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第4次スーパーロボット大戦
作品解説
(その2・世界観&ストーリー編)
【その1・システム編はこちら】
【その3・登場ロボット編1はこちら】
【その4・登場ロボット編2はこちら】
●複雑な組織関係(世界観編) ストーリー編はこちら
さて、システム的には一気に進化した「第4次」ですが、ストーリー面でも、以降の作品に受け継がれた要素があります。
それは、「原作の敵組織が大挙して登場」という点です。
以前のスパロボでも、「原作の敵キャラは多数登場」していましたが、組織自体はDCに統合されており、後の作品に比べて、あまり複雑な勢力図は見られませんでした。
念のため、「第2次」「第3次」「EX」の敵勢力をまとめてみますと、
・第2次
敵はDCのみ。途中、シロッコが反乱を起こして、第3勢力となるが、すぐに鎮圧される。
・第3次
敵はザビ家率いるDCと、謎の異星人(第4次でインスペクターと呼称される)。
DCは、あくまで異星人打倒の大義を構えるギレン派と、
親異星人の立場に変節したキシリア派に分かれ、
それとは別に、シロッコが暗躍している。
・EX
地底世界ラ・ギアスで、ラングランと、シュテドニアス、バゴニアの三国戦争。
本作ではバゴニアは、あまり前面には出ず、
もっぱら「ラングランVSシュテドニアス」が中心。
ラングラン軍は、フェイルロード王子軍と、カークス将軍の軍に分かれ、
シュテドニアス追討後、両者が激突することに。
また、シュウとルオゾールの「邪神の使徒」が暗躍している。
こうして見ると、少しずつ複雑化しているのは確かですが、それでも5本の指に収まる程度。
味方の援軍ロボットに合わせて、キャンベル星人(コン・バトラーVの敵)や妖魔帝国(ライディーンの敵)、ドレイク軍(ダンバインの敵)やドクーガ(ゴーショーグンの敵)の姿も見られますが、前2つは主人公ロボの登場時に顔見せとして駆逐され、後の2つは異世界に紛れ込んだイレギュラーな傭兵として登場する程度にすぎません。
結局、EX以前の「アニメ原作出身の敵勢力」は、DCやシュテドニアスといった「ゲームオリジナルの敵勢力」に彩りを添える程度の役割しか持たなかった、と言うこともできます。
もちろん、個々の敵キャラクターは、アニメ原作に準じた性格設定がなされており、十分に魅力的なわけですが、組織として物語の大枠を引っ張る存在にはならなかった、と。
しかし、第4次では、味方ロボットの増加とともに、敵勢力も飛躍的に増加。
また、既存の敵勢力も再編成がなされ、より原作らしい設定を備えるようになります。
その例は、とりわけ「ガンダムシリーズ」において、顕著に見られます。EX以前では、「ジオン」も「デラーズ・フリート」も「ティターンズ」も「アクシズ」も「クロスボーン・バンガード」も、全てひっくるめてDCに統合されていました。しかし、ガンダムの歴史を知る者なら、地球至上主義者の「ティターンズ」と、スペースノイドの自立を訴えて独立戦争を起こした「ジオンの系譜に連なる軍」が同一の組織にいて共闘するなど、不可解極まりないことでしょう(年代の差異(※1)という問題はさておくにしても)。
そんなDCが、宇宙世紀の各組織の設定に沿う形で、第4次では分裂・再構成されているわけです。そのため、ガンダム系だけでも、非常に複雑な設定を生んでいるわけですね。
以下では、その敵勢力を個別に見ていくとしましょう。
(1)DC(メガノイド)
序盤から最後まで戦うことになる、初期スパロボ(DC戦争編)のメイン勢力。
第4次でのDCは、メガノイドのドン・ザウサーとコロス(ダイターン3の敵)に統括されており、火星を本拠地としている。第3次では、ダイターンの敵は一切登場していなかったが、パイロットの破嵐万丈がロンド・ベルに参戦したのは、この時点でメガノイドの存在を感知していたからでは? と考えさせられる。
あるいは、メガノイドの人体改造技術の断片が、擬似ニュータイプの強化人間にも応用されているのかもしれない。
ロンド・ベルが各種のロボットを統合していくのと同じように、DCもさまざまな勢力を取り込んでいき、その兵器量産能力は、他の勢力をはるかに凌いでいる。
このDCが当初のビアン総帥の計画どおり、「異星人との戦い」を主眼に置いた行動を取っていたなら、「ゲスト」との戦いももう少し楽だったかもしれないが、残念ながら、第4次のDCは「ゲスト」と手を組み、もはや理想の欠片もない侵略組織に過ぎない。
「第3次」からの流れで考えるなら、「キシリア派がDCをまとめた」というところだが、案外、「親異星人派のキシリア自身、メガノイドの操り人形だったのでは?」という仮説も成り立つ。
DCを統括するメガノイド自身は、異星人の借り物メカを使うだけだが、その配下の部隊には「1年戦争期のMSパイロット」「クロスボーン・バンガード」「ドクターヘル一味」「ミケーネ帝国」の、旧DCを受け継いだ勢力がそろっている。
また、パイロットの存在は皆無だが、「メカザウルス」「円盤獣などのベガ星兵器」も用いている。おそらく、秘密の製造プラントを押さえているのだろう。ただし、今作では「第3次」で見られた「百鬼メカ」が見られない。これは、案外、今作に登場しない「胡蝶鬼」や「ナイーダ」「キャプテン・ラドラ」などといった裏切者連中にプラントを破壊されたからではないだろうか?
旧DCを受け継いだ勢力の他に、第4次では、前作までに登場した「キャンベル星人」「妖魔帝国」「ドクーガ」とも手を結び、さらに「バーム星人」とも提携するなど、もはや何でもあり状態と化している。もっとも、対抗するロンド・ベルも相手のことをどうこう言える立場ではないのだが(ロンド・ベルの味方ロボットが増えれば増えるほど、敵勢力も増えていくというわけですな)。
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@1年戦争期のMSパイロット
代表は、ランバ・ラルと黒い三連星、それと、補給部隊の旧ザク・ガデムといったところ。
大義名分とは関係なく、戦場でしか生きられない職業軍人たちである。
彼ら実直そうな軍人を、説得で仲間にできれば嬉しかったのだが。
ちなみに、ランバ・ラルはグフの代わりにケンプファーに乗り換え、最後はドーベンウルフで散っていきます。
それにしても、DCの使用するMS自体は、全く節操がない。ティターンズの物や、ネオジオンの物など、いろいろ混ざってます。ハンマハンマとか、Rジャジャとか、本作初登場のものも多い。
で、それらに紛れて、ガウとか、アッザムとか、ダブデとか、1年戦争のメカが顔を見せると嬉しくなっちゃうんだなあ。
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Aクロスボーン・バンガード
かつては、「最強部隊ラスト・バタリオン」などと呼ばれていたが、次第に失墜していくF91の敵。もう、心あるMSパイロットは、大義を失ったDCを見限っていくわけですな。
まあ、鉄仮面カロッゾのラフレシアなんかは、あしゅら男爵の機械獣らと行動をともにしていても、何の違和感もないが、ザビーネなんかは心底、今のDCを疎んじている様子なので、説得できれば良かったのだが。
将来、ザビーネが説得できて、そしてラストシナリオで、シャアの反乱に従って敵になる話なんかできないだろうか? もちろん愛機は、クロスボーンガンダム2号機で。
