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バルダーズゲート2
シャドウ・オブ・アムン攻略記

目次
スタート〜第2章 このページ
第3章(アスカトラ編) 2ページ目
第3章(ウマル・ヒル編
 &ギルド戦争編)
3ページ目
第4章(スペルホールド編) 4ページ目
第5章(アンダーダーク編) 5ページ目

●はじめに(2004年10月11日)

 2年前に始めた「バルダーズゲート攻略記」も、引っ越し後のサイト復活の勢いに乗って、ようやく終了しました。

 その間に、「D&D」の状況も、大きく進展しています。
 2002年の年末から、「WC版D&D(いわゆる第3版)」のルールブック日本語版が刊行され始め、2003年から4年に掛けて、着実にサプリメント(追加ルール)は増え続けています。この冬には、待望の『フォーゴトンレルム・ワールドガイド』が発売予定で、BGファンとしては非常に楽しみだったりします。
 また、「D&D」に関係する小説も、「ハリー・ポッター」や「ロード・オブ・ザ・リング」の映画化を追い風にしたファンタジーブームによって、「ドラゴンランス」や「ダークエルフ物語」「アイスウィンド・サーガ」などの出版が順調に進んでいるのは、嬉しいところ。

 パソコンゲームの方でも、「第3版」のルールを元にした「ネヴァーウィンター・ナイツ」の拡張キットとして、第1弾の「シャドウ・オブ・アンドレンタイド」に続き、この秋に第2弾の「ホード・オブ・ジ・アンダーダーク」が出るなど、順調に展開を重ねております。
 また、PS2でも、もうすぐ「バルダーズゲート ダークアライアンス2」が出る予定。こちらは、前作同様、PC版とは内容の異なるアクションゲームです。ゲーム雑誌を見ると、前作が「ディアブロ」で、2はやはり「ディアブロ2」だなあ、と思います(キャラの職業設定が、ですが)。

 まあ、NOVAは必ずしも、最新のパソコンゲームを遊んでいるわけではないので、「ネヴァーウィンター・ナイツ」の展開には全然ついて行けてないのですが、それでも、いずれプレイしたいものとして、先がある以上は、嬉しくなりますね。

 ともあれ、この「BG2」連載も、また時間はかかるでしょうが、今現在の興味に乗っかって、立ち上げるだけはしてみたいと思います。道楽半分の記事なので、気長にお付き合い願えると、幸いです。

 

●2004年10月11日(月)・突然、拉致監禁されて(プレイ開始)

 前作BGにおいて、「邪神バールの子」として戦争による大量虐殺をもくろんだ兄サレヴォクを、自らの血の宿命に悩みながらも撃退した主人公NOVA……今さらですが、自分のハンドルネームをキャラネームにしてしまったのは恥ずかしいです(^^;)。ええと、プレイヤーは「NOVA」と普通に表記、ゲーム内キャラクターは「NOVA」と青い太文字で表記していますので、区別して読んでくださいね。

 で、前作の余韻も醒めやらぬうちに、新しい冒険に出発です。
 まずは、BG2のデータをノートPCにインストールしてから、BGからエクスポートしたキャラをインポート。そして、ゲームを始めます。
 今回のルールでは、各職業には「キット」という亜種が用意されていて、主人公が新たに選択できるようになっています。これがまた、いろいろなヴァリエーションがあって、再プレイ意欲を高めてもくれるのですが、クリアもままならないのに、再プレイなんて余裕はありません。
 ともあれ、パラディン(聖騎士)であるNOVAが選べるキットは、ノーマルのパラディンの他に、キャバリエ(勇気ある騎士)インクウィジター(邪悪な魔術師を狩る異端審問官)アンデッドハンター(亡者狩人)の3種類。特殊能力や制約などを比べ、キャバリエに決定します。後の2つは、パラディンの特技である「レイ・オン・ハンド(癒しの手)」が使えないのが痛い。一方、キャバリエの制約は、「飛び道具が使えない」こと。前作において、主人公は飛び道具を使わないプレイスタイルだったから、問題ありません。

 さて、キャバリエの特殊能力は、結構おいしい。
 まず、ドラゴンやデーモンとの戦いにおいて、攻撃ボーナスがあります。
 次に、恐怖や毒に免疫があります。
 最後に、火や酸に対して20%の耐性

 いやあ、実に強くなった気分です。これはきっと、苦悩を克服し、自分の使命を定め、サレヴォクを倒したことによって、心身ともに強く成長したってことですな。
 それと、キャバリエの日本語訳としては「騎兵」なんですが、本ゲームでは馬に乗るわけでもないので、もっと違う訳を考えたいと思います。やはり「勇気」という言葉がキーワードですから「勇者」、しかも元が聖騎士ですから、「聖勇者」といったところでしょうか。ともかく、「勇者」の称号を得たわけです。これで、「確率なんて目安に過ぎない。不可能を勇気で補って可能にする。まさに勝利の鍵」というわけですね。ファイナル・フュージョンここに承認!です。武器は巨大な金色のウォーハンマー……って、さすがにそこまではやらない(笑)。

 ともあれ、聖勇者として、新たに覚醒したNOVAです。

●主人公NOVA(HP98):人間のレベル8パラディン改めキャバリエ・男性。

 そして、さあ、これからバルダーズ・ゲートの南の大国アムンへいざ行かん! と勢い込んだら、いきなり何者かに襲撃され、拉致監禁されたではありませんか?!
 
主人公が「邪神の子」って設定もショッキングですが(たいていのゲームだと「伝説の勇者の子孫」とか「聖なる神の血の伝承者」でしょうに)、いきなり捕まっているってのもショッキングです。まるで、いきなりの戦闘でパーティー全滅しちゃう「FF2」と同じくらいのインパクトです。

 意識を取り戻した主人公は、檻に閉じ込められ、謎の魔術師の呪文で痛めつけられています。何か「バールの子」を素材にした人体実験をしているような魔術師のセリフ。気分はまるで、仮面ライダー本郷猛! あるいはBLACK SUNこと南光太郎に近いかも。
 そのとき、アジトが何者かの襲撃を受けた、との知らせがあり、謎の魔術師が応戦に向かいます。
 少し様子を見ていると、主人公の檻を開けてくれる一人の少女が。おお、イモエンじゃないか。

●イモエン(HP57):人間のレベル7シーフ/レベル8メイジ・女性。

 前作の仲間だった幼なじみの盗賊少女イモエンは、いつの間にか、魔術師に転職しています。これはきっと、「ファイヤーボールの矢」の魅力に取り付かれ、呪文に興味を持って、ダイナヘールから教えてもらった、と解釈しておきましょう。盗賊のレベルやHPが下がったのは……あまり細かいことは気にしない方が、楽しめると思う(笑)。
 ともあれ、檻から脱出して、装備を確認……シクシク、何もありません。せっかく手に入れた炎の剣も、黄金の鎧も、何もなし。まずは、脱出の前に装備を整えないと。

 周囲を見渡すと、他にも捕らえられている人が。おお、あのハゲの巨漢はミンスクじゃないか。

ミンスク「貴様、オレをここから出せ! ダイナヘールの仇、必ず復讐してやる!」

 ガーン、唐突にショッキングなことを言います。

NOVA「ミンスク、ぼくが分からないのか? 
ダイナヘールがどうしたって?」

ミンスク「ダイナヘールはオレの目の前で奴に殺された。オレは、彼女を守る、という使命の旅に失敗した。オレの心にあるのは復讐だけだ! お前も復讐に手を貸せ!」

イモエン「
ダイナヘールが死んだなんて……そんな……ひどい」

NOVA「
ダイナヘールは、ぼくにとってもかけがえのない仲間だった……。ティール神にかけて、この報いは受けさせることを誓う。だが、まずは、ここから脱出しないと!」

ミンスク「そうだ、脱出だ! 復讐だ! ムォオオオオオオオッ!」(怪力で、檻の格子をねじ曲げて脱出)

●ミンスク(HP79):人間のレベル8レンジャー・男性。

 復讐に燃える蛮人ミンスク君は、前作終了時より、ちゃっかりレベルアップしています。
 もう一つの扉を見ると、ジャヘイラさんがいます。少し顔が変わっている気もしますが(キャラのグラフィックが、かなり変わってたりします^^;)
 ミンスクの火事場のクソ力的怪力も一瞬だけだったようで、ジャヘイラさんの檻を開けるには、鍵を見つけて来ないといけません。

 で、隣の部屋に入ると、一体のゴーレムが。どうやら、謎の魔術師の下僕みたいですが、脱走者を攻撃する命令はされていないようです(囚人の身の回りの世話が目的らしい)。
 部屋には、普通の武器と防具、そして鍵がありますので、それらをGETして、ジャヘイラさんを救出。

●ジャヘイラ(HP61):ハーフエルフのレベル7ファイター/レベル8ドルイド・女性。

 レベルは変わってないけど、HPが若干下がりました。それだけ、拷問が厳しく衰弱した、と解釈。

 当然、彼女は夫のカリードを心配していますが、彼の姿は見当たりません。
 ともあれ、武器と防具を装備して、「謎の魔術師のアジト」からの脱出行に挑みます。カリードの無事を祈りながら(つづく)

