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2:戦隊ロボット発展史
(その3・ジュウレンジャーからカクレンジャーまで)

14.恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992年)

  ロボット・メカ名 特徴 必殺技 合体コード
だいじゅうじん
 大獣神
動物5体合体ロボ
設定では、メカではなく
意志を持った神的存在
恐竜剣ゴッドホーン
による
超伝説!雷光斬り
合体! 
ダイノ
ミッション
1’  

ダイノタンカー

守護獣5体が
結合した獣戦車形態。
これが起き上がって、
大獣神が発動する。
獣戦車キャノン
(とどめ技ではない)
  分離メカ名
(守護獣)
特徴 搭乗者  
「現れよ、守護獣たちよ」の声で
召喚される巨大な獣たち。
 自らの意志を持ち、ティラノザウルスは
言葉を発することもある。
  @ ティラノザウルス 大獣神の頭胴部になる。
ダイノタンカーの中核。
単体でも戦え、
必殺技となる衝撃波
「ティラノソニック」を
備えている。
ティラノレンジャー  
  A ジュウマンモス 大獣神の腕、背中、および
シールドになる。
ダイノタンカーの
砲門や前部装甲にもなる。
さらに、剛龍神の腕、
背中にもなるなど、
実は合体の要である。
武器は冷凍ガス
「モスブリザード」。
マンモスレンジャー
  B トリケラトプス 大獣神や剛龍神の左脚になる
キャタピラ走行の守護獣。
ダイノタンカー時は
左キャタピラ部。
武器はトリケラカノン。
トリケラレンジャー
  C サーベルタイガー 大獣神や剛龍神の右脚になる
四足走行の守護獣。
ダイノタンカー時は
右キャタピラ部。
武器はサーベルガン。
タイガーレンジャー
  D プテラノドン 守護獣唯一の飛行メカ。
大獣神の胸装甲になる。
ダイノタンカーでは、
ティラノザウルスの背中に乗る。
武器はプテラビーム。
プテラレンジャー
  追加メカ 特徴 搭乗者  
  E ドラゴンシーザー 6人目の仲間とともに
加入した強力守護獣。
獣奏剣の笛の音で召喚・操られ、
単体でも抜群の戦闘力を誇る。
武器は指先からのミサイル
「ドラゴンハーレー」と、
ドリル状の尻尾による
「スピニングシーザー」。
剛龍神の頭胴部になり、
獣帝大獣神の頭肩装甲になる。
ドラゴンレンジャー  
  F キングブラキオン 獣騎神の名を持つ大型守護獣。
獣帝大獣神を乗せて、
究極大獣神の土台となる。
なし  
  ロボット・メカ名 特徴 必殺技 変形合体コード
ごうりゅうじん
 剛龍神
ドラゴンシーザーを中心に、
ABCが合体する4体合体。
戦隊初のパーツ組み替え合体。
剛龍槍ドラゴン
アントラーによる
超爆裂!龍神突き
合体! 
ドラゴン
ミッション


E
獣帝大獣神 大獣神とドラゴンシーザーが
合体する6体合体。
上部にバランスが偏るが、
まだ人型形態のロボである。
エンパイアアタック
 (Z型のビーム)
獣帝合体!
1+
EF
究極大獣神 獣帝大獣神がキングブラキオンに
搭乗した究極の7体合体。
劇中では、「バラバラになった
神の本当の姿」と呼ばれていた。
グランバニッシャー
 (全砲一斉発射)
究極合体!