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Bドクターヘル一味&ミケーネ帝国
本作に至って、ようやく御大のドクターヘルが登場。
しかし、部下のあしゅら男爵が基地とともに壮絶な自爆を遂げ、自分もブロッケン伯爵とともに壮絶な戦死を遂げるのでした。地獄大元帥としての復活はなし。
一方、ミケーネは暗黒大将軍が、部下の妖爬虫将軍ドレイドウや悪霊将軍ハーディアス、劇場版の獣魔将軍を率いて登場。このまま、時代はミケーネ帝国に移っていくのかと思いきや、ドレイドウやハーディアスの出番は今作限り(2002年6月現在)。後の作品で、ゴーゴン大公や地獄大元帥、ヤヌス侯爵なんかが出てますが、7つの軍団の将軍なんかも出ないかな。
ちなみに7つの軍団ってのは、超人・猛獣・爬虫類・鳥類・悪霊・昆虫・魚類の7種類の戦闘獣軍団のこと。グレートマジンガーの敵のミケーネ帝国は、結構、層のある組織だったわけだ。率いる将軍は、前の2人の他に、超人将軍ユリシーザー、猛獣将軍ライガーン、怪鳥将軍バーダラー、大昆虫将軍スカラベス、魔魚将軍アンゴラス。
本作で登場した戦闘獣のうち、オベリウスは鳥類型。ズガールは悪霊型。ドレイドウが出ているのに、爬虫類型戦闘獣が出てないのは謎だ。
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Cメカザウルス
ゲッターQも、キャプテンラドラも、胡蝶鬼も、鉄甲鬼もいなくなったので、ゲッターチームには敵側のドラマが全くない。
あるのは、「3大メカザウルス襲撃」と「大雪山おろしの特訓」と「真ゲッター登場」のみ。
メカザウルスも、本作ではただのザコ敵なのでした。 |
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Dベガ星兵器
グレンダイザーの敵。
円盤獣の種類が増えたのと、ミニフォーやマザーバーンの登場がトピックか。
でも、ドラマがないのはゲッターと同じ。いや、それ以下か。
以降の作品では、当分、声の出ない裏街道を進むことになるし……。
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Eキャンベル星人
コン・バトラーVの敵。
第3次で、ガルーダが倒されたんだけど、実は生きていた。
で、コン・バトラーにリベンジを挑むんだけど、その際、前作よりももっと踏み込んだ悲劇のドラマがあって、結局、ガルーダ死んで、それで終わっちゃうわけだ。
まだ、この時期は、コン・バトラーの扱いも軽かったんだなあ。
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F妖魔帝国
ライディーンの敵。
第3次で、シャーキンが倒されたんだけど、スネ夫くん 悪魔神官ベロスタンの「い〜の〜ち〜さずけよ〜」で復活。
で、ライディーンにリベンジを挑むんだけど、ライディーンがロンド・ベルに合流するついでに、サクッと倒されて、何のドラマもなく終わっちゃうわけだ。
その後も、妖魔帝国の扱いは軽いままで、「COMPACT2」や「IMPACT」に至って、ようやく日の目が当たってきたってところか。
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Gドクーガ
ゴーショーグンの敵。
補給部隊にいたり、会話を聞くかぎりでは、あまり戦いに乗り気ではない様子。
そもそも、こいつらがどうしてDCにいるのか理解に苦しむ。メガノイドが戦いに勝ってしまっては、資本主義社会なんて崩壊して、ドクーガ・コンツェルンが無用の長物になってしまうのだが。
見たところ、ゴーショーグンの偽者ゴーナグールや、35身合体ゴッドネロスなんて繰り出していたから、いろいろと新兵器の実験をしていた、と考えられるか。
いずれにせよ、EXで登場したブンドル艦の他に、カットナル艦やケルナグール艦が初登場。いっぱい金をくれるので、出てきたらありがたい存在ともいえる。
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Hバーム星人
ダイモスの敵。
元々は、平和的交渉に来たという珍しい敵。
でも、平和交渉会談の席上で、お互いの親善大使が(陰謀により)事故死したため、悲劇の戦争が始まる。
今作初登場のロボットは、(ダンクーガを除き)ドラマが充実しており、ダイモスも「エリカと一矢の恋愛模様」「天才科学者アイザムの悲劇とダイモスパワーアップ」そして「火星決戦の最中、自分の死に場所を定めたリヒテルの潔い最期」と、重要イベントが手堅くまとめられている。
で、ダイモスのライバルといえば、リヒテル提督なわけで、シャーキン・ガルーダ・ハイネルの後を継ぐ「市川治」声の美形悪役キャラであることは言うまでもない。
最近では、これに「08小隊」のノリス・パッカードも含めて、「スパロボ5大 市川ライバルキャラ」を構成しているわけだが、残念ながらリヒテルだけ、まだ市川さんの声が入ってない。これは早急に何とかしないといけない事態だと思うけど。
というわけで、PS2用の次回作には、「ダイモス」の参戦希望。「A」みたいに長浜作品を集結させて、さらに「ライディーン」(これも一応、長浜作品だけど)と「08小隊」も出して、市川キャラオンパレードを見たいもの。
で、第4次だと大きなイベントとして「ガルーダの撤退を助けるリヒテル」ってのは、外せないだろう。「α」での描写では、「ガルーダとハイネルは仲悪そう」(というより、プライドの高いハイネルがキャンベル星人を見下している)だけど、「リヒテルはいい奴」ッポイ。でも、卑怯なあしゅら男爵には利用されるなど、悪者同士でもキャラの違いが描写されていてグッド。
さて、そんな魅力的な「悪の華リヒテル」ですが、ダイモス最大の敵は、バーム星人よりも、三輪長官だったんじゃないかな。
この人、スーパー系の登場人物には珍しく、いろいろな作品に積極的に絡んでいき、エルガイムのダバを異星人のスパイ呼ばわりし、獣戦機隊からはこっぴどく嫌われ、散々ロンド・ベル内に軍人風を吹き荒らした挙句、最後はティターンズの一員となって、ジャミトフのクーデターに協力して、ダブデ陸戦艇でロンド・ベルに突撃するなど、大活躍を見せてくれた。
原作で、核爆弾使用を訴えるなど、とにかくタカ派のバリバリ軍人で、スパロボではおそらく「GP02Aサイサリス」の「核バズーカ」には、三輪長官の意見も入っていたのでは? と伺わせる。
おまけに、ダブデといえば、「1stガンダム」でマ・クベが搭乗していて、オデッサの戦いで水爆ミサイル発射していた因縁の機体だし。
異なる作品世界の橋渡しを担当してくれた貴重なお方……と言えるのかな。
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(2)ノイエDC
メガノイドに乗っ取られたDCから分裂。
異星人と提携するDCに対して、従来どおりの「打倒・異星人」「スペースノイドの自治獲得」そして第3次で崩壊した「ザビ家の復興」を目指す新生DC。
原作ガンダムの「デラーズフリート」と「アクシズ(ネオジオン)」から成る。
代表は、ギレン・ザビの遺志を継いだエギーユ・デラーズと、ドズル・ザビの娘ミネバを擁するハマーン・カーン。
ノイエDCの名前は、MA「ノイエ・ジール」と、「ネオジオンのネオ」に通じるものがあり、ナイスネーミングだと思った。