 

●2004年10月13日(水)・奴の名はイレニカス(第1章その1)

 BGの初めに、主人公は養父のゴライオンを殺されました。しかし、その段階では、プレイヤーのNOVA自身は、ゲームの世界に没入していないので、「養父の死」という重大イベントも、さほど実感をともなうものではありませんでした。

 ですが、今回のダイナヘールの死は、かなり重いものがあります。何しろ、前作において、レベル1から9まで育て上げたキャラですからね。サレヴォクとの最終決戦でも、彼女なしには窮地をしのげませんでした。それなのに……会話だけで、あっさり死んだことにされてしまう。
 さらに言うと、「仲間を守るための自己犠牲の死」という演出なら、ファイナルファンタジーシリーズなどで、さんざん見せられています。そこには、当然、ドラマがあり、美しい死に様として記憶に刻み込まれます。悲しいけれども、ストーリー上、意味のある死だと。
 しかし、ダイナヘールの死には、ドラマはありません。ただ、事実の重みだけがあると。
 その重みを胸に、厳粛な想いで、新たな試練の旅が始まります。

 「魔術師のアジト」からの脱出行を始めるに当たって、味方の戦力は再度、確認しなければなりません。

 接近戦ファイターの主人公は、バスタードソードとシールドを装備。鎧はスプリントメイル、裏地を鉄板で補強した革鎧です。

 復讐に燃える蛮人ミンスクは、ツーハンデッドソードを装備。鎧は鎖かたびらのチェーンメイル。

 ドルイド戦士のジャヘイラさんは、両手持ちのクォータースタッフを装備。呪文を確認すると、BG2で新たに増えたレベル3呪文キュア・ミディアム・ウーンズを嬉しいと思いつつ、同レベルのキュア・ディジーズ(病気治療)との兼ね合いに悩みます。

 そして、本作で一番変わったのが、魔術師に転職した元盗賊のイモエン。結果的にダイナヘールの後継役を務めることになった彼女の持つ呪文が、パーティーの生死を左右します。幸い、マジックミサイルファイヤーボールヘイストといった前作でお世話になった呪文は覚えています。クラウドキルはないものの、代わりに召喚呪文のモンスターサモニングがあるのが、ダイナヘールよりも有利な点。逆に、専門家ではないので、呪文の修得数が少なめなのが欠点。

 何にせよ、今のパーティーにとって、一番問題なのは、装備の少なさ。早く、マジックアイテムなどを確保しないと……と思いながら、アジトの探索を始めます。
 進んでいくと、ゴブリンと遭遇。レベル7〜8のパーティーにとって、ゴブリンなんて敵ではありません。あっさり撃破して、持っていた弓や矢をGET。イモエンが、呪文だけでなく飛び道具使いとしても、活躍できるようになります。
 探索を続けるうちに、ジャヘイラ用のシミター(曲刀)も手に入り、シールドが装備できるようになります。武器の性能はともかく、以前の戦闘スタイルに合った装備は、これで整ったと。

 今作で嬉しい変化は、IWDと同じく「飛び道具の弾数が20発セットから、40発セットになったこと」と、新たに「睡眠時にHP回復まで自動的にしてくれるようになったこと」。前作では、寝る前にいちいち呪文でメンバーのHP回復をするのが面倒な作業でした。まあ、ウィザードリィでも、宿屋の馬小屋に泊まる前に、セコセコ回復魔法をかけていたので、そういうものだと割り切ってはいたんですが。何にせよ、面倒な単調作業を自動的にしてくれるのは、快適なゲームシステムとして素直にありがたいと思います。

 脱出口を求めてアジト探索を続けるなかで、拉致監禁されたのが我々だけでないことが分かります。怪しげな人体実験の施設やら、犠牲者やらを見るにつけ、魔術師の異常な性癖に吐き気を催すキャラクターたち。イモエンも、魔術師の拷問で頭がガンガンする、と言い続けていますし。
 そして、魔術師に囚われているドライアド(森の樹の精)の三人娘から、「魔術師の名前がイレニカス」ということを教えてもらいます。敵の名前が分からなければ、「ダロム(仮)」と付けようか、と思っていました(南光太郎を改造したゴルゴム神官の名)。
 イレニカスが捕らえているのは、さらに、風の上位精霊ジンジンは、「主人公ゆかりの武具」を管理しているが、イレニカスの命令があるので返せない、と言います。ただ、イレニカスから自分を解放してくれれば、喜んで武具を渡そう、と条件付きの交渉。ジンを解放するためのアイテムは、ドライアドが持っているので、交渉してGET。こうして、「主人公ゆかりの武具」が入手できました。

 主人公ゆかりの武具……「混沌の大剣」……ハッ? 欲しいのは禍禍しい剣ではなくて、愛用の神聖な「炎の剣」だっちゅうに。
 アイテム説明を読んでみると、「サレヴォクが使っていた剣」だそうな。まあ、確かに主人公ゆかり、ではあるわな。斬りつけた相手からHPを吸収して体力回復……って、サレヴォクの奴、こんな武器を使っていたのか。道理で、なかなか倒れないと思った。
 ともかく、こんな邪悪な剣は……え? ミンスク? お前が使うって? 

ミンスク「ダイナヘールの仇を討つためには必要な力だ」

 
ということで、悲愴な気持ちで、「混沌の大剣」を手にしたミンスクでした。

 探索の中で最初にレベルアップしたのは、ジャヘイラさん

●ジャヘイラ(HP67):ハーフエルフのレベル7ファイター/レベル9ドルイド・女性。

 ドルイドレベルが1つ上がって、5レベル呪文が使えるようになりました。「キュア・クリティカル・ウーンズ(致命傷治療)」の他、死者復活の「レイズデッド」や、幻影看破の「トゥルーサイト」など、使い出のある呪文が豊富に揃っています。とりあえず、「キュア・クリティカル・ウーンズ」をセット。

 そうするうちに、「魔術師のアジト」改め正式名称「イレニカスのダンジョン」の探索も、1階をクリア。ポータルキー(転送門の鍵)を手に入れ、2階に向かいます。
 そこで待っていたのは、

「おお、心強い仲間が現れたネ。これで、私にも希望、訪れたヨ」と怪しげな口調で話し掛けてくる、謎の東洋人。
「私はヨシモ。東方世界のカラ・トゥアから来た賞金稼ぎネ。イレニカスに捕まって、脱出の途中だけど、一人でこの先は進めないと思っていたのヨ。察するに、あんたらも同じ境遇に見えるネ。どうヨ、旅は道連れ、世は情け、地獄の沙汰も金次第、袖すり合うも他生の縁、ここで会ったが百年目、ともかく私といっしょに、この場所を脱出しませんかネ」

 ……ええと、セリフ内容は多少アレンジしているものの、確かに、こういう話し方をしてくる人です。
 語尾がカタカナの「ネ」とか「ヨ」ってのは、自分が最近再プレイしていたスパロボ64の敵、「アル・イー・クィスのアヴィ・ルー」を連想しました。はっきり言って、怪しさ満点の人なんだけど、日本人としてはヨシモを笑えません。何せ、カラ・トゥアは「フォーゴトンレルムのオリエンタル世界」。日本人のイメージするアメリカ人が、ジャック・キングチボデー・クロケットのようなキャラだとするなら、アメリカ人のイメージする日本人はヨシモみたいなキャラなのかもしれないなあ、と(苦笑)。
 このヨシモが日本人だとする確かな証拠は、彼の持つ装備にあります。
 「カタナ+1」
(笑)。
 この装備だけで、十分、ネタにできるキャラです。よって、同行決定。

●ヨシモ(HP76):東洋人のレベル10バウンティハンター・男性。

 HP的には、ミンスクに次ぐので、前衛に立つことも十分可能ですが、バウンティハンターは、シーフ(盗賊)のキットなので、重い鎧が装備できません。特技は、罠を仕掛けること。使いこなせば楽しそうですが、当面は弓矢を持たせて射撃援護キャラにしてみます。あるいは、「カタナを使ったバックスタブ(背後からの奇襲)」を担当させようかな、と検討中。

 さて、楽しい仲間が加わって、明るい雰囲気になるかなあ、と思いきや、直後にまたもショッキングなイベントがありました。
 実験室に転がる、ズタズタに傷つけられた死体……それが戦士カリードのなれの果てだったのです。(つづく)

 

●2004年10月14日(木)・暗闇の先に(第1章その2)

 新たな仲間ヨシモが加入したのも束の間、長らく旅の心強い仲間だった戦士カリードの死体を発見し、パーティーに重い雰囲気が漂います。
 当然、一番衝撃を受けたのは、カリードと夫婦だったジャヘイラさん

