盛り上がるかなあ、と思わせたところで、レンゲルの不調により戦闘終了。
その後、虎太郎を人質にとった女アンデッドですが、はっきり言えば、あっさり正体を明かしすぎ。こういうのって、ギリギリまで正体を明かさず、だまし続けるのが面白いのに、つくづくネタを引っ張らず、さっさと伏線を消化してしまう人です、今井さんって。それでストーリーが盛り上がればいいんだけど、ブレイドを助けるカリス、でも共闘はなしって点で、いまいちかと。
次は、會川昇脚本4本立てで、どう面白い流れを作っていくか、に期待。
少なくとも、橘さんの睦月特訓は、期待していたんだけど、「時速150キロで飛んでくるボールに記された数字を読む動体視力」ってのは、言っていることはスゴいんだけど、やっていることは地味なんで……次の特訓ネタに期待。
最後に。
●鉄人28号:「鉄人」を奪ったアメリカギャングのスリル・サスペンス。声優は、東方不敗マスターアジアの秋元洋介氏だったんですね。この人の声で、「誰が言ったか、良いも悪いもリモコン次第!」と見得を切られたら、思わずハハアと土下座してしまいたくなります。
で、「鉄人」を奪い返すために奮闘する正太郎くん。それまで、鉄人に対して否定的な感情を持っていた彼が、愛情に変わっていく様子が伝わってきて、ロボット者としては感情移入要素バッチリな展開。
一方、アメリカ製ロボットのバッカスが暴走してしまい、かつての戦争と同様に、日本を火の海に変えてしまうのを見て、村雨健二が愕然とするのもいい。そして、それを止めるのが、村雨の忌み嫌った鉄人だという皮肉な展開に。
結局のところ、「良いも悪いもリモコン次第!」ということは、「鉄人と正太郎のタッグ」こそ鉄人や他の兵器の暴走を止める最良の選択であることを、村雨自身に痛感させるきっかけになった、と思ったり。
その後は、ドラグネット博士と、ギルバート、そして超人間ケリーの宇宙開発にまつわるエピソード3部作。最近になって、原作について少しずつ勉強中。そういう視点から見ると、原作そのものではないけれど、原作のキャラやロボをうまく換骨奪胎した話だったと思います。
宇宙開発への情熱ってのは、やはりSF好きとしては、魅力的なエピソードと思いますし。
鉄人世界におけるサイボーグ観も味わえたし。
それに、殺人事件の解決ってネタは、正太郎の少年探偵というアイデンティティーを満たす要素ですし。そう、正太郎ってロボット操縦者である前に、少年探偵なんですね。今まで、あまり、そういう点を深く考えてなかったけれど、今回のエピソードで改めて、「ロボット物以外の鉄人ワールドの魅力」を感じさせられました。
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