なお、「ガンダム」の敵ニュータイプ「シャリア・ブル」や、「0080」の「シュタイナー・ハーディー」はノイエDCに参加する一方、「0083」の「シーマ・ガラハウ」はDCに留まっている。大義を持たないシーマがDCにとどまったり、ギレン配下のシャリアがノイエDCだったりするのは分かるが、シュタイナーがノイエDCに就く理由がよく分からないので、掘り下げないでおこう(^^;)
記録に残る兵力は、「戦艦11、巡洋艦48、モビルスーツ1500、兵員は5万人弱」。
宇宙での勢力は強大なものがあるが、DCやエゥーゴと争い、ゲストとの戦いでほぼ壊滅する。
地球に対してコロニー落としを仕掛けた一戦で、ロンド・ベルとも対立するが、それ以外は目立った敵対関係もなく、攻略ルートによっては、まったく戦わずに終わることも可能。
むしろ、地上に下りてきたハマーン・カーンと「休戦条約」を締結したことの方が目につく。
義によって立っている者が多く、言い分にも筋が通っており、話せば分かる部分も持ち合わせているため、共闘することもできたと思うが、結果的に、アナベル・ガトーのみ味方となり、ハマーン・カーンはジュドーとの対決を経て、ミネバを託すと姿を消した。
ハマーンを味方にするには、「F完結編」を待たなければならない。
なお、「F」ではメガノイドは登場せず、ノイエDCは「DC宇宙軍」に統合されている。よって、「第4次」のみの組織である。
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(3)ティターンズ
元DCのパイロットをスカウトした地球連邦内の軍事組織。代表は、ジャミトフ・ハイマン。
メンバー構成は、「Zガンダム」の同名組織と同じだが、シロッコのみ「第3次」で死んでいるので登場しない(「F完結編」では、クローンとして復活しているが)。
ジェリドやライラ、カクリコン、ヤザンは、ラ・ギアス事件で行方不明になっていたから、DC内に居場所をなくしたとも予想される。同じ状況だったラカン・ダカランだけは、ティターンズではなく、ノイエDCに移籍している。どういう経緯があったのか、興味深いところだ。
当初は、同じ地球連邦軍として、ロンド・ベルとは「積年の確執」をのぞかせながらも共闘していたが、ロンド・ベルがティターンズのやり方に反発したのを期に、一転して敵となる。
ちなみに、主人公に恋人がいる場合、ティターンズに所属しており、劇的な戦場での再会となる。
あとは、三輪長官がティターンズ軍人として再登場するのもポイント高い。
「勝利のためには手段を選ばないバリバリ軍人」ってのは、いかにもティターンズらしい。
最後は、原作どおりダカールで悪事を暴露され、ドレイク軍との共闘を見せたのも束の間、ジャミトフがハマーン・カーンに暗殺され、崩壊する。
しかし、その後のスパロボでは、たびたび復活しており、シリーズ恒例の悪役組織として君臨している……と思いきや、「64」ではOZのスペシャルズに併合され、「A」や「COMPACT2」「IMPACT」ではすでに壊滅しているようだ。何だ、意外と大したことないじゃん、ティターンズって。
それでも、「F」や「α」といった大物作品で目立っている分、印象が強いんだなあ。
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(4)エゥーゴ
原作「Zガンダム」で、ティターズの横暴に対抗するため結成された反地球連邦政府組織。
代表者は、ブレックス・フォーラ。ブレックスが暗殺された後、シャアことクワトロ・バジーナが後を継ぐが、スパロボではブレックス暗殺を回避することも可能。
当初は、地球連邦に所属していたロンド・ベルとも敵対関係にあったが、同組織に所属するギリアム・イェーガーが窮地の光子力研究所を守りに現れるなど、和解の糸口を模索していた(少なくとも、ギリアムは「ロンド・ベルの立場は、エゥーゴに近い」と発言している)。
後にティターンズに乗っ取られた地球連邦に対して、ロンド・ベルが反旗をひるがえした際、エゥーゴとの同盟を決意。サイド1のコロニー・ロンデニオンで、協力関係を約束しあう。
この同盟には、元ロンド・ベルの一員だったクワトロ・バジーナの意向のほか、ブライトがブレックス准将の人柄を兼ねてから知っていたこと、また元ロンド・ベルの一員デュークフリードがエゥーゴと協力していたことなど、戦略面もさることながら人脈のつながりが大きな理由となるだろう。
また、原作「Zガンダム」ではエゥーゴの地上支援組織だったカラバは、スパロボ世界では、第3次のときに活動が確認されている(ベルトーチカの登場イベント)。そこにも、元ロンド・ベルのハヤト・コバヤシが参加しており、また、このカラバがエゥーゴの母体であったというスパロボ裏設定もある。こうした背景も考え合わせると、いずれロンド・ベルがエゥーゴと手を結ぶのは確実だったと言える。
では、どうしてロンド・ベルは当初からエゥーゴと手を結べなかったのか?
それはロンド・ベルという組織が優柔不断だったのではなく、指揮官のブライト・ノアが当初、左遷されており、十分な情報の与えられる状況になかったからだろう。
ロンド・ベルは当初、武装も削減され、カミーユやコン・バトラーチームはティターンズに移籍(事実上は飼い殺しに近い立場に追われている)、思い切った行動をとれる状況ではなかった。
そうしたロンド・ベルの状況を改善すべく力を尽くしたのが、コーウェン中将である。彼が生きている間は、ロンド・ベルは地球連邦上層部に影響力を有し得たわけである。
ロンド・ベルが地球連邦に反旗をひるがえすきっかけの一つは、「コーウェン中将暗殺のニュース」である。すなわち、コーウェン中将を失ったとき、ロンド・ベルが地球連邦の内部改革を遂行できる手段は無と化したのであろう。
ロンド・ベルがエゥーゴと手を結んだメリットは、補給の確保と、政治組織としてのバックアップである。
一方、エゥーゴは軍事組織としては、あまり当てにならない様子だ。何しろ、主戦力が「ボールとGMV」である。それ以外には、クワトロの百式とデュークのグレンダイザーが活躍していたぐらいだ。
もっともヘビーメタル応戦時での地球連邦の主力も「ネモ」とかだったから、特殊なのはロンド・ベルの方かもしれない。
百式やグレンダイザーは、ラ・ギアス事件以来、持参しているものだから、私物同然といえる。すると、エゥーゴ独自の戦力で頼りになるのは、ギリアムのゲシュペンストMKUぐらいだ。では、このゲシュペンストMKUは、どういう経緯でエゥーゴの戦力になったのか? もちろん、ギリアムの愛機が元々ゲシュペンストであったのは、「ヒーロー戦記」をプレイした人には周知の事実である(なお、ギリアムは「ヒーロー戦記」のラスボスであったため、「第4次」プレイ中も、いつギリアムが敵に回るかとドキドキした覚えがある)。そうしたゲーム外情報は置いておいて、「第4次」内でのゲシュペンストMKUの由来を追ってみよう。
まず、ゲシュペンスト自体が、テスラ・ライヒ研で研究されていたことを考えると、MKUも当然、同研で作られたものだろう。テスラ・ライヒ研は破嵐財閥がバックアップをしている。すると、MKUがパイロットのギリアムとともにエゥーゴに派遣されたのも、破嵐財閥すなわち万丈の意向が働いた可能性は十分に考えられる。
あるいは、カラバおよびエゥーゴの結成にも、破嵐財閥の力が大きく関与しているのではなかろうか?