ヨシモ「OH! 彼はあなたたちの大切な仲間だったみたいネ」

ジャヘイラ「何も知らないよそ者は口を出さないで!」

ミンスク「……オレは思う。彼は勇敢な戦士だった。使命を果たして死んだんだ。名誉ある死だ。きっと満足しているだろう。なあ、ブゥ(チューチューと鳴くハムスター)」

ジャヘイラ「……それでもレンジャーなの? どうやら名ばかりのようね。そのネズミも何も見えていない。ここには名誉なんてない。これは、ただの惨殺よ」


イモエン「……でも、それほど苦しまなかったと思う」

ジャヘイラ「あなたみたいな小娘に何が分かると言うの!」

イモエン「分かるわ。イレニカスが私に拷問しながら、頭の中に、いろいろと見せたの」

ジャヘイラ「それ以上、言わないで。そんな話は聞きたくない!」


 仲間のできる限りの慰めに、辛らつな応対で切り返しつつも、激情を抑えようとするジャヘイラさん
 死者復活(レイズデッド)の呪文を使えるようになった彼女なので、主人公はそのことを提案しますが、「死体がイレニカスの人体実験のために冒涜されている」ため、蘇生不可能とのこと。
 ささやかな鎮魂の祈りだけを口にして、ジャヘイラさんは怒りや憎しみの感情を内に収めます。

 ダイナヘールカリード、前作の試練を共に乗り越えた仲間の死。
 その事実を、粛然と受け止めながら、生き残った者は、先に進まなければなりません。

 実験室を出た通路では、イレニカスの手下のゴブリンと、イレニカスを襲撃した謎のアサシン(暗殺者)部隊の戦闘に出くわします。アサシン連中が何者かは分かりませんが、協力してイレニカスの手下を倒します。しかし、アサシンはこちらにも刃を向けてきます。
 「ぼくたちはイレニカスに捕まっていた者だ! 敵じゃない!」と訴えても、
 「バカめ。ここで味方が得られると思うほど、オレたちはお人よしじゃない! 死ね!」と斬りつけてくるので、やむなくズンバラリン。「敵の敵は味方」というわけには行かないようです。

 そして、レベルアップしたのがイモエン。 

●イモエン(HP63):人間のレベル9メイジ(元レベル7シーフ)・女性。

 新しくレベル5呪文が使えるようになります。クラウドキルは覚えていませんが、混乱呪文の「カオス」や、魅了呪文の「ドミネーション」、召喚呪文の「モンスターサモニング3」など、
ダイナヘールの覚えられない精神系・召喚系の呪文ばかり覚えています。

 さらに進むと、イレニカスに捕らえられている男を発見。
 そのフレネダンという名の男を助けると、パーティーの後ろについて行きたい、と言います。

ヨシモ「そいつは信用できないネ。怪しい奴に背中を見せたくないヨ」

 確かに。前作で、「人間に化けたドッペルゲンガー」に散々出会ったわけですから、主人公もいつまでもお人好しでいるわけにはいきません。

NOVA「外道照身霊破光線(ディテクトイービル)!」

フレネダン「バレたか〜〜」


 前世魔神の正体見たり! ということで、「邪悪なモンスターの化身」であったフレネダンを撃退。

ヨシモ「さすがは、歴戦の冒険者ネ。あなたたちを見込んだ自分の目も確かだということヨ」

 こいつも話し口調は十分怪しいんですが、性格はジャヘイラさんと同じトゥルーニュートラル(法にも混沌にも、善にも悪にも偏らない完全中立)。邪悪ではない彼を、疑う理由はありません。
 それに、イモエンに代わって、罠探索や罠解除を一手に引き受けたヨシモ。冒険者としての有能ぶりも発揮しています。

 何はともあれ、ようやく下水道らしき場所を発見。その辺りには、アサシンの死体もたくさん転がっていて、この辺りで展開された激戦の様子がうかがえます。
 そして、とうとう地上の光が。下水道を抜け出た先では、派手な戦闘シーンが展開されていました。

アサシン集団「イレニカス! 我々シャドウシーフを裏切ったお前も、いよいよ年貢の納め時だな!」

イレニカス「フッ。もはや、貴様らコソ泥集団の手を借りることもないわ。死ね!」(呪文を放つ)

アサシン集団「うわ〜!」(あっさり全滅)

イレニカス「……たわいもない。(下水道から出てきた主人公に気付き)ほう、あのダンジョンから出てくるとは……さすがは邪神の子と言うべきか。正直、そなたの力を過小評価していたかもしれんな」


NOVA「イレニカス、お前はぼくの大事な二人の仲間を殺した。それに、どうやら邪悪な人体実験で、多くの人を苦しめてきたようだ。法と正義の神ティールの名の下に、裁かれる時が来た。覚悟を決めろ!」


イレニカス「法と正義だと? それとも、本音は仲間の復讐か? 小さいことよ。邪神の子として生まれたからは、もっと大きな道が開けているのだぞ。そなたの力は、この私が引き出してやろう。天より賜った自分の才能は、有効に使うものだ」

イモエン「そんなことは誰も望んでいないわ。私たちにかまわないで!」

ミンスク「……むずかしいことはどうでもいい! 奴は
ダイナヘールの仇、このミンスクが倒す!」

イレニカス「こざかしい。蛮人ごときが、この私の体に触れられると思うか!」(防御壁発動)

ミンスク「グッ、奴に近寄れん」

イモエン「これならどう? 行けッ、マジックミサイル!」(5本の光の矢がイレニカスを貫通)

イレニカス「チッ、小娘ごときの呪文が大して効くと思うな!」(イレニカス、反撃用の呪文を唱え始める)

 
ここまでイベント的に進行していて、さあ、いよいよ本格的な戦いになるか、と思いきや、テレポートしてくる魔法使いの集団。

魔法使い集団「そこまでだ。このアスカトラ市内では、魔法の使用は禁じられている。法に基づき、魔法使いの男と娘を連行する」

イレニカス「え〜い、カウルド・ウィザード風情が。貴様らに邪魔されてたまるか!」(唱えていた呪文を発動させる。一人の魔法使いが塵となって消滅)

魔法使い集団「ムッ、この男、手強いぞ。こうなったら……」(集団でイレニカスを囲み、次元移動の呪文を唱える)

イレニカス「しまった。やむを得ない。だが、そちらの娘も、同罪だ。いっしょに連れて行ってもらうぞ!」(叫びつつ、転送される)

魔法使い「よし、次はそちらの娘だ」


イモエン「そんな! あいつといっしょだけはイヤ!」

NOVA「彼女を一人では行かせない。ぼくもいっしょに連れて行け」

魔法使い「……規則によると、処罰の対象は魔法使用者だけだ。その仲間は、連行の対象に含まれない。しかるべき手続きなしに、同行も認められない」

イモエン「キャーッ!」(魔法使い集団と共に転送、消失)

NOVA「そんな……イモエーーン!」

 ダイナヘールカリードを喪い、今また、突然出現した謎の魔術師集団にイモエンが連れ去られるという衝撃の展開に。果たして、彼女の行方は? 一行は、これ以上の犠牲を払うことなく、彼女を救うことができるのか?(第1章・完 第2章につづく)

 

●2004年10月15日(金)・商業都市アスカトラ(第2章その1)

 邪悪な魔術師イレニカスに二人の仲間を殺害され、今またイモエンまで、謎の魔術師集団に連れ去られました。

ミンスク「何てことだ。もう少しで、ダイナヘールの仇を討てたのに、邪魔が入るなんて!」

 
いや、ちょっと待て。お前の状況判断は甘すぎる。邪魔が入らなければ、「ディスインテグレート(塵化消滅)」の呪文を喰らっていたのは、パーティーの誰かかも知れないんだぞ。

ミンスク「そんなことを言って、怖気づいたのか? イモエンだって早く助けないと、奴といっしょじゃ何をされるか……」

ジャヘイラ「少しは落ち着きなさい。私たちは、連中がどこに行ったのかも知らないし、そもそも、ここがどこなのかも分かっていない。まずは情報を集めて、その後で協力してくれる仲間を探す。ただ、やみくもに動いても、強大な相手に勝ち目はないわ。
ダイナヘールや……カリードの二の舞になっても、二人は決して喜ばない」

ヨシモ「ドルイドの言うとおりネ。急いては事を仕損じる、急がば回れ。情報こそ大事、これ兵法の定石ヨ」

 BG2の仲間たちは、前作よりもよく喋ります。おかげで、リプレイ記事も長くなる(笑)。
 ともかく、情報集めはRPGの基本なので、道行く人に訊ねると、ここは「商業王国アムンの首都アスカトラ」ということが分かります。ちなみに、流れるBGMや雰囲気はアラブ風。そう言えば、「イレニカスのダンジョン」でも、アラブ出自の魔物ジンが登場したなあ。
 その他に、イモエンを連れ去ったのが、アスカトラ市の魔法治安を担当しているカウルド・ウィザード」であり、イレニカスと戦っていたのが、シャドウシーフという裏稼業の一団」だということが分かりますが、一般市民はそれ以上、魔法使いのことも盗賊のことも知りません。結局、イモエンがどこへ行ったかは分からずじまい。

 じっくり事を構えるには、街のお店のこともよく知らないといけません。
 適当に店に入り、ダンジョンで入手した品物を売り払いつつ、商品を見て回ります。すると……探し求めていた「炎の剣」が、売ってあるではありませんか!? 