 

 このジュウレンジャーが、ロボのみならず戦隊史上において、重要な役割を果たしていることに、異論をはさむ余地はないでしょう。
 まず、最大の功績は、「パワーレンジャー」として海外に戦隊の名を知らしめたこと。これは、玩具市場をも活性化させ、今では戦隊の打ち切りはまず考えられなくなっています。2001年のパワーアニマルの人気ぶりを見ても、戦隊ファンとしてはホッとする限りですね(笑)。
 さて、作品内容は、獣型メカを中心にしたファンタジー。これは
「ライブマン」と「ターボレンジャー」を折衷させた、と見ることもできます。そして、登場メカは、「マシン(機械)」ではなく、「意志を持った獣の神」として描かれました。念のため、意志を持ったロボとしては、「バイオロボ」「ターボロボ」&「ターボラガー」などが挙げられますが、それらが人格を持ち、言葉を発することはありませんでした。あくまでAIによる行動、あるいは精霊の意思による合体の奇跡でしかなく、「大獣神」の存在感は、いろいろと思い悩む戦隊メンバーを導くなど、これまでにないインパクトでした。
 それに連れて、
分離メカ単体でも巨大怪人を倒すことができるようになったのも、この作品からです。ティラノザウルス単体でも戦えることを示して、次に合体を描いて、印象を強くしたわけです。
 そして、極めつけは、6人目の仲間の登場。6人目の仲間の原型は、「マスクマン」のゲストキャラ「X1マスク」に見られ、続く「ライブマン」では、途中参加メンバー2人が「ライブボクサー」を持ってくるという、ドラマに絡めたロボ強化劇が描かれたのですが、それらを発展・継承させたのが、「ドラゴンレンジャー」登場編といえるでしょう。
主人公ティラノレンジャーの兄で、しかも初登場は過去の遺恨によって敵対関係である。そして強力な新守護獣で暴れまわるが、やがて和解。それでも、寿命制限によって、必要最低限の援護しかできず、予定された死こそが終盤に向けてのドラマの中核になる。もう、6人目の基本要素は、ドラゴンレンジャーにあるといっても過言ではないでしょう。

 さて、ロボの設定的にも、分離ロボの個性という観点からも、そしてドラマ的にも、新しい要素を導入したジュウレンジャーですが、ロボの合体史としても、新しい要素が見られます。それが、ドラゴンシーザー登場による「パーツ組み替え合体」
 2001年放送のガオレンジャーでは、腕の交換を中心に、多彩な変化が可能なまでに進化していますが、ジュウレンジャーは、その元祖として、中核を
「ティラノザウルス」「ドラゴンシーザー」のどちらにするかで、「大獣神」「剛龍神」のどちらかに合体可能です。
 これは、
「大獣神」「剛龍神」を2体並べることは不可能ということになりますが、劇中で、「大獣神ドラゴンシーザー」あるいは「ティラノザウルス剛龍神」のタッグが強力であることを描いて、あまり不満を感じなくさせています。個人的には、もう少し、プテラノドンの活躍も描いて欲しかったですが。
 そして、イザという時には、獣帝合体や究極合体などのフォーメーションで、最高7体合体まで、きちんと描いています。
 ジュウレンジャーの合体システムは、この時期の進化の頂点であるとともに、これ以降の進化の原点と言えるでしょう。

 大枠から見て参りましたが、各ロボを個別に振り返って見ましょう。

 まず、メインというべき大獣神ですが、頭胴部(+胸装甲)+腕背部+右脚+左脚という合体パターンは、実は戦隊初めて。特に、左右の脚がここまで目立った色違いってパターンは、大獣神が初めてです。今まで、左右の脚が違うパターンといえば、フラッシュキングジェットイカロスがありましたが、合体後の色は左右で大差ないように考えられていました。左右の足(スネより上は含まない)が違うパターンでは、ターボロボがありましたが。
 上半身の合体パターンはゴーグルロボ的。胸装甲につくプテラノドンは、何だか余剰パーツ的ですね。
 あとは、ジュウマンモスの顔がシールドになるのが特徴といえるでしょう。象の顔がシールドってパターンは、現在の
ガオエレファントに受け継がれています。

 2号ロボというべき剛龍神は、基本的に大獣神と同じ合体パターン。プテラノドンが胸に付かないだけです。ドラゴンシーザーの尻尾が変形したドリル状の槍を装備し、新たなとどめ武器として使用。ゴーグルフェイスが格好いいメカで、個人的には大獣神よりお気に入り。カラーリング的にも、を基調として渋いですし。