そう考えると、ロンド・ベルが地球連邦との訣別を考えたタイミングも納得できる。それは、ダイターン3と合流して、DC基地を制圧した直後だった。
「ロンド・ベルに事実上の無条件投降(すべてのロボットをダカールに運ぶこと)を突き付けてきたティターンズ」に対して、真っ先に「ぼくは反対だね」と言ったのは、万丈その人だった。
なお、その際、主人公も「ティターンズの言い分を拒否する」発言を行っており、万丈は「へえ、○○(主人公名)も言うときには言うもんだね」と感心した口調になる。
しかし、うがった見方をすれば、これは「主人公と万丈の芝居」とも取れる。主人公がロンド・ベルに派遣された背景には、実は「ロンド・ベルとエゥーゴを同盟させる」という破嵐財閥の壮大な陰謀が秘められていたのでは? とも考えることができる。
エウゥーゴと破嵐財閥の関わりについては、NOVAの推測に過ぎないが、いずれにせよ、スパロボ世界のエゥーゴはあくまで政治・経済団体であって、軍事力は決して秀でたものではない。
そのため、後にロンド・ベルに重大な選択を突きつけてくることがある(SFC版第4次のみ)。すなわち、コン・バトラーVかダンクーガを応援に送ってほしい、というものである。エゥーゴの要求してきたのは、たった一体のスーパーロボットである。ということは、たった一体のスーパーロボットの戦力で変わるような戦況を、エゥーゴは独自の力で解決できなかったことになる。
まあ、パイロットとしてのクワトロがいなくなり、協力者であったデュークフリードがロンド・ベルに参加した以上、「ボールとGMV」では心もとないことも納得できるが(笑)。
なお、「第4次」では、そんな弱小組織として名高いエゥーゴだが、パラレルワールドの「F」では、似て非なる過激な組織として、ロンド・ベルに敵対する局面もある。何しろ、オペレーション・メテオとしてテロリスト軍団の「Wガンダムチーム」を派遣してくるほどだ。
おまけに一部急進派がDCと手を結ぶなど、「第4次」からは考えられない暴走ぶりを示し、混迷する状況をさらに悪化させた。
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(5)ポセイダル軍
エルガイムの敵。
第4次において、地球に真っ先に宣戦布告してきた異星人。
それ以前は、DC、ノイエDC、エゥーゴなど同じ地球人同士の勢力争いに過ぎなかった状況に、未知の勢力が割り込んできたのである(他に、異星人としてはキャンベル星人がいたが、この時点では潜伏状態だった)。
恒星間航法の技術を持たないはずだったが、謎の異星人(ゲスト)との技術提携により、地球に侵略の矛先を向けるようになる。その際、補給路を確保するために、DCと結託。この「DC−ゲスト−ポセイダル軍の三者連合」、通称「マーズコネクション」がロンド・ベルが最終的に倒すべき敵となる。
ポセイダルの影武者であるミアンの乗るオージ(オリジナル・オージェ)と、真のポセイダルことアマンダラ・カマンダラの乗るブラッドテンプルが立ちはだかったが、月面での戦いでロンド・ベルに壊滅させられる。
なお、原作から多くのパイロットが敵として登場するが、声優の必要な「F」では整理された者もおり、「第4次」のみにしか顔を見せない者もいる。
そうした気の毒な連中の名をここで挙げておくとする。
テッド・デビアス、バーン・ガニア・キラーズ、リーリィ・ハッシー。
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(6)ドレイク軍
ダンバインの敵。
EXでは、ドレイク、バーン・バニングス、ジェリルのトリオと、赤い三騎士が異世界ラ・ギアスに召喚されて敵対したが、第4次ではさらにビショット、ショット・ウェポンといった勢力まで地上に召喚され、混乱した状況にさらに輪をかける。
なお、EXでロンド・ベルと共闘したガラリアは仲間になるが、トッドの方は今回、仲間にならず、ハイパー化して果てる。このハイパー化は、今作のハイパージェリルで初めて見られるイベントで、以降のスパロボでの定番となっている。
地上に出たドレイク軍は、ティターンズと手を結び、ロンド・ベルの前に立ちはだかるが、友軍のティターンズ壊滅と同時に倒されることとなる。
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(7)ガイゾック
ザンボット3の敵。
ゲストと提携していたが、人間爆弾などの残逆な手口により、ゲストの傭兵隊長ロフの怒りを招く。
SFC版「第4次」では、ザンボット関係のシナリオにしか登場しなかったが、PS版の「第4次S」では追加された最初のシナリオ「接触」(スーパー編)に登場。主人公にメカブーストを送りこむ。
スパロボではその後、何度か登場しているが、「人間爆弾」イベントがあるのは現在、「第4次」のみ。民間人の死という、その悲劇性はスパロボの各イベントの中でも最も重いものがある。
なお、本作ではガイゾックのボスはキラー・ザ・ブッチャーであり、黒幕のコンピュータードールは登場しない。
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(8)ゲスト&インスペクター
今回の戦い、および、これまでの戦いを影で操っていたオリジナル異星人。
ゲストは、第2次大戦以前に地球に接触。ブラックホール機関の原理などを提供。
インスペクターは、第3次大戦のおりに登場した謎の異星人である。
今作では、ゲストはDCやポセイダル軍と結託していたが、その存在が明るみに出たのは、物語も後半に突入してからのことだった。
ゲストのメカは、長射程・高威力を誇るものが多く、またHPの高い量産型メカも持ち合わせているため、非常に手強い。マップ兵器や必殺技の連発が必要になるだろう。
インスペクターは第3次の際に、壊滅しているが、死んだと思われていたメキボス(サイボーグとして復活)が宇宙に出たロンド・ベルの前に出現。友情を交わした万丈と合流して、ゲストの情報を伝える。
それによると、ゲストとインスペクターは同じ「共和連合」という国家に所属。ゲストの本当の呼称は「ゾヴォーク」というらしい。
共和連合の「枢密院」から派遣されたメキボスは、ゲストの指揮官ゼゼーナンに、地球人との講和を申し渡すが、地球人を卑下するゼゼーナンは拒否。配下のロフ、セティ、ゼブを道連れに、壮絶な最期を遂げる。
なお、「F」ではロフ、セティ、ゼブがゼゼーナンを見捨て、共闘してくれる展開もあるが、「第4次」ではこの3人は最後まで敵。セティとゼブだけは助けることもできるが(最終決戦でゼゼーナンだけを倒せばいい。ただし、セティとゼブを助けても、エンディングのストーリーには反映されない)、ロフを助けることはできない。
※追記:NOVAは未確認ですが、「第4次S」の方では、ロフが助かるルートもあるらしいです。リューネを説得しないまま、シナリオ「アクシズに散る」でロフを倒さないでいると撤退し、最終話で再登場。友好的な退場を見せるとか(情報提供:アインスト波羅唱さん、135さん)
なお、ゲストとインスペクターについては、別ページを設けて、もっと掘り下げてみるつもり。
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(9)シュウ・シラカワ
EXで主人公の一人となったシュウ(グランゾン)と、その仲間たち。
仲間たちの構成は、ウィーゾルからウィーゾル改に乗り換えたサフィーネ・グレイス(ヴォルクルスから改名)、ノルスからノルス・レイに乗り換えたモニカ・ビルセイア、そして相変わらずガディフォールに搭乗しているテリウスである。
このグランゾンの動力源であるブラックホール機関こそが、「位相をずらした剥き出しの特異点」により事象確率をコントロールし、偶発事件の頻度を増やして地球を混乱させた元凶である。
「正常な特異点」なら普通に高エネルギーを得ることができるのだが、ゲストのゼゼーナンは、地球圏を混乱させて、その発展を邪魔するために、「剥き出しの特異点」をグランゾンのブラックボックスに仕掛けておいたのである。
それに気付いたシュウは、ラ・ギアスで助けたゴーショーグンのエネルギーであるビムラーを利用して、特異点の正常化に成功。そして、自分とグランゾンを利用したゼゼーナンに復讐するため、その悪事の秘密をロンド・ベルの前で公開。最終決戦への端緒を開く。
なお、常識的な選択肢を選んだ場合、シュウは最終決戦で味方になってくれるが、好戦的な選択をした場合、最後の敵として立ちはだかることになる。その場合、シュウとその仲間(テリウスは登場しない)、5機のヴァルシオンを倒すことができても、バッドエンディングとなる。
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●ロンド・ベル戦いの経緯(ストーリー編)
さて、それまでのスパロボの集大成というべき「第4次」は、ロンド・ベル最後の戦いとして、展開されます。この時は、「スパロボはこれで終わった」とも言われました。
じっさいには、「パラレルワールド」の「F」や、世界観を一新させた「新」、「α」などのシリーズ、そして携帯ゲーム機の「COMPACT」「A」などに受け継がれ、今なお、継続しているわけですが、「新」が出るまでは、寂しいものを感じたりもしました。
はっきり言えば、「第5次スパロボ」は出るのだろうか? という期待と不安の気持ちが、この時期は付きまとった、と。
個人的には、「ゲストとDCの内乱が勃発。メキボスの依頼で、ロンド・ベルのスーパーロボットが外宇宙の平和のために出撃。ダイオージャやダイケンゴーなど、地球以外の世界を舞台に活躍したロボットたちとリンクした続編物語」を見たいなあ、と。