NOVA「これは、ぼくの剣だ。すぐに返してくれ」

店主「何、言ってるんですか、お客さん? これは冒険者から適正価格で譲り受けたんですよ」

NOVA「奪われたんだ。ほら見ろ、ここに『NOVA』と、ぼくの名前で銘が打ってある。間違いなく、ぼくの物だ」

店主「そんなの証拠になりますか。わたしゃ、お客さんの名前なんて知らないし、たとえ、そうだとしても、ただで返さないといけない義理はない。こっちは、ちゃんと金を出して買ったんですからね。どうしても欲しければ代金を払えばいい」

NOVA「いくらだ?」

店主「金貨7000枚になりますね」

NOVA「……高い」
(2000枚弱しかない)

店主「それなら、金を稼いで出直してくるんですね。しばらくは取って置きますよ」

NOVA「分かった。だったら、今は、そこのプレートメールを売ってくれ」

 ……ということで、前作で愛用していた「炎の剣」を見つけて、資金稼ぎのモチーフが急速に高まります。プレートメールの他に、毒消しなんかも買って、冒険の準備は完了。
 次にどこに行こうか? とキョロキョロ見回してみると、広場の中央に大きなテントが見つかります。そのそばでは泣いている子供が。

NOVA「坊や、どうしたんだい?」

 
正義の味方らしい最高のさわやかな笑顔(カリスマ17)で話し掛けます(笑)。

少年「お兄ちゃん、あのね、ここのサーカスのテントに、お母さんと入ったんだけど、お母さんが出てこないの」

NOVA「うむ、それはきっとゴルゴム
イレニカスの仕業だ」


ジャヘイラ「そんな短絡的な! 証拠がないじゃない?」

NOVA「だが、動機ならあるぞ。人体実験のための誘拐、奴ならやりかねん」


ヨシモ「予断は捜査の妨げになるネ。あそこに警備の兵士がいるから、聞いてみるといいヨ」

 聞いてみると、テントの中では、何かの怪しい魔術が働いているらしく、入った者が出て来ないそうです。兵士は魔法に怯えていて、カウルド・ウィザードの出動を待っているみたいですが、ここは先に解決して、連中に恩を売っておくことにします。
 兵士の制止を振り切って、テントの中に入ると、そこは広々とした異空間。進んでいくと、一体のオーガーの姿が。すかさず、武器をかざすと、

オーガー「お願い。攻撃しないで」
 姿に似つかわしくない少女の声で、話し掛けてくるではありませんか? 

少女声のオーガー「ここは、何もかも幻術に覆われているの。見たものをそのまま信じれば、あなたは命を落とすことにもなりかねない」

NOVA「分かった。見た目が当てにならないことは、十分、承知しているつもりだ。ところで、君は何者なんだ?」

少女声のオーガー「私の名前はエアリー。サーカスで働いていたの。お願い、
クァイルおじさんを助けて。この先で、カラーに捕まっている」

NOVA「
カラーが悪い奴で、クァイルが人質。ん? クァイル……どこかで聞いた名だな」

エアリー「
クァイルおじさんは、サーカスの団長よ」

NOVA「だったら別人か。ぼくの知っている
クァイルは、ノームのイルージョニスト(幻影魔術師)でクレリックだった。バルダーズ・ゲートの街の門で会ったんだけど、その時は駆け出しの冒険者だった。詳しくは、こちらを参照だ」

エアリー「
クァイルおじさんも、
ノームのイルージョニスト(幻影魔術師)でクレリックだわ。でも、駆け出しどころか、すごい魔法をいっぱい覚えていて、私に神さまへの信仰も教えてくれた。時々、自分のことを天才と呼んでいるけれど、そう呼ぶだけの力は確かに持っているわ」

NOVA「そうなのか? 急には信じられないけど、まあ会ってみたら、分かることだ」

 
ということで、あの天才神官(?)との思いがけない再会の予感に戸惑いながら、一行は「幻術で作られた異空間の先」を目指します。そして……

カラー「おのれ。わしは、北方で神になれる力を手に入れたはずだったのに……」

 
事件の黒幕をあっさり撃退。でも、「北方」なんて、気になる言葉を口にしていました。そして、気になる人物との対面です。

クァイル「NOVAか。久しいの。バルダーズ・ゲートでは束の間の邂逅じゃったが、どうやら、わしらは奇妙な縁で結ばれておるようじゃの」

NOVA「……あんたは随分、老けた感じだが。それに別れた頃より、威厳を感じるのは気のせいか? あれから、ぼくもそれなりに経験を積んだつもりだったが、あんたはそれ以上に試練を経てきたようだ」

クァイル「話せば長いがの。今はまだ、断片的な冒険談にしかまとまっておらんよ。いずれ、北方の地での試練の顛末を知る日も来よう。だが、今は、そなたが主役じゃ」

NOVA「……分かった。では、
聞きたいんだが、カラーとは何者だったんだ?」

クァイル「力に溺れた、哀れなノームじゃ。天才と言えども、人の心の奥に秘められた闇までは、見通せないもの。奴は孤独じゃった。それゆえ、何もかも、自分の思い通りになる自分の世界を作りたかったのじゃ。全てを虚偽で覆い隠してな。奴の作り出した世界は、奴の近くにいすぎたわしらの力を抑えこんでいた。それゆえ、奴とは縁遠い存在である、そなたの力で打ち破る必要があった。これも、神の思し召しと言うべきかも知れんの」

NOVA「神の思し召しか。そういうことなら、経験を積んだ、あんたの助けが欲しいんだが。仲間がカウルド・ウィザードに捕まった。それに、
イレニカスという強力なウィザードとも決着をつけなければならない」

クァイル「残念だが、わしはもう年をとり過ぎた。冒険から引退して、何年にもなる。今さら、お前さんの危険な旅に同行できんよ。それに、このサーカス団を率いる責任もあるでな」

NOVA「それなら、仕方ない。他を当たるとしよう」

クァイル「うむ。一つ、提案がある。天才ならではの素晴らしい思い付きじゃ。お前さん、
エアリーを預かってくれんかね?」


NOVA「
エアリーって、あのオーガー娘をか?」

クァイル「それは幻術によるまやかしじゃ。本当は、可愛らしいエルフの少女での。お前さんと同じ生真面目で善良な性格をしておる。わしの前の団長がひどい奴でな、あの娘をずっとサーカス団に捕らえて見世物にしておったのじゃ。だから、あの娘は外の世界をあまり知らん。信頼できる者に同行させて、旅をさせたい、と思っておったのじゃ。
聖騎士のそなたなら、安心して託せる」

NOVA「ぼくの旅は危険だと承知の上で言っているのか?」

クァイル「あの娘には、わしが知識と信仰を伝授した。老いぼれよりも素晴らしい才能を秘めた逸材じゃ。足りないのは、試練と経験のみ。わしには、それは与えることができん」

NOVA「……分かった。あなたの弟子の
エアリーの力を、お借りする」

 
こうして、(おそらく)アイスウィンドの地での冒険を経てきたクァイル師の提案を受け、パーティーに新しい仲間エアリーが加入したのでした。(つづく)

PS:蛇足的なツッコミ。
 サーカステント前で、主人公に母親救出を頼んだ少年。ギランって名前なんだけど、幻覚から解放した当の母親は、ジランと呼んでいた。翻訳の統一はしてほしかった、と思う。

 

●2004年10月18日(月)・新たな旅立ち(第2章その2)

 週末は、ゲーム以外の用事に追われて、あまりプレイが進みませんでした。

 とりあえず、エアリーを加えた現状のパーティーの構成は以下の通り。

●主人公NOVA(HP98):人間のレベル8キャバリエ・男性。

 「バスタードソード+1」と「シールド」、「プレートメール」で武装した突撃勇者。前作のラストで使っていた「炎の剣」を武器屋で見つけて、購入希望。

●ミンスク(HP79→84):人間のレベル8レンジャー・男性。

 武器は、前作のラスボス・サレヴォクが使っていたらしい「混沌の大剣」。「プレートメール」に加え、「HP+5」の追加効果のあるヘルメットをかぶり、前衛として申し分ないHPを獲得(前作では、HPがいまいち伸び悩んでいた)。
 故カリードに代わって、主人公とのツートップの役割が期待されている。

●ジャヘイラ(HP76):ハーフエルフのレベル8ファイター/レベル10ドルイド・女性。

 サーカス・テントのクエストで、2つの職業がどちらもレベルアップ。頼れる回復役兼戦士として、パーティーには欠かせない存在。

●ヨシモ(HP78):東洋人のレベル11バウンティハンター・男性。

 彼もレベルアップ。盗賊は成長が早いので、パーティーの中で最高レベルです。なかなかの情報通なので、慣れないアスカトラ市で、時折ヒントを出してくれる貴重な存在。もちろん、彼の盗賊技能も有効に利用できるでしょう。