 大獣神が、ドラゴンシーザーの変形した兜と巨大な肩アーマーを装着したのが、獣帝大獣神。これが従来のスーパー○○ロボ(ライブ、ターボ、ファイブ)や、グレートイカロスに相当する機体ですね。あまり、出番はありませんでしたが、ドラゴンレンジャーも含めた6人で操縦するコクピット描写は、結構、格好良かったです。
 そして、
究極大獣神。人型であることを捨てましたね。人型ロボが砲台付きの戦車に騎乗した姿は、まさに移動要塞といった感じで、獣帝で崩れた上下バランスを取り戻すことにも成功しています。アメリカでは、この形態の人気が高かったようで、カクレンジャーのロボットであるスーパー無敵将軍やスーパー隠大将軍まで、キングブラキオン(タイタヌス)に騎乗したりするほどです。

 

15.五星戦隊ダイレンジャー(1993年)

 

  ロボット・メカ名 特徴 必殺技 合体コード
大連王 気伝武人・龍星王が、
各パーツを鎧のように着込んだ
装着5体合体。
大王剣
・疾風怒濤
五星合体! 
大連王!!
1’  

天空気殿

気伝獣4体が合体。
気伝武人・龍星王を乗せて
高速で飛行する。
天空大風車
 (龍星王が使用)
四星合体!
天空気殿!!
  分離メカ名
(気伝獣)
特徴 搭乗者  
「気伝将来」の声で召喚される
巨大な獣たち。
 自らの意志を持つが、ダイムゲンを除けば
言葉は発しない。
 操るのには、強い気力が必要で、
ダイレンジャーの気力技を増幅した技を
使用する。
  @ りゅうせいおう
 龍星王
口から「大火炎」を吐く龍型の
気伝獣。
「武人変化」して
人型の気伝武人に変形。
「飛龍棍大風車」で戦う。
大連王の中核になるだけでなく、
天空気殿・重甲気殿に乗ったり、
時には気伝獣ウォンタイガーに
騎乗したり、大活躍を見せる。
リュウレンジャー  
  A 星獅子 「大蜃気楼」で幻を見せる
気伝獣。
大連王の上半身装甲、
天空気殿の中心部、
牙大王の肩・背面装甲になる。
シシレンジャー
  B 星天馬 「大重力」で巨大な岩を操る
気伝獣。
大連王や牙大王の右脚、
天空気殿の右側部になる。
テンマレンジャー
  C 星麒麟 「大時間」で時間を操作したり、
口からビームを発射する気伝獣。
大連王や牙大王の左脚、
天空気殿の左側部になる。
キリンレンジャー
  D 星鳳凰 「大旋風」で竜巻を起こす
鳥形気伝獣。
天空気殿の尾翼、
大連王の腰部装甲、
牙大王の右手装着の武器になる。
ホウオウレンジャー
  追加メカ 特徴 搭乗者  
  E ウォンタイガー
(王大牙)
6人目の仲間と同時期に
誕生した虎型の気伝獣。
龍星王を乗せて地上を高速で
走行する他、「大咆哮」という
超音波攻撃を持つ。
「武人変化」して
人型の気伝武人にも変形。
黄金剣を装備し、
「虎の子大秘術・火炎玉」で
敵を倒す。
秘術は他にも一週間の曜日に
ちなんだ6種があるようだが、
明らかになっていない。
牙大王の頭部・上半身になる。
キバレンジャー  
  F ダイムゲン 亀型の超気伝獣。
直立して超気伝武人になることも
可能。
内部に気力を貯えており、
傷ついた気伝獣を格納することで
急速に癒すことができる。
重甲気殿の土台となる。
亀夫が変身  
  ロボット・メカ名 特徴 必殺技 変形合体コード
牙大王 ウォンタイガーを中心に、
ABCDが合体する5体合体。
パーツ組み替え合体・第2弾。
飛翔剣
・木端微塵
新星合体! 
牙大王!!
1’