そこまで大規模な話になると、ワープ航法を備えていない母艦だと話にならないので、ボルテスの「ビッグファルコン」とか、ダンガードAの「ジャスダム」とかにも登場願う。
名付けて、「スパロボ in スペース」って感じ(パワーレンジャーかよ)。当然、続編は「ロストギャラクシー」か……(笑)。
妄想はさておき、第4次に話を戻しましょう。
ここでは、時系列に合わせた箇条書き形式で、ストーリー経過を見ていきたいと思います。
(1)謎の訪問者
ロンド・ベル最初の任務は、富士の樹海に落ちた隕石の調査から始まった。
光子力研究所(あるいはロンド・ベル)に配属された主人公とともに、マジンガーZチームとロンド・ベルは共同調査を開始。
邪魔するDCを撃退しながら、隕石の正体(エルガイムのダバたちの不時着した母船ターナ)を発見。異星人の彼らから、ペンタゴナ・ワールドのポセイダル軍による侵略計画の話を聞いたロンド・ベルは、ティターンズとの不協和音を鳴らしながらも、独自の判断で地球平和への行動を模索し始めるのだった。
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この時点での、最大のトピックは、「ロンド・ベル」にブライト・ノア艦長がいないことです。
「EX」でブライト艦長が左遷されたために、部隊司令アムロ・レイ、母艦艦長トーレスという変則的な状況でプレイが始まります。スパロボ数多しと言えども、トーレスが艦長を務めたのは、この第4次(S)限りです。パラレルワールドの「F」では、リアル編の第1話は、「左遷されていたブライトが戻ってきた場面」からスタートしますので。
なお、トーレスは「5話限りの艦長」なので、成長させる必要はありませんが、1つレベルを上げて「加速」を覚えさせておけば、ブライト合流時のミデア救出が行いやすくなるでしょう。
あと、トピックをあげるなら、ゲッターシナリオの「特訓! 大雪山おろし」ですね。
「第3次」で、ムサシが戦死しており、後を継いだベンケイは、ゲッターポセイドンに乗っています。ポセイドンには、「大雪山おろしの代わりとなる武器ゲッターサイクロン」が標準装備されておりますが、しばらくゲッターGは使えない状況で、ゲッター3の能力不足を補う必要から、「野球部のベンケイに柔道技の大雪山おろしを修得させる」特訓が行われるわけですね。
この特訓が功を奏して、以降、大雪山おろしはベンケイの標準技として、スパロボ世界すべてで使えるようになりました。 |
(2)ブライトの帰還〜目覚めよ! 超獣機神
ポセイダル軍に立ち向かうため、ロンド・ベルの強化が必要になった。
3機のミデアによる物資搬入と同時に、ブライト艦長が部隊司令として復帰。同時に、問題部隊として悪名高い獣戦機隊がロンド・ベルに参加。
ブライト艦長は、その後、持ち前の現地兵採用能力(※2)を駆使して、ダイモス、ザンボット3といった民間のスーパーロボットを組み入れる。
旧式の母艦トロイホースからアーガマに乗り換え(※3)、エースパイロットのカミーユ・ビダン駆るZガンダムと合流した後、早乙女研究所の危機に、獣戦機隊も合体コードの封印を解除し、ダンクーガの本領を発揮する。
しかし、ロンド・ベルの戦力が充実していくということは、世界の危機が深刻化している証といえる。バーム星人、そしてガイゾックの出現は、地球にとってさらなる脅威となるのだった。
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この時点で、第4次新規参入ロボットが次から次へと加入してきます。
ある意味、プレイしていて一番、楽しい時期と言えるかもしれません。
敵のヴァリエーションも豊富になってきますしね。
ミデアによる補給で入手できるリ・ガズィですが、アムロの乗機として注目されるのは、「第4次」からですね。「第3次」では、ガンダムとνガンダムの間のつなぎのユニットとしてディジェSeRが登場しておりますし、リ・ガズィの登場タイミングはνガンダムの直前と、遅すぎる感じでしたから。
とにかく、第4次のリ・ガズィは、卓越した機動力で、敵陣の真ん中にある強化パーツをGETするのに重宝しました。
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(3)浮上〜ターニングポイント
新宿上空でのオーラバトラー出現。
それは地球の混乱をさらに悪化させる事件だった。
コーウェン中将の働きかけにより、日本地区の防衛から世界を転戦する許可を与えられたロンド・ベルは、地上に現れたオーラシップと合流。バイストン・ウェルの軍勢の侵略、その他の地球の危機に共闘することを約束する。
マジンガーZの強化パーツ、ジェットスクランダーを受け取る際、ラ・ギアスで遭遇したゴーショーグンチームも出現。
さらに、ティターンズ傘下にあったコン・バトラーチームも、ロンド・ベル復帰がかなう。
かつての盟友が次々とロンド・ベルに参画する中、破嵐財閥からの連絡により、ダイターン3とともにDC基地への襲撃を決行するロンド・ベル。そこで、ついに仇敵あしゅら男爵を葬り去ることに成功する。
しかし、作戦終了後、コーウェン中将の事故死、そしてティターンズの陰謀が表面化。ジャミトフにより反逆者の疑いをかけられたロンド・ベルは、ライディーンとの合流後、地球連邦の軍籍を離れ、独自に行動することを決定する。
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ここでは、第3次〜EXに登場したロボットたちが次々と加入します。
また、EXで母艦として活躍したオーラシップが、ロンド・ベル第2の母艦として使えるようになります(グランガランとゴラオンの2択)。
2種類の母艦が使えるようになったことで、スパロボ史上初めて、部隊の分割が行われるようになります。一応、その原点として、EXで「マサキの章」と「リューネの章」に部隊分割が行われているわけですが、元は一つだった部隊を二つに分けたのは、「第4次」が初めて。
その理由は、「ロボットが増えすぎたため、別行動をとったほうが効率的」というもの。この後、ストーリーは宇宙編と地上編とに分岐します。
また、部隊分割はもう一度あり、偏った育て方をすると、一方に比べてもう一方が極端に弱くなり、悲惨な目にあうという逸話を残しました。 |
(4a)宇宙編
コロニー落としを宣言したノイエDCに対して、部隊を二つに分けることにしたロンド・ベル。
ブライトの率いる宇宙チームの目的は、コロニー落としの阻止と、ティターンズに対抗するため、エゥーゴとの接触にあった。
宇宙編に向かったメンバーは、アムロ、ファ、0083チーム、ザンボットチーム、ライディーン&コープランダー、獣戦機隊、ダバたちエルガイムの面々。
ティターンズの妨害を切り抜けて宇宙に出た一行は、ノイエDCとの戦いで窮地に陥っていた百式のクワトロ大尉と、グレンダイザーを救出。エゥーゴとの接触を経て、コロニー落としに向かう。
コロニー落としを率いるのは、かつて共闘した「ソロモンの悪夢」アナベル・ガトーだった。時間のない中、ジュドーのZZ、シーブックのF91の救援もあって、コロニー落としの阻止は成功する。
その戦いの後で、ダバたちは、ペンタゴナの死の商人アマンダラ・カマンダラから、「戦火を拡大するための必要投資」との名目で、エルガイムmk2やヌーベル・ディザードといった新型ヘビーメタルを無償提供される。アマンダラの言い分には納得できないものの、新兵器を受け取ったダバは、ロンデニオンを襲撃にきたポセイダル軍の中に、生き別れの義妹クワサン・オリビィの姿を発見するのだった。
エゥーゴの拠点ロンデニオンに到着した一行は、母艦をネェル・アーガマに乗り換え、νガンダム、ヒュッケバイン(グルンガスト)といった新型メカを確保する。ブレックス准将との対面で今後の共闘を確約したロンド・ベルは、宇宙での任務を終え、地上への針路をとる。 |
宇宙編でのメインの敵は、ノイエDCですね。
「0083」のクライマックスである「強襲・阻止限界点」がシナリオタイトルにもなっています。第3次では、「ガンダム強奪」「ソロモンへの核バズーカ発射」が含まれていましたが、クライマックスはなかったですからね。
残念なのは、ガトーのノイエ・ジールに対して、コウがまだデンドロビウムを入手していないこと。さすがに、ステイメンでノイエ・ジールには勝てません。リアル系なら、スペリオールガンダムを入手していますから、まだ戦いようがあると思いますが。
この時期は、第2次よりの古参の仲間たちが次々と参入。マップ兵器を持ったユニットも増えて、戦力が非常に充実してきます。 |
(4b)地上編
ブライトたちが宇宙へ向かう一方で、破嵐万丈率いる地上チームは、オーラシップを母艦に、ティターンズの妨害を切り抜けながら、地上を転戦していた。
グレートマジンガーとの合流を経た後、テスラ・ライヒ研で調整中だったゲッターロボGおよびグルンガスト(ヒュッケバイン)の入手を果たす。
また、ショウ・ザマも敵に奪われていたビルバインを奪い返すことに成功するが、ドレイク軍との戦いの最中、ジェリル・クチビのオーラ力が暴走し、ハイパー化を招いてしまう。「地上で悪しきオーラ力を振りまくことの危険」を悟ったショウたちは、力に対する自制を深く心に刻むのだった。
度重なる戦いの後、わずかな休息期間を楽しむ地上チーム。しかし、その際に万丈が「酢抜きのシメサバ」で食中毒を起こすというハプニングに見舞われる。折悪しく出現するドクターヘルのDC部隊。「日輪の力を拝借して」今、最強の執事ギャリソン時田が出撃した!