●エアリー(HP30):アヴァリエルエルフのレベル7クレリック/レベル7メイジ・女性。

 前作に登場し、NOVAが「アイスウィンド・デイル」のキャラとしてスピンオフさせた自称・天才神官のクァイルの弟子の少女。この調子だと、他の前作キャラも登場するのか? と期待してます。カイヴァンとか、邪悪コンビとか……。
 で、エアリーだけど、「HPが低い!」ってのが、大きな不安材料。前作の魔法使い・ダイナヘールでもHPは40以上あったので、エアリーの打たれ弱さが一際目立ちます。とりあえず、防御魔法で自分の身を守ることは、絶対に必要ですね。
 種族は、アヴァリエルという特別な翼付きエルフ。で、その翼をサーカス団の見世物にされていたんだけど、病気のために翼を切断される……という憂き目に。よって、外見はただのエルフです。
 クァイルから預かった大事な娘ですので、きちんと守りながら成長させていきたいです。僧侶魔法と魔術師魔法の両方が使えるので、呪文使いとしては相当、役に立つはず。

 以上、5人のキャラで、一通りの技能がそろいましたので、あと、もう一人は前衛で戦う戦士系のキャラが欲しいな、と思いつつ、市内を散策します。

 アスカトラ市は、バルダーズ・ゲート同様、大きな街で、複数の区画に分かれております。バルダーズ・ゲートと違うのは、「南部」とか「東部」とか方角による区分ではなく、スタート地点の「ウォーキンズ・プロムナード」以外は、「スラム(貧民街)地区」とか「ドック(港湾)地区」といったように分かりやすい名称が付けられているところ。「ウォーキンズ・プロムナード」から出たばかりでは、「スラム地区」にしか行けないので、迷うことなく貧民街へと。

 すると、早速、ゲイラン・ベールと名乗る男が話し掛けてきます。
 「カウルド・ウィザードにさらわれた仲間イモエンを助ける方法を知っている」と告げるのですが、それにはカウルド・ウィザードに対抗する組織の助けが必要で、資金として金貨2万枚を要求してきます。「炎の剣」の7000枚といい、金がないのが身にしみます。
 貧乏なことを正直に言うと、「金を稼ぐなら、コパーコロネットという酒場で儲け話が聞ける」と教えてくれますので、早速、出向きます。
 貧民街の酒場らしく、ガラの悪い連中が多く、いきなり絡まれる主人公。別に酒場でケンカをしたいわけではありませんから、下手に出ていると、相手はますます調子付きます。すると、突然、

ミンスク「おい、貴様ら。ミンスクとNOVAを侮辱したな。思い知らせてやる!」

 
仲間が勝手にケンカを買ってしまい、否応なく、戦闘に巻き込まれてしまいます。う〜ん、ミンスク、前作ではここまでケンカっ早いキャラじゃなかったのに……ハッ、前作では彼の主人のダイナヘールか、穏健派の戦士カリードが抑止力になっていたのか? それとも、「混沌の大剣」を使っている悪影響? 
 ともかく、思いがけず酒場で乱闘騒ぎになりましたが、誰も気にする人はいません。死体から金品をあさっても、お構いなし。こういうのって、貧民街の酒場では日常茶飯事なんでしょうか? 

 ケンカで小銭を稼いでも仕方ないので、何かいい仕事はないかなあ? と思っていると、
「私はいつも貧しい人を助けているのに、こんな時に、力になってくれる人はいないのかしら?」と、愚痴っている女性を発見。
 話し掛けてみると、彼女の名前はナリア。アスカトラの東にあるデアルニス侯爵領のご令嬢だそうです。城がモンスターの襲撃にあったらしいので、助けの手が欲しいそうです。
 

NOVA「そういうことなら喜んで協力しましょう。困っている貴婦人を救うのは、聖騎士の務めゆえ」

ヨシモ「おお、それに侯爵令嬢の依頼ということは、報酬も期待できるネ」

 何だか、NOVAが建て前の理想を口にして、ヨシモが本音を語っているような気がします。こういう現実主義のキャラが仲間にいると、リプレイ記事を書くのが楽だ(笑)。

 ナリアは、侯爵令嬢だけど、貧しい庶民の生活を助けるつもりで、城を抜け出し、冒険者のマネ事をしながら、お金をばらまいているそうです。そして、パーティーにも加入してきます

●ナリア(HP58):人間のレベル9メイジ(元レベル4シーフ)・女性。

 見事に、イモエンと職業がかぶってますね。ただ、呪文をチェックすると、ファイヤーボールとかマジックミサイルとか、使いやすい呪文を持っていません。
 戦士が欲しいのに、盗賊兼業の魔法使いなんて、パーティーのバランスが悪いなあ、と思いつつ、よく考えると、「突撃戦士」「レンジャー」「ドルイド戦士」「弓使い」「魔法盗賊」「魔法僧侶」って組み合わせは、「アイスウィンド」と同じ、と納得します。

 そんなわけで、ようやく6人揃った完全パーティーで、デアルニス侯爵領に向けて旅立つ一行でした。(つづく)

 

●2004年10月19日(火)・ハーパーズとの接触(第2章その3)

 6人目の仲間、ナリアの依頼により、デアルニス侯爵領に向かう途中、夜盗に襲撃されている人に出会います。
 見捨ててはおけないので助けてあげると、戦闘後に、「毒を喰らった」と、その男は訴えます。普通の毒ではないので、その場では治療不可。「アスカトラ市のドック地区にいる知り合いのところまで連れて行ってくれ」と頼まれます。自力では歩けないらしく、男の体を担いでいくことになり、アイテム扱いに。
 ナリアは早く侯爵領に向かって欲しいようですが、さすがに目の前で毒に冒された人を放っておくほど無慈悲にはなれないので、来た道を引き返します。

 ドック地区では、通りを歩いていると、いきなり盗賊やら、狂ったクレリックの襲撃を受けて、やむなく応戦します。すると、カウルド・ウィザードが出現。「市内では魔法を使うな! 今回は警告だ。次からは罰を下すぞ!」と言いたいことを言って、さっさとテレポートで姿を消します。話し合いの余地もありません。
 とりあえず、警告に従い、街中では「魔法を使うな」というAI指示に。

 毒に倒れた人を、屋敷の前に立っている知り合いの下に連れて行って、クエスト完了。知り合いは、感謝の言葉と金貨150枚、それと経験値をくれて、屋敷の中に入っていきます。
 自分たちは、通りでの襲撃で傷ついていたので、宿屋を探していると、話し掛けてくる者がいます。

ツァー「よう、NOVA。久しぶりだな」

 
……マジですか? 彼は、前作でのプレイ初期に、旅の連れだった邪悪コンビのかたわれです。昨日の日記で、噂をすれば影とは、まさにこのこと(邪悪コンビについては、こちらを参照)。

NOVA「ああ、お前か。こんなところで何をしているかは知らんが、頭蓋骨をお前の灰皿に提供するつもりはないぞ」

 
邪悪なネクロマンサー
の登場に、こちらは警戒モード。

ツァー「相変わらず、偽善者面しやがって。今は、ハーパーズのために働いているのか?」

NOVA「ハーパーズ?」

ツァー「とぼけやがって。さっきの館はハーパーズの拠点で、そこの
女ドルイドもハーパーズの一員じゃねえか」

 ……ええと、設定をド忘れしていたんですが、自分が昔、書いた記事を再録(原文はこちら)。

>ハーパーズってのは、「フォーゴットンレルムの正義の秘密組織」です。実は養父ゴライオンも、パーティー仲間のジャヘイラカリード夫婦も、そこに所属していて、「主人公が悪の道に転ばないよう監視していた」という経緯があったりします。
>まあ、監視されていた、という点で不審に思ったりもしたのですが、自分が「邪神バールの子」なら、仕方ないな、と。

NOVA「とにかく、ぼくがハーパーズの一員ではないのは確かだ」

ツァー「ふん。仲間にハーパーズがいるなら、同じことだ」


NOVA「……だったら、どうだと言うんだ?」

ツァー「お前さんがハーパーズと関わりがあるなら、頼みがある。相棒の
モンタロンが、あの館を調査中に行方不明になったんだ。一体どうなったのか、調べてほしい」

NOVA「何を調査していたか知らんが、ハーパーズと敵対関係になるのはゴメンだな。お前たちみたいな悪党に協力する理由もないし」

ツァー「……やっぱり、そう言うか。たとえ、一時とは言え、旅を共にした仲だから、もしかしたら力を貸してくれるかも、と期待したが……。悪党には悪党なりに仲間を想う気持ちもあるんだが、そうした人情を分かってくれるには、あんたは頭が固すぎるわけだ」


NOVA「……別に、お前たちに義理はないが、せっかくの縁は大事にしたいからな。
モンタロンの行方を調べるだけなら、協力できるかもしれない」

ツァー「おお、そうか。恩に着るぜ」


NOVA「ただし、今、抱えている仕事を終えてからだ。気長に待ってくれ」

 ……ということで、「モンタロンの行方探し」というクエスト発生。ひとまず、先ほどの予定どおり、宿屋でHPと呪文の回復をしてから、行動に移ることにします。しかし……。