EF
重甲気殿 ウォンタイガーを収納した
ダイムゲンの上に、
龍星王を乗せた天空気殿が
合体した究極の形態。
龍星王が飛龍棍を頭上で、
プロペラのように回転させ、
大空に舞い上がり、その後で、
敵を押しつぶす必殺技が圧巻。
重甲気殿
・大圧殺
七星合体!
重甲気殿!!
だいじんりゅう
 大神龍
宇宙から来た謎の超巨大怪獣。
気伝獣っぽいが、出自不明。
とにかく、敵味方関係なしで、
戦いを続ける者を滅ぼそうとする
迷惑な存在。
放送当時は、玩具も出たことだし、
重甲気伝と合体するのでは? と
思われたが、結局は、ただ暴れて
帰っただけだった。
終盤のダイレンジャーの物語を
混乱させた最大の元凶。
なし なし

 

 ジュウレンジャーに続くファンタジー戦隊第2弾。今度は、中国の聖獣がモチーフです。
 この作品は、前作を踏襲していますが、その合体システム上、大きな役割を果たすのが、龍星王です。この龍星王、分離メカでありながら、ここまで目立ったキャラクターはいないと言えます。本来は、大連王がメインとなるべきなのですが、この作品での大連王の登場回数は、他の戦隊作品の1号ロボに比べ、圧倒的に少ないです。まず、初登場話ですが、これまで、どんなに遅くても、5〜6話ぐらいで、戦隊ロボは合体・登場していたものです。しかし、この大連王が合体したのは、8話になってから。龍星王自体は1話から活躍していましたので、「1号ロボは龍星王と考えるべき」という声も聞くわけです。
 次に、ダイレンジャーという作品、等身大キャラの熱いドラマを中心とした2話完結話が多く、その分、ロボ戦が非常に少ないと来ている。
 さらに、ロボのパワーアップといえば、龍星王を強化するものばかり。大連王自体は最後まで強化されることはなかったわけです。というか、大連王そのものが、龍星王の強化装甲ですし。究極の重甲気殿では、その頂点に龍星王がデンッと鎮座ましましていますからねえ(笑)。メインは、大連王ではなく、龍星王と考えるべきというのも納得いくわけです。

 ロボ戦自体が少なかったためか、メカ設定や合体システムは、基本的に前作を踏襲したものになっています。いや、獣帝大獣神に相当するキャラがいない分、前作より退化しているかもしれません。個々のメカのインパクトは強いのですがね。それを充分、表現しきれなかった、と。
 そんなダイレンジャーは、いろいろと混乱したストーリーやロボ事情もあって、NOVAの目からは「まとまりが悪いなあ」という印象もあるわけですが、それを超える熱さとインパクトの強さがあって、単純に失敗作とも言えないんですね。とにかく、あふれる情熱をたっぷり注ぎ込んで、ぐつぐつと煮えたぎらせて、ごちゃ混ぜにした味わい深い料理。素直に美味しいと言えないのですが、ハマッてしまえば、病み付きになるのが、このダイレンジャーです。

 では、混乱しているような作品評はさておき(笑)、各ロボットを見ていきましょう。

 まずは、龍星王。これまでにないくらい、非常にスマートな人型ロボです。元が細長い龍の変形ですから。関節もクネクネとよく動きそう(笑)。孫悟空に似た顔もいいですね。天空気殿は、まさに金斗雲です。武器も棒ですし。これが戦隊初の分離小型ロボということになります。
 そして、龍星王が鎧を着込んだ大連王ですが、デザインモチーフは中国武者です。とにかく、が派手派手しいカラーリングです。正面から見た場合、龍星王の面影は、ゴーグルマスクに覆われた顔のうち、一部露出した口元だけです。左右の脚は前作を継ぐの色違い。前作とは、左右の色配置が逆なのがポイントです。武器は大王剣の他に、星鳳凰の尻尾を穂先にした槍ダイジャベリン。尻尾が槍ってのは、前作の剛龍神と同じです。
 大連王の必殺技「疾風怒濤」は、水墨画を背景にして敵を斬る技。さすが中国です。