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宇宙編に比べると、地上編は各地を転戦して、バリエーションに富んだ展開が見られます。
リアル系のストーリーメインだった宇宙編に比べると、イベント続出といった感じですね。「ハイパージェリル」や「ゲッターGの合体デモ」などが見られるのも、地上編ならではの醍醐味。
宇宙編の打ち上げ時もそうですが、「主人公機の乗り換え」を前に、恋人の副主人公がティターンズとして登場します。彼(彼女)を主人公で説得することが大切です。恋人を説得した場合、ゲットできる機体はバイアラン。「Zガンダム」に登場した、変形せずに飛行できる珍しいMSですが、攻撃力不足がたまに傷。
そして、地上編最大の目玉であるギャリソン時田出撃! スパロボでの登場比率が高い割に、いささかイベントに乏しい感のあるダイターン3で、今後、定番となるイベントの初披露です。
なお、地上チームの構成は、ファを除くZガンダムチーム(いればルー・ルカ含む)、0080コンビ(いればケーラとかハサウェイも)、マジンガーチーム、ゲッターチーム、オーラバトラーチーム、ダイターン、コン・バトラー、ダイモスです。
カミーユとファを引き離すところが複雑な心境ですが、メタスの専属パイロットである以上は仕方ないのかな。宇宙のメタス&地上のダイアナンA、宇宙のブルーガー&地上のガルバーと、修理ユニットと補給ユニットの配属はしっかりできているわけですね。
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(5)グランゾンの謎〜特異点崩壊
宇宙と地上、それぞれの戦いを終えて、オーストラリアで合流したロンド・ベル隊。
そこに、サイバスターのマサキが出現する。彼は、今回の戦いの背後にシュウ・シラカワがいるらしい、という情報を告げる。
また、ハマーンの戦艦サダラーンも地上に降下してきた。彼女は、標的がティターンズにあることを告げ、ロンド・ベルとエゥーゴに休戦協定を申し込む。
ノイエDCとの休戦に同意したロンド・ベルは、DCやティターンズとの戦いに専念することにする。
DC(メガノイド)とポセイダル軍、バーム星人の結託を確信したロンド・ベルの前に、ついに黒幕であったゲストが出現、敵の実態が明らかになった。
一方、ティターンズが、ダカールの議会を占拠、ジャミトフが地球連邦の大統領になるべく動き出したことを知ったロンド・ベルは、エゥーゴやカラバと協力して、ジャミトフの野望を阻止に回る。その際、ティターンズとドレイク軍の結託も明らかになる。
ダカールでの戦いの終えて、ティターンズの権威を失墜させることに成功したロンド・ベルは、ガイゾックの非道を止めるために日本に向かう。人間爆弾という凶悪なテロ行為を繰り返したガイゾックは、ゲストの傭兵隊長ロフからも見捨てられ、ロンド・ベルとの戦いで壊滅するのだった。
早乙女研究所で、ゲッター線の暴走により生まれた真ゲッターや、いくつかの新兵器を入手したロンド・ベルは、シュウ・シラカワの呼び出しに応じ、新宿におもむく。そこでは、ゲストの指揮官ゼゼーナンや魔装機神のパイロットたちもまた、シュウの呼び出しを受けていた。
ゲストとロンド・ベル双方の前で、ゲストがグランゾンの中に仕込んだ特異点−−偶然の起こる確率を高め、地球圏に混乱を引き起こした元凶−−を解析した、と語るシュウ。ゴーショーグンのエネルギー源であるビムラーを利用して、特異点を正常に戻したシュウは、「地球を陥れるために自分を利用した」ゼゼーナンを許せない、と告げる。
地球人をサル呼ばわりし、平気で見下すことを辞さないゼゼーナンに対し、ロンド・ベルも話し合いの余地なしと判断した。撤退したゲストとの決着をつけるべく、ロンド・ベルは再び、部隊を二つに分けて、宇宙に向かうことにする。
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この10話弱のシナリオで、ストーリーが急展開します。
これまで、ティターンズに対して守勢に回ってきたロンド・ベルが攻勢に出、また表に出なかったゲストが本格的に出張ってくるなど、もつれていた糸がほどけていく展開。
それに応じて、味方のロボットも新しい武器が取り付けられるなど、強化されてきます。
スーパー系ではダイモスが、リアル系ではSガンダムが強化される他、コン・バトラー、ライディーン、ザンボットに強力な新武器が取り付けられて行きます。また、主人公メカにも「計都羅睺(けいとらごう)剣・暗剣殺」や「ブラックホールキャノン」といった最強武器が加わり、そしてゲッターロボが真ゲッターロボに進化するという大イベントが!
その後で、これまでのスパロボを総括する「大仕掛け」が、シュウの口から明かされ、いろいろなロボット世界を巻き込むような「偶然」が続発した理由が判明します。そして、ゲストの手で施された「仕掛け」が解消されることで、ロボット混載ワールドの生まれる必然性もなくなったわけですが……スパロボ世界を根底から支える「ソフト購入者(ゲストならぬお客さん)」は、なおも世界の維持を望んだみたいですね(笑)。いろいろなパラレルワールドで、ロボットたちはなおも戦い続けているのが現状だと……。
皮肉はさておき、この後は、ラストの戦いに向けて、物語が収束に向かいます。
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(6a)栄光の落日〜オルドナ・ポセイダル
ブライト率いるAチームは以下の構成。
アムロ、ジュドー、ファ、0083チーム、ダバたちエルガイムの面々、ザンボットチーム、ライディーン&コープランダー、グレートマジンガーチーム、グレンダイザー&ひかるさん、ヤンロン、テュッティ、その他MSパイロット数名。
Aチームは、まず、宇宙に向かうため、およびティターンズ&ドレイク軍との最後の決着のために、チベットのラサに向かう。そこで、激戦の後、肝心のジャミトフ・ハイマンがハマーン・カーンの手で暗殺されていることが判明。
地上の戦いを終えて、ティターンズの残したラー・カイラムで宇宙に出たAチームはラビアンローズに停留するが、そこへDCおよびポセイダル軍が襲撃してくる。その戦いの中、ダバは義妹クワサン・オリビィの救出に成功。クワサンに次いで、ギャブレット・ギャブレーも味方になる。
ギャブレーの情報から、ポセイダル軍が現在、ポセイダル派とギワザ派に分かれた内乱状態にあり、真正面から進めば、その双方を相手にすることになる。
警備の薄いつきの裏側ルートへ回るAチーム。しかし、そこではノイエDCの残党部隊が展開していた。戦闘の最中に、プルとプルツーが出現。彼女たちが、スィートウォーターのコロニーにノイエDCの旗頭のミネバ・ザビをかくまっていたのだ。
ミネバを取り戻すべく出現したハマーンをジュドーは説得する。「これ以上、無益な戦いを続けるな」と。ジュドーの純粋な心に打たれたハマーンは、ミネバを託すと姿を消した。
一方、スィートウォーターでミネバをかくまうのに協力したフル・フラットから、ダバは真のポセイダルがアマンダラ・カマンダラであることを聞かされる。
そして、月面上で、ついにポセイダルとの決着のときが来る。オージを駆るポセイダルの影武者ことミアンが倒れたあと、アマンダラの駆るブラッドテンプルが出現。激戦の中、ついにポセイダル軍は壊滅するのだった。
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じっさいのシナリオでは、AチームとBチームのストーリーが大体、代わりばんこに展開しますが、それだとストーリーが見えにくいので、各チームのストーリーを分けてみました。
Aチームは、Bチームに比べると、弱い印象があります。その理由は、オーラバトラーがないことと、強力な合体ロボットが少ないこと。それなのに、ティターンズやドレイク軍、ポセイダル軍との最終決着はAチームで着けなければいけないわけですねえ。初プレイの時は、非常に苦労した覚えがあります。はっきり言って、マジンガー系の装甲を鍛えてなかったり、マップ兵器を使いこなせなければ、終わります。
