富松いろはカルタ


茨木童子 富松の里では 親孝行
 むかし、富松の里に大きな男の子が生まれた。生まれながらにして、すでに歯が生え、髪が長く、目も鋭く誰もが恐れた。両親は思案のすえ、大阪の茨木に捨ててしまう。そこを通りかかった丹波大江山の鬼といわれた酒呑童子(しゅてんどうじ)がこの子を拾い、茨木童子と名付け家来にした。あるとき、父母が病に倒れたことを知った童子は、風のように速く、富松の両親のもとへ帰った。京の都では鬼と恐れられた童子だが、富松では優しい親孝行な子どもとして親しまれた。