 6人目の仲間にともなって登場した牙大王ですが、大連王以上に出番が少なかったです。が美しい機体だったのにね。前作の剛龍神に相当するわけですが、お情けで余剰パーツの星鳳凰を右腕に装着しています。そして、敵に向けて射ち出す、と(笑)。星鳳凰も尻尾を槍にされたり、本体を射出されたり、気の毒なメカですな。何だか、酷使されがちなガオマジロ君を思い出します(^^;)。

 そして、ウォンタイガー大連王をパワーアップさせる役には全く立たず、ダイムゲンの中に収納されます。この「収納合体」ってのも、新しい合体パターンと言えなくもないわけですが(グレートタイタンターボビルダーマックスマグマを受け継いだとも言える)、外見が変化しない分、あまり面白みがないですね。この極めつけは、後の「オーレンジャー」のキングピラミッダーで見られるわけですが。
 ウォンタイガー入りダイムゲン天空気殿、そして龍星王の組み合わせで、登場する重甲気殿。合計1938トンの重みが敵怪人を押しつぶします。この時期の戦隊ロボとしては結構な重さですが、ダイデンジンは5万トンですからねえ。次の「カクレンジャー」以降、戦隊ロボはまた重くなります(無敵将軍で7300トン)。単純に質量だけで見るなら、重甲気殿・大圧殺よりも、隠大将軍(7200トン)の鉄拳ゴッドフィニッシュの方が強力かもしれない……。
 まあ、数値的設定はともかく、人型ロボという原則を捨て去った重甲気殿は、その視覚的インパクトだけで相当に凄いものがあるわけで、まさに熱血暴走したダイレンジャー魂を体現したメカと言えるでしょう。

 

16.忍者戦隊カクレンジャー(1994年)

 

  ロボット・メカ名 特徴 必殺技 合体コード
無敵将軍 小型人型ロボの
5体合体。
「体の神将」の別名を持ち、
自らの意思と言葉を持つ。
「風雲幻城」に変形可能。
火炎将軍剣 忍者合体
  分離メカ名
(五獣将)
特徴 操縦者  
「隠流巨大獣将の術」で召喚され、
カクレンジャーと融合合体する
小型人型ロボ。
頭部がモチーフ動物を表す。
五体協力して、「忍法・真空ハリケーン」
を放つことができる。
  @ レッドサルダー 無敵将軍の頭胴部に変形。
武器は巨大手裏剣サルダー
スライサー。
第2話では、トドメ技として使用。
ニンジャレッド  
  A ホワイトカーク 無敵将軍の左腕に変形 ニンジャホワイト
  B ブルーロウガン 無敵将軍の右腕に変形 ニンジャブルー
  C イエロークマード 無敵将軍の右脚に変形 ニンジャイエロー
  D ブラックガンマー 無敵将軍の左脚に変形 ニンジャブラック
  追加メカ名
(獣将ファイター)
特徴 召喚者  
「隠流獣将ファイターの術」で
召喚された五獣将の分身たち。
獣将と似たような外観を持つが、
より軽装で、素早さを活かした
戦い方をする。
集団戦を得意とし、合体はしない。
  E バトルサルダー レッドサルダーの分身 ニンジャレッド  
  F バトルカーク ホワイトカークの分身 ニンジャホワイト  
  G バトルロウガン ブルーロウガンの分身 ニンジャブルー  
  H バトルクマード イエロークマードの分身 ニンジャイエロー  
  I バトルガンマー ブラックガンマーの分身 ニンジャブラック  
  ロボット・メカ名 特徴 必殺技 変形合体コード
ツバサマル 無敵将軍や隠大将軍に
合体する鳥形メカ。
「心の神将」の別名を持つ。
自らの意思を持ち、
搭乗者を必要としない。
翼の先の
ロケットランチャー
(とどめ技ではない)
(なし)


スーパー無敵将軍 ツバサマルが無敵将軍の
背部に装着。
翼のロケットランチャーを
左右の腕と胴の間に固定。
火力を備えるようになった
強化形態。
無敵キャノン 超忍者合体
かくれだいしょうぐん
 隠大将軍
超忍獣が五体合体する
「技の神将」。
自らの意思を持つが、
コクピットも持っている。
鉄拳ゴッドフィニッシュ 五神合体