それにしても、一番、不満だったのは、ティターンズやドレイク軍との最終決戦に、当のカミーユや、ショウが別ルートに行っていること。ストーリー的に、何だか不可解なんですけどねえ。
ポセイダルとの決着は、ギャブレーの説得関係で3ルートにストーリーが分かれます。
まずは説得しなかった場合(以前に宇宙ルートに行ってないときは説得不可)、一番、難易度が高いです。
ギャブレーを説得した後、プルを仲間にして、ジュドーたちと一緒に行かないときは、ギワザ軍とポセイダル軍の戦いの現場に遭遇。「第4次」で唯一、三つ巴の戦いがあるシナリオです(第3次やEXでは、結構、三つ巴ってあったんだけど、最近、あまり見ないねえ)。
ジュドーたちと一緒に行けば、一番楽。シナリオは一つ増えるけど、ハマーンは説得すれば戦う必要もないし、その後、ポセイダル軍との決着は、仲間がほぼ片付けている。自分は、最後のポセイダル戦だけ、すればいいってもの。ついでに言えば、GP02のアトミックバズーカを使用可能にするためには、この一番楽なルートを通る必要がある。
そんな訳で、第4次初心者は、「宇宙ルートに進んで、クワサン説得」は必ずすること。ついでに言えば、シナリオ「ダカールの日」でブレックス准将が暗殺されていれば、なおよし(こうしないと、GP02は入手できない)。う〜ん、改めて考えると、「第4次」でのアトミックバズーカ使用フラグって複雑だったんですねえ。
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(6b)ゲストとインスペクター〜荒野の死闘
万丈率いるBチーム。
ダイターン、真ゲッター、マジンガーZチーム(なぜかマリアちゃんも引っ付いてくる。兄貴よりも甲児のほうが良いらしい)、コン・バトラーかダンクーガ(Sなら両方)、ダイモス、ゴーショーグン、オーラバトラーズ、Zガンダム、F91、マサキ、ミオ、その他MSパイロット(ごめん、バーニィとかクェスとか、どっちだったか忘れたの。ハサウェイとかカツとかサラとかは、Aチームみたいだけど)。
宇宙に飛び出した彼らは、まずノイエDCがゲストとの戦いで壊滅するところに遭遇する。エギーユ・デラーズが何故かクロスボーンの母艦ザムス・ガルに乗っていて(本当はグワデンの乗っているべきなのに)、ガトーとハマーンを逃がすために自爆するわけだ。
で、ゲストは次の標的をロンド・ベルに向ける。その戦いの最中に現れたのが、「第3次」で死んだはずのインスペクター・メキボス。全身をサイボーグ化して生きていたという設定(まるで、兜甲児の親父さんの剣造博士みたい)。
メキボスから「ゲストとインスペクター」の背景事情を聞いた万丈たち。いずれにせよ、ゲストの本拠地である火星には行かなければならない。長距離ブースターを手に入れるために、エゥーゴの拠点ロンデニオンに向かったBチーム。
ロンデニオンでは、暗黒大将軍率いるDC部隊が待ち構えていた(なぜ、ここに剣鉄也がいないんだ?)。さらに、なぜかDC部隊の中に、リューネのヴァルシオーネの姿がある。マサキのサイバスターが接触すると、「一緒にラ・ギアスを出たプレシア(マサキの義妹)がDCに捕まっている」とのこと。結局、その場はうまくDCの目をごまかして、プレシア救出に向かったマサキとリューネ。
プレシアを捕まえたのは、DCのカロッゾ・ロナだったが、シュウの配下の「紅蓮のサフィーネ」の思いがけない援護で、プレシアを救出し、カロッゾ駆るラフレシアの撃破に成功する(ここで、せめてシーブックも登場させて欲しかった)。
その後、火星に向かう途上のアクシズ前線基地で、ゲストの傭兵部隊が出現。メキボスの休戦勧告を聞き入れようとしない相手に、やむを得ず戦いを挑むロンド・ベル。結局、傭兵隊長ロフの死(第4次Sでは死を避ける方法もあるらしいが……)で、その場の戦いは集結する(どうして、ここに主人公がいないんだ?)。
そして、Aチームよりも一足早く、火星に到達したBチーム。その前に立ちはだかるのが、メガノイド率いるDCの本部隊。
「世のため、人のため、メガノイドの野望を打ち砕くダイターン3。この日輪の輝きを恐れぬならばかかって来い!」 万丈の名乗りとともに、激戦が開始される。
戦いの最中に駆けつけてきたAチームの援護もあって、戦いは優位に傾き、メガノイドのコロス、そしてドン・ザウサーを遂に撃破。ここにDCは壊滅するのだった。
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こちらのルートの敵は、強力なゲスト軍。
敵は手強いけど、こちらも強力なショウのオーラバトラーや、真ゲッター、マップ兵器の強いサイバスター、その他、多くのスーパーロボットがいるから、力技で結構、押していけます。
強大な敵に対して、マップ兵器という技を駆使しないといけないAチームに比べ、「力対力」で進めていけるこちらの方が、NOVAの性には合っていた感じ。
まあ、両方、プレイしないといけないんだけどさあ。
で、こちらのルートでの最大のトピックは、「宇宙の役立たず 闘将ダイモス!」だと思います。
宇宙で、必殺技の「烈風正拳突き」が出せないので、大きなマイナス要素。じっさいには、このBチームで宇宙戦なんて、わずか2シナリオしかないにも関わらず、ダイモスの評価は格下げになりました。まあ、ゲスト相手に苦戦するシナリオで、役に立てないってのは厳しい印象だったかも。
理屈の上では、「胸から竜巻を起こして、敵を空中に吹き飛ばして、落下したところに正拳突きをかます」なんて技が、真空・無重力の宇宙で使えないってのは分かるんだけど、TVでは使っていたぞ(笑)。まあ、そんなわけで不評を買ったのか、以降の作品では、ダイモスも宇宙で必殺技が出せるように改善されました。
しかし、「第4次S」以降、声の出るスパロボには今だ採用されません。カムバック・ダイモス!(2004年追記・第2次αでダイモス復活。続くMXでも登場し、得意の空手技を披露してくれるようになりました。何はともあれ、めでたいです)
それ以外のトピックとしては、やはり主役の万丈ですね。魂覚えます。今でも、第4次のダイターンは最強とされています。
他に、魂使えるスーパーロボットは、ゴーショーグンと、ダンクーガ(Sのみ)。はっきり言えば、Aチームよりも攻撃力が秀でています。Aチームは、魂持っているのは、モビルスーツ乗りか、ヘビーメタル乗りだけで、魂を持ったスーパーロボットが皆無なんです。まあ、主人公のグルンガストに魂持たせることは可能だけどさあ。
ついでに言えば、Aチームで仲間になるデンドロビウム。宇宙でしか使えない割に、宇宙マップが少ないんだよねえ。おまけに、ミノフスキークラフト付けても、「空Aにならず空D」だから、全然使えない。第3次に比べて、思いきり評価を下げました。はっきり言って、その役立たずぶりでは、ダイモスどころではありません。
「実力はあるのに扱いが不遇なユニット・ナンバー1」の称号は、デンドロビウムに決定です。
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(7)火星の決戦
長い戦いも、とうとう最終決戦になった。
合流したロンド・ベルの前に立ちはだかるゲストの本部隊。
再び現れたシュウ・シラカワのグランゾンも交えて、決戦が開始される。
戦いの最中に出現するバーム星人。司令官のリヒテルは、本当に倒すべき敵オルバン大元帥を撃破した後、自分のこれまでの過ちをつぐなうべく、ロンド・ベルの手で討たれる道を選ぶ。
ゲスト側では、ロフを失ったセティとゼブが、不毛な戦いに身を投じていた。