プロイヤー元男爵「おお、
ジャヘイラ。ここで会ったが運の尽きよ。お前に復讐するために、研究してきた、この呪いで衰弱死するがいい!」

 酒場で突然、
ジャヘイラが呪われてしまいます。逃走した元男爵は、どうやら、昔、ジャヘイラがハーパーズ絡みの仕事で、恨みを買った相手らしいです。「ジャヘイラの呪い除去」のクエストが発生。次から次へと発生するクエストに、戸惑いつつも、なかなか楽しい展開と思います。とりあえず、呪いは早めに除去したいところ。
 ジャヘイラ
によれば、「プロイヤー元男爵は没落した貴族だから今では貧しい暮らしをしているはず。スラム地区にいる可能性が高い」そうです。また、「スラム地区の酒場コパーコロネットの主人なら、元男爵絡みの事件に関与したハーパー仲間の居場所を知っている」とのこと。とりあえず、スラム地区へGOです。

ナリア「あのう、冒険にはいろいろな準備が必要なのは分かっているけど、そろそろ侯爵領に向かってくれないかしら?」

 うわあ、何だか急かしてきます。せめて、呪いが解除できるまで待って、となだめつつ、急いで情報収集。
 酒場の主人によれば、
ジャヘイラのハーパー仲間は「スラム地区の東で謎の衰弱死」を遂げた、とのこと。事件の鍵は現場にあり、ということで、スラム地区東部を散策していると、ある空き家に元男爵を発見。戦いの末、ジャヘイラへの呪いに用いた頭髪を奪還。こうして、呪いは無事に除去されます。
 クエスト達成の経験値により、
エアリーがレベルUP。

●エアリー(HP32):アヴァリエルエルフのレベル7クレリック/レベル8メイジ・女性。

 ともあれ、酒場の主人は「ハーパーズなら、イモエン探しに協力してくれるかもしれない」とも教えてくれたので、いずれ正式にあいさつに行こうと思いつつ、
 今はナリア
がしきりにせっついてくるので、当初の予定どおり、侯爵領への旅を再開することに。(つづく)

 

●2004年10月21日(木)・デアルニス・キープ(第2章その4)

 ハーパーズ絡みの突発事件で、延期になっていた「デアルニス・キープ(城塞)」のクエスト。表題は、ゲームでの表記に従いましたが、記事内では、分かりやすく「デアルニス城」に統一します。

 もう間もなく、侯爵領が見えてくる頃に、依頼主の侯爵令嬢ナリア
が改めて、任務の詳細について打ち明けてきます。

ナリア「私の城は、30体近くのトロールの軍勢に占拠されたの」

 ハッ? トロールですか? 
 D&Dでのトロールは、怪力を誇るヒューマノイド・モンスターで、強靭な再生能力を誇ります。「炎」か「酸」の攻撃でないと死なないので、倒して行動不能に追い込んだあと、肉体を焼かないといけません。
 つまり……炎の剣があれば、簡単じゃないか?!

 ナリアに案内されて、占拠された城の脇で、ささやかな砦(木の柵囲い)を作って、抵抗運動しているアラート指揮官のところに顔出しに行きます。

アラート指揮官「おお、ナリアさま。ご無事でしたか。ほう、彼らが我々に協力してくれる勇者ですな。諸君の任務は、隠し通路から城に侵入して、内部から正門のはね橋を開くことだ。そうすれば、我々が正面から突撃して、敵の注意を引きつける。その間に、諸君は奥に囚われている領主さまを救出し、憎きトロールのボスを倒してくれればいい。健闘を祈る」

 ……典型的なテーブルトークRPGのシナリオだ。ちょっと感動!
 っと、一瞬、RPGゲーマー心理にひたりつつ、冷静に考えて、慌てます。

NOVA「ちょっと待て。あんたは簡単に言うけどな。30体のトロール相手に、そういう戦法で勝機はあるのか?」

 
データによると、トロールは6レベルモンスター。
各個撃破なら何とかなるかもしれませんが、大多数相手だと、「ファイヤーボール」が欲しい……。エアリーナリアも、肝心かなめの攻撃呪文を持っていなかったりします。

アラート指揮官「おお、確かにトロールは手強い。火や酸でないと、とどめが刺せんからな。そこで、これを諸君に託そうではないか。これでトロールも怖くない」

 手渡されたのは、火矢20本。前作の終盤で猛威を振るった「ファイヤーボールの矢」ではなく、ただの燃えている矢です。コボルド辺りがいっぱい撃ってきて、序盤では苦労したかな、と思い返しつつ……いや、たった20本ばかりの矢を渡されてもね。せめて、金貨を3000枚ばかり前借りできませんかね? そうすれば、炎の剣が買えるから、トロールなんてバッタバッタと切り倒せるのに……。

アラート指揮官「当然、諸君らの報酬は城の中にある。城を取り戻さないと、報酬を払える状況にないことは、分かってもらえよう」

 ……とりあえず、ここまでのデータを保存しておいて、アスカトラ市を出る前のセーブデータをロードします(時間制限のあるシナリオだったらイヤなので)。
 炎の剣
は無理でも、せめて「ファイヤーボールの巻き物」を売っている店がないか、と探します。すると発見。炎の剣を見つけた店の奥に、魔法屋さんがいたではありませんか。何でも、「アスカトラ市では魔法を禁止しているので、表立っては商売できない」とのこと。
 最初の大ざっぱな散策で見当たらなかったはずだ。

 魔法の準備もばっちり整ったので、改めてアラート指揮官との対面を終えて、今度は自信満々に作戦に臨みます。

 ファイヤーボール、ドカーン、ドカーン! 
 エアリー
ナリアの二人の魔法使いによる連発魔法で、大広間に巣食っていたトロールの群れを一掃。
 ただし、派手なのはそこだけ。
 ほとんどの探索は、「小部屋にいたトロールと遭遇」→「戦士が切り刻む」→「火矢を装備したヨシモがとどめ」→「ヨシモが部屋の宝箱を調べて、罠外しと鍵開け」→「次の部屋へ」と地味な作業のくりかえし。いや、これがテーブルトークRPGのD&Dッポさなんですけどね(苦笑)。

 デアルニス城は、1階と2階、それから地下階と城壁から成る、本格的なダンジョンで、それなりに時間もかかります。台風23号の影響で、仕事が休みになったので(生徒への休講連絡のために出勤はしたけど)、一日がかりで探索を続けます。
 城内を探索しながら分かったのは、城を占拠したのはトロール(戦士系)と、蛇人間のユアンティ(術師系)、それから穴掘り人夫役のアンバーハルクというモンスター(外見的にはオケラ人間)。
 トロールの多くは、レベル6の標準体ではなく、レベル2のアイストロールという小型バージョン。ただ、時おり、ジャイアントトロールという大物もいて、油断はできません。
 しかし、それよりも手強いのは、魔法を使うユアンティ。こいつのいる部屋だけは、きちんと作戦を立てないと勝てません。まあ、いかに早く肉弾戦に持ち込んで魔法を封じるか、ということですが。

 城内で一番手強かったのは、宝を守るゴーレムの間。ここはトロールとは無関係なんですが、トロールを倒すための強力な武器が隠されているので、調べることに。
 魔法の武器しか通用しない強敵ゴーレム相手に、攻撃&退却しての回復を繰り返しながら、ようやく撃退。+3クラスの武器が手に入って、ホクホク顔になります。

 主人公が獲得したのは、「フレイル・オブ・エイジス+3」というデアルニス家の家宝の武器。
 フレイルは、握り棒と、打撃部分のパーツ(棍棒だったり鉄球だったり)を鎖でつないだ武器なんですが(ヌンチャクが近いイメージ)、この家宝の武器は、棍棒状の打撃パーツが3つあって、それぞれ「炎」「氷」「酸」の魔力を秘めています。はっきり言って、所望していた炎の剣よりもずっと強力な武器です。
 そして楽しいのが、装備したキャラのグラフィック。設定にある「3つの棍棒パーツをもつフレイル」ではなく、「鉄球型」です。まるで「黄金に輝くガンダムハンマー」のイメージ。本連載の初めに、「巨大な金色のウォーハンマー」というネタを出したんですが、ハンマーつながりということで、これを主人公の愛用武器として使っていくことに決定。もう、炎の剣のことは忘れます(笑)。
 で、愛用の武器とするからには、分かりやすい呼称が必要ということで、以降、トリニティハンマーと呼ぶことにします。

 他に、「氷の斧+3」とか「エルフの弓+3」とか手に入ったんですが、使えるキャラがミンスクしかいないのが悲しいところ。せめて、「エルフの弓」がロングボウではなく、ショートボウだったら盗賊も使えるのにね。

 ともあれ、強力な武器を入手した勢いで、一気にデアルニス城の地下深くに巣食うトロールのボスを撃退。これにて任務終了となりました。(つづく)

 

●2004年10月22日(金)・デアルニス後日談(第2章その5)