スーパー隠大将軍 ツバサマルが隠大将軍の
背部に装着。
翼が飛行ブースターとなって
空中戦が可能になった
強化形態。
鉄拳フライング
フィニッシュ
翼合体
  分離メカ名
(超忍獣)
特徴 操縦者  
超忍獣の巻物を使った
「隠流超忍獣の術」で
召喚された神獣たち。
  J ゴッドサルダー 白兵戦を得意とする
猿型の超忍獣。
隠大将軍の右腕になる。
ニンジャレッド  
  K ゴッドカーク 空中戦を得意とする
鶴型の超忍獣。
隠大将軍の頭部になる。
ニンジャホワイト  
  L ゴッドロウガン 素早い動きが得意な
狼型の超忍獣。
隠大将軍の左腕になる。
ニンジャブルー  
  M ゴッドクマード パワー戦を得意とする
熊型の超忍獣。
隠大将軍の胴体になる。
ニンジャイエロー  
  N ゴッドガンマー 小型カエルを口から放つなど
トリッキーな技を持つ
カエル型の超忍獣。
隠大将軍の下半身になる。
ニンジャブラック  
  ロボット・メカ名 特徴 必殺技 変形コード
ニンジャマン 三神将の弟子で伸縮自在。
ふだんは等身大で、
第6戦士の役割を果たすが、
巨大化して戦うこともできる。
武器は忍者刀。
サムライ激怒ボンバー ニンジャマンが
「青二才」と
言われると、
怒りで
サムライマンに
変形。
4’ サムライマン ニンジャマンが怒りで、
変形した姿。
武器は忍者刀と鞘を
結合した槍。

 一気に登場メカが増えたカクレンジャーです。
 分離させたなら、
五獣将+獣将ファイター5体+超忍獣5体+ツバサマル+ニンジャマン(サムライマン)で、17体。表にまとめるのも大変です(笑)。

 この作品は戦隊ロボ史的に、いろいろと意義はあるわけですが、まずもっとも大きいのは、
1号ロボと完全に同格の後継ロボが登場したことが挙げられます。
 これまでは、あくまで1号ロボがメインで、2号ロボ以降は、そのサポート役、あるいは強化パーツ程度の扱いだったのに対し、本作の
隠大将軍は、合体システム的にも、1号ロボの無敵将軍と同じくらいの存在感を備えており、無敵将軍とは独立したメカと考えることができます。
 後継ロボが1号ロボを強化させないのは、これまで、フラッシュマンのタイタンボーイ(グレートタイタン)と、マスクマンのギャラクシーロボ。初期の2号ロボのみに見られたわけですが、合体システムの面白さという点では1号ロボほどのインパクトを持っていませんでした。
 この
隠大将軍にいたって、1号ロボと何の遜色もない後継ロボが登場したわけです。その証拠に、パワーレンジャー第3シーズン(USA版カクレンジャー)では、無敵将軍(ショウグンメガゾード)よりも隠大将軍(ニンジャメガゾード)の方が、先に1号ロボとして登場しているくらいです。

 次に、6人目の仲間が巨大化するニンジャマンというキャラクターも、特徴的ですね。
 等身大のキャラの巨大化というトピックで語るなら、ジュウレンジャーでは、バンドーラの魔力で悪のドラゴンレンジャーが巨大化するシチュエーションもあったわけですが、どちらかと言えば、敵怪人の特徴といえました。しかし、カクレンジャーでは、
「忍術」というキーワードで簡単に巨大化しちゃうんですね。五獣将への融合合体も巨大化といえなくもないし、ニンジャイエローが巨大化して敵戦闘員をなぎはらったこともありました。このカクレンジャーという作品、ダイレンジャー以上に映像的インパクトという点で、いろいろと冒険しています(まあ、ダイレンジャーでは、亀夫が巨大化してダイムゲンになるというビックリ映像もありましたが^^;)。