彼らを死に追いやったすべての元凶は、ゲストの司令官テイニクェット・ゼゼーナンのエゴであった。地球人を対等扱いできず、自分の過ちを指摘されても正せない男に、ロンド・ベルの最後の総攻撃が行われる。絶対的な力を持った強敵バランシュナイルを撃破するのは、「地球を守ろうとする一念で結ばれ、仲間たちとの信頼と友情の絆を育んできた熱いスーパーロボット魂」だった。
こうして、長い戦いに終止符が打たれた。地球とゲスト・インスペクターの間に、終戦協定が結ばれ、ロボットのパイロットたちは、それぞれの未来を勝ち得たのだった。
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最終決戦です。
バランシュナイルを倒すのが、ハッピーエンドですね。ちなみに、バランシュナイルのカラーリングは、第4次ではグリーンです。Fでは赤系統になっていますが。
で、バランシュナイルを倒せば、エンディングですので、リヒテルやセティ、ゼブを倒す必要はありません。彼らが生き残った世界での、その後の顛末を考えるのもいいでしょうね。ロフを失ったセティは不幸そうですが、ゼブが「いいお友達」として支えてあげるのでしょうかね。
まあ、その後の作品では、ロフとともに生き長らえることも可能になりましたが。
リヒテルがオルバン大元帥を倒した顛末は、わずかにセリフで語られるのみですが、そちらのストーリーは後の「COMPACT」で描かれています。リヒテルと、それからアイザムを自軍ユニットとして、オルバンと決戦を迎えるシナリオです。
ダイモスとダイターン、ダンクーガの、「第4次」で描かれなかった部分を描きなおしたのが、「COMPACT」と言えますね。まあ、ダンクーガについては「64」が一番、詳細に描かれているのですが。
あと、「第4次」の最大の魅力は、エンディングを迎えた後、「各キャラクターのその後」が示されている点。これは、スパロボファン必見です。誰がどのような未来を勝ち得たか、それを見るだけでも、今から「第4次」をプレイする動機として十分でしょう。
とりわけ嬉しかったのは、原作と違って、きちんと未来を勝ち得たザンボットチーム。
しかし、未来のないエンディングもあります。
それこそ「禁断の対グランゾン戦」。たとえ、強敵シュウに打ち勝ったとしても、「しなくてもいい戦いをわざわざ好んで行った、力におぼれた姿」は、メキボスの嫌悪を招き、ゲスト・インスペクターとの果てしない星間戦争に突入。
そして「第5次スーパーロボット大戦」が始まる……わけないか(苦笑)。
追記:その後、掲示板で、「第4次S」の方では「ロフを生き残らせたまま、エンディングを迎えることが可能」との情報を受け取りました。シナリオ「アクシズに散る」で、ロフを倒さずに、撤退するのを待つ、が条件みたいです。
情報、教えてくれた人(波羅唱さん、135さん)には、この場で感謝の意を表明します。
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【その3・登場ロボット編1につづく】
※1:年代の差異
ジオン公国は、宇宙世紀0079〜0080の一年戦争期に活躍。盟主は公王デギン・ソド・ザビ、総帥ギレン・ザビを始めとするザビ家の面々。
デラーズ・フリートは、宇宙世紀0083に活躍。ギレン派のエギーユ・デラーズが、ジオンの再興を期して、旗揚げした。
ティターンズは、デラーズ・フリートの反乱を期に、地球連邦内の国粋主義者ジャミトフ・ハイマンが立ち上げた組織。デラーズ・フリートが壊滅した後、0083末に結成。行き過ぎたスペースノイドの弾圧が、結果的に同じ連邦内部にエゥーゴ(反地球連邦政府運動)を呼び起こし、グリプス戦争の原因となる。結局、地球圏に帰還したアクシズも含めた3つ巴の抗争によって、0088年壊滅(『Zガンダム』の物語)。
そのアクシズは、一年戦争が終わるころに、火星と木星の間の小惑星群帯に逃亡したジオンの末流。ドズル・ザビの娘ミネバを擁するハマーン・カーンが実質的な盟主。デラーズの立ち上げを支援した後、0087年に地球圏に帰還。ティターンズとエゥーゴの争いに干渉し、ティターンズを壊滅させたエゥーゴの疲弊を見計らって、ネオジオンと名乗る。しかし、内部分裂と、エゥーゴの少数精鋭の部隊(ガンダムチーム)の奇襲攻撃で、盟主のハマーンが討たれたことにより、0089年壊滅。
なお、0093年は、シャアの率いるネオジオンが反乱を起こすが、その勢力は「第4次」では登場していない。しかし、主人公側のロンド・ベルの名は、「スパロボ」では一番多く用いられている自軍組織の名称である。
F91の敵となるクロスボーン・バンガードは、「シャアの反乱」後、30年を経た宇宙世紀0123年、フロンティアサイドを襲撃。「コスモ貴族主義」を唱える彼らは、もはや「ジオン」とは何の関わりもない組織である。
まあ、はっきり言って、年代的にはバラバラの組織であるが、「第4次」では、それを上手くまとめたものと感心させられる。
※2:ブライト持ち前の現地兵採用能力
「機動戦士ガンダム」の母艦ホワイトベースは、サイド7のジオン襲撃以来、パイロットや操舵手、通信士など、生粋の軍人でない避難民上がりの少年少女ばかりで運用されていた。
ホワイトベースのメインスタッフで、軍事訓練を受けていたのは、士官候補生のブライト・ノア、パイロット候補生のリュウ・ホセイ、オペレーターのオスカ・ダブリン&マーカー・クランのみだと思われる。便利屋ジョブ・ジョンやオムル(メインはメカニック)なども、もしかすると軍事訓練を受けていたかもしれないが、エースパイロットのアムロや、カイ、ハヤト、操舵手のミライ、通信担当のセイラ、フラウなど、要所要所の担当は現地徴用兵が中心であった。
はっきり言って、ブライトの頭痛の種は、軍事的な作戦行動もさることながら、軍人教育を受けていない我がままな連中をまとめ上げていくことであったろう。
「Zガンダム」では、割と軍隊として機能していた感の強いアーガマであったが、続編の「ガンダムZZ」では、ブライトの臨機応変な現地兵採用能力がフルに発揮される。
それはジュドー・アーシタを初めとするシャングリラ・チルドレンの能力をいち早く見抜き、巧みにおだて上げ、ネオ・ジオンとの戦いに対する主戦力として鍛え上げたことで証明されている。
民間人を中心にした部隊を編成し、高い戦力として運用していく手腕において、ブライトの能力は数多いロボット番組の指揮官の中でも群を抜いていると言える。
※3:母艦の乗り換え
母艦が最初に登場した「第2次」より、母艦の乗り換えは、ロンド・ベル隊の定例行事である。
当初は、「ホワイトベース→アーガマ→ネェル・アーガマ→ラー・カイラム」というパターンが定着していた。なお原作では、このうちネェル・アーガマだけはブライトが艦長を務めていない(ブライトはガンダムチームが活動しやすいよう、エゥーゴや地球連邦上層部との交渉窓口役というバックアップ任務に就いた。艦長はシャングリラ・チルドレンのリーダー格を自認するビーチャ・オレーグに託された。将来のスパロボで、ビーチャ艦長というのも見てみたい)。
「第4次」においては、「0080」のトロイホース(グレイファントムという呼称もある)がホワイトベースの代わりとなる。
Vガンダムが登場する「第2次G」「新」「α」では、最新艦の「リーンホースJr」も登場するが、「第2次G」を除けば、ラー・カイラムに劣る性能となっており、ブライトは最終的にラー・カイラムに乗っている。
リーンホースJrの原型である「リーンホース」は元々、地球連邦のクラップ級巡洋艦であり、ラー・カイラムに性能が劣るのは確かであるが、ビームラムによる突撃という他にない性能を持っており、非常に個性的である。これは、リーンホースJrが大破した「リーンホース」と拿捕したベスパの大型戦艦「スクイードT」を融合させた現場急造の艦であり、メカニックの実験の産物的な色合いが強いためと見なされる。
なお、「0083」の母艦「アルビオン」は、「64」に登場している。「64」でのブライト艦の経緯は、「ミデア→アウドムラ→アルビオン→アーガマ→ネェル・アーガマ→ラー・カイラム」と他に類を見ないパターンになっている。