 前回は探索の様子と、獲得アイテムの話がメインになりましたが、書き損ねていたストーリー部分を補足。

1.正門のはね橋を下ろす。

 
これは、別に行わなくても、ダンジョン探索だけでストーリーは進むんですが、大量の経験値を得られますので、城壁に上ってやっておきます。
 すると、突然出現した城の兵士たちが、突然出現した
トロールとのチャンバラを始め……あっけなく、倒されていく(苦笑)。見殺しにもできないので、加勢してみる。
 何だか、余計な手間が増えた感じでしたが、
トロールを倒した経験値ももらえますので、OKと。

2.ナリアの伯母さんを助ける。

 これがイヤな女なんですよ。
 身分差別丸出しの発言をして、
「兵士が主人の命を守って、犠牲になるのは当然だ」と言い放ちます。主人公たちが助けたことへの感謝の気持ちもゼロで、
ナリア「こんな得体の知れない輩を、城内に入れるなんて」と愚痴をこぼすほど。
 ナリア
の母親は、ナリア同様、庶民に施しをする習慣があったものの、その際に疫病をうつされて亡くなった、という過去があり、その事件で、なおさら庶民への嫌悪感が募っていった様子。
 ナリアは、そんな伯母さんの態度に反抗して、城を抜け出し、盗賊技能や、魔法使いの技を磨いて行ったという設定。魔法はアムンで禁止された技なので、盗賊と合わせて、反社会的な職業と言えます。つまり、「堅苦しい館で育ったけれども、現在、反抗期まっしぐらの不良少女(でも、本質は世間知らずのお嬢様)」というキャラになります。性格も、「善良だけど、反社会的なカオティックグッド」。

.ナリアの父親は犠牲に。

 伯母と違って、父親は「若い頃に冒険者として暮らした」という設定があり、そのときに使っていた武器が、主人公のGETしたトリニティハンマー(正式名フレイル・オブ・エイジス+3とか。
 ボストロールとの戦い終了後、父親デアルニス卿の遺体が発見され、クエストはアンハッピーな結末に(この結末は避けられない)。

 デアルニス城探索の最中で、ジャヘイラヨシモを除く4人がレベルアップします。

●主人公NOVA(HP111):人間のレベル9キャバリエ・男性。

●ミンスク(HP96):人間のレベル9レンジャー・男性。

●ジャヘイラ(HP76):ハーフエルフのレベル8ファイター/レベル10ドルイド・女性。

●ヨシモ(HP78):東洋人のレベル11バウンティハンター・男性。

●ナリア(HP64):人間のレベル10メイジ(元レベル4シーフ)・女性。

●エアリー(HP38):アヴァリエルエルフのレベル8クレリック/レベル9メイジ・女性。

 任務終了後、ナリアの今後の身の振り方が問題になります。
 デアルニス卿が亡くなったので、後継者問題が勃発することになるのですが、
「城の後継資格は男性のみ」ということなので、
ナリアは結婚しなければいけない、と。一応、婚約相手の貴族はいるようですが、ナリアは毛嫌いしているとか。

 ここで、「主人公がファイターなら、城の後継役をナリアに頼まれる」とのイベントがあるらしく、要するに「逆玉によって領主になれる」という展開になっていくらしいですが、パラディン(キャバリエ)では無理だったようです。このゲーム、主人公の職業ごとに、独自のイベント(ドルイドなら森の長になれるとか)が用意されているそうで、なかなか奥が深いなあ、と。

 ともあれ、パラディンは領主になれないので、
ナリアは城をあきらめ、「婚約相手から逃げるために、冒険に同行させてほしい」と頼んできます。断ると、「あなたたちは冒険を楽しむのね。自分はここで、つまらない人生を送るわ」と、実に胸に突き刺さるセリフを(^^;)。
 結局、「うら若い女性に望まぬ結婚を強いることは騎士道に反する」と判断し、連れて行くことにしました。ただし、イモエンを救出するまで、という約束で。

 しかし、そうなると困ってしまったのが、パーティーのバランス。魔法使いが2人というのは、強力なんですが、もう一人、前衛の戦士が欲しい、と思っていたんですね。いろいろ悩んだ挙句、決まったのが……

NOVAヨシモ、戦士に転職しないか?」

ヨシモ「は? 突然、何を言うネ」

NOVA
「君が優秀な盗賊だということは分かっている。が、このまま盗賊としてレベルアップしても、それほど強くなるわけではない。それに、盗賊技能はナリアも持っている。今のパーティーに必要なのは、いざという時には前衛にもなれる優秀な弓兵(ボウファイター)なんだ」

ヨシモ「
ナリアの盗賊技能は高々4レベル。素人に毛が生えた程度の代物ネ。冒険にはヨシモの優れた盗賊の技が必要ヨ」

NOVA
「それも、いろいろ計算してのことだ。今、君が戦士になれば、レベル12になるまでは、盗賊技能は封印される。だが、レベル12になってみろ。盗賊の技が使える戦士として、君はますます強くなる。賞金稼ぎとしての腕にも磨きがかかるんじゃないか?」

ヨシモ「戦士として、レベル12になるためには100万点の経験値を稼がないといけないヨ。結構、大変ネ」

NOVA
「大丈夫。このゲームでは、経験値の上限は295万点もある。つまり、物語の半ばぐらいには、十分、力を取り戻せる」

ヨシモ「
ナリアにヨシモの代役が務まるかネ」

NOVA
「彼女の罠発見は80%、鍵開けは60%。イザと言うときには、ファインドトラップやノックの魔法でフォローもできる」

ヨシモ「……でも、やっぱり気が進まないネ。ヨシモは今のままがいいと思うヨ」

NOVA
「今のままだと、イザと言うときに君を前線に出さないといけなくなる。君の薄い革鎧だと、あまりにも心もとない。いや、待てよ。確かオークレザー+3があったよな。あれを着れば、何とかなるか……」

ヨシモ「ゲッ……
それは勘弁してほしいヨ」

 
解説しよう。
 「オークレザー+3」とは、「オークの皮で造られた魔法の革鎧」である。防御効果は高いのだが、
「臭いので、カリスマが1減少する」という欠点もある。ヨシモが嫌がるのも無理はない。

ヨシモ「オークレザーで脅すなんて、卑怯ネ。パラディンの風上にも置けないヨ」

NOVA
「何を言ってるんだ? さっきから君と話しているのは、パラディンのNOVAではなく、ゲームプレイヤーのNOVAさ。パラディンは卑怯なことをしないが、プレイヤーは時に効率を優先する。基本的にはロールプレイ重視だけど、パラディンよりは融通も利かせるさ」

ヨシモ「つまり、
プレイヤーのNOVAは卑怯ということネ。よく覚えておくヨ」

NOVA
「まあ、そう言うなよ。君が戦士になれば、前回、手に入れたエルフの弓+3も使える。それに、君の持ってるカタナだって、有効利用できるさ。しがない賞金稼ぎで一生暮らすよりも、ジャパニーズ・サムライとしての輝かしい未来が待っているんだ」

ヨシモ「……」

NOVA(ダメ押しのカリスマ17・さわやかな笑顔)

ヨシモ「……ふう、仕方ないネ。説得されてあげるヨ、今はネ……でも、後悔しても知らないヨ」

 ということで、戦士としてレベル1から修行をし直すことになったヨシモでした(つづく)

 

●2004年10月25日(月)・ハーパーズの企て(第2章その6)

 デアルニス城をトロールの手から解放した報酬として、ナリアお嬢様が金貨1万枚を支払ってくれました。これに加え、城内で獲得したアイテムを売り払ったりして、目標としていた金貨2万枚(ゲイラン・ベールの組織へのあいさつ金)まであと少しとなります。
 
ヨシモの転職という重大な選択を終えて、アスカトラ市に戻った一行。そこに、一人の女性が話し掛けてきます。

女「私どもの女主人があなたがたの強さを見込んで、力を借りたいとおっしゃっています。夜中にグレイブヤード(墓場)地区までおいで下さい」

 
その直後、ゲイラン・ベールからの使いの少年が話し掛けてきます。

少年「怪しい組織が、あんたたちに連絡をとったみたいだけど、連中には気を付けた方がいいよ。早く金を持って、ゲイラン・ベールのところに行ってくれ。そうしないと、おいらはひどい目に合わされる。確かに伝えたからね」

 街での噂によると、シャドウシーフと別の組織が抗争中だとか。
 どうも、きな臭い香りがするので、先に正義の秘密結社と呼ばれる
「ハーパーズ」の拠点に向かいます。
 すると、門番が
「ハーパーズの信用を得るには、一つ仕事をしてもらわなければならない」と言います。
 
正義の仕事なら大歓迎だと応じると、「ある家で、二人の邪悪な魔術師がモンスターを召喚しているそうだ。そいつらを始末してくれ」という依頼。

 う〜ん、我々は暗殺者じゃないのだから、
「仕事の過程で戦闘になって、結果的に殺してしまう」ならともかく、「初めから殺すのが目的」という汚れ仕事は好みではないのだが……まあ、モンスターの召喚が事実なら、街にとっても危険なので引き受ける、と。