 では、ロボを個別に見ていきましょう。

 まず1号ロボの無敵将軍。このデザインは強烈ですね。鶴の兜に、肩のシャチホコ、城の屋根やら石垣をボディーに配置した外見は、「日本的」を体現して極まりない、と。胸の中央の「忍」という字も、活かしてます(笑)。
 デザイン以外でも、
戦隊初の人型ロボ5体合体という快挙を成し遂げています。この人型5体合体は、次のオーレンジャー(オーブロッカー)、その次のカーレンジャー(VRVロボ)まで受け継がれます。「頭胴+左右の腕+左右の脚」という5機合体は、ジェットイカロスと同じ(ついでに戦隊のカラーリングも「」で同じ)。
 必殺技の火炎将軍剣は、
本当に燃えている剣を振り回していますから、インパクト大。一番すごいと思ったのは、無敵将軍が等身大で一人戦っているニンジャレッドに、「火炎将軍剣を授けよう」と言って等身大サイズの剣を託し、レッドが火の付いた剣を振り回していた回。こんな経験があるわけだから、ニンジャレッドは後に「アースの力で炎のたてがみ」なんて火炎技を習得できたのかな? と考えてしまいます。ニンジャレッドこと小川輝晃氏には、赤が良く似合う。2001年9月現在は、ロストギャラクシーでレッドレンジャー・レオの吹き替えを担当中。がんばれ。

 閑話休題。分身増殖の獣将ファイターたち。デザイン的には、獣将とほぼ同じなんですが、とにかく、よく動く。これまでのロボでは考えられない機敏な動きです。跳んだり、跳ねたり、数と素早さで相手を翻弄しまくり。

 サポートメカのツバサマルは、前作までと少し違った「パーツ組み替え」を行っていますね。前作は、メインとなる機体の変化によって2種類のロボを作っていました(大獣神剛龍神大連王牙大王)。今回は、サポートメカの使い回しです。合体するメカに合わせて、砲台と飛行ブースターの2つの機能を持つツバサマルには、個人的に「サポートメカ大賞」を送りたいですね。相手の特性に合わせたサポートを心がけるなんて、さすがは「心の神将」。人間ができてらっしゃいます(笑)。
 パワーレンジャーでは、ファルコンゾードと呼ばれて、主人公ホワイトレンジャー・トミーの専用マシンとなっていました。ただのサポートメカから出世したのは、ツバサマルの名サポーター精神が評価されてのことと思いたいです。

 そして、例年なら、1号ロボのパワーアップで終わるところを、本作では、1号ロボの完全後継機が登場するわけです。隠大将軍の合体パターンは、「頭部+胸部(獣顔)+右腕+左腕+脚」。これは、現在のガオキングに受け継がれています(これまた戦隊カラーも同じ「」)。レッドのメカが頭部に来ない初めての合体でもあります。まあ、カクレンジャーの場合、ホワイトがリーダーという立場ですからね、納得と。
 これまでのレッドのメカが頭部でなければならないという制約がなくなったため、今後、ロボの合体デザイン的にもいろいろと新しいパターンが作られるようになったわけです。そういう意味でも、隠大将軍の功績は大きいですね。
 胸に獣顔というのも、ライブロボ以来のことです。あと、必殺技の「鉄拳ゴッドフィニッシュ」は、獣の顔をした両拳で殴る打撃技。牙をむき出したの顔がインサートされます。この技も、ガオキングに受け継がれていますね。

 最後にニンジャマン。玩具では、ボタンを押せば、ワンタッチでサムライマンに変形という楽しいギミックを備えてました。昔、「タンサーV」とか「イデオン」で、ワンタッチ変形が玩具の流行っていた時期がありましたが、カクレンジャー放送当時、懐かしい気持ちになりました。
 映像では、ニンジャマンからサムライマンへの変形は、CGを使ったモーフィングでした。戦隊で、モーフィング変形を見たのは、これが最初だったのでは? と記憶しています。
 キャラクターとしても、「矢尾一樹」の声が、ナイスでした。「やってやるぜ!」の代わりに、「青二才だとぉおおお!」と、とにかくキレるキャラは、矢尾さんならではですね。

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