 現場に行ってみると、確かにモンスターの召喚をしていました。お手伝い程度のインプとかゴブリンとか……ちょっとした魔法実験みたいなもので、放置しても実害はないかも、と思いながらも、家の扉を開けた我々を敵と見なしたらしく、二人の魔術師が攻撃してきます。やむなく、ズンバラリン。

 仕事を終えて、
ハーパーズの拠点に戻ると、建物に入れてくれます。ただし、自由に入れるのは1階だけで、2階には番人がいるから行くな、と警告付き。
 建物にいる
ハーパーズのメンバーにイモエン救出の協力を依頼すると、「ハーパーズは個人の事情には力を貸せない。情報だけは提供する」とのこと。

 で、カウルド・ウィザードのこととか、街で魔法を使うための許可証の入手方法など、聞くことができました。
 そう言えば、ウィザード連中は行政府の管轄なのだから、
どうして最初にガバメント(行政府)地区に行かなかったんだろう? と、自分のプレイを反省します。何だか、表で解決できそうな問題を、搦(から)め手使って解決することにあくせくしていたような……まあ、じっさいに表で解決できるかどうかは別問題ですが。

 ついでに、
ツァーの依頼があったので、「そう言えば、この建物をこそこそ調べている盗賊がいたらしいんだが、何らかの対処はしたのか?」と訊ねます。
 すると、
「盗賊はいた。殺しはしない。寛容さを以って、自由な翼を与えた。が、勝手に飛び回られるわけにもいかないので、今はしかるべき場所に入れて、大事に扱っている」との返事。
 はっきりとは言ってないけど、要するに、
魔法で鳥の姿に変えて、鳥かごに入れた、というらしいです。

エアリー「翼あるものを閉じ込めておくなんて……」

NOVA「だが、侵入者に対しては、寛大な措置だと思うが。殺されても仕方ないだろうに」

ヨシモ「どこが? 自分の望まぬものに変えられて、人生をねじ曲げられることが、どんな気持ちか分かるかネ。盗賊は盗賊のままでいたいのであって、鳥であろうと、他の何であろうと、変えられたくない、と望むものヨ」

NOVA「……」

ヨシモ「それに、あんたも
イレニカスに捕まって、魔法で実験をされていたろう。その時の気持ちを思い出してみなヨ」


NOVA「……確かにその通りだ。不法な拘束からは解放して、罪には罪に値するだけの罰を与えないと、な。ハーパーズのやり方は、必ずしも法にかなっていない」

ジャヘイラ「……ハーパーズに逆らおうっていうの?」

NOVA「……たった一羽の鳥で、どうこう言うような、不寛容な組織じゃないだろう? とりあえず、鳥にされた
モンタロンを元の姿に戻して、悪事を反省させるなり、官警に突き出すなりする。これが最良の手段だ」

ジャヘイラ「私は官警をあまり信用していないけどね。私に呪いをかけたプロイヤー元男爵。私は、あいつを法の裁きに委ねたけど、奴は金とコネを使って、何とか逃げ延びた。あいつみたいな性根の腐った奴は、自分の手できちんとケリをつけないと、また同じ悪事を繰り返すだけよ」


NOVA「
モンタロン
ツァーの性根が心底腐っていると分かったら、ぼくたちの手で引導を渡す。それでいいな」

 ともあれ、2階に行かないといけません。
 建物内では、
「ハーパーズの一員であることを示すアミュレット」を付けることで、番兵の目をごまかせることが分かり、1階をあちこち探してみます。が……

ヨシモ「ナリア、試しに、そこの鍵の掛かった箱を開けてみるといいネ。盗賊技能の練習になるヨ」

ナリア「そうね、面白そうだわ」

 
って、おいおい、君たちは何をしているんだ? ここで盗みはまずいだろうに。

ヨシモ「ただの練習ヨ。中の物はつまらない小銭だったから、盗むつもりはないネ」

 
いや、閉まっている鍵を無断で開けるだけで、立派に犯罪なんだが。

ヨシモ「大丈夫。5つある箱のうち、2つしか開けられなかったから、罪はたったの4割しかないヨ」

 
だから、確率の問題じゃなかろう……って、たった2つしか開けられなかったのか? 

ヨシモ「どうも、ナリアの盗賊技能をあてにしすぎるのは危険な気がするヨ」

ナリア「何よ、こんな鍵。ノックの呪文で簡単に……」


ジャヘイラ「……もう、バカなマネはやめて。アミュレットは見つかったわ。奥の部屋に無造作に置かれていた。でも、何だか気になるわね。ハーパーズは普通、こんな目立つ飾りで、自分の存在を示すようなことはしない」

NOVA「ここの建物に限ってのことだろう。どこにでも独自の流儀はある」

ジャヘイラ「アムンに来るのは久しぶりだけど、いろいろ変わっていて、気に入らないわ」

 さて、アミュレットを付けて、2階の番兵(スペクトラル・ハーパーという元ハーパーズの霊)の許可をもらって、鳥小屋に行きます。そして、「人なつっこく近づいてきて、しきりに何かを訴えようとしている鳥」をGETして、建物を出ます。微妙に後ろめたいような気もしながら……。

ツァー「遅いぞ。このノロマたちめ。全く……私の弟子の二人が殺されるなど、厄介続きだというのに……」

 へ〜、いつの間にか、ツァーの奴、弟子を持つ身分になってたんだ……って、その弟子って、もしかして? 

ツァー「まだ半人前の召喚魔術師だった。インプやゴブリンで練習をさせていたんだが」

NOVA「……すまん」

ツァー「……なぜ、あやまる? ああ、遅くなったからか。それより、首尾はどうだった?」

NOVA「かくかくしかじか」

ツァー「おお、
モンタロン、哀れな姿に。今、このツァー様が元の姿に戻してやるからな」(呪文を唱える)「? 貴様、モンタロンじゃない? ギャー」(ツァー、死亡)

 ???????
 
モンタロンと思われた鳥は、実はハーパーズの刺客が化けたもので、「何が起こったか分からない」我々に友好的に話し掛けてきます。

ハーパー暗殺者「NOVAか、任務ご苦労。これで、ゼントリムのスパイを一掃できた」

 
ゼントリムとは、「フォーゴトンレルム」でいろいろと陰謀を企んでいる悪の国家らしく、しばしば邪悪な盗賊や暗殺者、魔術師の出身地として設定されています。
 
ツァーモンタロンが、ゼントリム出身だということは、ジャヘイラが教えてくれていたんですが、プレイヤーのNOVAも、キャラクターのNOVAも、フォーゴトンレルムの世界観を完全に把握しているわけでなかったので、ゼントリムという固有名詞にそれほど警戒していなかった、と。
 仮に、それが「マーモ」出身とか(inロードス)、「ファンドリア」出身とか(inソード・ワールド)、慣れた世界観なら、まず協力はしなかったんですが……。


NOVA「……ぼくたちは、
ハーパーズに協力したつもりはない。むしろ、昔の友人の頼みとして、今回の件は行動したつもりだ。むろん、それが邪悪な企みと分かったら、正すつもりはあったが」

ハーパー暗殺者「友人は慎重に選ぶことだ。おまえは、他人を信用しすぎるキライがある。そんなことでは、この先、生きてはいけないぞ。……もっとも、そのお人よしな性格があったからこそ、我々の計画もうまく運んだのだが」

NOVA「こちらは、あんたたちにうまく担がれたわけだ。これから先、あんたたちを信用していいのかどうかも分からなくなった」

ハーパー暗殺者「……互いに信用できないなら、それを承知でうまく利用しあうか、関わり合いを避けるか、しかないな。おまえがどの道を選ぶにせよ、今回の件はこれで終わりだ。おまえももっと、両目を見開いて、正しい選択をすることだな。今回のおまえたちの行動は
『無知ゆえの過ち』と上に報告しておく。だが、今後、ハーパーズに敵対する勢力への荷担は、命取りになると忠告しておく」

NOVA「忠告……というより警告として聞いておくべきだろうな。こちらは当面、
ハーパーズに干渉するつもりはない、とだけ伝えてくれ。しばらくは、ぼくたちの流儀で行動させてもらう」

ハーパー暗殺者「次に会ったときは、敵でないことを願ってやるよ」


 ということで、
ハーパーズは「正義の秘密結社」との設定から無条件に信用していたわけですが、「正義」というより「秘密」という言葉に重点があったようです。今回のプレイで感じたのは、正義の名のもとに、「陰謀」も「汚れ仕事」も行うダーティーな組織……という印象。
 そして、
ハーパーズの信奉する「正義」も、「ローフルグッド(法にかなった善良)」ではなく、善と悪、秩序と混沌のバランスを重視する「トゥルーニュートラル」の倫理に従う、と判明。「世界の騒乱を引き起こさない」ことが第一義と。

 何を信用していいか分からない
「アムンの陰謀あふれる社会」を実感したところで、主人公たちがどういう選択をすべきか悩みながら、第3章につづく(第2章・これにて完)

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